ツール・ド・とちぎを観戦してきましたので、そのレポートをば。

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ツール・ド・とちぎとは、特定非営利活動法人ツール・ド・とちぎの会が主催する自転車レースイベントで、県内全市町を舞台とした国際公認のサイクルロードレースの開催を通じてとちぎの地方創生を推進するそうな。3日間の3ステージで争われる、国際自転車競技連合(UCI)公認競技だ。なお、大会クラスは「2.2(UCIアジアツアー)」である。

国内10チーム・海外4チームの合計14チームが出場。各チームの選手は6名。よって選手数は合わせて84名。

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ニュースにもなってますね。

ツール・ド・とちぎは大成功 喜谷実行委会長「自転車先進県の目玉」期待


さて、2日目のスタート地点は茂木町。知人らと3人でむかったのだが、4月なのに肌寒い。コートがないと震えるレベル。

参加チームは以下の通り。

国内勢のチーム

  • 宇都宮ブリッツェン
  • 那須ブラーゼン
  • チーム右京
  • ブリヂストン アンカーサイクリングチーム
  • キナンサイクリングチーム
  • マトリックス パワータグ
  • インタープロサイクリングアカデミー
  • 栃木県選抜チーム
  • 鹿屋体育大学 自転車競技部
  • 明治大学 体育会自転車部
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※ウォーミングアップは、三本ローラー、両輪装着での固定ローラー、前輪を外す固定ローラー等、さまざまでした
 

外国勢のチーム

  • アタッキ・チーム・グスト(ATTAQUE TEAM GUSTO)
  • HKSIプロ・サイクリング・チーム(HKSI PRO CYCLING TEAM)
  • トレンガヌ・サイクリング・チーム(TERENGGANU CYCLING TEAM)
  • オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング(OLIVER'S REAL FOOD RACING)

上からスロベニア、香港、マレーシア、オーストラリアのチームです。

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外国人選手のガタイがすごすぎて圧倒される

聞いたこともないチーム名。グランツールに参加するようなトップレベルの外国人ではない。

が、出走前のプレス向けショートインタビューで仮設トラックの壇上に立った選手を見てびっくりした。とにかくガタイがデカくてひとつひとつのパーツが太い。しかも手足が異常に長い。

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※アタッキ・チーム・グストの選手たち

それくらべて日本人選手の貧弱なこと・・・。いや、貧弱と表現するのは失礼だし、ぜんぜん違う。体躯はそりゃあ立派だし、我々一般人とは比べ物にならないくらい堂々としてる。

でも、なんというのか、外国人とはそもそもの骨格と筋肉量に違いがありすぎて、素人目にも「こんなんで運動能力の勝負しても、勝てっこないぞ…」って心配になるかんじ。

日本人選手が勝つといいなあとは望むのだが、個々の選手の力量に関する知識を一切持ち合わせていないので、誰が本命でどのチームがダークホースなのか、予想すら立てられない。果たして誰が勝つのであろうか。

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若干、殺伐とした雰囲気

観客はあまりいない。選手を含めても300人いるかいないか。チーム関係者とプレス陣で8割。純粋な観客は…自分の印象では50人そこそこかなと。

地元の街はひっそりしており、いまからツールドとちぎが開催されるんだぞ!というお祭り的な雰囲気はない。田舎の街に突然ロードバイクと選手が一緒に押し寄せた感じ。巨大スピーカーがズムズムと大音量でアップテンポなBGMを流していたが、それを止めたら閑散&殺伐とした雰囲気になっていたと思う。

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たこ焼きとかコーヒーの出店でもあるのかなと想像していたが、何もない。そもそも、観客が大勢やってくることは想定していない印象。

まあ、初回ですからね。知名度と観客は年々アップしていくのではないだろうか。やっていくうちに色々ノウハウも溜まっていくと思う。

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※殺伐とした雰囲気を和らげるゆるキャラたち

あっという間に選手が消え、辺りは静寂に包まれる

レースがは始まるまでのMCは、自転車好きでも知られるサッシャさん。身長190センチ。デカイ。いい声で盛り上げてくれるし、英語もペラペラ(サッシャさんはドイツ人の父と日本人の母を持つ)。外国人へのインタビューもバッチリである。

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※マイクのとこに立つのがサッシャさん

そしてスタート。号砲とともに、一瞬にして全選手が消えていく。ステージレースなのでもうここには戻ってこない。埼玉のツールドフランスとか、ジャパンカップの宇都宮駅前でおこなわれるクリテリウムと違って、もう何もすることがない。

あれ?これでおしまい?おしまい…だよね。はい、おしまいです。なるほど、観客が集まらないわけだ。

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※一瞬で消えた選手たち

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まあ、車で来ているので、追いかけることはできる。先回りして、途中で待ち構えれば良いのだ。ということで、車に乗り込み、選手のあとを追う。

