サイクリストは常に交通事故の危険にさらされているので、いくら知識があってもありすぎて困ることはない。自動車事故からも学ぶことはあるし、自動車事故で起きる現象は自転車事故でも起こりうる。
ということで、サイクリストの方々にぜひ知ってほしいのが、「(自転車における)十勝事故に似た現象」だ。
「十勝事故ってなんじゃらほい?」 という方のために説明すると、十勝事故という車同士の事故形態がある。別名、田園型事故とも呼ばれる。
北海道の十勝地方など、見通しの良い田園地帯で起きやすい衝突事故なのでこんな名前が付いている。べつに十勝地方だけで発生するわけではなく、平坦で見晴らしが良く、道路が碁盤の目のように交差するエリアであればどこでも起きる。
ウィキペディア情報を引用すると、
なんとなくイメージが湧くだろうか?図解してみよう。
一種の目の錯覚のようなもので、ある一点に向かって別方向から進み続ける2者は互いの存在に気がつきにくい。「いやいやイヤイヤ!車窓から見えているではないか。気づかないはずがないだろう」という考えはもっともなのだが、それが落とし穴。視界的には双方共に「あたかも動いていない(あるいはとてもゆっくり動いている)」かのように見えてしまう。
視界の中では、互いの位置が大きく変わらないため、このように感じてしまう。さらに悪いことに、一時停止線が引かれていない田園地帯では、どちらが優先権があるのかもあいまいになり、そのせいで減速せずに交差点に突っ込み、気付いた時は衝突が免れない。スピードも出ているので被害も甚大になりやすい。
長々と十勝事故について述べていたが、ここからが本題。十勝事故と似た状況って都内とか街中でもふつうに起きるんだなと痛感させられたことがあった。
自転車は直進しており、脇道から車が本線に合流しようとしている場面が典型例だ。信号がないT字路がもっとも危険で、信号があっても直進方向しか規制しない信号だとやはり十勝事故は起こり得る。
左側通行の国ゆえ、ドライバーは「右→左→右」と確認して侵入する。ドライバーがもっとも気にするのは自動車、そしてオートバイ等。自転車の優先順位は低い。しかもスピードが比較的遅めゆえ、ドライバー側には「少々強引に合流しても大丈夫だろう。どうせあっちが減速するだろう」という意識が働きやすく、サイクリストが「え!?このタイミングで入ってくる?」と驚く割り込みかたをする。
サイクリストの存在に気がついてくれていればまだ御の字で、遠慮がちに「ごめんねー」的に侵入してくれるのでまだ対処できるけど、「サイクリスト?いたっけ?」な感じで入り込まれるとこっちは肝を冷やす。
Aピラーとは車の前(運転席に近いとこ)の左右の柱で、ここに歩行者や自転車が入りこんで見えなくなる瞬間がある。ドライバーさんなら「あるわー」って同意してくれるはず。
でも、免許を持っていない人には「え、そうなん」ではないだろうか。車を日常的に運転する人はどの角度が死角になるかを理解しているので、「角度的にあのドライバーさんはオレを見落としているかもしれん。ここは無理せず減速しよう」という判断が随所でできるので、危険回避はしやすい。
アイコンタクト取りたいけど、Aピラーのせいで顔が見えないぞ…となったら、まず確実にドライバーはサイクリストに気付いていない可能性が大。自転車側に膨らんでくることもあるので、おとなしく減速すること。
「自転車で走りながらドライバーとアイコンタクトって交わせるものなん?」
という疑問があるかもだが、ぜんぜんできます。そして目線が合えば「お先にどうぞ」「先に行かせてもらうね」「どうもありがとう」等の意思疎通もできる。
サイクリストはむき出しで走るゆえ、自動車よりも有利な視界が確保できる。しかし、ドライバーはAピラー(&Bピラー、Cピラー)のせいで常に100パーセントの視界を得ているわけではないと覚えておくだけで、ちょっとは安全対策の打ち手が見えてくるのではないだろうか。
参考記事:錯覚が招く「衝突」 見通しはいいのに…(毎日新聞)
★ツイッターアカウントはこちらヽ(^o^)丿<最近記事を常にお届け!
