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タグ:ロードバイク

落車事故、起こしたくないですよね。世界中の自転車事故動画を定期的に探しているせいもあって、けっこうな数の事故動画を見てきたんですが、事故はゼッタイ起こしたくないし、巻き込まれたくない…。 自分は立ちゴケは何度か経験していますが、走行中の落車(自爆)は1回 ...
落車事故、起こしたくないですよね。世界中の自転車事故動画を定期的に探しているせいもあって、けっこうな数の事故動画を見てきたんですが、事故はゼッタイ起こしたくないし、巻き込まれたくない…。

自分は立ちゴケは何度か経験していますが、走行中の落車(自爆)は1回のみ。

5年くらい前にミニベロで道路を横切ったとき反射板(キャッツアイ)を踏み、バイクもろとも吹っ飛んだことがあります。一瞬何が起きたのかわからなかった…。減速していたので擦り傷と打撲だけで済みました。 

Global Cycling Networkの2018年の動画に「落車事故を起こさないための5つのTIPS」というのがあって、コメント欄の情報含めて有益だったので翻訳して(&自分の心がけも加えて)紹介してみます。


※上記TIPSについて語っているのは「3:00~9:10」の間です。

目次


集団で走るスキルを身につける

レースはもちろん、ファンライドでも集団で走るとホイール同士が近くて不安定な状況になります。ホイールって軽く接触するだけで後続がふっとばされる(フロントホイールのほうが軽いので)わけで、集団では1人が落車したら全滅ってことも。

初心者ってホイールが接触すると弾かれるってことを知らず、悪気なくホイールをかぶせてくることがあるので、そういうときは教えてあげましょう。

回避するには練習あるのみ。指示出ししてくれるボス(経験者)がいると始めやすいです。人の真後ろにはつかず、ちょっと横にずれるのがコツ。前方視界が確保しやすいし、前の急な停止等でも逃げるスペースも確保しやすい。あとは頻繁なコミュニケーションも大事。ハンドサインや声で穴とか石とかの存在を互いに示しあうと安全に走れます。

あと、前走者はなるべく「急なアクションをしない」こと。
急ブレーキ、急な進路変更は後続を慌てさせるので。

ビンディングペダルを外せずに立ちごけ

慣れてしまえば体が自然に反応するものですが、初期段階は考え事しながらとか、景色に見とれてしまってペダルが固定されていることを忘れて立ちゴケ…ってなることがあります。すべてのサイクリストが通ってきたはずの道。

肉体的な痛さはたいしたことはないですが、精神的ダメージが強い。
割合的には1:9くらい(?)。

まず「やっちまった!恥ずい!早く起き上がらねば!」って感情が来て、痛みは後から。これは海外でも同じようでダンさん(右の人)は「Hurts your pride(自尊心を傷つける)」、サイモンさん(左の人)は「Embarrassing(恥ずかしい)」と表現していました。

2016-03-18 15.59.25

ビンディングペダルを外すには「足首をひねるだけ」なのでメチャクチャ簡単。ただ、集中しているときは僅かな力で外せるのに、存在を忘れてしまうとほぼなすすべなく倒れる…いう不思議な存在です。

未経験者は「足をひねれば回避できるなら、倒れ始めてから反応すれば間に合うでしょ」と言うんですが、間に合わないんですよこれが…。気づいたらもう遅いのが立ちゴケなのです。

完全に回避できるわけではないものの、心配な人はペダルのバネのテンションを弱めておくのはアリ。あと、脱着の際に足元には目をやらないこと。視線は常に前です。

機材がちゃんと動くように整備しておく

ブレーキ、チェーン、スプロケット、タイヤ…の機材がちゃんとメンテされており、ボロボロになっていないこと。

アタリマエのことで、落車と関係なくない?って思ったんですが、タイヤが摩耗しているとパンクやバーストのリスクはありますし、ブレーキがちゃんと利かないと生死にかかわります。

摩耗したスプロケットってチェーンにトルクかけた瞬間に歯飛びしますよね?よほどパーツ交換をサボらないかぎり起きないでしょうけど、ダンシングのときに歯飛びすると足がズコッと抜けて冷や汗をかくことはあります。 

