2017年6月にリリースされた新型アルテグラ(R8000)、「すでに買ったよ」って人もいるでしょうが、「まだ検討中だよ」って迷っている層もそれなりにいるんじゃないでしょうか。

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>> シマノ R8000系ULTEGRA登場 DURA-ACEのDNAを受け継ぐドライブトレインとブレーキシステム(シクロワイアード)


R8000リリース後にバイクを新調した人は、(当然ですが)けっこうな割合でR8000を選んでいるようで、自分の周囲でもチラホラ見かけるようになってきた。が、6800をR8000に交換した人は知人はほぼいない。

6800のアルテグラユーザー歴4年の自分にとって、アルテグラ(R8000)は間違いなく気になる存在。ただ、6800でなんの不満もないどころか、完全に満足してしまっているので、なんとなく買うタイミングを失って今にいたる。

>> アルテグラR8000のインプレ動画翻訳紹介


「R8000はシャドーデザインを採用しており、R9100にかなり寄せたデザインである…」くらいの大雑把な知識はあったが、そういえば「R8000と6800って、何がどれくらい違うんだ?新旧の価格差は?重量差は?」って真剣に調べたことがない。

ということで、数字をかき集めて比較してみました。


こっちの記事も参考になります。

>> 新型アルテグラ ST-R8000 どんなもんじゃい!? ST-6800→ST-R8000ヘ交換(えふえふぶろぐ)

そもそもR8000アルテグラ(ULTEGRA)とは?

アルテグラは1987年にデビューしたシマノのロードバイク用上級コンポーネント。語源は「アルティメット(ultimate:究極)」と「インテグレーテッド(integrated:統合された)」を組み合わせた造語。デュラエースの下のセカンドグレードとなる。今回のR8000は、R9100系DURA-ACEのテクノロジーを受け継いで2017年に登場した最新バージョン。

デュラエースがレースシーン向けとすると、アルテグラはデュラエースの高性能をより多くの人に届けるためのやや安価なコンポーネント。(まあ、安価と言ってもフルセットが税込みで10万円を超えるが…)

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/R9100のリアディレイラーです\

アルテグラR8000の特徴とかセールスポイント

  • スプロケットの最大歯数は34T(坂も楽に登れる)
  • 機械式に加え、シンクロナイズドシフト対応のDi2も登場した
  • さらにディスクブレーキモデルもラインアップ

アルテグラR8000のセット価格(税抜)

  • 6800: 93,649円
  • R8000: 99,909円

※6,000円ちょいの値上げは許容範囲か…。 


R8000の各パーツの価格

  • デュアルコントロールレバー:ST–R8000 32,989円
  • フロントディレイラー:FD–R8000 4,902円
  • リアディレイラー:RD–R8000 9,181円
  • クランクセット:FC–R8000 25,955円
  • ボトムブラケット:SM–BBR60 1,999円
  • カセットスプロケット:CS–R8000(11–25T) 7,697円
  • チェーン:CN–HG701–11: 3,372円
  • ブレーキキャリパー:BR–R8000 13,814円
合計:99,909円

こうやって俯瞰してみると、コンポーネントは「クランクとSTIがかなりお高い」ことがわかる。反面、意外にボトムブラケット(BB)は安い。チェーンよりも安いので、「ここだけデュラエースにしてみよう〜」ってのもアリ
※違いを感じ取るのは一般サイクリストではほぼ無理だろうが…

蛇足だが、消耗品であるチェーンとカセットは比較的お安いので、1年に1回くらい交換してあげると快適に乗れる。


Di2のR8050の価格も添えておこう。

  • デュアルコントロールレバー:ST–R8050 31,697円
  • フロントディレイラー:FD–R8050 21,256円
  • リアディレイラー:RD–8050 25,561円
小計:78,514円
共用パーツ合計:52,837円円
合計:131,351円

機械式よりDi2のほうがデュアルコントロールレバーは安い…(どうしてだろう?)


ということで、トータルしますと
  • 機械式:99,909円
  • 電動式(Di2):131,351円
※価格差は31,442円

価格差はリアディレイラーとフロントディレイラーで生まれている(意外にもSTIではなくて驚き)ことがハッキリする。

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以下、各パーツ毎に比較してみます。

リアディレイラーの比較(R8000 vs 6800)

SS(ショートケージ)
  • 6800:7,811円(195グラム)
  • RD–8000:8,617円(200グラム)

GS(ロングケージ)
  • 6800:8,402円(207グラム)
  • RD–8000:9,181円(210グラム)

ポイント

  • 数グラムの増量(誤差のレベル)
  • シャドーデザインにより、外側への張り出しを抑えたロープロファイルデザイン
  • ブラケットを外せば、ダイレクトマウントタイプにも対応可
  • 34Tを使うにはGSが必要
  • デュラエース(9100)のほうが42グラムほど軽い
  • ショートケージは11-25Tから11-30Tに対応
  • ロングケージは11-28Tから11-34Tまで対応

