ツーリングに欠かせないのがパンク修理キットや予備のチューブ。これを持たずに遠出することはまずあり得ないというくらい定番の携行品だ。

たいていの人がサドルバッグを使うと思う。サドルのレールとシートポストにバンドかマジックテープでくくりつけるのが一般的。プラスチックのアタッチメントで脱着させるタイプもあるけど、少数派かなと。

で、このサドルバッグ、どうやって取り付けるかは完全にユーザーに任されており、とくに取り扱い説明書はついてはこない。パッケージにも何も書かれていないことはほとんど。なぜなら、どう使うもへったくれもないくらいわかりきったことだから。


ここで、下の写真を見てほしい。

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同僚と三浦半島にツーリングに出掛けたときの一枚。さあ、出発しようとなってふと彼のバイクに目をやると、どうもおかしい。言いようのない違和感が襲ってきた。


そう、サドルバッグの取り付け位置があべこべなのだ。ひっくり返しになっている。これでよくシートポストとサドルに取り付けられたなと思うのだが、やって見るとわかるとおり、なるほど、取り付けられてしまうのだ。

この状態でチャックを開けると、見事に中身が全部ザザーーーーーっと落ちてくる。本人は「このサドルバッグ、使いにくくてさー。だって、開けるたびに中身がこぼれてくるんだもの」と真剣そのもの。「不良品じゃないのか」とも疑っていたそうだ。

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※ブラブラ揺れるが、装着はできている

正しい取り付け方を披露すると、大笑いでナットクしていたが、「自分では気づけなかったと思う」とも話していた。

うーむ、こういうこともあるのだと学んだ出来事であった。ちなみに「どっちが上?下?」かで迷ったら、ロゴが読めるような向きにすればまず間違いない。

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余談だが、自分も元々サドルバッグ派だったのを、今では辞めて「ツール缶派」に転向した。理由は「サドルバッグが無いほうがシートポストがスッと伸び、かっこよく見える」から。

サドルバッグにも大小様々あって、大きければ大きいほどどうしてもモッサリしたルックスになってしまう。利便性とスタイルはトレードオフの関係にあるので、サドルバッグをマイクロサイズにすればそれなりにシャープにはなるのだが、今度は「予備チューブが一本しか入らん…」となる。予備チューブは2本は持っておきたいところなので、となるとどうしてもミドルサイズのサドルバッグを選ばざるを得ない。ここにジレンマがある。

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そこで自分は潔くサドルバッグに別れを告げ、ツール缶に移行した。ツール缶のメリットは何と言っても容量がでかいこと&にもかかわらずスタイルをスポイルしないこと。この2点に尽きる。

あと、大きめのサドルバッグだとペダリングの際に太ももの内側が触れて気になってしまう…という方もいる。筋肉のつき方や骨格にもよるので必ず起きるとは断言できないが、ペダリング中ずっと擦れているのはかなりのストレス。

ということで、ロードバイクにはビットリアのボトルケージツールバッグを、ミニベロには安物のプラスチック製ツール缶を使っている。

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「なぜトライアスロン風に2本のツール缶をサドルにつけているの?」と感じる方がいるかもしれないが、理由は単純で、タイレルのCSIのフレームにはボトルを取り付けるのが物理的に不可能だから。

いちおうボトムチューブに取り付け穴はあるものの、スペース的に使い物にならない。トップチューブには穴がないので無理。消去法でサドルを使うしかなくなったわけ。で、ボトル一本とパンク修理キット一式を備える方法が2本挿しスタイルだけだったのだ。

>> タイレルの美しすぎるスラントデザインには、ひとつだけ弱点があった


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※ダウンチューブとトップチューブの間にTyrellならではのチューブが通っているのです


やって見た結果だけど、けっこうカッコいいのではないかと悦に入っている。

ロードバイクでツール缶を使う場合、ほとんどの人はシートチューブ側に取り付けると思う。走行中に手を伸ばしやすいボトムチューブ側は、水分ボトルの位置にしたいもんね。

この方法はひとつ弱点があって、暑い夏の季節にボトルを2本持って走れないのだ。真夏にボトル一本しか持たずに、人里離れた田舎でヒルクライムするのはちょっと不安。ペットボトルをサイクルジャージのバックポケットに突っ込んで走ることになる。それ以外はほぼ問題を感じたことはない。

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なんだか余談の方が長くなってしまったが、パンク修理キットや予備チューブをいかに持ち運ぶかひとつとっても、その人の個性や美学が反映される。

ということで、くれぐれもサドルバッグを上下逆さまで取り付けてしまうことのないよう、ご注意いただきたい。 あと、サドルバッグメーカーさんには、ぜひとも「正しいサドルバッグの装着方法」を啓蒙していただきたいものである…。


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