ジムニーシエラの納車(たぶん7~8月)を心待ちにしている日々なのだが、待ちきれずに予習としてムック本を買ってみた。人生初の四駆ジープと付き合うことになるので、せめて情報でもと。

ジムニーのムックは色々あるんだけど、書店でいくつも読み比べてみて、情報量と写真のバランスがちょうど良かった。もちろん、ジムニー、ジムニーシエラ両方がカバーされている。

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選んだポイントは「過去のジムニーの情報が最小限である」こと。新型を買おうと思っているのであり、過去のジムニーのことを事細かに知りたいわけではないので、新型に重きを置いたムックを選んだ。なので、新型を購入検討の方にはオススメできます。1~3世代の情報を知りたいなーって方はそっちに振り切った系のほうがいいかと。

ということで、新たに学んだこと&「へぇ~」って感じたことをまとめておきます。

目次


4代目ジムニーの開発にあたって

  • 既存のロングユーザー(しかも仕事で使っている人)の声をかなり取り入れた(林業とか山間部の人、降雪地での荷物配達)
  • 爆発的に売れる車ではないが、ジムニーでなければダメだという熱烈な支持者が多い

すごい。素晴らしい。ユーザーにしっかり向き合って開発に取り組んだ熱量がひしひしと伝わってくる。20年ぶりのフルモデルチェンジともなれば、さぞかし力も入るだろう。

  • ユーザーが使っている現場に視察に行くことも
  • 開発チームは国内外の森林組合、プロのハンターへのインタビューも行った

車好きの人から見れば、「ジムニーの開発に関われる」ってかなり幸せなことなのではないだろうか。なにしろモデルチェンジの間隔が15~20年なので。

4代目ジムニーのコンセプト

  • 「プロの現場に耐えうる本物の道具」という原点回帰コンセプト

自分がジムニーに惹かれた最大の理由が「ヘビーデューティーなホンモノである」こと。なんちゃってSUVだったら見向きもしなかった。

  • 本格的な4WD性能+無駄のない機能美+世界に認められるコンパクト4×4

世界に類を見ないレアさが潔い。これこそ Nobody but Jimny. である。

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※こういうスケッチモデルって見ててゾクゾクしません?(^^)


ジムニーが想定するユーザー像は3つあって…
  • 性能を使い倒すプロユーザー
  • 日常の中で四駆を使う日常ユーザー
  • プロの道具に魅力を感じて使う一般ユーザー

自分は完全に一般ユーザーに当たる。なにしろニワカなので(笑)。ロードバイクでの輪行やオクサマと出かけるのが目的であり、岩場や河原を走る予定はない。ただ、2019年にキャンプデビューをしようと目論んでいることもジムニー購入の後押しとなった。
※とはいえ昨今のオートキャンプ場は設備バッチシで普通車で難なく行けてしまいますが・・・。

  • 今回のメインターゲットはプロユーザー
  • プロが認めれば他のユーザーも魅力を感じるはずと判断

その通りでございます。本物だからついていく。組織のリーダーとかと同じなようなものかも知れない。


プロユースに応える使い勝手の良さを追求しており…
  • スクエアなデザイン(頭上空間、荷室容量の拡大)
  • 防汚タイプのラゲッジフロア
  • 荷室内のフック(ユーティリティナット)採用
  • 床下収納タイプのラゲッジボックス

ロードバイクのフレームを真横にすればすっぽり入る、幅広くて真四角な荷室はすごく使いやすそう。サイド面に5箇所あるナットなど、物を安全に固定する&運ぶって基本性能が気に入った。

2018年7月にディーラーさんで「ロードバイクが積めるか」を確認させてもらってあるのでそこの心配はない。横にしてクロスに置けば2台いける。ただ、どうやって固定するかは未定。追々考えます。

新型ジムニーにロードバイクは載るのか?【ディーラーで検証してきた】

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  • 4名乗車でのツーリングや旅行…は想定しておらず、1ー2名のアウトドアレジャーや作業を想定している

単独 or 夫婦での使用メインなので、この割り切りは気持ち良い。後席はエマージェンシーか短距離用とみなす。自分はジムニーを「2シーター × でっかい荷室がついた小型四駆」って考えている。

4代目ジムニーのデザインコンセプトとこだわり(エクステリア)

  • 合理的で無駄のない機能美
  • 機能に徹した飾らない潔さ
  • ひと目でプロの道具だとわかるデザインを目指した

ユーザーに媚びていないのが好印象。これができず、つい八方美人になってしまうメーカーの多さよ・・・(車に限らないけど)。全方位におもねった結果、誰からも注目されない中途半端なプロダクトに魅力はない。

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  • 3代目を正常進化させた乗用車ライクな方向性という案もあったがコンセプトに合わないと早々に却下

