職場の仲間と、筑波8時間耐久レースに参加してきた。今年二度目のエンデューロだったのだが、富士チャレンジ200に続いて、大雨の中でのエンデューロになってしまった。

富士スピードウェイではしとしと雨がずっと続いていたのが、筑波サーキットは土砂降りになったり、パラパラに変化したり、午後には雨が止む…というコンディションが常に変化する中でのレースだった。

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※雨が降る前

筑波サーキットは初めて訪れる場所だったので、事前にちょっと調べておいたんだけど、ウィキペディア筑波サーキット公式サイトを引用しつつ紹介してみます。まだ筑波サーキットを走ったことのない人の参考になればこれ幸い。

筑波サーキットってどこが運営しているの?

茨城県下妻市にあるサーキットで、財団法人日本オートスポーツセンター(JASC)が運営している。ウェブサイトのURLがJASCとなっているが、そういう理由だったのか。
※なぜtsukuba-circuit.jp とかじゃないのだろうって思っていたので。

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筑波サーキットってどんなコース?

1970年6月22日オープンなので、年齢で言えば46歳。たしかに、施設を見た瞬間に「昭和感を感じる古さがあるな…」と思ったのだが、そういうことか。歴史のある場所ということである。

ちなみにツインリンクもてぎは1997年8月、富士スピードウェイは1966年にそれぞれ営業開始している(2000年からトヨタの傘下)ので、べつに筑波サーキットが日本最古のサーキット…とかではない。

蛇足だが、鈴鹿サーキットは1962年に本田技研工業(ホンダですね)がつくっているので、さらに古い。なお、ツインリンクもてぎはもともとホンダによって作られたが、現在の運営母体は、鈴鹿サーキットを運営する鈴鹿サーキットランドと合併した株式会社モビリティランドである。

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※こちらは富士スピードウェイ(規模が段違いにでかい)

筑波サーキットの全長はたったの2,070メートルしかなく、鈴鹿サーキット(5.807メートル)や富士スピードウェイ(4,400)、ツインリンクもてぎ(4,801)と比べるとコース長は半分以下だが、オープン当初から首都圏におけるモータースポーツの重要拠点として活躍してきた。

なにより、アクセスが比較的良いのがメリット。 かつては4輪の全日本F3選手権や全日本ツーリングカー選手権(JTCC)などが開かれたそうで、今は2輪の全日本ロードレース選手権、F4・FJ1600などジュニア・フォーミュラのレース、それに一般的な走行会が開催されている場所である。4輪レースが行われることもあったが、最近はもっぱら2輪メインのコースとなっている。

全長は2キロしかないのが不安だった

現地に到着するまでは、「たったの2キロしかないのか。狭苦しくって、コース上がごちゃごちゃして、ちゃんと走れるのかしら」って危惧していたんだけど現地でコースを見た瞬間、その不安は消し飛んだ。
コースマップはこちら

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適度にコンパクトで、変化に富むコースで、激しいアップダウンがなく、「わ、楽しそうなコースだな」が第一印象だった。バイクレースの会場に使われるせいか、富士スピードウェイのようなだだっ広さはなく、でもそのタイトさが自転車レースにはちょうどいいって思った。

ストレート区間が非常に短く、マシン(バイクやクルマの場合)の性能差が出にくいのが特徴。各コーナーにはかなりのバンク(傾斜)が設けられていて、高い速度を維持しつつ旋回できるようになっている。

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あと、待機場所とコースの選手の距離感が近いのがGOODポイント。富士スピードウェイやツインリンクもてぎは、コースが巨大なせいでパドックとコースに距離が生じ、走っている選手とは距離があく。パドック内の待機場所に戻ると選手はぜんぜん視野に入らなくなってしまう。

筑波サーキットは。設備は古くてショボさを感じるものの、走っている選手が待機場所から眺められるし、「がんばれ~~」と声をかければ十分に耳に届く。走っている選手と待っている選手が一体感を感じられる、自転車レースに向いた規模感だと思った。

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パドックには場所を取れないので、テントは必須

ツインリンクもてぎ、富士スピードウェイは広々としたスペース内にブルーシートを張って、テーブルや椅子を並べて食事しつつ休むことができる。天井もあるので雨風をしのぐこともできる。

しかし、筑波サーキットのパドックは狭い。むちゃくちゃ狭い。交代する選手が待機するだけの広さしかなく、よって待機場所の陣営はパドックの外に設営する必要がある。つまり、テントが欠かせない。参加しているチームで、テントを持参していないとこはなかったと思う。

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激しい雨が降ったりやんだりの連続だったので、テントがないとジ・エンド。筑波サーキットに参加するなら、テント、椅子、テーブルは必須です。
※椅子とテーブルはどのサーキットでも必要ですが

基本は平坦で、登りはほぼない

筑波サーキットはアップダウンがほとんどない。基本はフラットだと思ってもらってOK(なだらかな傾斜は部分的にはあります)。これを単純に「良い」と見るかどうかは価値観の問題なので、なんとも言えない。

ツインリンクもてぎはそこそこの上りが1ヵ所あり、富士スピードウェイはなかなかキツい長めの上りがある。周回を重ねると「ぐぬぬぬ…」と歯を食いしばりながら登ることになって、苦しい。でも、その後に気持ちのよいダウンヒルが待っていると思えば、がんばれる。

