この夏に帰省したとき、弟がジャイアントの「TCRアドバンスドSL1」を買っていたことを知った。最新ではなく、2016年モデル。しかし、電動コンポーネントまで備えて。
以前はやっすいアルミのTCR(完成車で15万くらい&ほぼティアグラ組み)だったのが、とんでもないバージョンアップを遂げたようだ。なにしろ、ツール・ド・フランスにも出場しているチームサンウェブが採用しているフレーム。それも、レプリカではなく、まごうことなきそのもの。
マイケル・マシューズ(ツール・ド・フランス2017のマイヨ・ヴェール)とか、ワレン・バルギル(同じく、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ ※山岳賞)、ジロ・デ・イタリア優勝2017で総合優勝したトム・デュムランが使っているのと完全にいっしょ。そんな世界トップ選手と同じフレームをホビーライダーの弟(ごとき)が使っているとわ…。
公式サイトより(プロが乗るとなんでもカッコよく見えてしまう…)
ちなみにサンウェブはドイツに本拠地を置くUCIワールドチーム(2013年から)である。くわしくはウィキペディアをどうぞ。
定価で60万円(完成車&税抜き)もするさぞかし素晴らしいフレームなのだろうが、トップクラスのプロ機材を素人が乗りこなせるものだろうか?ガッチガチに硬すぎて、逆に使いこなせないといった不都合はないのだろうか?
/ インテグラルシートポスト \
ということで、TCRアドバンスドSL1に乗って5ヶ月が経過した弟にじっくりとバイクを見させてもらい、軽く試乗もしてみた結果を書いてみます。
剛性はTCRのほうがプロペルよりも高い。横からのぱっと見、」プロペルは硬そうだなあ」という印象だが、剛性があるのは縦方向であって、横方向にはそこそこしなりが生まれるそうな。
レース向けで剛性も高いTCRアドバンスドAadvanced)SL1は、ロングライドも行けるのか?という問いには「Yes」だそうな。以前乗ってたアルミのTCRはガチガチに硬く、乗り心地はかなり悪かったけれど、同じTCRでも雲泥の差なんですって。(価格も雲泥の差なので当然か…)
公式サイトにはこう書かれている。
さらに詳細情報も抜粋しておこう。
↓
では、ISPの良さは何なのか?
サドル高が調節できる通常タイプだと、シートポストを抜き差しする部分の剛性を高めなくてはならず(抜け防止)、そのトレードオフとしてしなやかさが失われる。さらに、重量増にもつながる。
重心が高い部分の重量増はデメリットでしかなく、そうではないISPだとサドル周りの剛性が最適化され、乗り味が良くなり、しかも軽くなる。ダンシングでバイクを左右に振ると、「軽さが全然ちがう」らしい。
デメリットやはり、「シートポストを下げられないこと」だそうで、スペーサーを入れればミリ単位で調整可能(最大20ミリまで上げることができる)。ただし、一切下げられない。下げるには追加でカットするしかなく、切ったら後戻りは無い。
/ スペーサーを入れるには、いったん抜いてから行う \
購入したジャイアントショップで念入りにポジション出しをして、カット位置を決めたそうだ。膝、肩、腰等の関節を電子デバイスで計測までしたので、「完璧なポジションが出せた」とのこと。
「ただ、初めてロードバイクを買う人には気軽さが無いので、積極的にはオススメはしない」ですって。自分もそう思う。
ちなみに、TCRアドバンスド(Advanced)SL1の試乗車はなかったそうで、代わりに一つ下のグレードのアドバンスドPROに乗って決めた。ISPではなく、こちらはBB剛性がやや柔らかいタイプだとのこと。
0と1という種類があって、0が上位モデル。リムは全く同じで、スポークとハブが違う。
公式サイトでの紹介文はこんなかんじ。
↓
フルカーボンでチューブレス対応のクリンチャーモデル。こんなホイールがあったんだ。扱いがややこしいチューブレスは敬遠していたんだけど、クリンチャー対応であればパンク時に対応しやすそう。しかも、カーボンクリンチャーで1331グラムはまずまず軽い。少なくとも、アルミクリンチャー最高峰といわるカンパニョーロのシャマル(&シャマルミレ)に比べても、100グラムちょい軽い。
SLR0の価格はなかなか高く、前後合わせて22万円(フロント¥95,000、リア¥125,000 ※税抜)。ただ、他社が同じものを作ろうとすると、22万円では済まないと思う。
スペックは、再び公式サイトから引用。
↓
