新潟県の越後妻有で開催されたヒルクライム系ロングライドイベント、『ツールド妻有2018』に参加してきました。後編の今回は当日の様子をメインにお届けします。

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/いったん仲間と離ればなれになると、見つけるのは至難の業(笑)\

目次


ツールド妻有2018!:起床と準備

朝起きると同時に空をチェック。青空が見える!昨夜時点では曇り一時雨の予報だったが、風が強かったせいか、雨雲がきれいに吹き飛んでくれたようだ。よかった。

スタート会場が目と鼻なので時間に余裕がある。ということで朝風呂に入り、パンとおにぎりで朝食をとる。前泊系イベントでは、なるべく会場に近い宿を抑えるのがセオリーだが、宿は近い順に埋まって行くものである。半年前に予約してくれた先輩ローディに感謝。

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/雲が近い\

ツールド妻有2018!: スタート地点へ移動

すでに200名ほど並んでいらっしゃる。ツールド妻有は120キロ、 90キロ、 70キロの3パターンあって、120キロからスタートしていくシステム。

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コースプロファイルは従来とほぼ同じらしく、地図に既視感がある。3回目なのでコースはほぼ頭に入っているわけですね。どこで斜度がきつくなる、あそこで休めるって情報が事前にインプットされているのってむちゃくちゃ安心感につながる。なので、予備知識なしの初回は精神的にすごくキツかった…。(坂がいつ終わるかわからないと、心がマジで折れます)

主催者挨拶があり、記念撮影をしてすぐにスタート。

エイドステーションの食材が売り切れる事態が

序盤は坂はほぼ無く、淡々と進む。5キロ過ぎたくらいから徐々に山に入っていくのだが、この辺は筋肉を使わずケイデンス重視で登る。先はまだ長い。

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/少年もがんばっている(*^^*)\


14キロ地点くらいで最初のエイドステーション。ここで異常事態発生。なんと、バナナが底を尽きてしまったらしく、食べられない人が続出。自分がもしもし食べている時に「バナナがもうないんですーごめんなさいー」「えぇーー」って悲鳴があちこちから聞こえてきた。

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10回以上の開催経験があって、参加者数は通常通りなのに補給食がいきなり不足するとは一体どういうことなのだろう?そういえば、前回はバナナ以外にグレープフルーツやオレンジもあった記憶がある。今回はバナナと水だけだった。もしかすると、何かの事情で十分な量を確保できなかったのかもしれない。

「もしや、今後のエイドでこれが繰り返されるのではあるまいか…」と少し不安になり、休みは最小限にしてテンポよく先を急ぐことにした。
※なお、その後、補給食切れは他のステーションでは一切起きてはいなかった 

ガリガリ君峠で食べるガリガリ君は今年一番美味いアイスだった

ツールド妻有は登りと下りしかない。誇張では無く、本当にアップダウンがひたすら繰り返される。登りがあるということは、必ず下りがあるということで、それはそれは長くて景色の良いダウンヒルを楽しむこともできる。

まあ、下りを快適に疾走しつつも、「どうせすぐに登りが始まるんだけど…」って冷静な自分もいたりするのだが(笑)。

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ちなみに自分は、かなりの巡航速度が出てしまう場面でも、絶対にトレインを組むとか、前走者を風よけには利用しない。意思疎通が取れていないので危険ってこともあるし、路面が荒れている場所もそこそこある。路面は目視で常に視野に入れておきたいので、常にソロで走るか、前走者と自分の間に10メートルほどのマージンを確保するよう心がけている。
※コースプロファイルは覚えていても、路面状況は流石に忘れているので…

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/記念撮影しながら進みます\


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/お漬物おいしい\

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/パエリアおいしい\

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/おにぎり何個でも食べれちゃう\


で、ツールド妻有参加者にはお馴染みのガリガリ君峠を登る。ここはストレートの登りで下からゴールが見えるのが特徴。直線登坂って「あそこまで行かなくちゃダメなの…」と、けっこうメンタルに来るせいか、ここで足をついてしまう人もチラホラ。

しかし、登り切った後には美味しいガリガリ君(ソーダ味)が配布される。これのうまいことと言ったら…2018年に食べたアイスで一番おいしかった。
※当たりが出たらもう一本もらえます

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食べたらあまりゆっくりはせず、サッサと出発する。

ツールド妻有のランチの定番、お蕎麦とおにぎりが超絶美味しい

ランチ会場に着くと、すでに先行者でごった返している。1000人もの参加者がいると、配布だけでもかなりの重労働…ボランティアの皆様には頭が下がる。小さな子供まで手伝っているのを見ると微笑ましい。

ここでおにぎり、唐揚げ、漬物、そして冷えた蕎麦をいただく。この蕎麦がなんとも独特の薬味(記憶が曖昧だが、ネギ、生姜、ミョウガとか…あとはゴマ、ワサビ)が絶妙な風味を醸していて、そして蕎麦単体も野趣あふれる味で凄く美味。もう丼一杯食べたい気分。さすが専門のお蕎麦屋さんが出張してくれているだけある。ここの蕎麦は毎回楽しみにしている一品。

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/まったく写真映えしないが、マジで旨い\

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/最後の一行がジワる(笑)\

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ただ、ものすごい数の参加者が密集しているのであまりゆっくりする訳にもいかず、これまた食べ終わったら即出発。すでに75キロほど走っているのだが、じんわりと疲労を感じ始めるのがこの地点でもある。

