長野県と新潟県の県境にある栄村で行われた「グルッとまるごと栄村100キロサイクリング」の続きです。

どんな感じのレースだったか、事細かにレポートしますね。

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6時半に会場集合、7時にスタート

5時に起床。イベント当日はやることが多い。荷物の整理、身支度、バイクの取り出しと最終チェック、朝食、チェックアウト…とわりとドタバタするので、気持ち余裕を持った起床時間となる。

6時半前に会場に向かう。宿(トマトの国)から会場のさかえ倶楽部スキー場は5分程度。スタート地点に近い宿であることのメリットがこれ。

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すでに多数の参加者で賑わっている。村長さんの挨拶や地元警察からの交通ルール等の諸注意があり、7時にスタート。400人ほどいるので一斉にスタートはできず、30秒ほど間隔をあけながらの出発となる。レースではないので、焦る必要はない。

序盤は下り基調で快適。ただ、108キロで獲得標高2500メートルなのはわかっているので、この後にハードモードに変わるのは時間の問題。テンションがアガやすい序盤は意図的にセーブして走り、これからの坂に備えておく。

コースの特徴(序盤:0〜30キロ)

そこそこの斜度(7〜8%くらい)が続くけど、淡々と登ることができる程度の斜度が何度も繰り返される。

斜度がマイルドなのと、ひとつひとつの坂の距離が短いため、メンタルに来ないのがありがたい。ツールド妻有との大きな違いがここで、妻有は一つの登りの単位がでかいというか、「かなり登ってかなり下る」地形である。

対する栄村は「登っては下りるを細かく繰り返す」感じなので、疲労が溜まる前に一休みできる。感覚的に、「栄村のほうが1~1.5割ほど脚に優しい」ような気がした。

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エイドステーションが頻繁にあって助かる

公式ステーションの他に、「私設ステーション」と呼ばれる地元の方々による非公式のエイドポイントがいくつも用意されていた。

すべて数えたわけではないが、だいたい10キロに1箇所はあったので、全部で10~11箇所はあったと思う。給水はもちろん、ボトルへの給水、しょっぱいもの(漬物、塩飴、タブレット)、果物(バナナ、スイカ)、甘味(チョコ、キャンデー)が用意されていた。

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/ 素敵な笑顔 \

折り返し地点では蒸したジャガイモもあって、貴重な炭水化物も摂取できた。

ランチはオニギリと唐揚げのお弁当にお茶。疲れた体に染みる味であった。あと、漬物やキュウリ&味噌がうますぎていくらでも食べられてしまった。

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ただ、エイドステーションの充実度はツールド妻有が頭一つ抜けていた印象。

そば、冷汁、豚汁、パエリア、豆腐、笹団子、カレー、桃、グレープフルーツ、オレンジ等、「食事を充実させすぎだろ」ってなった妻有とは違い、エネルギー源になる炭水化物がほぼなかったため、補給食(カロリーメイト小サイズを3個)をバックポケットに忍ばせておいて正解だった。
※過去に参加したことのある人が仲間にいて、事前に「補給食は持っとけ」と教えてくれていた

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/ 手作り感がたまらない \

ただ、私設ステーションの数の多さ、地元の方々のホスピタリティは栄村も引けを取らない。おばあちゃんらと一緒に記念撮影をする参加者も多く、良い風景だった。

中盤から後半にかけて徐々にきつくなる(30〜70キロ)

疲労度のせいかもしれないが、苦しさがだんだん増してくる。小刻みだったアップダウンが気持ち長引く印象。

全行程で最も死にそうになったのが折り返し地点直後で、10~16%以上の斜度が2キロ続く場所。道幅が狭く、蛇行はできない。真っ直ぐに走るしかない。

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瞬間的に斜度16%になるポイントもあり、たまらず足をつく方もチラホラ。頂上まで休む緩斜面もないまま、なんとか歯を食いしばってクリア。

「ここが一番キツイ箇所で、ここ以上の斜度はもうないよ」

と言われ、ちょっとホッとした。その言葉通り、ゴールまでは斜度的には大したことのない7~8%ばかりだった気がする。

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90キロ地点でドシャ降りの夕立に遭遇

ずっと晴天で、ヒリヒリする暑さに苦しめられていたのだが、90キロを過ぎたあたりで突然豪雨が。山の天候は変わりやすいという言葉通り、前触れなく降り始めて面食らう。

レインジャケットは当然ない。どうせ後20キロ未満だし、涼しくてむしろ走りやすいし、ということでそのまま走る。

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/ この後、突然の夕立が… \

ステムに装着したiPhone7が、「あまりにも雨足が強いぞ…防水仕様とはいえ大丈夫か?」って不安になったが、どうしようもなく、そのまま走らざるを得なかった。防水ではないiPhone6を使っている知人は、さっとビニール袋で包んでいた。
※結果的にiPhone7は大雨でも問題なかった。7にしておいてよかったーと思った瞬間である。