弟いわく、漕いだとき、ほんのちょっとスポークが遅れて反応する感じがあって、それは不快さとか物足りなさではなく、良い意味でしなりを生んでいる。「剛性の高いTCRアドバンスド(Advanced)SL1と絶妙にマッチしている」とのこと。
フランジの横幅は広めで横剛性は高く、ダンシングで振ってもまったく問題ない。
/ シャマルミレです \
ちなみにシャマルミレにも乗ったことのある弟は、「シャマルミレのほうが硬く、ペダリング時のタイムラグが無い、シャキッとした反応だった」と評していた。
個人的にはシャマルミレの硬さが気に入っており、別に不快さは微塵もないのだが、BOMAリファールのフレームがTCRアドバンスド(Advanced)SL1よりしなやかだからだと思う。
なので、互いに乗り味と振動吸収性が両立されているのだという理解である。
余談だが、弟が試乗したときに感激したのがこのホイールだったんですって。フレームよりもホイールの好印象が残ったそうで、「プロペルにも試乗したが、履いていたのがアルミのリムハイト高い(=重い)やつでしんどかった。プロペルのフレームも重い。どっちもよいフレームで悩んだけど、(愛知県)長久手市と日進市周辺は坂が多いので軽さを重視し、TCRにした」とのこと。
なお、BB付近はプロペルのほうが柔らかかった。エアロフレームは縦方向の剛性はあるけど、横剛性が出しにくい宿命にある。ただ、「プロペルのほうが好き」ってサンウェブの選手もいるので、ここは好みである。
買ってから気づいたそうだが、「下ハンでの変速がすごく楽。下ハンでレバーを押し込むのはけっこう難儀するが、スイッチだと指の移動がほとんどない」わけで、なるほどと思わされた。
残量確認はレバーを長押しすることでできる。残量は色で確認するしかなく、緑(OK)と赤(ヤバイ)しかない。「残量は30%ですよー」的な細かな表示はできないのが玉にキズ。
「赤が出ても、100キロくらい走れるでしょ?車のガソリン残量と同じように、出先から帰ってこれるんじゃねーの?」と考えていたのだが、実はそうではなく、「赤が表示されたら10キロかそこらしか走れない(らしい)。ロングライドで赤表示されたら終わり(笑)」だと。まじか。
※ただ、弟は電池を切らした経験はなく、ショップ店員さんも同様とのことで、確実な情報ではないことを念押ししておく。
「ただ、よっぽど重度のズボラさんでない限り、電動コンポーネントの電池を切らすことはないはず。いたら逆にビビる。スーパーものぐさなヒトにだけは電動コンポーネントは勧めない」らしい。うむ。
仮に電池が切れると、強制的にインナーローになってしまい、変速ができなくなる。インナーローなのでスピードは出せないものの、帰宅はできるわけ。
充電は一晩もあれば十分。ただし、専用ケーブルが必要なので、外出先のマクドナルドの電源を拝借して…とはいかない。バッテリーはステムの下に固定されており、バイク本体から脱着は不可能。バイクと電源は同じ場所になければならない。
注意点として、レバーに圧をかけっぱはしにしないこと。電車や車載輪行の際にありがちらしいが、レバーが何かに触れた状態で押しっぱなし(=電池消耗)となり、目的地に着いたら電池が切れていた…なんてこともあり得る。
移動時は、STIレバーをもたれ掛けさせる状態にせず、クリアランスをつくっておくべし。
弟的には「初心者、経験者関係なく電動コンポーネントを勧めたい。勧めない理由がない。握力に不安のある女性にはなおさら」とべた褒めしていた。
RBはライスブラウン(玄米)の頭文字で、玄米の外側の殻を配合してグリップ性を高めている。まさかロードバイクのタイヤにそんなモノが混じっているなんてと仰天。実際にグリップは申し分なく、しかもチューブがないことで内部摩擦が起きず、「乗り心地もクリンチャーよりぐっと良くなる」だと。
しかし、チューブレスにも弱点があって、空気が抜けやすいこと。1週間放置すると、指で触って「あ、抜けてる…」ってハッキリわかるレベルらしい。クリンチャーだとそこまでは抜けない。
あと、当然ながらチューブレスはパンク修理がしにくい。これまでパンクに遭遇したことはないが、「しちゃったら大変だな…やだな…」とは思っているそうな。
交換時はチューブレス対応のタイヤレバーを使わねばならないのもマイナス。クリンチャー用はビードに傷をつける可能性があり、空気漏れにつながる。
シーラントは必須だし、エアブローでないと自力では空気を入れるのが難しい。よって、パンクしたらさっさとクリンチャー用のチューブを入れてしまうのがよい。両方に対応しているホイールのメリットがここで生きる。
