乗鞍に登れる最終日(10月31日)にヒルクライムしてきました。

本当は10月初旬を予定していたけど、台風で流れてしまい、ギリギリ滑り込みセーフでした。最終日ということで「さすがにサイクリストは少ないだろうな…」と思っていましたが、上りで6~7人、下りで6~7人を見かけました。
※乗鞍を走れるのは7/1~10/31の4ヶ月間のみ

この日は、エコーライン入り口係員のおじさんも「まれに見る素晴らしい快晴だね。てっぺんからはいい景色が拝めるよ」って話してくれたとおり、とんでもない絶景に出会えました。



乗鞍に登ったことのない方の参考になればと思い、レポートします。

目次


乗鞍エコーラインを登りました

我々が登ったのは、長野側からの「乗鞍エコーライン」。岐阜側からのルートは「乗鞍スカイライン」です。頂上の県境で2つのルートが合流するわけです。で、スタートの乗鞍観光センターからゴールの乗鞍畳平バス停までは21キロあります。

  • 乗鞍スカイライン:岐阜県側から乗鞍岳を目指すルート
  • 乗鞍エコーライン:長野県側から乗鞍岳を目指すルート

乗鞍の10月末は(東京感覚で言う)完全な冬

朝7時の時点で気温は4度。めっちゃ寒いです。冬です。

ということで冬用ウェア、冬用グローブで準備します。シューズカバーは「まあ、なくてもいいか~」と思って履きませんでした。

9時に宿泊先のホテル、アルム(標高1500メートル)を出発。出発早々、路上に5~6頭の猿を発見。我々をじっと見ていますが、近寄ってくるわけでもなく、じゃれあって遊んでいました。カジュアルに猿が生息してますね。

まずは三本滝(標高1,800m)を目指します。約7.5kmあり、道は凍結しておらず、坂も緩やかなので順調に登れます。冬だとここがスキー場のてっぺんです。

三本滝→乗鞍畳平バス停(ゴール)のルート

じつは前日からホテルの人にも、道路の係員の人にも、「エコーラインは凍結している箇所があるし、それが理由の落車事故もときどきある」と聞かされていて、当日は道路状況によっては登らずに、三本滝で引き返すことになるかもな…と覚悟はしていました。

しかし、ゲートにいた同じおじさんに再び訊いてみると、「日中はわりと溶けているので今日なら登れる。むしろこの快晴で無風状態なら最高の景色だから、ぜひ登ってらっしゃい」と言ってもらえたので、よし行こう!となりました。

ただし、「日陰は凍結していることも多いから、下りはくれぐれも慎重に。夕方の日が傾く前には三本滝に戻ってくるように」とアドバイスもいただきました。

全体で21キロのルートをざっくり三分割してみると

一気に21キロ登る!だと途中でダレそうなので、3つに分けると登りやすいかも。

1.乗鞍観光センター→三本滝レストハウス(7.5km)

わりと楽です。序盤のウォーミングアップ的に登れます。

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木々が多めなので、下界を見下ろす!的なことはまだできません。
ただ、森林浴のようで気持ち良い。

ここまでは体力をセーブして走りましょう。

2.三本滝レストハウス→位ヶ原山荘(8.5km)

ここから先が交通規制区間で、一般車がNG。

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タクシー・観光バスのみ通行OKなので、交通量がほぼありません。
この日は凍結のためバスが通行止めになり、走るのはタクシーと地元関係者の車のみ。

ときどき斜度がアップするも、比較的マイルドなので淡々と登れます。三本滝から先は店も自販機もなく、人工物がほぼ消えます。自然界に突入していく感じです。

木々は生い茂っているものの、ところどころで視界がひらけ、見下ろすことができます。すでにこの時点で絶景に感激。

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※このあと、もっとすごい景色が待ってます。

店はないと書きましたが、唯一「位ヶ原山荘」という山荘があって、そこでは軽食とか飲み物が買えます。ろんぐらいだぁす!のワンシーンにも出てきた場所らしいですね。

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山荘の食堂スペースを使わせてもらうんですが、The 昭和!なレトロ感がたまりません。

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おしるこ、たい焼き、乾き物(あられ類)、ココア、コーヒー等がいただけます。飲み物も少々。お湯付きでカップラーメンもありました。

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山で食べる甘味って、なんでこんなに美味しいのでしょうか…。ちなみに、アーレンキー・空気入れ等の自転車メンテナンスツールの貸し出しもしてて助かります。

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が、位ヶ原山荘だけをアテにするのは心もとないので、夏場ならダブルボトルはマスト。補給食も持参しておくのが安心ではあります。

3.位ヶ原山荘→乗鞍畳平バス停:ちょっと斜度きつくなる(5km)

位ヶ原山荘を過ぎたあたりから斜度がちょっときつくなります。激坂!ってほどではないですが、地味に脚を削られるかんじ。

じつは、モバイルバッテリーを車に置き忘れるという大失態を犯しまして、登っている途中でスマホの電池が死にました…。よってここから先は写真無し。動画の方を御覧ください(^_^;)