加えて…

  • クイックがちゃんとハマっているか?(輪行で脱着機会が多いと緩みやすい)
  • リムブレーキが開放されたままではないか?(同上)
  • クリートのネジは緩んでいないか?(たまに増し締めを)
  • ヘッドにガタがないか?(めったに緩みませんが無整備のママ長期間乗ってるとなります)

あたりも注意すると良いです。

ライディングスキルとバランス感覚を養う

MTBのバックグラウンドを持つピーター・サガンは「ロードレースで落車事故をしたことがほぼない」そうな。バランス感覚とか車体コントロール能力がプロサイクリストの中でも群を抜いて高いんでしょう。

ダンさんもMTBの経験があり、その経験が生きたのが「冬の凍った路面で滑ったけどとっさに持ちこたえたシーン(7:20)」。

ふつうの人なら確実に落車してたであろう角度に傾いたのに、おっと!って感じで復帰したのすごい…。パニックになってないし、しかも倒れた方向のペダルも瞬時に外していました。何気に並走してた人が無事だったのもお見事。 (↓をクリックするとすぐそのシーン再生します)



いろんな種類のバイクでいろんなシチュエーションで走るのはスキル向上に役立つものです。タイヤが滑ったり、バランスを失いかけても「あ、経験したことあるやつだ」と自信を持って対処できます。バニーホップもそうで危険回避に役立ちます。

MTBの経験は数えるほどしかない自分ですが、乗るたびに自分がいかに舗装された路面で楽をしていたか…を思い知らされます。翌日は上半身がバッキバキに筋肉痛になってしまうんですが、体の使い方が下手ってことでしょう。

MTBで集中的にトレーニングしたら、さぞかし鍛えられるだろうな…。

コーナーではちゃんと減速する

基本中の基本ですが、事故が起こりやすいシチュエーションです。曲がるときは減速する、限界まで攻めない。峠の下りは落ち葉が溜まっていたり、落ち葉の下に石や枝が隠れていたりして、乗り上げたらかなりの高確率で落車します。

あと、砂と砂利も怖いですね。吹き溜まりのようになっている路面は街でもどこでもあるし、直前まで存在に気づきにくいものです。なのでスピードはほどほどに…。


以下、コメント欄にあった視聴者からのTIPSやアドバイスも集めてみました。

目線&視線

『Never look at the crashing rider(s). Look for your escape route. 』
落車した人を見ない。行きたい方向に視線を送る(さもないと吸い寄せられてしまう)

『When you're riding, always remember to look where you want to go, never at where you DON'T want to go. 』
きついコーナーを曲るときは「行きたい方向に目線を送る」こと。行きたくない方向、行ってはならない方は見ないこと。

路面状況

『Avoid white lines and other road markings especially when they’re wet. Skating rink isn’t in it! 』
路面が濡れているときは白線マーク等の塗装に注意する

『Scan the road surface to avoid potholes and any other obstruction. 』
穴や障害物を発見できるよう路面状況を常に観察する

『If riding on tramway ways (sometimes that way is shared with regular road or it just crosses it), cross the rails at an angle, as close to 90° as possible, to avoid the wheels getting stuck in the rails. 』
路面電車が走っている街中の話だが、線路を超えるときは90度の角度で。斜めに侵入するとタイヤが吸い込まれる危険性がある

『Constantly keeping an eye out for parking cars and the drivers opening their doors without looking or even worse, a passenger behind the driver. 』
路肩駐車した車のドアが「開くかもしれない」と予測しながら走る。ドライバーはわりと気を使うものだが、リアシートに座っている人は(バックミラーがないのもあって)平気で開けてくることがある。

減速

『Best bit of advice I've ever been given is to do all your braking before you reach the corner. 』
コーナーに侵入する前に減速しておく!こと

整備

『How to avoid a crash? The worst crash I've ever had was due to an under-inflated front tyre. I came off a 90 degree corner at 25 mph. So always check that your front tyre is correctly pumped up. 』
フロントタイヤの空気圧の不足のせいで走行中にハンドルが90度に曲がって落車したことがある。空気圧は毎回ちゃんと入れておけ!

