サイクリング初心者、具体的には100キロ走ったことのない人をロングライドに連れ出そうとすると、たいてい「ムリムリムリムリムリ!自転車で100キロだって?トライアスリートじゃあるまいし、できっこないよ!」と、尻込みされてしまう。

「いやいや、フツーのオッサンでも余裕だよ。現に僕ができているんだから」と説得を試みても、「そら、お前は慣れているだけだろ」と納得してくれない。体力差なんてほとんど変わらないか、もしくは相手の方が体力あるのに。それくらい、未経験者にとって100キロの壁は厚い。

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ということで、今回は「最長60キロしか走ったことがない友人を、いつの間にか100キロ走らせていた方法」について書きますね。

ショートライドとだけ伝え、とりあえず連れ出す

未経験者にどうやって100キロ走らせるのか?コツはただひとつ。「距離に関して事前告知せずに、まずは連れ出してしまう」である。

たぶん、初心者サイクリストを含む大半の人は、フルマラソンの42.195キロと100キロを脳内比較してしまい、「その2倍以上!?いくら自転車とはいえ、そんな距離絶対むり!途中でゼッタイ息絶える!」って条件反射的に拒否反応を示してしまうのだと思う。

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自分も、乗り始めの頃は20キロ走っただけで大いなる達成感に包まれた。オクサマと10キロ先まで走って家に戻り、「往復で20キロも走っちゃったね!2人の距離を合わせたらフルマラソンに匹敵するね!すごいね!」とアホな喜び方をしていたのも良い思い出。なにしろ、「100キロはプロの領域」だと信じていたので。

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※「2人合わせて40キロ!」などと浮かれていた頃(2010年)

初心者サイクリストはたいていサイコン未装着なので、どうせ距離はわかりっこない

クロスバイクを買って3年になる友人(30代後半)がいる。ガチのサイクリストではなく、ちょっと街乗りとか通勤に使うくらい。パンク修理はおろか、チェーン洗浄もしたことがなく、パーツ名称すらよくわかっていない友人を、「荒川でも走ろうか」と連れ出した。

「でも、体力ないから…」
「40キロ、いや30キロくらいで切り上げてもいいんじゃ…」
「坂は苦手なんで平坦な道だけでお願い…」

と、さんざん恐れられたが、彼は数年前までフットサルをやっており、体力に問題がないのは知っていたので、黙って100キロ走らせてみることにした。彼のバイクにはサイコンはなく、リアルタイムで距離は把握できないのを利用した。

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荒川の景色に見惚れさせる

所沢駅に集合し、そこから荒川を目指す。所沢市、志木市を通過。基本フラットなので体力はほぼ使わない。13キロほど走って到着。「もう13キロ走ったよ」と伝えると、「え!たったこれだけで?」と驚く。

橋を渡って左岸に移動し、レッズランドや秋ヶ瀬公園を紹介しながら南下し、再び橋を渡って右岸に移り、海を目指す。

広々とした景色を走るのは初めてだったそうで、荒川サイクリングロードの開放感ある風景に感激してくれた。そのテンションのまま荒川大橋に到着。いったん荒川を出て、赤羽岩淵駅近くのセブンイレブンで休憩。ここまでの走行距離、すでに26キロ。

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「すごいじゃん。今ここで切り上げて帰宅しても50キロ越えだよ?」
たしかに…
「体力はどう?消耗してる?」
いや、ぜんぜん。むしろまだ走り足りない

適度に励まし、ときどき達成感を味わわせ、いいかんじに褒めてモチベーションを高め続ける。

観光地でテンションとモチベーションを保つ

次に向かったのはスカイツリー。岩淵水門あたりからすでにスカイツリーは見えるので、「あれを目指すのだな」と目標になる。漫然と走るより、目標物がある方がサイクリングは頑張れるものだ。
※ちなみに、スカイツリーはとてつもなく巨大なので、近くにあるようで、実はぜんぜん離れている…。なので、「走っても走ってもなかなかたどり着かん!」となるが、まあその事実は伝えなくてよい(笑)。

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おしゃべりしながら荒川右岸をノンビリ下り、昼前にスカイツリー到着。ここまでで走行距離50キロほど。お互い疲労感はほぼない。浅草をブラブラして昼食をとり、上野公園へ。

