ロードバイクのタイヤって、どの国にどんなメーカーがあるのか、気になったことはないだろうか。見た目はどれも大差なく(たいてい黒い)、ブランドを聞いただけでは高級なのかどうかも知れず、どんな特徴や性能差があるかもわからない。

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以前記事にしたこともあるのだが、IRC(井上ゴム工業株式会社)のことを「Italian Roadbike Company」 だと5年間くらい本気で信じていましたからね…。「日本の会社だったのか…」って知ったのは2017年でした。

>> IRCはイタリアのタイヤ会社だとずっと信じてて正直、スミマセンでした…


ちなみに井上ゴム工業株式会社はIRCブランドを展開するオートバイ、自転車、車椅子用タイヤメーカーでして、愛知県名古屋市中村区に本社があります。その後、贖罪の意味も込めてIRCのタイヤ、Aspite(アスピーテ) Pro を注文しました(笑)。

>> IRCのクリンチャータイヤ、Aspite(アスピーテ) Pro (700×24c)を注文しました

>> パナレーサー(Race L Evo 3)からIRC の Aspite Pro(アスピーテプロ)にクリンチャータイヤを交換し、あるトラブルに気づく


そんなわかりにくい&情報が少ない自転車のタイヤメーカーのまとめを作ってみました。海外産と国産にわけてお届けします。

コンチネンタル(Continental)

コンチネンタル社はドイツ(ハノーファー)が本社のタイヤ及び自動車部品メーカー。1871年創業。従業員は約163,788人。(コンチネンタル社の公式サイト

創業当初はゴムメーカー「コンチネンタル弾性ゴム・グッタペルヒャ」(Continental-Caoutchouc und Gutta-Percha Compagnie) だった。(参照元はウィキペディア

タイヤ、ブレーキテクノロジー、ビークルダイナミックコントロール、エレクトロニックシステム、センサーシステムの分野で世界を代表する、自動車関連部品のグローバルサプライヤーでもある。ただのタイヤメーカーではない。

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グループは、「タイヤ」 「ContiTech」 「シャシー&セーフティ」 「パワートレイン」 「インテリア」 の5部門に分かれ、世界46カ国に296の製造、R&D、テストコースの施設を持つ。

ヨーロッパでの乗用車&小型トラック用タイヤのマーケットシェアは第1位で 世界シェアは第4位。純正装着タイヤ、ウィンタータイヤ、チューニングカー用タイヤのシェアもヨーロッパシェアNo.1を誇る。(詳細はこちら

自転車タイヤとしては、ロードバイク、MTB、シクロクロスのタイヤを作っており、ロードバイクではGrand Prixシリーズが有名。ミニベロのタイヤは作っていない模様。

シュワルベ(Schwalbe)

ドイツに本社を置くSchwalbeブランドを展開するオートバイ、自転車、車椅子用タイヤメーカーである。シュワルベはブランド名で、Bohleが社名。Bohle家によって1922年に設立された。現在は3世代目が継いでいる。

株式会社ピーアールインターナショナル(日本代理店)

自転車タイヤと競技用車椅子バスケットボールのタイヤを製造している。なお、Schwalbeは、ツバメを意味する。

Schwalbe internationalの本社はドイツにあるが、子会社はフランス、英国、イタリア、オランダ、アメリカ、カナダにある(日本にはない)。

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日本にあるのは代理店は株式会社ピーアールインターナショナルで、本社は名古屋市名東区。実家にむっちゃ近く、目の前を車でよく通る。ロジスティクスセンターと倉庫は名東区隣の愛知県長久手市にあり、もはや実家と目と鼻の先レベルである(10数年前までは長久手市に住んでいた)

そういう意味でも、シュワルベは馴染み深いブランドである。

タイヤの種類は多様で、

  • ROAD(オンロード)
  • MTB(オフロード)
  • FAT BIKE(ファットバイク)
  • CROSS(シクロクロス)
  • TOUR(ツーリング)
  • URBAN(街乗り)
  • ACTIVELINE(街乗り・コストパフォーマンス)
  • WINTER TIRE(スパイクタイヤ)
  • WHEEL CHAIR(車椅子)
を作っている


ミニベロタイヤも作っており、
  • シュワルベ ワン (SCHWALBE ONE)
  • シュワルベ プロ ワン (SCHWALBE PRO ONE)
  • デュラノ (Durano)
  • デュラノ プラス (DURANO PLUS)
等がある。


ミニベロタイヤの中でもっとも細いタイヤのは、25c(シュワルベ ワンの451サイズ)のみ。406サイズだと28cしか選べないのがやや残念。

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/デュラノ(28c)です\

なお、長年お世話になり続けているデュラノ(Durano)は451も406もどちらも28c である。(今はオクサマのボードウォークにデュラノを履かせている)

ピレリ(Pirelli)

1872年にジョヴァンニ・バッティスタ・ピレリによって創業され、2015年に中国化工集団(国有化学大手)公司の傘下になった、イタリア ミラノに本社を置くタイヤ、フィルターなどを製造する会社。

タイヤ業界ではコンチネンタルに次いで世界5位の規模だ。

ピレリといえば、車やF1レースなどのモータースポーツで馴染み深いが、自転車タイヤも製造している。

主なラインナップは下記3つの700cクリンチャータイヤ
  • P ZERO VELO(23,25,28c):オールラウンドタイプ
  • P ZERO VELO TT(23cのみ):レース向け(耐久性は犠牲になっている)
  • P ZERO VELO 4S(23,25,28c):耐パンク性を高め、ウェットコンディションでも高いグリップ力を発揮する