ただ、雨足が猛烈に強く、視界が奪われそうになった。豪雨の下りほど危険なものはないので、十分に減速して走る&コーナリング、を繰り返す。

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/ 雲行きが怪しくなってくる… \

2週間ほど前に交換したタイヤ(Aspite Pro アスピーテプロ)の雨天時のグリップ力を期せずして確かめることができたわけだが、期待以上の性能。

パナレーサーRace Evo 3 よりグリップ力があって、安心して下ることができた。アスピーテプロにはウェットモデルもあるが、「自分が使うドライタイプでも十分なグリップだ」と思った。

ゴール直前にダサい落車をしでかす

仲間とずっと一緒に走り続けたので、「ここまで一緒にだったんだから、ゴールラインを揃って通過しよう」ってなり、ウェーイってかんじでノロノロ低速でゴールインしようとした。

そしたら、ゴール20メートル前にあったグレーチング横の溝に隣を走ってた仲間のタイヤがスポッとハマり、右にパタンと倒れて落車。「え?」と思ってペダリングを止めたら、そのタイミングで自分のタイヤも溝にスッポリ入り込んでしまう。「ん?」と下を向いた時にはすでに遅く、気づいたら同じく右に倒れてしまった…。

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/ ゴールイン後に振る舞われたきのこ汁 \

立て続けに2台の落車が発生したわけで、互いにポカンとあっけにとられた。ノロノロだったせいでケガはなし。右腕に擦り傷を作っただけで終わってよかった。このように、ゴールイン直前は安心感から気が緩むものなので、ご注意いただきたい。
※我々のゴールイン後にも、同じポイントで落車する人を目撃した

ゴールしたあとはきのこ汁をいただく。これが抜群に美味しかった。リンゴを煮詰めたモノにヨーグルトをかけたデザートもあって、これもうまし。

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もう一泊して翌日に帰る

若者ならいざ知らず、オッサンは疲労回復に時間がかかる。108キロのヒルクライム直後に新幹線輪行して帰宅、翌日仕事…は無いなってことで、事前に申請した有給で翌日に帰宅する。

あらかじめ取っておいた宿まで、12キロほど走ってたどり着く。部屋に入るやいなや、オッサン全員畳にひっくり返って休憩。

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「スマホ画面をスクロールするのもメンドクセエ…」
「風呂に入りたいけど、そこまで歩くのが億劫…」

ではあったが、なんとか体力を振り絞って温泉に入り、夕飯をいただく。とても豪勢でボリュームも満点で、腹ペコだったのにお腹いっぱいになってしまった。朝食も同じく大満足。すべてが最高に美味しかったです。

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翌日は飯山経由で大宮へ

帰りのルートは津南駅から飯山駅を経由し大宮を目指す、というもの。宿の目と鼻の先にある津南駅から輪行する。

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使わない荷物はダンボールに詰めて宿から自宅に宅急便で送る。こうすることで、帰路の移動がグッと楽になる。

驚いたのが、飯山線の電車本数の少なさ。でもって1両編成であること。8時56分のを逃すと、13時近くまで間が空いてしまう。「絶対に乗り遅れるわけにはいかん」ということで巻きで朝食を食べて身支度を整え、9時前の列車に乗った。

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/ なんだかバスっぽい雰囲気 \


途中、飯山駅で新幹線に乗り換え、大宮へ。12時過ぎには到着できたので、復路は3時間ちょっとかかった計算になる。

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大宮駅からは自走で川口の自宅まで15キロほど走る。全行程の走行距離180キロ。素晴らしい自転車旅となった。またぜひ来年も参加しようと思うが、ツールド妻有の開催時期とわずか2週間ほどの間隔で被ってしまう。さすがに両方参加する予算も時間もないのが悩ましい…。


グルッとまるごと栄村100キロサイクリングの感想まとめ

1 ツールド妻有よりは坂が楽(疲労度もマイルド)
2 地元の方々のホスピタリティが素晴らしい
3 景色も空気も食事もサイコーに美味い

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グルッとまるごと栄村100キロサイクリング実行委員会の皆様、エイドステーションのボランティアの皆様、道中で声援を送ってくださった村の皆様、本当にありがとうございました。
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