3RUNさん主催のロードバイク・セミナー、『目指せ自己記録更新!座学&実走トレーニング(全8回セミナー)』に参加したときに、書ききれなかった話を番外編としてまとめました。

>> MAXのパフォーマンスを引き出すには、どの機材でカスタマイズすべき? ヒルクライム、エンデューロ、ロングライド別に解説いただいた

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講師の橋本さん機材について2時間ガッツリ語っていただいたのだが、なにしろ機材は奥が深く、そして質問がたくん飛ぶ。濃密な2時間を過ごしたのだ。機材の話って……たぶん何時間でも、寝食を忘れて語り合うことができる……そんな気がする。

セミナーではヒルクライム、エンデューロ、ロングライドの3つのシチュエーションでどんな機材をチョイスすべきか、それはなぜかというお話しを伺った。メインはフレーム、ホイール、コンポーネント、サドル、ハンドル、タイヤあたりのロードバイクのメインとなる機材。

今回取り上げるのは、ペダル、チューブ、空気圧といった「あまり目が向かない、目立たない、でも地味に大事」なエリアについてである。


過去のセミナーの様子はこちら
>> 実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した

>> 正しいウォーミングアップ、身体のケア、ペダリングとポジションの基本をロードバイクセミナはでみっちり学んできた(前編)

>> 正しいウォーミングアップ、身体のケア、ペダリングとポジションの基本をロードバイクセミナはでみっちり学んできた(後編)


ラテックスとブチル、それぞれのチューブのメリットとデメリット

ロードバイクのチューブは大きく2種類。ラテックスとブチルである。

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ラテックス

  • 天然
  • しなやか(タイヤ内で密着する)
  • 軽い
  • 乗り心地よい
  • しかし、空気抜けやすい
  • 価格が高め

ブチル

  • 人工
  • 硬い
  • やや重い
  • 乗り心地はそこそこ
  • 空気は抜けにくい
  • 安い

  • 乗り心地を重視するならラテックスに一日の長がある。その代わり、1日中乗っていると、0.5(ヘタすると1気圧も)抜けてしまう性質なので、ロングライドにはあまりオススメできない。

    使用者の知人らには、「一度試すと、ブチルには戻れなくなるよ~」と言われることはあるのだが、空気が抜けやすい特性がどうしても好きになれず、自分はブチルしか使わないと決めている。(安いしね)

    とくにこだわりが無いのなら、ブチルを選んでおきましょう。

    空気圧ってどれくらい入れればいいの?最適解はどう見つけるの?

    面白いもので、空気圧はかなり個人差がある。サイクリスト同士であれば、たぶん空気圧だけで30分は会話できる。なぜかというと、各自バラツキがけっこうあって、それぞれが「フィーリングでこの圧だけど、これでええんかのう…」というほんの僅かな不安を抱えているものだから。

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    よほど体重がある人とかでないかぎり、一般論として、9~10bar (~~~~PSI)は高すぎ。では、いくつの圧が適正値なのか?どう突き詰めればいいのか?「体重 × タイヤ種類 × 道路コンディションをかけ合わせてこう決める」的なセオリーはあるのか?

    以下、橋本さんのアドバイス。

    まずはタイヤに従う。タイヤには空気圧の許容範囲が必ず記載されていて、その値が「6~9bar (~~~PSI)」だとしたら、まずはもっとも高い値まで入れて試走する。

    で、0.5bar づつ下げて、また試走する。小刻みに空気圧を替えて、実際に乗りくらべてみること。直線だけ走っても比較にはならないので、それなりの時間タイレルと距離を走って、コーナーリングでも試そう。 そうやって、自分のもっとも快適なスイートスポットを見つけること。
    とのことだった。

    ただ、ヒルクライムでは、やや高めに入れるのはアリ。でも、気圧の関係で山の頂上で破裂パンクさせてしまう人も少なくないので、入れすぎは禁物。ヒルクライムレース後、山を下るときは少し空気を抜いてグリップ力を高めるのは正しい選択だ。

    圧は高めのほうがパンクリスクを下げられる?