ツールド妻有での一番の難所(だと思ってる)を歯を食いしばって登る

疲労も溜まってきているせいか、80キロを超えたあたりでペースがやや落ちる。まあ、競争ではないのでマイペースで進めば良い。

序盤はケイデンス中心で登れていたが、疲れてくるとケイデンスもへったくれもなくなり、うんしょこらしょとペダルを踏むしかない。数カ所のエイドを過ぎ、100キロを超えたあたりで憂鬱な気分になってくる。最大の難所が控えているからだ…。

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ダラダラと数キロに渡って地味にきつい坂を登り終わり、ホッと息をついているとコイツが現れる。段々畑の間をうねるように続く道がなかなか終わらない。それどころかどんどん斜度が増していく。一番軽いギア(34ー28T)でダンシングし続けて心臓が口から飛び出すんではないかって限界になったあたりでようやく坂が終わる。

ここはかなり苦しいポイントなので、足をついてしまう人も若干いらっしゃる様子。自分も初参加のときは堪えきれずに足をついてしまった苦い記憶がある。

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苦しんだ代わりに、坂の上から見下ろす風景は堪らない。あと、3度目の参加にして初めて峠の上のカレーを食べることができた。このカレーはカマドで炊いた地元のコシヒカリと手作りの野菜カレーなのだが、米の炊き上がる時間ぴったりに底を通過しないと味わえない幻のカレーなのだ。

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/夏野菜たっぷり\

なんせ、大人気なのでモノの5分で完売してしまう。今回は運良く登頂と米の炊きあがりが同時だったので、列に並んで頂戴できた。声が出ない旨さである…。

ツールド妻有2018ではパンクが多発した様子

この地点でたしか113キロほど。ということは残り10キロである。登りはほぼなく、ゆるゆるしたアップダウンを繰り返せばゴール。ここまでくればあとは一息。
※実際のコースは120キロではなく、123キロある

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そういえば、今回はいつも以上にパンクが多かった印象で、かなりの数の人が修理していた。前日の雨のせいもあったのかもしれない。中にはミニポンプを携行していない人もいたようで、ポンプを主催者から借りていたりも。都合よくヘルプが入るとは限らないので、バイクにミニポンプはくくりつけておきたいところである。

ツールド妻有2018では、大きな落車事故はなかったっぽい

自分が見た範囲&仲間から聞いた話では、大きな落車事故はなかったようだ。救急車のサイレンも聞こえなかったし、ポイントポイントで誘導している係員の方々が対応に追われている様子も伺えなかったのはよかった。

路面がほぼドライだったのも影響しているかもしれない。これが雨天走行だったら、もしくは濡れた状態でのイベントだったら、落車は増えていた可能性が高い。

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沿道の越後妻有の皆様の応援と声援が身に染みるように嬉しい

ツールド妻有を支えてくれるのは、地元のボランティアさんらだけではなく、沿道で声援を送ってくれるお爺さん&お婆さん&子供達も含まれる。

手を振ってくれたり、「いってらっしゃーーーい!」「気をつけてーーーー」と声をかけてくださる方々が大勢いらっしゃって、それがすごく力になる。たまに「ほらほら、もっとがんばらんかーい!」とうちわでお尻を叩いてくれる激しめの応援もあるが、それはそれで実に微笑ましい。

「ガジェットさんですか?いつも読んでます」の声かけが嬉しかったです

イベント中、宿、スタート地点で何人もの方からお声がけいただきました。「サイクルガジェットを読んで、それキッカケでロードを始めたんです」って声も数名からいただけました。「どこかの誰かのお役に立てた…」と純粋に嬉しく、励みになります。もっともっと頑張ろうと思います。

ただ、お声をかけてくださったのは全員30~40代(推定)男性でした。若い女性からも声をかけられるよう精進します!(何を)。

123キロ、ツールド妻有2018を無事完走

ゴールと同時にヘロヘロと座り込み、豚汁をいただく。栄養を体に染み渡らせるようにゆっくり食べる。おいしいです…。

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/ゴール!\

仲間と合流して宿に戻ってさっそく温泉に飛び込む。この瞬間のために今日1日頑張ったんだと思える瞬間だ。うーーむ、天国。

部屋でゴロゴロ休んで、夜に十日町市まで車で移動して焼肉を食べ、その日の晩はあっという間に就寝。翌日も朝風呂に入り、ダンボール荷物を宿から宅急便で自宅に発送する。(お土産も押し込んで荷物を減らします)

ミオンなかさとから十日町駅まで11キロほど自走。越後湯沢駅まで行き、そこから新幹線で大宮まで戻る。いやー、車を運転しないでいいって本当に楽チンですね。

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ということで、3度目のツールド妻有も無事完了。汚れたBOMAくんを物干し台に引っ掛けて洗い、明日から気持ちよく仕事に復帰できそう。

泊まりで行くロングツーリングの満足度はハンパないので、イベントでなくても宿泊込みで出かけるのって日帰りでは味わえない楽しさがありますよ。


【ツールド妻有2015・参戦記】 新潟で日本の原風景を愛でつつ、魚沼産コシヒカリに舌鼓を打つ ~前編~

【ツールド妻有2015・参戦記】 新潟で日本の原風景を愛でつつ、魚沼産コシヒカリに舌鼓を打つ ~後編~

ツールド妻有実行委員会に感謝の意を込めて、僭越ながら改善点を申し上げたい

【イベントレポート】 ツールド妻有2016に張り切って参戦してきたよ(前編)

【イベントレポート】 ツールド妻有2016に張り切って参戦してきたよ(後編)


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