次のタイヤもチューブレスでいく?の問いに対して弟は、「正直、チューブレスは気を使うことが多い。乗り味は良いのだけど、メリットとデメリットを天秤にかけるとちょっと…。チューブレスとはいえ、タイヤそのものが重いので、クリンチャーに比べて軽さで優れているわけでもない。次回は使い勝手のよいクリンチャーにする」と話していた。
以上、弟のTCRアドバンスド(Advanced)SL1と電動コンポーネント(アルテグラ)、SLR0のインタビュー式インプレをお届けしました。自分も軽く試乗させてもらったが、たしかに反応の良さはピカイチだった。リファールと比べても段違いで、最初のふた漕ぎで「うおっ!むっちゃ反応がいい!」って感じた。
ぐいぐいスピードを出したくなる衝動に駆られるレースマシン!であるのはほんの数漕ぎでよくわかった。
正直、これ以上いじるところがないレベルで完成したマシンである。死ぬほどうらやましい(笑)。次のコンポーネントは電動かな…という想いはますます強まったのであった。
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以前はやっすいアルミのTCR(完成車で15万くらい&ほぼティアグラ組み)だったのが、とんでもないバージョンアップを遂げたようだ。なにしろ、ツール・ド・フランスにも出場しているチームサンウェブが採用しているフレーム。それも、レプリカではなく、まごうことなきそのもの。
マイケル・マシューズ(ツール・ド・フランス2017のマイヨ・ヴェール)とか、ワレン・バルギル(同じく、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ ※山岳賞)、ジロ・デ・イタリア優勝2017で総合優勝したトム・デュムランが使っているのと完全にいっしょ。そんな世界トップ選手と同じフレームをホビーライダーの弟(ごとき)が使っているとわ…。
公式サイトより(プロが乗るとなんでもカッコよく見えてしまう…)
ちなみにサンウェブはドイツに本拠地を置くUCIワールドチーム(2013年から)である。くわしくはウィキペディアをどうぞ。
定価で60万円(完成車&税抜き)もするさぞかし素晴らしいフレームなのだろうが、トップクラスのプロ機材を素人が乗りこなせるものだろうか?ガッチガチに硬すぎて、逆に使いこなせないといった不都合はないのだろうか?
/ インテグラルシートポスト \
ということで、TCRアドバンスドSL1に乗って5ヶ月が経過した弟にじっくりとバイクを見させてもらい、軽く試乗もしてみた結果を書いてみます。
TCRアドバンスドAadvanced)SL1ってどんなフレーム?
TCRはレース向けのフレーム。ロングライド系ではDefyというのがある。あと、エアロフレームのプロペルもある。剛性はTCRのほうがプロペルよりも高い。横からのぱっと見、」プロペルは硬そうだなあ」という印象だが、剛性があるのは縦方向であって、横方向にはそこそこしなりが生まれるそうな。
レース向けで剛性も高いTCRアドバンスドAadvanced)SL1は、ロングライドも行けるのか?という問いには「Yes」だそうな。以前乗ってたアルミのTCRはガチガチに硬く、乗り心地はかなり悪かったけれど、同じTCRでも雲泥の差なんですって。(価格も雲泥の差なので当然か…)
公式サイトにはこう書かれている。
今回のフルモデルチェンジでは、フレームからフォークまで形状および製法の全てが進化。 「OPTIMIZED TUBE SHAPING=最適形状」により重量剛性比を高めながらスリム化したフレームは 「VARIANT ISP」や極細シートステイ等により振動吸収性も向上。フォークも40gの軽量化と剛性アップに貢献。
さらに詳細情報も抜粋しておこう。
↓
・SIZE 680(XS)、710(S)、740(M)、770(ML)mm
・WEIGHT 6.7kg(740mm)
・FRAME Advanced SL-Grade Composite VARIANT ISP
・FORK Advanced SL-Grade Composite、Full Composite OverDrive 2 Column
・DRIVETRAIN SHIMANO ULTEGRA Di2
・CRANK SET SHIMANO ULTEGRA Pro-Compact
・BRAKES SHIMANO ULTEGRA
・SADDLE GIANT CONTACT SLR FORWARD Carbon Rail
・WHEELS GIANT SLR0
・TIRE GIANT P-SLR1 700x23C
・SPEED 22 Speed
ISP(インテグラルシートポスト)ってどうなの?
