最近はすっかり自転車通勤することもなくなり、電車通勤する日々が続いている。かれこれ1年以上。よって、通勤ネタで記事を書くことができないのがちょっと残念。

だからといって街乗りができていないかというとそんなことはなく、むしろ積極的に都内に出かけることは多い。仕事ではなく、純粋なソロライドを楽しむために都内を走るのはけっこう楽しいものなのだ。

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※佐久市を北斗の拳でアピールする謎の広告

週末、終日は無理でも、半日時間ができるとサッとバイクを取り出して都内を走り、途中にスタバとかでお茶して帰宅する。これだけでも良いリフレッシュになる。かかる費用はお茶代のみ。

まあ、15年以上の見慣れた景色ではあるので、感動!とか衝撃の発見!ってものはないのだけど、東京は無数に名所旧跡、神社仏閣、歴史博物館や資料館があり、歴史好きには飽きがこない街である。

サイクリングのとっかかりとしても街乗りは手軽だし、移動手段として考えてもとても優秀。通勤するもよし、レクリエーションとして乗るもよし。

自分は積極的に街乗りをオススメしたいのだが、とはいえ交通量は郊外や他府県の比ではなく、事故のリスクもそれなりにある。

今は自分の中での笑い話で、「埼玉県内は走れるが、都内は交通量がハンパないから無理」って恐れていた時期がずっとあった。あるとき、決心して川口市から荒川大橋を渡って都内に入ったものの、赤羽岩淵駅交差点での大量のトラックや車に圧倒されて一歩も進めなくなり、Uターンして逃げ帰ってきたことがある。

街乗りならではの事故予防のコツ・注意点もあるので、それはぜひ知っていただきたい。

自転車を街乗りしたいけど、ちょっと不安だな…という人のためにGlobal Cycling Network が「街乗りのための6つのコツ(6 Top Tips For City Cycling)」という動画を出していたので、自分の体験談を交えつつ、翻訳して紹介しよう。



目次


街中の快適サイクリングのコツその1: 事前に計画を立てる

通勤のために乗るのであればこれは必須。職場までの所要時間は単純な距離では測れない。信号の数、交差点の数、道の走りやすさ、坂の有無でけっこう変わるものだ。

ぶっつけ本番で自転車通勤を始めるのは危険なので、週末に予行演習はしておきたい。

自分はどこに行くにもGoogleマップでルートを検討する。知らない土地に行くときはなおさら。「この道は走りやすそうだ…あっちの峠もうまそうだぞ……」と妄想を膨らませるのが大好物。小一時間くらい地図を眺めていられるのは男子あるある。

余談だが、社会人2年目とかの1995年はカーナビがまだ高価で自分はつけていなかった。なのでスキーに行くときは分厚い「マップル(東海版)」を後部座席に常備し、山の中で「えーっとここは●●峠と■■峠の間の▲▲村のはずだから、ここを右折して道なりに行けばスキー場だな、たぶん」とかしながらたどり着いていた。

よくそれで行ったこともないスキー場にたどり着けていたな…犬か。携帯電話はもっていたが、GPSとかスマホアプリとかなんもない時代だったことを考えると、隔世の感がある。

閑話休題。

あとは、

  • 最短距離で行くのか?
  • 迂回してでも快適性をとるのか?

も考えねばならない問題で、これは好き好きで決めていいと思う。どっちも試しておき、気分でルートを変えるのもいいだろう。

レクリエーションライドであれば、そこまで綿密なプランは不要。ノープランでぶらぶらしてみる、気になった道を冒険してみる(ここにつながっていたのかーってアハ体験もできる)ってのもアリだし、それがむしろそれが楽しかったりする。

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※新宿御苑です

街中の快適サイクリングのコツその2: 安全の確保

これは無茶苦茶大事。なによりも大事。街中は道路が複雑に入り組んでおり、サイクリスト以外の歩行者や車両もわんさか。自転車はマイノリティなので、道路は車に最適化されているし、歩道は基本的に歩行者のもの。最近は自転車レーンも整備され始めてはいるけど、部分的されているに過ぎない。

