一周サイクリングの通称「◯◯イチ」は地方に多いイメージがあるが、関東圏のサイクリストには、都心を経由して東京湾を一周する「ワンイチ」がよく知られている。

ただ、やってみた人は意外に少ない印象。

まあ、ずっと町中を走るだけだし、わざわざやらんでも…という気持ちもあるのかもしれない(笑)。

自分も10年以上サイクリングをやっているが、ワンイチは無縁だった。今回、190kmのルートを実際に走行してみたので、レポートしてみよう。



目次


ワンイチとは?

公式ルートはなく、とにかく東京湾を1周したらOK。スタートとゴールもどこでもよい。なので、お住まいの場所から始めればOK。

ちなみに自分は日本橋スタートとした。なんとなく、旅は東海道の起点である日本橋から始まるイメージがあるせいだ。

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千葉と神奈川はフェリーで久里浜〜金谷港を移動するので、その間は休憩が取れる。

距離は190km。
噂には200kmと聞いていたが、実際はちょっと短め。

なんとなく切りが悪いのだが、久里浜港~金谷港が12キロあって、足すとほぼ200kmとなるので良しとする(笑)。

獲得標高は、調べたら574mだそうな。基本的にはフラットなので、淡々と走れる区間が多い。

時計回りか、反時計回りかでいうと、ルールはないが「反時計回り」がメジャーらしい。

日本橋→品川(7.5km)

国道15号(第一京浜)を走る。交通量は多いが、平坦で路面もきれいだ。ただし、都心なのでストップ&ゴーはしょっちゅう。我慢して走ろう。

見どころ!

■「高輪大木戸跡(たかなわおおきどあと)
江戸の入り口であるため高輪は大木戸と呼ばれ、旅人が旅装を整えたり、送り迎えされるのもここまでだった。第一京浜の線路側に石垣が残されている。

■泉岳寺の「赤穂義士墓地
言わずと知れた忠臣蔵の聖地。赤穂浪士と浅野 内匠頭(あさの たくみのかみ)が葬られていることで有名だ。ちょっと前から参拝客から金を取るようになったのが残念。

品川→川崎(13.5km)

平坦のままなのだが、路面はやや荒れはじめる。個人的には大田区は走りにくくて好きではない。なるべく走りたくない箇所で、通常は輪行で通過している。

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多摩川に掛かる橋は自転車で通過できないため、一旦河川敷から橋の歩道に出る必要がある。

見どころ!

べつにない…多摩川はきれいで広々している。

川崎→横浜(11km)

相変わらず交通量は多い。路面は大田区よりはベターな印象。品川から横浜までの30キロちょいにアップダウンはほぼなく、疲れずに到着できる。ただ、時期によっては終始向かい風…となることはある。

見どころ!

生麦事件碑
1862年、薩摩藩島津久光の大名行列に押し入ってしまったイギリス人商人らが切りつけられた生麦事件の発生現場。首都高速神奈川7号横浜北線の真下にあって、ものすごく目立たないので、通過してしまいがち。

みなとみらい&横浜赤レンガ倉庫&中華街 定番の横浜観光地だが、ランチにはまだ早い。早朝に出発すれば、この辺でお茶をするのもいいかもしれない。

横浜→横須賀(24km)

国道16号線で横須賀へ向かう。相変わらず交通量は多い。というか、ワンイチは千葉の一部区間を除いて常時クルマだらけだ。

山下公園方面へ向かって本牧へ行くとやや遠回りになる。関内を抜けて、国道16号線に入るほうが距離は短い。が、誤差の範囲なのでお好みで。

追浜(おっぱま)を過ぎたあたりから小刻みなトンネルが連続するので、ライトは必須だ。

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見どころ!

ヴェルニー公園
公園の対岸にフランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した旧横須賀製鉄所が臨める、フランス庭園様式を取り入れた公園。海上自衛隊やアメリカ海軍の船、潜水艦も見物できる。スターバックスもあるので、ここでの休憩もアリ。

横須賀→久里浜港(11km)

国道16号線→134号線で久里浜港へ向かう。
ようやく都心の喧騒が薄まり、ちょっとリラックスして走れる。

見どころ!