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筑波サーキットには苦しい区間はまったくない代わりに、足を休ませられる下りがない。よって、常に漕ぎ続けなければならないのだ。猛烈な「短距離ダッシュ」的な瞬間的苦しさはない代わりに、「マラソン」のような逃げ場のないじわじわ系…と表現すればいいだろうか。
※鈴鹿サーキットは走ったことがないのでわからない

独特の演出やローカルルールがある

面白かったのが、筑波サーキット独自のルールがあったってこと。驚いたのがレーススタートで、もてぎと富士では第一走者だけがズラッとコース上に並び、出走合図を待つ。これが一般的なパターン(のはず)。

ところが、筑波は第一走者はコース上に並ばず、道路の両サイドにナナメに並ぶ。でもって、(第二走者等の)パートナーがバイクの後ろに立って、サドルを持って支える。 ツール・ド・フランスのタイムトライアルで、出発前の選手のサドルを後ろで持って倒れないようにしているあの感じ。

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この状態からいっせいにコースになだれ込むのって、むしろ危険なんじゃ…」と思いつつ、自分は第二走者だったのでパートナーを努めたのだが、あわやってシーンが幾つか目についた。なぜにこのような独自スタート方式を採用しているのかわからないんだけど、きっと理由はあると思う。
※運営者に聞いておけばよかった…

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ただ、第一走者以外の選手もコース上に立つことが許されているってことでもあるので、それは新鮮な体験だった。なんというか、手作り&アットホームな印象である。

「リアのフラッシャー」と「グローブ」は筑波では必須。このレギュレーションは富士ともてぎでは経験がなかったので、それもユニークだなって思った。上記2つを装着せずに走っていると、運営者側にチェックされて減点対象になってしまうんですって。
※どうやってチェックしているのかはわからない

グローブはレギュレーションに設定されていようがいるまいが、落車の際の手の保護のために絶対にやったほうがよい。リアフラッシャーについても、雨天晴天関係なく、視認性を高めるために点灯するに越したことはない。これはよいレギュレーションだと思う。

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なお、自分はBikeguy トライスター レッド リアライトを愛用しているが、不覚にも忘れてしまった(ミニベロのほうにつけっぱなし状態)ので、100円ショップで手に入れたリアフラッシャーで出場したのだが、レース数日後に点かなくなってしまった。

「買ってたったの一か月で電池が切れたのか?」と思って内部を確認してみたら、びっくりするほど赤黒く錆びてた。安物は防水性ゼロであることをそのとき知った…。

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※終盤は雨が上がりました

あともう一つ、ゴール後に最終走者はもう1周走って、セレモニーをおこなう。そのことを知らなかった自分は、「参加者が全員ゴール地点に集まってざわざわしているけど、何が行われるんだ?」と不思議に思ってノコノコついていった。

そしたら、『Time to say goodbye (サラ・ブライトマン)』が会場中に大音量で鳴り響き、ドカンドカンと花火が打ち上げられた。エモい演出にビックリした。まさか感動系のフィナーレがあるとは思ってなかったので、面食らった。

 

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※なぜに感動系?でも、なんか良い演出ですね

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※かなりバシバシ打ち上がってました

ゴール後は参加者全員がコース上でハイタッチしあったり、健闘を称えあったり、記念撮影をしていて、「これは悪くないな~。参加者にはいい思い出になるな~」って思った。

ふつう、サーキットコース上への立ち入りは禁止されているものなので、このように入らせてもらえると、観客席からは見れない景色が味わえてよろしい。

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悪天候でのイベントで、体を冷やさないためのコツ

エンデューロに参加したことのない人のためのアドバイスとして、「暖をとるための服装と食事対策」はやっておこうと言いたい。

タオルと着替えは必須

春先や秋のレースは、走っている間は快適でも、休憩時間にがっつり体が冷えてしまう。晴天であってもじっとしていると寒くなる。汗をかいたままでいればなおさらだ。雨天であれば、濡れたままの姿でいると体調を崩すこともある。

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※待ち時間に体が冷える

休憩中はいったん濡れたジャージ&インナーを脱ぎ、タオルで体を拭いて皮膚を乾かした状態で服を着よう。汚れても気にならない程度のトレーナーとかパーカーがオススメ。体を乾かした状態で着るのがポイント。濡れている体に何をかぶせても寒いままだけど、乾いているだけでびっくりするほど体感気温が変わるよ。

だから、タオルは多めに持っていくといい。帰りに日帰り温泉にも立ち寄れるしね。

暖かい食べ物があるとマジで感謝したくなる

長丁場のエンデューロでは、ただの補給食だけだとなんとなく物足りない。栄養素的には十分であっても、気分的に盛り上がれないのだ。鍋であったり、コーヒーだったり、カップ麺があるとないとでは天地ほどの差を味わう。

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エンデューロ慣れしている方々は、カセットコンロや湯沸かしポットを持参しており、お湯を沸かして暖かい食べ物、飲み物を召し上がっていらっしゃる。身体が中から温まって、元気が出る。パン、おにぎり、お菓子類だけでは寂しくなってくるのよね。

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自分たちのチームは、メンバーの一人が鍋を用意してくれてむちゃくちゃありがたかった&美味しかった。鍋のおかげで体を暖かく保てたし、順番が回ってきたときに、「よし、走るぞ!」って気分になれたのだ。 屋外で味わう鍋も風情があっていい。

以上、筑波サーキットで8時間耐久レースの感想記事でした。筑波サーキット、いい場所ですよ。またぜひ参加したい。
(∩´∀`)∩