SHIMANO が 『GRX』というグラベルライドに最適化したコンポーネントをリリースした。

操作性、ギア構成、構造をグラベル専用に寄せており、ロード用コンポーネントをただ流用しただけではないそうな。たしかに形状もギア構成も一新されていて、あ~専用品だな~ってのが瞬時でわかる。しかも独特の形状をしていて、こころなしかMTBっぽいデザインのような印象。

自分はまだグラベルとかダートの領域には足を踏み入れておらず、そっち方面の沼のことは知らない。知りたい気もするが、ふたつの沼にハマったら我が家の生活が破綻することは間違いなく、まだちょっと躊躇している。
※保管場所もないし…でもガレージがあれば手を出すかも…。

ただ、コンポーネントって、買う気がなくてもつい見入ってしまうし、詳細仕様を知りたくなる。だってカッコいいから。単体でもカッコいいから。

ということで、(今は買う予定はないけど)Global Cycling Networkの動画を見たり、調べまくってみたのでまとめてみます。



目次


GRXはいつリリースされた?

GRXが登場したのは2019年5月。

シマノのGRX公式サイト

2018年に「ULTEGRA RX(RD-RX805-GS/RD-RX800-GS)」というクラッチによるモード切り替えを備えたシクロクロスとアドベンチャーライド向けのリアディレイラーが登場したけど、それをさらに未舗装路向けにパワーアップさせたのがGRX。

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※メカメカしくってカッコいい…

グラベルの人気って出ているの?

GRINDURO(グラインデューロ)という、オフロード系イベントがアメリカ(カリフォルニア)にあって、自転車、アート、音楽、キャンプが大好きな、GIROのメンバーが始めたのがルーツ。北米ではひとつのムーブメントとなっていて、形成されている市場も大きい。

grinduro-top

MTB、シクロクロス、グラベルの要素が折り混ざっていて、コースには舗装路、グラベル、ダートが含まれる。れっきとしたレースなので、ちゃんとタイム計測はするし順位もつく。

海外ではマジな大会になっているそうで、ダウンヒル、ロード、シクロの元&現役プロライダーが参加したりしてる。ただ、純粋なレースって面もあるが、楽しむって要素もたくさんあって、フード、ハンドメイドバイク、音楽の生演奏、キャンプもあるお祭り的なイベントである。

これまではカリフォルニアとスコットランドで開催されていたのが、日本とカナダが新たに加わった。日本は信越・斑尾エリアの長野~新潟エリア。広大な国立公園と雄大な千曲川、点在する湖沼に囲まれ、冬は豪雪地。自然豊かで山岳エリアなのでグラインデューロにはもってこいというわけ。

2019年10月に日本での第1回目は開催済み。どんなイベントかはここを見るとよくわかる。

Grinduro Japan 2019


※イベントの様子がよく分かる

Grinduro! Japanについての紹介プレゼン



こんなイベントがあったなんてまったく知らなかった…。日本でもグラベルロードカルチャーは存在感を増しているのかも。楽しそうでやってみたいって思った。体力的に不安はあるけど(笑)。


話をGRXに戻します。

なんでGRXはフロントシングルが用意されたの?いいことあるの?

シクロクロスと同じ理屈で、グラベルではでかいチェーンリングは不要(回せない)だから。めちゃくちゃスピードを出すこともないし。中~低速で過不足なく使えるのが大事で、そこはワイドレシオなカセットスプロケットを使うことで実現する。

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フロントシングルになると操作はカンタン(右手のみ)になるし、フロント操作のタイミングを考えなくてすむ。チェーン落ちのリスクも減る。しかも、ワイヤーが1本減るのでメンテナンスもラクだし、若干だけど費用も安くもなる。

あと、チェーンリングが1枚減って、フロントディレイラーもないわけなので、重量が軽くできるのもメリット。むしろ、こっちのほうが大きいような気はする。その代わり、リアディレイラーとカセットスプロケットは大型になるので「行って来い」な気もするが。

まあ、グラベルロードで超軽量を目指す人はあまりいないとは思うが…。

GRXはギア比的に問題はないの?坂は登れそう?

フロントシングルのほうは「40T」か「42T」の2種類あって、11-40Tのカセットスプロケットで組んだ場合のギア比を計算してみる。坂ということなのでフロントを40Tにすると……

  • 40T÷11T=3.636
  • 40T÷40T=1.0

となる。

ロードバイクの典型的な例である「コンパクトの50-34Tを11-28Tで組んだ」場合の最小ギア比が「34T÷28T=1.214」なので、より軽いギア比が実現する。問題なしである。

11-40Tよりも、11-34Tのほうがふつうに走る分にはちょうどいいのではないだろうか。40T÷34Tならギア比は「1.176」とこれも悪くない。坂専用にするなら、フロント40Tで11-42T(最小ギア比は0.952!)にする手もある。

ガンガン走りたい!重めのギアもほしい!という場合だが、最大ギアがフロントシングルだと42T÷11T=3.818にとどまる。自分のロードはフロントが「50-34T」でリアが「14-28T(ジュニア用)」なので、50T÷14T=3.571。あれ?自分のジュニアスプロケットより高いギア比になる。自分は鬼漕ぎでぶん回すって走り方はしないので、このギア比で困ったことはない。だったらGRXのギア比も問題ない気がする。

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フロント1枚のぶん、合計のギア枚数が減るには減るし、ギアの間(飛び)が気になるが、そこさえ許容できれば十分アリな構成だと思う。アップダウンのある街乗りでマイペースで走るなら、個人的にはフロントシングルの42Tでリアを11-40Tくらいにしたいかも。乗ったことないので想像だけで語ってますが。

GRXってどんな特徴を持っているの?