自転車はマイノリティ=無視されやすい

ということなので、相手が止まってくれるとか、道を譲ってくれるとは考えない方がよい。歩行者も車も驚くほど平気で自転車の前を横切ろうとする。あと、ママチャリも平気で割り込んでくる。いちいち腹をたてるのではなく、「そういうものなんだ」くらいに考えておきましょう。

自転車で街を走ると「日本の道路は自転車は置いてけぼりにしたまま進化してきたんだな」ということを痛感すると思う。とはいえ、道路は綺麗に整備されているし、走りやすいことにかわりはないが。

街中の快適サイクリングのコツその3: 見る工夫と見られる工夫

これも安全に関連する事柄。前後のライトはマストアイテムだ。自転車のライトは己の視野の確保以外にも、「自分の存在を知らしめる」役割もある。

日が落ちるのが早い秋冬はもちろん、長時間サイクリングするなら帰宅が日没に間に合わないこともよくある。自転車通勤であれば、言わずもがな。

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ライトはピンキリで、1万円を超えるものもあれば、100円ショップで買えるものもある。個人的な体感値で言うと、フロントライトは「300ルーメン」あれば街乗りなら十分のはず。あまりにも弱々しい光だと、車に見落とされるリスクがある。価格は4000〜5000円くらいだろう。リアフラッシャーは明るさの選択肢はそんなにないが、これもなるべく明るいものを。迷ったら明るいほうを選んでおきたい。3000円前後で手に入る。

それに加え、リフレクター(反射材)を備えたバックパックやサイクリング用ウェアを着ればさらに安全である。

「反射板ごときが役にたつの?」と思うかもだが、車のヘッドライトをよく反射し、驚くほど遠くから視認できるものである。

街中の快適サイクリングのコツその4: 楽しさを取り入れる

バニーホップの練習とか、スタンドスティル(静止したまま自立すること)を取り入れれば街乗りも楽しいよ、という提言…らしい。GCN的には。 

街中は段差がよくあるので、盛大なバニーホップまでは不要だが、軽く抜重してフロントタイヤを浮かし、ガツン!と衝撃を与えないように走れるとフレームに優しい。

ただ、スタンドスティルの練習は人のいない場所で十分にやってからトライするようにしよう。
※できるようになりたいと思いつつ、つい「できてもさほどメリットないし…」と考えてしまい、未だに自分は練習をしたことがない(笑)。

それと、動画では紹介されていなかったが、自分なりのご褒美スポットがあると街乗りは楽しくなる。たとえばワンコインで食べられる「たい焼き」とか「大判焼き」の店などは街を知るようになると頭にインプットされるので、近くに来たら立ち寄ってみる。

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冬の時期だと、自分は偶然見かけた街の和菓子屋に飛び込み、いちご大福を買うこともある。店によってアンコの味と量、包み方、イチゴの酸味が違って楽しい。

街中の快適サイクリングのコツその5: 交通ルールを守る

これは……言わずもがな。当たり前の事のではある。信号を守るのは当然として、多いのがイヤホンですね……。

最近はワイヤレスも増えており、ぱっと見ではイヤホンをしているように見えない。(悪い意味で)自転車で音楽を聴きやすいテクノロジーが整ってしまっている。

どうしても音楽を聴きたいのであれば、骨伝導タイプのイヤホンであれば法律に触れることなく使えるらしいが……個人的には、そこまでして音楽を聴くことはしない。身の安全が第一なので。

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※輪行移動時に映画を見るためBluetoothイヤホンは持っている

出先にポータブルスピーカーを持っていき、河川敷とか宿泊先でお気に入りの音楽を楽しむのはアリだと思う。 (暖かい季節限定)

【自転車がさらに楽しくなるHack】 ポータブルスピーカーをサイクリングに持っていく

街中の快適サイクリングのコツその6: 楽しむ

楽しむ・・・?これってコツにカウントしていいの?GCN雑すぎない?とは思ったが、「楽しむマインドを持ちましょう」という意図だろう。6個挙げるって企画したものの「あれ?5個で終わったぞ…なんか考えなくちゃ…」ってなった予感(笑)。