装備

『Use your light when riding at night over a path in a forest that you know by heart - keeps your from missing the branch that fell on it and saves you from counting your bones with bruised ribs. I know, unfortunately.』 
夜間はライトを使う。障害物や穴、大きな段差を見落とさないために。

テクニック

『Practice getting up off your seat smoothly, so you don't kick back. I've seen this bring riders down in a compact group on a climb. 』
シッティングからダンシングにスムーズに移れるよう練習しておく(急に立ち上がるとキックバックを起こし、瞬間的にバイクが後ろに下がり、後続に接触するリスクがある)

『My best piece of advice was to look at the the persons hips in front of you, not the rear wheel in front of you. Keeps the bigger picture in view . 』
前を走っている人のホイールを見てはダメ。視線は前に高く保ち、視界を広くとろう。

『i try to think 5 seconds ahead of me usually if something happens thats the time i can react its worked for me for 8 years not crash in that time but now i said that lol 』
常に「5秒先」の未来を予測しながら走ることで素早くリアクションを取れる。

『Crash Advice: Ego heals much faster than the body. Meaning at some point you need to ditch it instead of trying to save it. Unclip; jump off; throw through the legs; dive into the hedges (softer than tarmac). The worst injuries (face or collar bones) tend to be from hanging on too long and trying to save it… 』
ダメだと思ったらペダルを外してバイクから飛び降りたり、草むらに突っ込むのもアリ。何が何でも体制を立て直そうとしてできなくて、最悪のシチュエーションを迎えてしまう…ということはある。エゴを捨てろ。

『The method to the corner (steeper and faster) is to keep your knee tucked in near the top tube as opposed to letting it hang out the way your chum demoed during your promo for the up coming cornering spot. Letting your knee hang outward (due to being afraid of falling) shifts your center of gravity off the line between you and the wheels and downward towards the ground (where you don't want it to be) giving you less traction and a greater tendency to slip. Tuck your knee in and you will have more force along the line from your bum through to the wheel's point of contact with the road, putting your center of gravity outward where you really want it to be. 』
コーナーでは両膝をトップチューブにくっつけるように引き寄せておく。恐怖心があるとイン側のヒザを外に向けたくなる意識が働くが、重心が中心からずれてアンバランスになる。結果的にトラクションを失いやすくなり、スリップ転倒のリスクが生じる。両足は畳んで、お尻→サドル→ホイールに一直線にかけて体重を乗せること。

ケアレスミス

『don't try to fix a loose bar-end plug while riding 』
走行中に緩んでいるバーエンドのキャップを直そうとしない。(バックミラー調整も同様)

『Best advice - always keep your thumb wrapped under the bar and relax your grip, arms and shoulders, that way if you hit a a pothole or object, your hands aren’t knocked off the handlebars and you can absorb the shock. 』
ハンドルのフラット部分を持っているとき、親指を上に乗せるのではなくしっかり握ること。段差で手が弾かれて落車ってことがある。

『2 ways: 1 assume the traffic is out to get you - not merely negligent. 2 keep the testosterone-driven risk-taking idiot under some control 』
調子に乗らないこと、闘争心むき出しにして走らないこと。感情をコントロールすること。

レース・イベント

『From my wife (after I crashed in a crit race..was technically crashed into, not my fault) - "Stop riding crit races". 』
レースで事故って以来、妻から「クリテリウムレースには出ないで」って言われてる

『1.never overlap wheels 2. react 1st by doing nothing 3. Look where you want to go, not at the people crashing all around you. 』
レース中はホイールをオーバーラップさせない。周囲で事故が発生したときの最初のリアクションは「何もしない&パニックにならない」。事故を起こした方向を見ない

『If you are racing Crits then keep your elbows out in the corners to absorb someone contacting you and practice being bumped. 』
クリテリウムレースのコーナーでは「肘をわざと開いて自分のスペースを確保する」ってのをする。あと人に当たられること、接触する(される)ことにも慣れておく


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