情報を抜粋するとこんなかんじ。

最大11-42Tのカセットスプロケット

>> かなりワイド

リアディレイラーはスタビライザー付き

>>チェーンのバタつきを抑える。

外側への張り出しが少ないシャドーデザイン

>>すでにロードバイク用コンポーネントでも普及してますね。

新デザインのシフトレバー

>>ブラケットヘッドが大型化され、落差の大きいグラベルライドでも安定した操作ができる。フードには太めのライン加工が施され、握りやすい。

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※色も渋いですね

シングル対応(フロントダブルも選択可)

>>フロントシングルにはMTBコンポーネントのテクノロジー「ダイナミックチェーンエンゲージメント」が採用される。シクロクロスやトレイル用のシングルチェーンリング構成のためにデザインされた、チェーンがしっかり噛み合う特別なギア歯プロファイルを持ち、凹凸の多い地形でもチェーンが外れにくい。

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チェーンラインが外側へ2.5mmオフセットされたフロントディレイラー

リアタイヤとの広いクリアランスを確保するため。700Cで42mm幅のワイドタイヤでも干渉しない設計。

変速システムは機械式、電動式の2種類から選択可(RX800)

グラベルにも電動の波が(ある意味当然か)。

うーむ、メカ好きにはたまらないギミックが満載でよだれが出そう……。

シクロクロスのギア比と比較してGRXはどうなの?

GRXのほうがより「坂に強いギア比」を持ち、最小1.0以下のワイドギアがあるのが特徴。 フロントシングル(40か42T)の場合、ロングケージタイプを使えば最大11-42TのMTB用カセットが使用できる。フロントダブルなら46-30Tがあり、かなりのワイドレシオにできる。

GRXにグレードは複数用意されているの?

アルテグラ、105、ティアグラに相当する3グレード展開される。さらに、RX810シリーズという電動式のDI2モデルもある。

RX810(アルテグラ相当・DI2)

→2×11スピード
→1×11スピード

→2×11スピード
→1×11スピード

→2×11スピード
→1×11スピード

→2×10スピード(フロントシングルは選択不可)

既存のロード用コンポーネントと互換性があって、RX810、600は既存ロード11Sが使えるし、RX400は4700系のティアグラと組み合わせがOK。

ただし、フロントディレイラーが外側にオフセットしているのでチェーンラインがロードとは違う。よってGRXのクランクにはGRXのフロントディレーラーがマスト…ではある。

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あと、フロントシングルの場合はMTB用のカセットスプロケットを、フロントダブルの場合はロード用のそれで合わせるという決め事はある。

リアディレイラーと使用可能カセットスプロケットはこんなかんじ。

  • RX815とRX810(ノーマルケージ):11-30T or 11-34T(ロード用カセット)
  • RX817とRX812(ロングケージ):11-40T or 11-42T(MTB用カセット)
  • RX400(ミドルケージ仕様):11-30T~11-36Tまでのカセット

GRXのクランクは?

デザインは従来の4アームデザイン。2.5mm外側にオフセットされたチェーンラインのおかげでリアタイヤは広めのクリアランスを確保。よって、このぶんだけQファクター(左右のクランクのペダル取付け部の外面間距離のこと)は5mm広くなる。ちなみにQファクターはロードバイクだと146mmのところ、GRXでは151mmとなる。

RX810はホローテック II(クランクアームが鍛造技術で中空になってて、剛性を保ちつつ軽量化を図ったやつ)で、RX600は2ピース。ちなみにRX400用のクランクはなく、RX600となる。

GRXのシフターは?

Global Cycling Networkの「Shimano GRX Detailed & Demoed | The First Gravel Specific Groupset」でも紹介されていたが、シフターは完全に新しくなっており、ブレーキレバーのピボット位置が18ミリ上げられている。こうすることで下ハンでも軽い引きでコントロールができる。

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※ブラケットのパターンはこんなかんじ

GRXのブレーキは?

GRXは油圧ディスクブレーキのみ。ブレーキキャリパーはロードモデルと同等品でフラットマウント&デュアルピストン仕様。シマノのアイステクノロジーを採用したフィン付きのが標準装備されてて今っぽい。GRX用の専用ブレーキローターってのは無くて、既存のロード/MTBモデルのものを使う。(「GRX」というロゴがプリントされてはいるが)

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あと、オプションでサブブレーキレバー「BL-RX812」が追加されたのが面白い。ロードバイクでたまに見かける「ハンドルのトップ部分の補助ブレーキ」で、上ハンドルを持ったリラックスしたポジションでもブレーキ操作ができる。

ブレーキレバーはロードバイク用とは違って末広がりな形状で、指が届きやすい。(ロード用はまっすぐ下に向かうかんじ)

というかんじでGRXを紹介してみた。ギミックが多くて個人的にすごく好き。

おまけとしてグラベル特設サイトも載せておこう。(英語)

乗れる場所が関東だと極端に少ないMTBを買うことはないとは思うが、グラベルロードなら街乗りにも併用できるのでいいかも……という気がしないでもない。今持っているクロモリロードと併用運転するなら、ただのロードバイクよりも「ちょっと尖った特性がある」ほうが購入意欲をそそられるし。

  • クロモリ(FRCC22):ツーリング
  • グラベル:街乗り&田舎ライド
  • ミニベロ(EEZZ D3):ちょい乗り&輪行
  • ミニベロロード(CSI):オクサマとの専用マシン

という組み合わせも悪くない…。

ということで、引き続きグラベルロードは頭の片隅にとどめておきます。


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