ということで、サイクリストの方々にぜひ知ってほしいのが、「(自転車における)十勝事故に似た現象」だ。
「十勝事故ってなんじゃらほい?」 という方のために説明すると、十勝事故という車同士の事故形態がある。別名、田園型事故とも呼ばれる。
北海道の十勝地方など、見通しの良い田園地帯で起きやすい衝突事故なのでこんな名前が付いている。べつに十勝地方だけで発生するわけではなく、平坦で見晴らしが良く、道路が碁盤の目のように交差するエリアであればどこでも起きる。
ウィキペディア情報を引用すると、
十勝事故(コリジョンコース現象) コリジョンコース現象(コリジョンコースげんしょう)とは、そのまま進み続ければ衝突するであろう一点に向かって等速直線運動をしている2つの車両や航空機同士が、視界が良好な場合であってもお互いを早期に視認することが著しく困難であるという現象をいう。
見通しの良い平原の真ん中の交差点等で発生し、実際に衝突してしまった場合には運転者・操縦者の著しい過失によるものと思われることもあるが、人間の視覚能力の特性に起因した現象であることに留意する必要がある。コリジョンコースとは、そのまま進めば衝突(コリジョン)する進路(コース)、つまり「衝突一直線」という意味である。
なんとなくイメージが湧くだろうか?図解してみよう。
一種の目の錯覚のようなもので、ある一点に向かって別方向から進み続ける2者は互いの存在に気がつきにくい。「いやいやイヤイヤ!車窓から見えているではないか。気づかないはずがないだろう」という考えはもっともなのだが、それが落とし穴。視界的には双方共に「あたかも動いていない(あるいはとてもゆっくり動いている)」かのように見えてしまう。
視界の中では、互いの位置が大きく変わらないため、このように感じてしまう。さらに悪いことに、一時停止線が引かれていない田園地帯では、どちらが優先権があるのかもあいまいになり、そのせいで減速せずに交差点に突っ込み、気付いた時は衝突が免れない。スピードも出ているので被害も甚大になりやすい。
長々と十勝事故について述べていたが、ここからが本題。十勝事故と似た状況って都内とか街中でもふつうに起きるんだなと痛感させられたことがあった。
それはT字路で起きる
状況を図解するとこう。自転車は直進しており、脇道から車が本線に合流しようとしている場面が典型例だ。信号がないT字路がもっとも危険で、信号があっても直進方向しか規制しない信号だとやはり十勝事故は起こり得る。
左側通行の国ゆえ、ドライバーは「右→左→右」と確認して侵入する。ドライバーがもっとも気にするのは自動車、そしてオートバイ等。自転車の優先順位は低い。しかもスピードが比較的遅めゆえ、ドライバー側には「少々強引に合流しても大丈夫だろう。どうせあっちが減速するだろう」という意識が働きやすく、サイクリストが「え!?このタイミングで入ってくる?」と驚く割り込みかたをする。
サイクリストの存在に気がついてくれていればまだ御の字で、遠慮がちに「ごめんねー」的に侵入してくれるのでまだ対処できるけど、「サイクリスト?いたっけ?」な感じで入り込まれるとこっちは肝を冷やす。
助手席側のAピラーが死角になる
ではなぜサイクリストの存在を見落とすのか?面積が小さいので気付きにくいのも理由だけど、もうひとつ大きいのが「Aピラー」。Aピラーとは車の前(運転席に近いとこ)の左右の柱で、ここに歩行者や自転車が入りこんで見えなくなる瞬間がある。ドライバーさんなら「あるわー」って同意してくれるはず。
でも、免許を持っていない人には「え、そうなん」ではないだろうか。車を日常的に運転する人はどの角度が死角になるかを理解しているので、「角度的にあのドライバーさんはオレを見落としているかもしれん。ここは無理せず減速しよう」という判断が随所でできるので、危険回避はしやすい。
ドライバーとアイコンタクトを取ろう
T字路で侵入してくる車に出会ったら、「アイコンタクト」してみよう。ドライバーが明らかにこっちを見ていなければマズい。スピードダウンして先に行かせよう。こちらを意識しつつ右折していれば、道を譲るなり、先に行くなり判断しよう。アイコンタクト取りたいけど、Aピラーのせいで顔が見えないぞ…となったら、まず確実にドライバーはサイクリストに気付いていない可能性が大。自転車側に膨らんでくることもあるので、おとなしく減速すること。
「自転車で走りながらドライバーとアイコンタクトって交わせるものなん?」
という疑問があるかもだが、ぜんぜんできます。そして目線が合えば「お先にどうぞ」「先に行かせてもらうね」「どうもありがとう」等の意思疎通もできる。
サイクリストはむき出しで走るゆえ、自動車よりも有利な視界が確保できる。しかし、ドライバーはAピラー(&Bピラー、Cピラー)のせいで常に100パーセントの視界を得ているわけではないと覚えておくだけで、ちょっとは安全対策の打ち手が見えてくるのではないだろうか。
参考記事:錯覚が招く「衝突」 見通しはいいのに…(毎日新聞)
★ツイッターアカウントはこちらヽ(^o^)丿<最近記事を常にお届け!