とくになし

久里浜港→金谷港(12km)

フェリーの乗船時間は40分。ランチは船内で済ませると時間短縮できる。ただ、船内ではホットスナック、おにぎり、お菓子程度しかないので、乗り場近くのファミマを利用しよう。

注意点として、平日は1時間に1本しか出ていないこともあって、逃すとかなり待たされることになる。事前にダイヤは確認しておきたい。

バイクは輪行袋に入れれば無料になるが、時間が押していればそのまま積むのをオススメする(自転車用に片道600円の運賃は発生する)。



金谷港→木更津(31km)

国道127号線を北へひた走る。金谷から竹岡、上総湊までは左手に海が見えて、しかも路面はきれいで走りやすく、交通量はぐっと減る。適度なアップダウンはアウターのみで走れて、心地よい。

佐貫町からは海側ルートが内陸ルートかで迷うところだが、寒かったのでショートカットできる内陸側を選択した。

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見どころ!

海景色がきれい。
時間帯によっては夕日も映える。

木更津→市原(24km)

国道16号線を北上する。臨海工業地帯の石油化学コンビナート群が「いつまであるんや…」とうんざりするほど続く。無心で走ろう。

直線基調で信号が少ないのでめちゃんこ走りやすい代わりに、車もどえらいスピードで通過していくのでちょっと怖い。土地柄、大型トレーラーが多いので注意されたし。

なお、コンビニや飲食店はほぼないので、補給はしにくいエリアである。

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※こんなかんじで枝が思い切り道路側に飛び出している

見どころ!

とくになし

市原→千葉(12km)

ここも相変わらず直線基調なので車が速い!信号が少なく、速いペースで走れるのはいいのだが、緊張感が続いて気が休まらない。

見どころ!

とくになし

千葉→船橋(17km)

国道14号を走る。ゴチャゴチャしてて走りやすいとは言えないが、あ~都心に戻ってきた~という気持ちになり、なんかちょっとホッとする。

見どころ!

とくになし

船橋→市川(9km)

同じく国道14号を走る。浦安方面の湾岸エリアは自転車では走りにくいので、内陸を選択するのがオススメ。

見どころ!

とくになし

市川→日本橋(18km)

江戸川を越えたら都内に入る。荒川を越え、亀戸→錦糸町→両国…と来たらゴールはもうすぐだ。

見どころ!

スカイツリーが見えるっちゃ見える。
疲れているだろうし、立ち寄る気は薄れているだろうが(笑)。

時間配分に不安な人は1泊してもいいかも

ワンイチは基本は1日で走るコースなのだが、冬場で出発時間が遅い場合、臨海工業地帯で日が暮れることになる。

路面に深い亀裂があったり、轍が連続したりする箇所もわりとあって、夜間に走るのはまったくオススメしない。

自分が走ったとき(日中)は、なぜか電気釜とかデカ目の電子部品等の粗大ごみが路面にばらまかれていた。

誰がなぜ…と思ったと同時に、夜に乗り上げたら確実に落車だ、と背筋が寒くなった。夜間走行は避けるのが賢明だと思う。

宿泊するなら木更津で

1日で走る人が多いと思うが、観光気分で立ち寄りながらの1泊旅にしてもよい。
個人的には、ルートイン木更津がオススメである。

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隣にセブンイレブンあり、向かいにはTSUTAYA。そしてスシローと銚子丸がある。
銚子丸が圧倒的にオススメ。

達成感はあるが、もう1回はしないかな

事実として「やった感」はある。どんな◯◯イチであっても、やれば楽しいものだ。

でも、2度目はないかも…。

と、書いておきながら何だが、1回試してみる価値はある。なぜなら、人に「ワンイチやったことあるよ」って言えるから(笑)。


以上、ワンイチのレポートでした。


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