プロスポーツの世界は一般人はなかなか覗き見ることができない。ロードレースも同じ。ワールドチームならなおさらだろう。
Global Cycling NetworkのOliver Bridgewood(通称Ollie)さんがAG2R La Mondialeのチームのスペインキャンプに密着し、トレーニングもいっしょにやってみた動画を視聴してみたが、なかなか興味深かった。
◇ A Day In The Life Of A Pro Cyclist with AG2R La Mondiale
AG2R・ラ・モンディアル(アージェードゥーゼル・ラ・モンディアル(AG2R La Mondiale)はフランスに本拠地を置くUCIワールドチームで、バイクはエディ・メルクス。
チームジャージは「集団の中で簡単に認識でき、ファンから好かれている」という理由で2019シーズンと同じデザイン。たしかにぱっと見で認識しやすい気がする。
・AG2R La Mondiale選手一覧
・公式サイト(フランス語)
・公式ツイッター (フランス語) @AG2RLMCyclisme ※フォロワーは10万ちょい
・公式インスタグラム ※フォロワーは15万弱
※オートミール
※焼いたトマト、美味しそう
Ollieさんに、スポンサーであるマビックがPINARELLOを貸してくれた(ドグマのF12)。ホイールはマビックのコズミックアルティメット(チューブラー)でカーボンスポークのリムハイト40ミリ。かなり硬めのホイールで重さは1200gほど。
AG2R・ラ・モンディアルのバイクはチームバイクであるエディ・メルクス(Eddy Merckx)に乗る。余談だが、AG2R La Mondialeの選手は9割のステージで40ミリハイトのホイールを使い、フラットステージでは60ミリを使うそうだ。なお、タイヤはビットリアのコルサ。
スタートはスペイン東部の altea(アルテア)からColl de Ratesを目指すのだが、この湾岸エリアはプロチームが好んでキャンプ地に選ぶヒルクライム場所である。
トレーニング内容は日によって変わるが、この日は「ケイデンス低めでパワー系」。選手にとってはリズムよく登るだけでもOllieさんはフルパワーでないとついていけない様子。序盤からめちゃくちゃきつそう。
3時間まではなんとか遅れながらもついていけたものの、3時間半経過した時点で完全にちぎれてしまったので、ホテルに車で帰る結果に…。お疲れ様でした……自分だったら10分もついていけなかったはず。
再びホテルのビュッフェで何でもえらべるが、選手らが食べるのは主にタンパク質(肉と魚)、炭水化物もたくさん食べる(米が人気)。
1回のトレーニングで3500~4000キロカロリー消費するので、しっかり栄養源を補給しないといけない。野菜ももちろんたくさん摂る。
ケーキやプリンが置かれてはいるが、選手らはそれは口にせず、代わりに選手用に設けられたデザートゾーンがある。内容は「プロテイン入りの無脂肪ヨーグルト、ドライフルーツ、ナッツ類」とやや寂しい。
※一般客用のデザート
※選手用のデザート(格差よ…)
ちなみに、彼は2019ツール・ド・フランス最終日にEddy MerckxのMyCorsa プロジェクトのステンレスバイク で走っていたので、記憶している人も多いかも。
Q:「5~6時間のトレーニングライドはまあまあヘビーなほう?それともノーマル?」
Q:「トレーニング終盤にスクーターの後ろについてスピードを上げて走っていたけどどうして?」
Q:「それはなんの目的で、どんな効果があるの?」
Q:「君はクラシックレースのスペシャリストだけど、他の選手となにか違うメニューをすることはあるの?」
Q:「今日のようなややハードな練習の後はどれくらい寝る?」
Q:「休憩時間はなにをして過ごす?」
朝7時にストレッチ&筋トレセッションがあると考えると、9時間の睡眠時間を確保するには21時半に就寝、6時半に起床ってかんじになるかなと。10時間寝るなら夕飯終了直後にベッドに入らねばならない。わりと慌ただしそうだ。かなり早い就寝時間だが、それくらい寝ないと体が持たないのだろう。
フランスチームの特徴として、文化的な要因だと思うが夕飯がわりと遅め。他の国だと18時くらいのことが多いそうだ。
調べたところ、フランスは残業が少なく、18時には仕事を終えて帰宅するお国柄らしい。じゃあすぐ夕飯にすればいいじゃないかと思ってしまうが、彼らには「食前酒」という文化があり、まずお酒を楽しむそうな。その後に夕飯の準備を始めるので、自ずと20時以からの夕飯になる。