正解だと思う。

  • Aピラーを立たせて後方に引いた→視界の確保
  • フロントガラス面も大型化している
  • Bピラーは直線的にしてここも視野を広げてある

試乗した限りでは、視界の広さ&運転のしやすさは抜群。パンダも運転しやすいし、視界も広めだけど、その1.5倍は良い。デザインアクセントになっていた3代目の斜めのBピラーが正常進化したことで遊び感がなくなったが、代わりにより「プロ感」が強まっているかしら。

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  • フードとワイパーの段差をなくした→堆雪した雪がおろしやすい
  • ガラス面を立てた→雪がそもそもつもりにくい

そこまで考えているとは。雪の中を走る予定は当面ないが、埼玉県も年に1~2回はがっつり降ることがあるので頼もしい。

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  • 前後のバンパーは樹脂タイプ→気兼ねなく悪路に行けるよう(切り上げたデザインなのでヒットしにくい)

ありがたいけど、当面は恩恵を受けることはなさそう。

  • ヘッドランプとウインカーを別に分けた→過酷な状況下で仮にウインカーが割れてもヘッドランプは使えるように
  • ヘッドランプも破損しにくいよう最小限の大きさになっている

ありがたい。が、これも恩恵は受ける予定はない。

  • 台形型のホイールアーチ→タイヤ交換作業がしやすい

なるほど。自分で交換作業することはなさげだが。

4代目ジムニーのデザインコンセプトとこだわり(インテリア)

  • 水平基調のインパネデザイン→車両の傾きが直感的にわかる

初めて乗った瞬間、すべてが直線的でエモさに欠けるルックスだなーって思った。だが、そういう理由なら納得。見慣れてくると「大人のギア感」があって良い。

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  • 常時発光型のメーター→日向、日陰を繰り返す山間部でも安定して走れるよう

そういう理由なんだ。御意。

  • タコメーター、スピードメーターは外光の反射を防ぐためにクラスタ内に深く収められている

これも納得。細かな技が光る。

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  • 掴みやすいドアグリップ形状→分厚いグローブをしたままでも開閉できる

それは気づかなかった。

  • スイッチ類が幅広で指がかかりやすい形状

たしかに操作はしやすかったし、運転中でもどこに何のスイッチがあるのか直感で理解できた。

  • 木目とかカラーパネルといった流行は一切無視
  • 運転に集中しやすい黒一色
  • ただし、スイッチ類の視認性を確保するため最低限の金属調加飾はしてある

ポップなカラーバリエーションがあれば…と思わないでもないが、プロユースから外れてしまうので、結果これでいいと思う。媚びないスズキの姿勢があっぱれ。

  • 撥水機能を持ったシート生地
  • 傷がつきにくく、掃除しやすいシボ
  • 面反射を抑えたメーター周辺

地味にうれしい。悪路じゃなくてもインパネから跳ね返ってくる面反射ってけっこう気になる。晴れの日の高速運転でこれがあると、それだけのためにサングラスをすることがあるし。

4代目ジムニーのマシン&メカニズム

・エンジンの構造とかインテークマニホールドとかボア比とかショートストローク型とか連続可変バルブタイミングとかいろいろ書かれている

さっぱり意味がわからない・・・。プロユースなので問題なかろう。

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※「なるほど~」と読んでいるが、じっさいよくわかってない(苦笑)

  • ラダーフレームは新開発
  • 構造、材質を変えて乗り心地アップ
  • 軽量化と強度アップを実現(ねじり剛性は1.5倍アップ)
  • オフセット衝突時に両方に入力が分散される構造

弟の三代目ジムニー(JB23)でもシャーシの頑丈さは感じられたので、さぞかし新型はすごいに違いない。

  • リジッドアクスル式サスペンションだと対地クリアランスが確保しやすい

メカニズムがどうなっているのかはよくわからないが、とにかくそういうことらしい。でこぼこ道はあんまり行かないだろうけど。

  • 現行車でフロントリジッドを採用するのは、ジムニー以外だとランドクルーザー70、ジープラングラーのみ

こういう表現、じつにわかりやすい。だからなんだという感じかもしれないが、希少感があって嬉しい。(ちなみにメルセデスのGクラスは独立懸架式に変更になったそうです)

  • ドライビングシャフトはハウジングに内蔵されるので石や倒木の接触をしても致命傷を受けない

そんな環境を走る予定はナッシングなのだが、良いことには違いない。

オフロードのパフォーマンス

  • 機械式副変速機付きのパートタイム4WD
  • 切り替えはボタン(電動アクチュエーター)ではなくフロアから突き出すレバー式

ゴキゴキって操作したいからレバー式は歓迎(頻度は低いだろうけど)。

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※小さいレバーが副変速機です

  • シンプルな形式に戻した理由は、各国のユーザーヒアリングの結果、切り替え操作を認識しやすいのがレバーの方だったから

ボタン式だと「いまってONなの?OFFなの?どっち?」ってなること、よくある。走行中は確認できないのでなおさら。ユーザーの声をしっかり反映しているのが好印象。

4代目ジムニーの安全性能

  • 前席両方にフロントエアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグの計6個がある(全車装備)