    これは自分の悪い癖なのだが、「空気圧は高めのほうが、なんとなくパンクリスクを下げられるのでは…」と考えてしまい、つい盛り気味に入れようとしてしまう。橋本さんにその是非を確認したら、「タイヤに書かれた適正値範囲内であれば、低めでも心配は無用」らしい。

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    ちなみに自分はフロントが 7.0 bar で、リアを 7.5 bar にしている。トラクションが直にかかるリアを少し高めにしてあるのだ。前後を同じ圧にしている人も少なくないので、どちらが正解かは断言できないが…。

    少なくとも、フロントの方が高い圧にしている人にお目にかかったことはない。たぶん、そんな人はいないはずだ。(もしやっている方がいたら、見直しましょう)

    マニアックなカスタマイズ

    サイクリストにとって軽量化は、ヨダレが出るほど楽しいテーマ。その究極とも言えるのが、ヒルクライムにおける軽量化である。(なんで軽量化の話題だけで盛り上がれるんだろう…?)

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    ヒルクライムレース限定のかなりマニアックな技として、アウターのクランクを取り外す…がある。(ひたすら登り…のようなインナーしか使わないシチュエーションであれば)

    本気で勝ちに行く選手はフロントディレイラーを外すこともする。機材を丸ごと無くせるので、かなりの軽量化にはなるのだ。取り外しは比較的楽だが、戻すのはややシンドい。シフティングの調整もあるし、お店でメカニックさんに頼んだほうが確実で安全である。

    アウタークランクを取り外すのであれば、チェーンテンションもいじることになる。クランク経が小さくなることで、チェーンゆるくなるので、そのままでは走行中にチェーンが暴れて外れてしまう。二~三個コマを詰めておくとよい。

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    チェーンがもったいないが、決戦用と割り切ればアリだろう。あとは、脱落予防としてチェーンウォッチャーつけるのも手だが、まずはテンションをしっかり張ることをお忘れなく。

    ペダルの選択

    自分のようなマイペース・ヒルクライマーはペダルの重さなど考えたこともないけど、頭のネジを数個失った、軽量化を突き詰めるクレージーサイクリスト(←褒め言葉です)はそこまでやるものなのだ。

    シマノはやや重い。軽さを取るならLOOKのほうがいい。TIMEはフローティング構造が好き嫌いが分かれるそうな。自分は一度試乗して、「お、たしかに遊びがあって膝に優しいな」とは感じた。スピードプレイはトライしたことがない。

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    ※LOOKです

    軽さだけを求めるなら、エッグビーターという手もあるが、踏み込み面積が小さいので、パワーのかかるヒルクライムには不向き。泥が詰まりにくいので、シクロクロスではお馴染みではあるね。あと、ミニベロにつけると可愛らしくてよく似合う。

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    ※クランクブラザーズ社のエッグビーター

    カスタマイズの注意点

    橋本さんはセミナー後に、「イベント直前のカスタマイズはご法度」と力説していらっしゃった。なぜなら、そのせいでほんのすこしポジション変わってしまったり、機材に乗り慣れていないせいでライド中に違和感で苦しむことがあるから。

    あと、自分でいじると締めのトルクが不足してて、走行中に緩んでくる可能性もある。これはマジで危険。命に関わる。

    十分に時間を開け、何度か走って機材やポジション変化に慣れて、バイクがきちんと組まれているのが確認できたうえで出場するのが大原則。ランニングでも、まっさらのおニューなシューズでマラソン大会には出場しないものですよね。

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    ※サドル毎に厚さは違うので、ポジションにも影响する

    余談だが、自分はBOMA の Refale のサドルをタイオガのスパイダーからプロロゴに交換した。スパイダーは薄い一枚ペラのプラスチックだが、プロロゴにはパッドがあるため。走ってすぐに「なんだ、どうした?」ってビックリした。

    厚みのせいで、座る高さが1センチほども変わってしまったようだ。三本ローラーがあると、走っては調整、、、を繰り返せるのでフィッティングがラク。このように、サドルひとつ取っても、劇的な変化は起きてしまうもの。

    カスタマイズは楽しいですが、ちょっとでも自信がなかったりしたら、安心できるメカニックさんに基本はおまかせして、いじったあとはしっかり乗り込むようにしてくださいませ。