自分はインテグラルシートポストには懐疑的だった。サドル高が微調整できないのがなんとも不便すぎたから。冬と夏ではインナーショーツのパッドの厚みが変わるので、シーズンが変わるタイミングでサドル高を数ミリ動かすやや神経質なタイプなので、そうなるとISPという選択肢はなくなる。では、ISPの良さは何なのか?
サドル高が調節できる通常タイプだと、シートポストを抜き差しする部分の剛性を高めなくてはならず(抜け防止)、そのトレードオフとしてしなやかさが失われる。さらに、重量増にもつながる。
重心が高い部分の重量増はデメリットでしかなく、そうではないISPだとサドル周りの剛性が最適化され、乗り味が良くなり、しかも軽くなる。ダンシングでバイクを左右に振ると、「軽さが全然ちがう」らしい。
デメリットやはり、「シートポストを下げられないこと」だそうで、スペーサーを入れればミリ単位で調整可能(最大20ミリまで上げることができる)。ただし、一切下げられない。下げるには追加でカットするしかなく、切ったら後戻りは無い。
/ スペーサーを入れるには、いったん抜いてから行う \
購入したジャイアントショップで念入りにポジション出しをして、カット位置を決めたそうだ。膝、肩、腰等の関節を電子デバイスで計測までしたので、「完璧なポジションが出せた」とのこと。
「ただ、初めてロードバイクを買う人には気軽さが無いので、積極的にはオススメはしない」ですって。自分もそう思う。
TCRアドバンスド(Advanced)SL1の剛性はどうなの?不快じゃないの?
弟のヒトコト評価は、「剛性は高いけど、振動吸収性に優れ、まったく不快ではない」である。「ただし、高剛性ゆえ、ぶん回すと一気に脚を持っていかれる。(硬い設定で知られる)デュラエースのクリンチャーとかを履いたら、かなり疲れるだろう」とのことで、(後述するが)ややマイルド目なホイールがマッチしているそうだ。ちなみに、TCRアドバンスド(Advanced)SL1の試乗車はなかったそうで、代わりに一つ下のグレードのアドバンスドPROに乗って決めた。ISPではなく、こちらはBB剛性がやや柔らかいタイプだとのこと。
ホイール
TCRアドバンスド(Advanced)SL1に履かせているのは、ジャイアント製の「SLR 0 WHEELSYSTEM」だ。0と1という種類があって、0が上位モデル。リムは全く同じで、スポークとハブが違う。
公式サイトでの紹介文はこんなかんじ。
↓
パワフルな上り、高速かつ信頼できる下り。効率性、コントロール性、エアロダイナミクス、そして耐久性を高次元で同時に獲得し、究極のオールラウンド性能を持つ、前後1331gの超軽量チューブレス対応フルカーボンクリンチャー。リムサイズは幅23mm×高さ30mm。
フルカーボンでチューブレス対応のクリンチャーモデル。こんなホイールがあったんだ。扱いがややこしいチューブレスは敬遠していたんだけど、クリンチャー対応であればパンク時に対応しやすそう。しかも、カーボンクリンチャーで1331グラムはまずまず軽い。少なくとも、アルミクリンチャー最高峰といわるカンパニョーロのシャマル(&シャマルミレ)に比べても、100グラムちょい軽い。
SLR0の価格はなかなか高く、前後合わせて22万円(フロント¥95,000、リア¥125,000 ※税抜)。ただ、他社が同じものを作ろうとすると、22万円では済まないと思う。
スペックは、再び公式サイトから引用。
↓
・Etrto : 622×17※専用ブレーキパッド(2,500円税別)を必ず使えとのこと
・フロントハブ : GIANT Alloy
・リアハブ : GIANT Alloy、スターラチェット式フリー ・ベアリング : 高精密シールドカートリッジベアリング
・フロントアクスル : 100×5 QR
・リアアクスル : 130×5 QR
・フロントスポーク : DT Aerolite straight pull、bladed
・リアスポーク : DT Aerolite/DT Aerocomp、straight pull、bladed
・フロント組 : 16H、ラジアル
・リア組 : 21H、 Dynamic Blanced Lacing(DBL)
・ニップル : アルミ
・専用チューブレスリムテープ&バルブ付属
・専用ブレーキパッド付属
SLR 0 って乗ってみてどうなの?