ちなみに「P ZERO」はピレリの乗用車タイヤの中でフラグシップモデルにあたる。フェラーリ、ポルシェ、マセラティ、ランボルギーニ、メルセデスAMGなどプレステージカーや、欧州車のスポーツモデルで採用されている。(自転車用タイヤでも同じブランド名が付けられていると、なんだかちょっとウレシイ気分になれますね)

ビットリア(Vittoria)

Vittoria Industries Ltdは1953年誕生のイタリア企業で、自転車用タイヤのリーディングカンパニー。年間700万本以上のタイヤと、90万本ものチューブラーとコットンタイヤを生産する。

タイの自社工場で生産し、北米(ボストン)、アジア太平洋地域(バンコク)、ヨーロッパ(イタリア、オランダ、ドイツ)からグローバルな供給及びマーケティングを展開している。

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Vittoriaグループとして、複数の国でVittoria以外のブランドも扱っている(イタリアで3T、Fox、北米でNorthwave, 3T、Selle Italia)

ビットリアジャパンのサイト

ビットリア公式サイト(日本語対応)

ビットリアジャパンのフェイスブックページ

有限会社Vittoria Japanの本社は名古屋市昭和区で、ロード、シクロクロス、MTB、アーバン(街乗り)、さらにはロードとTT用のホイールも作っている。なお、ミニベロタイヤは生産していない。


ロードバイク用タイヤとしては、

  • COMPETITION(CORSA SPEED、CORSA)
  • TRIATHLON(TRIATHLON SPEED)
  • ALL ROUND(RUBINO PRO SPEED、RUBINO PRO、RUBINO PRO CONTROL、RUBINO PRO ENDURANCE)
  • TRAINING(ZAFFIRO ZAFFIRO RIGID、ZAFFIRO PRO HOME TRAINER、RALLY等)
  • TRACK(PISTA SPEED、PISTA CONTROL)
の5種類を出している


あと、面白いネタとして、「適正空気圧測定アプリ (iTIRE pressure app)」をリリースしていて、ロードバイクでもMTBバイクでも、ブランドやモデルに関係なく、このアプリで適性な空気圧を調べることができる。

アプリ(無料)はここからダウンロードできる。

ミシュラン(Michelin)

世界初のラジアルタイヤを製品化したフランスのタイヤメーカー。2005年にブリヂストンに抜かれるまでは世界最大のタイヤメーカーだった。1889年に創業した当時は、農機具やゴム製品を製造販売する会社だった。

同社の発行する、いわゆる「三つ星」評価付きの旅行ガイドブック『レッドガイドブック』はあまりにも有名。

Wikipediaによれば、

ヨーロッパではクレベールやストミールオルスチン、アメリカではBFグッドリッチやユニロイヤルなど数十のブランドを傘下に収め、各営業地域において最適なブランドを選定、展開する「マルチブランド戦略」を推し進めている。 日本では繊維業界とも手を組み、白洋舎とホテルなどに向けた「Michelin」、カフェなどをターゲットにした「BIBENDUM」でサービスユニフォームを展開している。

なんですって(へぇ~)。


日直商会のサイトには、ミシュランのこんな紹介文が載せられている。

ある時、ひとりのサイクリストが、パンクをした自転車用のタイヤを修理するために、ミシュランの工場を訪ねたことで会社は大きな転機を迎えます。

まだ空気入りのタイヤが珍しかった時代、そのタイヤは乗り心地に優れるものの、一度パンクをしたら修理に何時間もかかるものでした。 しかし空気入りタイヤの快適な乗り心地に魅了されたミシュランの創業者は、わずか15分でタイヤの取り付けを可能にする技術を開発したのです。

そして、そのタイヤと技術を世に広めるために、世界最古の自転車レースである「パリ・ブレスト間往復レース」に臨みました。 結果は見事、ミシュランが開発したタイヤをつけたシャルル・テロン選手が、2位の選手に8時間もの大差をつけてゴールし、自らの発明を世に知らしめました。

この自転車レースへの参戦こそが、ミシュランタイヤの歴史のはじまりなのです。

ただ……公式サイトのどこを見ても、自転車タイヤが掲載されていない。車、バイク、農耕器具、トラック・バス、建設・産業機械用、航空機用はあるのだが…。

自転車関連は売上的に微々たるものだから、あまり重視されていないのだろうか…。

ケンダ(Kenda)

1962年設立で、社名は「建大工業股份有限公司」。本社は台湾にあり、アメリカやドイツにもオフィスを展開する(工場は台湾、中国、ベトナムの三拠点)。従業員数は1万名を超える。

乗用車、小型トラック、産業車両、トレーラー、ゴルフカート、芝地管理車両、ATV、モーターサイクル、自転車、福祉介護車のタイヤ及びチューブを製造している。

自転車用タイヤは、ロードバイク、MTB、シクロクロス、BMX、アーバン、ファットバイク用など、ラインアップは広い。ただ、なぜか日本のサイトには自転車タイヤの情報がゼロ…。(英語サイトにはふつーに掲載されている)

公式サイト(日本語対応)


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中華タイヤメーカーも含めるとまだまだあるのですが、キリがないのでいったんココで終了します。抜け漏れありましたら随時追記しますので、ご指摘くださいませ…。
m(__)m


>> 【まとめ】 ロードバイクメーカー簡単な紹介とリンク集


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