街には郊外にはない別の楽しさがあって、いろんな建物やスポットがあって飽きがこないのが良い。

オクサマと「アドリブ史跡めぐり」をやったら意外に好評だった。やり方は簡単で、まず山手線の内側まで走る。iPhoneでGoogleマップを起動し、「史跡」で検索。表示されたものの中で興味を引く場所に向かう。これを数キロごとに繰り返す。

こないだやったのは、まず巣鴨まで行き、「巣鴨プリズン」という跡地(池袋のサンシャインそばの公園内にポツンと石碑があるのみ)に行き、そのすぐ近くにあった空襲慰霊碑に寄り、新宿ゴールデン街そばにある花園神社に行き、骨董市を見物した。

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それから新宿御苑まで足を伸ばし、小一時間ほど散策したのちに渋谷へ行き、NHKビル真向かいにある「二・二六事件慰霊碑」を見て帰ってくる…という統一感のないシティライドをやってみた。

※二・二六事件慰霊碑とは
1936年に青年将校らが起こしたクーデター未遂事件「2・26事件」で死没した方々を慰霊するための碑(観音像)で、渋谷税務署の隣にある。慰霊碑の前で告白すると成功しやすいと女子高生の間で人気らしい(なんで?)。青年将校の霊が若者を応援してくれるらしいが・・・なお、オカルト的なことを言うとNHKには反乱将校の亡霊が出るとか、軍靴の音が聞こえる…なんて情報も。


どこに行くかは、その時にいる場所で出た「史跡」の検索結果しだい。何ひとつ計画しないままきまぐれに半日過ごしてみたが、「こんなところに、こんな歴史的遺産があったとは…!」と驚きに満ちており、わりと楽しかった。これを全国津々浦々の街でやったらさぞかし楽しいだろう。

ただ、上記で紹介した(花園神社以外の)場所は記念碑なので過度な期待はしないでほしい。観光スポットをイメージして行くと「思ってたのと違う」となると思う。自分は記念碑とか墓跡で当時の歴史や過去の人々に想いを馳せる・・・のが好きなのでやっているだけ。

動画のコメント欄で紹介されていたその他のコツ

視聴者のコメントにも役立つものがあったのでピックアップしてみる。

「GoProとかのアクションカメラを装着して走ると保険になっていいよ。こっちがカメラをしていると分かると、乱暴な運転はしてこないので安全対策にもなる」

「白線に注意!とくに濡れている時は滑りやすくて危険だよ」

「バスやトラックの内輪差に注意して。交差点で大型車に無理なすり抜けを仕掛けると、巻き込まれることがあるよ」

「フロントライトの取り付け角度に注意しよう。上げすぎると対向車への目くらましになってしまう」

「いつも同じ道を走る。道や信号を熟知できて安全だよ」

「パンク対策として丈夫なタイヤを使おう。あと、少なくとも2本の予備チューブは持とう」

「バックミラーかな。後ろからアプローチしてくる車の存在に早めに気付けて助かっている。今ではバックミラー無しで運転するのがイヤなくらいだ」

「自信を持って車道を走ることだ。目立たないようコソコソするほうが危険。自信を持って走れば、車やオートバイも認識してくれるし、同じ車道をシェアする仲間だと考えてくれるものだ。ただ、自信を持って走るのは、傍若無人に走るのとは違うからね」

以上、Global Cycling Network の紹介内容に自分の経験を交えて「自転車で街中を走るコツ」をまとめてみました。

冬場はヒルクライムがしにくいし、超ロングライドも体が冷えてやや億劫になる。寒い季節こそ、シティライドが楽しい。北風の直撃も防げるし、適度に暖をとりつつ休憩できるし、暖かい食べ物を楽しむことも可能。暖かくなると遠出したくなるものなので、まだ寒いいまのうちに街中サイクリングをお楽しみくださいませ。


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