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※喜んでスカイツリーを撮影する友人(のけぞる角度に注目w)


昼食は、たまたま見つけた【NUM PANG SANDWICH CROSS TOWN CAFE(ヌンパンサンドウィッチ クロスタウンカフェ)】で。

カンボジアのローカルファーストフード、“ヌンパンパテ(=バゲットサンドイッチ)”が東京下町で楽しめる。

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サンドイッチメニューはいさぎよく3種類に絞こんでいるらしい。

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【ヌンパン パテ】(Num Pang Pate)

ほんのり甘いソースとひき肉ペーストをパンに塗り、 特別なハムとソーセージに、たっぷりの野菜とパクチーを挟んだ カンボジアの代表的なサンドウィッチ。

【海老とアボカドのサンドウィッチ】(Shrimp and Avocado Sandwich)

プリプリ食感の海老と濃厚でまろやかなアボカドに わさびを効かせた和風ソースとエスニックソースを絡めた、 オリエンタルなサンドウィッチ。(パクチー入り)

【チキン サンドウィッチ】(Chicken Sandwich)

ジューシーなチキンに特製のオニオンソースをかけて、 アクセントにアジアのソースを交えた、 こってりなのにあっさりとした、 CROSS TOWN CAFE を感じるサンドウィッチ。(パクチー入り)

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※テイクアウトメインなので、店内はわりとこじんまり(清潔感があって、居心地はGOOD)

注文したのは、【ヌンパン パテ】(Num Pang Pate)。パクチーの風味が利いた、一味違うサンドイッチで美味しかった。店長にお聞きしたところ、「日本人の味覚に合うようローカライズはしていて、日本仕様はパクチー量を本場よりは少し減らしています」とのこと。パクチーが嫌いじゃない人は、きっと美味しく食べられると思う。

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※一味違うサンドイッチ(いい意味でヒトクセあって、うまい)

店舗情報

  • Num Pang Sandwich CROSS TOWN CAFE(ヌンパン サンドウィッチ クロスタウンカフェ)
  • 〒111-0031 東京都台東区千束2-26-1 サンハイム千束1F
  • Style: Take Out Cafe (Eat In Spaceあり)
  • 営業時間:月火水金 11:00~16:00  土日祝8:00~16:00
  • TEL:03-6458-1780
  • 定休日:不定休
  • ※原則 毎週木曜日(4月20日より)
  • 公式サイト

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その後、秋葉原、神田、日本橋、東京の順で通過し、皇居に寄る。ワクワクできる観光地をちょいちょいコース内に差し込むのが飽きさせないコツ。

「次は◯◯◯に向かうよ!」

「よっしゃ!」

となり、走行距離なんて忘れてしまう。友人も、途中から距離を気にしなくなってしまった。この時点で70キロ。すでに彼の最長走行距離(60キロ)を越えた。しかし、その事実を彼は知らない。

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※上野公園をブラブラしたり

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3時のおやつ、コンビニ休憩を適度に挟み、楽しく美味しく走る。秋葉原と青山一丁目でひと息入れ、表参道、原宿、北参道、代々木、新宿に到着。ここまでで80キロ。

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皇居にて

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100キロはぜんぜん怖くない

歌舞伎町を通過し、大久保に移動して韓国料理を食べ、解散。さらにここから彼の自宅までは20キロちょっとある。これでキレイに100キロライドの完成。疲労困ぱいもせず、翌日筋肉痛に悩まされることもない。事実、翌日に「今日も軽く35キロ走ってしまったよ」とLINEが来た。

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とまあ、このように100キロなんて字面ほどたいしたものではなく、誰でも走れてしまうもの。ゴリゴリのスポーツマン(ウーマン)である必要はない。

それでも、「どうしても怖い!自信ない!」という方は、輪行バッグを持参しておくと保険になって良いかも。50キロ先まで走り、そこでギブアップなら輪行で戻る。行けそうなら自走で戻る。途中離脱できるコースを組んでおけば、安心して走ることができるだろう。


というわけで、100キロってイメージするととてつもない距離に思えてしまうけど、楽しみながら1日フルに使えばどうってことないですよってお話でした。


( ^^) _旦~~< こっちは、オクサマが初めて100キロを走ったとき@霞ヶ浦の記事です
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