コメント
コメント一覧 (8)
400~800ルーメン級なら日中ライトとしても機能します
バイク側が明るいライトを使うことで被視認性を高めておくとともに安全走行に気を配っていることをアピールすれば、車側も交通弱者保護のために強引な右左折は控えるものです
オートバイと違って自転車にデイライトやヘルメットの使用義務はありませんが、車道を走る以上、自転車側もオートバイと同程度の積極的な安全対策はするべきですよ
ただ、サンバイザーとか着けたまま運転してるオバチャンなんか、全くどこ見てるか分かりませんよね。
こういうのも安全運転義務違反で処分していただきたいです
意識して確認していなければ自転車でも自動車でも見てないのと同じです。
昨今の自動車はコストダウン、市場からの個室、御座敷化、ライト類の視認性の悪さ、で確認しにくくなっていますので、一番いいのは相手を信用しない事です。
他の方のブログでもありましたがドライブレコーダーを着けて自転車に乗った方が良いです。自動車側は事故で障害者にして長引くよりも二度引きしてでも始末しに来ますから。
(会社内および交通安全会での集まりでは、上司からとかドライバー間でこの話が必ず出ます。「人体を轢いて気が付かなかった」なんてのは大嘘です)
二度轢き以外では、ブレーキが間に合わないときは逆に加速してひと思いに、とか… もはや完全な殺人行為ですが、悲しいかなそういう現実もあるということを知っておいた上で、いかに自分の身を守るか、ですね。
私は13年前に義理の姪(当時中学2年)を亡くしています。自転車で登校途中、T字路を左折した大型ダンプに巻き込まれ、ひとたまりもありませんでした。
身内にそんな不幸な事故があっただけに、自動車も自転車も、安全には敏感になってしまいます。
おっしゃる通り、明るいライトは必須ですね。自分が見るためにも、見られるためにも。
自転車側は安全対策をやりすぎて困る・・・なんてことはないですもんね( ◠‿◠ )
なしさん
顔全体を隠すサンバイザー…あれ、むっちゃ怖いですね。アイコンタクトできてない前提で慎重にならざるを得ない…。
あ、もちろん自転車は信号は守るべきです。交差点の形状に関係なく(*‘ω‘ *)
Eさん
こ、怖いですね…ドライブレコーダーに関しては、私もあちこちで見聞きしますね。自転車だけでなう、マイカーにも標準装備しなくちゃいけないな・・・なんて考え始めております。
yoshimotoya120さん
>二度轢き以外では、ブレーキが間に合わないときは逆に加速してひと思いに
↑
これは考えもしなかったことなので、ちょっと寒気がしています…。しかも、身内の方にそんな不幸があると、どうしたって敏感にならざるを得ないですね。とにかく、安全運転はしすぎて十分、、だなんてことはないと肝に銘じます。
「あ、自転車が来るね。ならば進路を横切って発進だ」
という理解不能な行動を取る自動車運転者は珍しくないのが実感です。
自動車何台かに続いてほぼ同速度で優先側を走行していても、
自動車の通過を待って自転車の前に突っ込んでくる人がしばしばいます。
路肩駐停車の車とか、道路沿いの駐車場から出ようとする車なんかもそうですね。
昼間の点滅ライト、ベスト、グローブ、アームカバー、シューズ等に蛍光色、
これだけ備えをすると明らかに認識度が高くなるのも実感していますが、
それでも「認識しつつも突っ込んでくる」人に対してはどうにもなりません。
私、大型トラックやモーターサイクルも運転経験がありますので、
「相手が何であれ・どんな状況であれ、自分こそ絶対である」という人が
常に一定数存在するのは承知しておりますが、
自転車に乗っているとそういう人に遭遇する確率は飛躍的に高まります。
結局「真横から突撃される以外ならいつでも止まれる態勢をとっておく」
しかないのかもしれません。皆さんどうかお気をつけて。
体験談、ご経験談ありがとうございます。
認識しつつも突っ込んでくるドライバーさんは、たぶんロードバイクのスピード域を把握されていないような気もしますね。「自転車=遅い」という先入観もあるかなと思います。
いつでも止まれる速度い速度、体制はとても大事ですね。街中であろうとも、下りであろうとも、「もしかして」運転を心がけています。そのせいでちょっとだけ目的地に着くのが遅くなっても構わない…と考えるようにしています。
お互い、気をつけましょう…(*^^*)