しんどい代わりに車がほぼ来ないので、完全な静寂の中を走れます。耳を澄ますと、風に揺れる木々や葉っぱのこすれる音が聞こえます。普段、なかなか経験できない無音の世界です。

案の定、凍結箇所は3~4箇所ありまして、うっすらだったので道を選びながらゆっくり登ってクリア。日向は問題ないですが、終日日影の箇所もあるっぽいので要注意。
※下りのときはめっちゃ慎重にゆ~~~っくり下りました。

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で、残り4キロあたりで森林限界になるので一気に景色がひらけます。北アルプスでは2,500メートルで森林限界になるそうで、山肌はハイマツとゴロゴロした岩、見下ろせば山しか見えない絶景。人工物が視界にありません。すごいです。脚の辛さを忘れてしまいますね。

乗鞍畳平バス停に到着

ゴール地点は標高2,716m。三本滝レストハウスから約900mアップ。スタート地点の乗鞍観光センターからは1,200mアップですね。

標高が上がるほど気温は低下するのが肌でわかり、森林限界あたりでかなり冷え込んできました。頂上は気温0℃だったみたいですが、冬用ウェアとウインドブレーカーのおかげでなんとか過ごせました。

あと、私は意識できなかったんですが、娘は「少し息苦しいかも。空気、薄くなってない?」と話してました。標高2,700mなら、少々は薄くなってはいたのかなと。

頂上はトイレもなく、吹きっさらし。自然のど真ん中に立っている気分です。この日は無風だったので過ごしやすかったものの、風があったらモロに受けてしまいます。

頂上からの景色は360度、すべての方向が山々。ヒルクライムなのに登山した感覚が味わえます。これまでいろんな場所を登りましたが、ここ以上の絶景に出会ったことはないです。「ここ、日本だっけ?」って錯覚を味わいます。夏に訪れた熊本の阿蘇の大自然も超ダイナミックでしたが、阿蘇とはまた違った風景で甲乙つけがたい。

◇ 【熊本・阿蘇サイクリング旅行】e-MTBで阿蘇山に登ってダウンヒル

三本滝まで13.5km ダウンヒル

特にやることもないし、休憩所もベンチもないので、滞在時間は20分ほどで下ることにしました。0度でじっとしていると、冬ウェアとはいえ、やはり身体が冷えてきます。

ここで娘が失敗を犯してて、秋用グローブで登ってました。行きは気にならなくても、下りは冷えます。三本滝までの13.5km 、延々と下ってると指がかじかんでしまい、途中7~8回ほど止まる→指を温める…を繰り返したので、下山にかなり時間がかかりました。

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三本滝レストハウスまで降りてくると、一気に気温の上昇を感じて、ポカポカしました。まあ、それでも気温7~8度なんですが。ここで小休止してホットコーヒーを飲み、乗鞍観光センターまで下山しました。

走ってて思いましたが、アスファルト舗装の状態はとても良好で、凸凹やクラック、穴などはほぼなかった印象。車両の通行が少ないってこともあるでしょうが、やはり一大観光地なので整備状況が行き届いているのだと思います。凍結がない季節なら、上りも下りも超快適です。

湯けむり館に立ち寄る

キンキンに身体が冷えていたので、乗鞍観光センターから目と鼻の先にある「湯けむり館」(長野県松本市安曇鈴蘭4306-4)へ。

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乳白色(単純硫黄温泉【硫化水素型】)の良い湯加減でした。

乗鞍ヒルクライムはさすがに10月は寒いので9月~10月初旬がベスト

例年の乗鞍高原の最高気温と最低気温ではこんなかんじ。

  • 7月:16° / 5°
  • 8月:17° / 6°
  • 9月:12° / 2°
  • 10月:6° / -5°

10月末の寒い時期は、視界がひらけて景色が良いのでそれはそれで良いんですが、快適に登るベスト時期は9月下旬~10月初旬かな?という気がします。ただ、その時期は登山客も多いでしょうから、バス等交通量は多いはず。そのへんはトレードオフでしょう。

言葉に表せないほどの素晴らしい絶景は、写真だとぜんぜん伝えられません。
まだの方はぜひ登ってほしい。一生の思い出になることをお約束します。

「21キロのヒルクライムはちょっと…」であれば、E-Bike レンタルで登るもよし。実際に走っているご夫婦(ご主人がロード、奥様がE-Bike)を見かけましたが、気持ちよさそうでした。


あと、宿はプチホテルアルムがオススメ。

  1. 食事がうまい
  2. 部屋と建物にぬくもりあって気持ち良い
  3. 宿の温泉も素晴らしい
  4. 立ち寄り湯として白骨温泉にもすぐ行ける
  5. 宿の方々が気さくで親切

です。

来年もまた来るつもりです(^^)


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