リリース直後は、「あんましかっこよくない…」と感じたけど、いまは「いや、全然アリだな…」と思う。っていうか、むしろ好きかも。

(張り出しの少ない)シャドーデザインのおかげで電車輪行がしやすくなったのかな?という気はしないではないが、ぶっちゃけ、「ノーマルタイプのリアディレイラーでもぜんぜん問題ない」のが実感。もちろん、張り出しが少ないのはうれしいことではあるが。

フロントディレイラー(R8000 vs 6800)

FD–6800
  • 3,971〜4,452円
  • 89グラム(バンド式は+104グラム)

FD–R8000
  • 4,902円(直付け)
  • 5,353円(バンド式)
  • 92グラム(バンド式は+106グラム)

ポイント

  • 3グラムの増量だが、無視してよいレベル
  • アーレンキーの操作でケーブルテンションを調整できるアジャスターを備えた
  • 途中のアウターケーブルのアジャスターが不要になった
  • (知人メカニックさんいわく、「ケーブルのルーティングが独特で、最初はかなり手間取った」とのこと)

クランクセット

FC–6800:24,349円〜25,536円
  • 53×39T:691グラム
  • 52×36T:684グラム
  • 46×36T:671グラム

FC–R8000:25,390〜25,955円
  • 53×39T:690グラム
  • 52×36T:681グラム
  • 50×34T:674グラム
  • 46×36T:668グラム

ポイント

  • 重量差はほぼ無し(誤差のレベル)
  • 4アームデザインに変更は無し
  • デュラエースと基本は同じデザイン
  • アウターチェーンリングは中空構造
  • デュラエースとの違いは、インナーリングに切削加工(さらなる軽量化)が施されているかどうか
  • クランク長は、165、170、172.5、175ミリの4タイプ

ブレーキキャリパー(R8000 vs 6800)

  • BR–6800:13,273円(335グラム)※前後セット
  • BR–R8000:13,814円(365グラム)※前後セット

ポイント

  • 30グラムの増量
  • 最大28cまでのタイヤ脱着が可能
  • デュアルピボットデザインのアーム間にスタビライザーが内蔵された(デュラも同様)
  • アームのたわみを抑え、制動効率が向上し、ダイレクト感のあるブレーキタッチが実現

ここ1年で25cタイヤがかなり普及してきたこともあって、ワイド化対応してきた。6800だと25cはギリ脱着可能だけど、28はムリ。よって、この進化はありがたい。

SPD–SLペダル(R8000 vs 6800)

  • PD–6800:14,231〜14,463円(260グラム)
  • PD–R8000:14,557〜14,792円(248グラム)

ポイント

  • 12グラムの軽量化

カセットスプロケット(R8000 vs 6800)

CS–6800:7,688〜8,279円

CS–R8000
  • 7,697円(11–25T、11–28T、12–25T)
  • 8,291円(11–30T、11–32T、14–28T)

ポイント

  • 6種類+1種類(11–34T)の7種類から選べる
  • 11–34Tという超大型スプロケット(CS–HG800–11)が登場し、激坂に挑戦しやすくなった
  • ワイドレシオ版は値段がやや高い
  • ジュニアスプロケットも健在(ノーマルよりちょい高め)

※ちなみに自分は「CS-R8000のジュニアスプロケット(14–28T)」を使っています

>> くわしくは月刊サイクルガジェット 2017年12月号 をどうぞ

STI(デュアルコントロールレバー)(R8000 vs 6800)

  • ST–R6800:32,780円(425グラム)
  • ※前後セット
  • ST–R8000:32,989円(438グラム)

ポイント

  • 13グラムの増量
  • フード形状が見直された
  • じっさいに握った印象では、R8000のほうが握りやすく、しかも滑りにくい加工も施されていた


以上です( ◠‿◠ )。

コンポーネントってかなり長持ちするので、新調するタイミングがなかなかない。よって、実現させるには「思い切り&勢い」が必要。

踏ん切りがつかずに意思決定を先延ばしにすることって、仕事でもプライベートでもあるけど、そんなときの自分の最強のコツは「つべこべいわずに、予約してしまう」である。

歯医者であれば、覚悟決めて「●月●日にお願いします」って電話しちゃうかんじ。で、治療が終わったその場で次回の予約をしてしまえば、逃げも隠れもできず、やるしかない状況に追い込める。

同じ理屈でショップに行き、「宣誓!私は●●●●に交換しますっ。え、在庫ない?じゃあ注文お願いしますっ」と宣言する。予約すれば買わないわけにはいかないのだ。

人間って不思議なもので、意思決定してから行動する…よりも、行動することで意思決定できるって側面もある。(行動するとヤル気が生まれるメカニズムと同じですね)


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ということで、自分は「次のコンポーネントはアルテグラ(R8000)かカンパニョーロのコーラスで迷ってはいるけど、交換する意思決定は固まっている」状態です。

人生は長いようで短い。
惚れたコンポーネントでサイクリング人生を満喫しようではないか。


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