選手は酒は飲まない代わりに、夕方から夜にかけてしっかりとリカバリーの時間に充てているのだろう。
プロ選手は華やかな世界に見えるが、それは表面上のもので、大半の時間をハードなトレーニング、回復、どちらかというと味気ない食事…のルーティンを回し続けるタフな生活として送る。決してロックンロール(好き勝手に楽しむ)な人生の過ごし方ではないことがよくわかった。レース観戦よりも、個人的にはこういうBehind the scene 的な動画が好きなのでとても興味深いコンテンツだった。
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Global Cycling NetworkのOliver Bridgewood(通称Ollie)さんがAG2R La Mondialeのチームのスペインキャンプに密着し、トレーニングもいっしょにやってみた動画を視聴してみたが、なかなか興味深かった。
◇ A Day In The Life Of A Pro Cyclist with AG2R La Mondiale
AG2R・ラ・モンディアル(アージェードゥーゼル・ラ・モンディアル(AG2R La Mondiale)はフランスに本拠地を置くUCIワールドチームで、バイクはエディ・メルクス。
チームジャージは「集団の中で簡単に認識でき、ファンから好かれている」という理由で2019シーズンと同じデザイン。たしかにぱっと見で認識しやすい気がする。
・AG2R La Mondiale選手一覧
・公式サイト(フランス語)
・公式ツイッター (フランス語) @AG2RLMCyclisme ※フォロワーは10万ちょい
・公式インスタグラム ※フォロワーは15万弱
7時:ストレッチと軽い筋トレ、ヨガ
起床直後に朝飯…ではなく、身体に刺激を与えるのが先。ストレッチやヨガをメインに軽めの筋トレをこなす。8時:朝食
ホテルのビュッフェを利用するのだが、バター油脂の多いパン類ではなく、オートミールで炭水化物を摂り、ドライフルーツ、ミューズリー、ナッツとを混ぜたヨーグルト、オムレツ(焼いたトマトも)、コーヒー、果物……といったいったメニュー。グルテン、炭水化物をたくさん摂取し、脂肪分をほぼとらないそうな。※オートミール
※焼いたトマト、美味しそう
9時半:チームのブリーフィング
トレーニングの内容、指示を受ける時間。この日は5時間のトレーニングライドである。プロのスピードにはたしてOllieさんがついていけるのか?というか、そもそもついていけるとは思ってないっぽい(当然だが)。Ollieさんに、スポンサーであるマビックがPINARELLOを貸してくれた(ドグマのF12)。ホイールはマビックのコズミックアルティメット(チューブラー)でカーボンスポークのリムハイト40ミリ。かなり硬めのホイールで重さは1200gほど。
AG2R・ラ・モンディアルのバイクはチームバイクであるエディ・メルクス(Eddy Merckx)に乗る。余談だが、AG2R La Mondialeの選手は9割のステージで40ミリハイトのホイールを使い、フラットステージでは60ミリを使うそうだ。なお、タイヤはビットリアのコルサ。
10時20分:トレーニング出発
トレーニングコースは160キロ(獲得標高は4000メートル以上)。これを5時間で走るのか…。途中で休憩を入れていたので、仮に20分だったとすると、2時間20分で80キロ走ることになる。つまり、70分で40キロ。時速換算すると平均34~35キロペースで走ることになる。フラットではなく、山岳コースでこれをこなすとは、化け物以外の何者でもない…。スタートはスペイン東部の altea(アルテア)からColl de Ratesを目指すのだが、この湾岸エリアはプロチームが好んでキャンプ地に選ぶヒルクライム場所である。
トレーニング内容は日によって変わるが、この日は「ケイデンス低めでパワー系」。選手にとってはリズムよく登るだけでもOllieさんはフルパワーでないとついていけない様子。序盤からめちゃくちゃきつそう。
3時間まではなんとか遅れながらもついていけたものの、3時間半経過した時点で完全にちぎれてしまったので、ホテルに車で帰る結果に…。お疲れ様でした……自分だったら10分もついていけなかったはず。
15時 トレーニング終了&ランチ