カーテンエアバッグまであるんだ。

  • ハイビームアシスト:自動的に環境に合わせて切り替えてくれる

街灯りの少ない田舎道はハイビームで走るようにしているので、自動で切り替えてくれるのはありがたい。ただ、歩行者とか無灯火の自転車まで認識してくれるのだろうか?それとも、ライトを点灯する車のみだろうか?

  • 標識認識機能:単眼カメラで認識してドライバーに知らせてくれる

最高速度制限を知らせてくれるのは助かる。

  • デュアルセンサーブレーキサポート:衝突の危険を機械が察知した場合、自動でブレーキが作動する

至れり尽くせりだな…。こういうアシスト機能のついた車を運転したことはないんだけど、ドライバーの意図しない動作をして逆にビビる(=危険)ってことはないんだろうか?(練習するわけにもいかんし)

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※いろいろ付いてる

  • 誤発進抑制機能:前方に障害物がある状況でアクセルが踏まれると、エンジン出力を抑制しつつ警告音を発してくれる

ドライブ(D)とリバース(R)を入れ間違えてコンビニに突っ込む…的な事故は起きにくい。地味に良い。

案はあったが採用されなかったアイデア

  • 取り外し可能なドア(ぬかるみにスタックした時にドアを使って脱出できるよう)

さすがに市販車でこれを実現するのは厳しいかなと。

  • 荷室を拡大するために2シーター化

一瞬「それ、いいじゃん」って思いかけたのだが、多くのプロユーザーが「頻度は低いが3名乗車することはあるので、シートは廃止しないでほしい」と訴えたとのこと。オプションで後席レスってのが選べれば、自作した棚を自由に組み込めて面白いのではとは思う。車中泊もしやすそうだし。

4代目ジムニーのボディカラー

  • プロの単独ハンターは自然に溶け込むボディカラーを好み、チームで動くハンターはあえて目立つカラーを選ぶ傾向がある

目立つ色=キネティックイエロー、溶け込む色=ジャングルグリーンらしい。自分はその中間のシフォンアイボリーメタリックを選んだ。過度に主張せず、かといって地味すぎず、街中で似合うと信じている。

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ちなみに営業さんに聞いたところ、カタログや雑誌でアイコンカラー的に登場するキネティックイエローはさほど人気ではないそうで、一番はグリーン系だそうな。アイボリーはまずまず人気でブルーはイマイチ。

4代目ジムニーの荷室とシートの変更点

  • 後席のアームレスト廃止(シートを倒した時にフラットな形状にするために)

一長一短だが、乗車頻度の少ない後席の実用性を犠牲にして荷室の使い勝手を向上させたのは潔いし、正解だと思う。

  • 後席のシートバックは薄くなっており、クッション性は低下(荷室利用時のことを考慮して)

同上

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※ヘッドレストはしっかり上がります

  • フロントシートはシートバックも高くなって大型化

たしかにシートサイズは十分だった。良い。

4代目ジムニーの「うーん…」と感じているところ

  • カップホルダーの位置が後ろ過ぎて使いづらそう

ホットコーヒーの出し入れは怖いかも。

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  • 燃費が良いとは言えない
  • トランクの圧倒的な狭さ

そういうものだと割り切った。

  • 高速域での走行性能

海外のジムニーのインプレ動画を見ていると、「オフロード性能はピカイチだが、街乗りや高速だとちょっとね…」って声が結構目立った。しかし、高速で出しているスピードが時速140キロとかなのよね。最終的には時速160キロ出しちゃってるし・・・いくらなんでもやりすぎだろ(笑)。



いろんな声を総合すると、快適に走れるのは時速100キロ前後とのこと。自分は爆速で走らない性格なので、ジムニーの走行性能に不満を持つことはないだろう。

日本で大絶賛のスズキのジムニー(&ジムニーシエラ)は、海外ではやや辛口なレビューをされていた(動画を翻訳してみました)

予約した後に気づいた「すごい!」と思う点

  • 運転席と助手席のシートヒーター内蔵(ジムニーXGは除く)
  • 全グレードが寒冷地仕様

これは冬場に大活躍しそう。シートヒーター付きの車は人生初なのでなんだか嬉しい(夏納車だけど)


というわけで、引き続き納車を楽しみにしております。


ジムニー(JB23型)に3年ほど乗った弟によるインプレッションと新型ジムニーは買いかどうかについての率直な意見をもらった

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