コース規制され、観戦ポイントに車で入れない誤算

車でどこまでコースに近づけるのか。コースマップは事前に入手していたので分かってはいたのだが、ぜんぜん近づけない。それどころか、車の通行も規制されており、曲がりたいポイントがことごとく封鎖されている。

よって、走ってはダメ、走ってはダメ…を繰り返す羽目になった。同じことを考えるのは他の人も同じのようで、観戦ポイントにつながるよさげなルートは長蛇の列。なかなか車は動かないし、通れたところで駐車できる保証もない。


「選手らはもう通過してしまったんじゃあないか?」

「じゃあ、列で待つ意味がないね」

「観戦は諦めて、ゴール地点に行こう」


ということで、ゴール地点の道の駅那須高原友愛の森に向かう。

観戦時間は20秒

結果、一瞬も選手が走る姿を拝むことなくゴール地点に。ゴール地点道の駅にやっと駐車でき、ゴールしてくるのを待ち構える。なんと、ゴール予定時刻の15分前に到着。どんなスピードで選手らは走っているのだろうか。それにしても速すぎる。

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※選手の到着を待つ

ゴールライン手前50メートルで待ち構える。テレビ中継されているわけではなく、試合経過もわからない。「先頭は誰々選手と誰々選手が争っています。ゴールまであと2キロです」といったアナウンスでかろうじて「あぁ、もうすぐゴールなのだな」と判別できる。

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※肉眼では、誰が誰だかさっぱりわかんない

待つこと15分。数名の選手がものすごいスピードで飛び込んでくる。誰が誰か、早すぎて肉眼で確認できない。かろうじて、「なんとなく外人だったような気がする…」くらい。観戦時間はスタートの10秒とゴールの10秒。合計20秒で終了。

イベントに参加している感が薄い

さすが国内トップレベルの選手たち、目の前を通り過ぎたスピードだけでその力量が常軌を逸しているのはわかった。

ただ、試合経過が全くわからないので手に汗握れないし、「ガンバレ!日本勢!」と念を送ることすらできない。サッカーや野球で味わえる、応援の醍醐味を生観戦のステージレースで味わうのはちょっと難しいとわかった。

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ツールドフランスとかで沿道で大勢の観客が声援を送っているが、選手がくるまで何時間も待ち続けているのだろう。で、選手が通過したらそのまま帰るのだろうか。外国人観客の楽しみ方を知りたいものだ。

宇都宮でのジャパンカップはクリテリウム方式なので、何度も選手が目の前を通過する。よって順位もわかるし、誰がKOMを獲りそうかもわかる。逃げと追走集団の距離感も掴める。

選手が消えていなくなるステージレース(A地点からB地点に行く系)では、どうにもこうにも応援してる感とか、手ごたえがないのが残念。まあ、これがステージレースというものなので、それは致し方のない話ではあるが。

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※後続選手も続々と

自転車レース観戦はデートには向いていない

自転車好きの自分は、生イベントならではのワクワク感は好きだし、選手を間近に見るのも嫌いではない。こういうレース観戦はときどきしたい。しかし、一般女性にはキツイかもしれない。平たく言うと、デートとしては成立しないだろう。

もしやるとしたら、デートの一部とするのが賢明。温泉や食事、観光スポット巡りのセットの一部として、レース観戦を組み込めば、自転車に興味のない女性でも付き合ってくれるとは思う。レース観戦だけで終了したら…ブチ切れられるかもしれない(笑)。

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※MAVICカーが一番カッコいい気がする

道の駅でランチを食べ、そのまま帰宅

誰が勝ったのか、日本人なのか、外国人なのか、速すぎてわからなかったので、表彰式を見る。

上位は外国人が独占。日本人選手と拮抗した勝負だったのか、はたまたぜんぜん歯が立たなかったのか、全くわからない。

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オッサン3人旅だったので、食事してとんぼ返りで埼玉に戻る。全走行距離400キロほどだろうか。朝早くに出発して、夕方18時に帰宅。こうして、ツールドとちぎの初観戦は終了した。

それなりに雰囲気は楽しめたし、こういう日があってもよいのだが…なんだか消化不良だったなという印象は否めない。費やした時間とコストを全然回収しきれていない気がする。

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次回レース観戦に赴くときは、レース観戦以外の観光も組み込んで出かけようと思う。

那須は埼玉から行くにはちと遠いので、日帰りだとややキツイ気もするが、輪行と組み合わせればなんとか日帰りでも楽しめそう。坂も多く、風景もキレイ。食べ物も美味しいし、なんといっても温泉が豊富。那須を自転車で走ったことはないので、今年は那須も走ってみようと思う。

ちなみにお気に入りの温泉は「鹿の湯」。ここの源泉はむちゃくちゃ素晴らしい。マジでオススメ。

次回の第2回のツール・ド・とちぎもぜひ観戦に行こうと思う。