10時20分出発で15時00分ランチだと4時間40分なのだが、どれだけの時間で160キロ走り切ったのかについては触れられていなかった。再びホテルのビュッフェで何でもえらべるが、選手らが食べるのは主にタンパク質(肉と魚)、炭水化物もたくさん食べる(米が人気)。
1回のトレーニングで3500~4000キロカロリー消費するので、しっかり栄養源を補給しないといけない。野菜ももちろんたくさん摂る。
ケーキやプリンが置かれてはいるが、選手らはそれは口にせず、代わりに選手用に設けられたデザートゾーンがある。内容は「プロテイン入りの無脂肪ヨーグルト、ドライフルーツ、ナッツ類」とやや寂しい。
※一般客用のデザート
※選手用のデザート(格差よ…)
17時 マッサージとリラックスタイム
選手らが休憩する間にメカニックがバイクの整備をする。その合間を利用して、オリバー・ナーセン(Oliver Naesen)選手へのインタビュー。- 生年月日:1990年9月16日 (29歳)
- 国籍:ベルギー
- 身長と体重:72 kg&1.84 m
ちなみに、彼は2019ツール・ド・フランス最終日にEddy MerckxのMyCorsa プロジェクトのステンレスバイク で走っていたので、記憶している人も多いかも。
Q:「5~6時間のトレーニングライドはまあまあヘビーなほう?それともノーマル?」
「まあまあキツいトレーニングだね。冬の期間のトレーニングは1週間で20~30時間しか走らないので1日5時間は多いほう」
Q:「トレーニング終盤にスクーターの後ろについてスピードを上げて走っていたけどどうして?」
「チームが2台レンタルしてて、毎回2名が選ばれてそれをするんだ」
Q:「それはなんの目的で、どんな効果があるの?」
「登りばかりのトレーニングだと、ケイデンス低めでパワーしか出さないよね?そういうときはあえてケイデンスを上げて脚をまわしておきたくなるんだ。トレーニングにはバラエティが重要で、もちろん何が正解なんて言えないけど、登り、スプリント…一つのことしかしないのはトレーニングとして相応しくない」
Q:「君はクラシックレースのスペシャリストだけど、他の選手となにか違うメニューをすることはあるの?」
「持久力も必要だし、パンチャーの要素も必要。スプリンターとステージレーサーの間のかんじ。強度高めのトレーニングもするし、持久力系のもする。クラシックスペシャリストはスプリンターとクライマーのハイブリッドのようなものかな」
Q:「今日のようなややハードな練習の後はどれくらい寝る?」
「部屋をシェアするルームメイトが誰かにもよるけど(笑)、9~10時間は寝るようにしているね」
Q:「休憩時間はなにをして過ごす?」
「チームでのトレーニング期間中はもっぱらマッサージとか整骨とか受けるけど、ソロトレーニングだとすごく暇なのでラップトップでGlobal Cycling Networkを見るくらいかな(笑)」
朝7時にストレッチ&筋トレセッションがあると考えると、9時間の睡眠時間を確保するには21時半に就寝、6時半に起床ってかんじになるかなと。10時間寝るなら夕飯終了直後にベッドに入らねばならない。わりと慌ただしそうだ。かなり早い就寝時間だが、それくらい寝ないと体が持たないのだろう。
20時 夕飯&リカバリー
ランチとほぼ同じメニュー。翌日のトレーニングに備えてしっかりエネルギーを貯め、回復に備える。フランスチームの特徴として、文化的な要因だと思うが夕飯がわりと遅め。他の国だと18時くらいのことが多いそうだ。
調べたところ、フランスは残業が少なく、18時には仕事を終えて帰宅するお国柄らしい。じゃあすぐ夕飯にすればいいじゃないかと思ってしまうが、彼らには「食前酒」という文化があり、まずお酒を楽しむそうな。その後に夕飯の準備を始めるので、自ずと20時以からの夕飯になる。
選手は酒は飲まない代わりに、夕方から夜にかけてしっかりとリカバリーの時間に充てているのだろう。
プロ選手は華やかな世界に見えるが、それは表面上のもので、大半の時間をハードなトレーニング、回復、どちらかというと味気ない食事…のルーティンを回し続けるタフな生活として送る。決してロックンロール(好き勝手に楽しむ)な人生の過ごし方ではないことがよくわかった。レース観戦よりも、個人的にはこういうBehind the scene 的な動画が好きなのでとても興味深いコンテンツだった。
ツイッターはこちら
★You Tubeチャンネルもやってます
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