ショップの店員さんによると、「SLR0はTCRアドバンスド(Advanced)SL1のフレームにあわせて作られたので相性がすごく良い」そうだ。弟いわく、漕いだとき、ほんのちょっとスポークが遅れて反応する感じがあって、それは不快さとか物足りなさではなく、良い意味でしなりを生んでいる。「剛性の高いTCRアドバンスド(Advanced)SL1と絶妙にマッチしている」とのこと。
フランジの横幅は広めで横剛性は高く、ダンシングで振ってもまったく問題ない。
/ シャマルミレです \
ちなみにシャマルミレにも乗ったことのある弟は、「シャマルミレのほうが硬く、ペダリング時のタイムラグが無い、シャキッとした反応だった」と評していた。
個人的にはシャマルミレの硬さが気に入っており、別に不快さは微塵もないのだが、BOMAリファールのフレームがTCRアドバンスド(Advanced)SL1よりしなやかだからだと思う。
- 自分:柔らかめのフレーム × 硬いホイール
- 弟:硬いフレーム × 柔らかめのホイール
なので、互いに乗り味と振動吸収性が両立されているのだという理解である。
余談だが、弟が試乗したときに感激したのがこのホイールだったんですって。フレームよりもホイールの好印象が残ったそうで、「プロペルにも試乗したが、履いていたのがアルミのリムハイト高い(=重い)やつでしんどかった。プロペルのフレームも重い。どっちもよいフレームで悩んだけど、(愛知県)長久手市と日進市周辺は坂が多いので軽さを重視し、TCRにした」とのこと。
なお、BB付近はプロペルのほうが柔らかかった。エアロフレームは縦方向の剛性はあるけど、横剛性が出しにくい宿命にある。ただ、「プロペルのほうが好き」ってサンウェブの選手もいるので、ここは好みである。
電動コンポーネントのメリットとデメリット
今となっては型落ちとなった前モデルのアルテグラ6800を選んだ弟。「ディスカウントされていたので思い切って選んだ」結果だが、なんのデメリットも無いどころか、「メリットだらけ。悪いところが見つからん」そうな。とくにアップダウンの多い場所で助かるって。(うらやましい…)買ってから気づいたそうだが、「下ハンでの変速がすごく楽。下ハンでレバーを押し込むのはけっこう難儀するが、スイッチだと指の移動がほとんどない」わけで、なるほどと思わされた。
電池切れはしないの?満充電でどれくらい走れるの?
懸念していたバッテリー生命だが、結論から言うとほぼ気にならないレベル。プロ選手ほど乗り込んでも、2ヶ月に1回充電すればオーケー。弟の月間走行距離は200~300キロ。2ヶ月過ぎても十分に残っている。残量確認はレバーを長押しすることでできる。残量は色で確認するしかなく、緑(OK)と赤(ヤバイ)しかない。「残量は30%ですよー」的な細かな表示はできないのが玉にキズ。
「赤が出ても、100キロくらい走れるでしょ?車のガソリン残量と同じように、出先から帰ってこれるんじゃねーの?」と考えていたのだが、実はそうではなく、「赤が表示されたら10キロかそこらしか走れない(らしい)。ロングライドで赤表示されたら終わり(笑)」だと。まじか。
※ただ、弟は電池を切らした経験はなく、ショップ店員さんも同様とのことで、確実な情報ではないことを念押ししておく。
「ただ、よっぽど重度のズボラさんでない限り、電動コンポーネントの電池を切らすことはないはず。いたら逆にビビる。スーパーものぐさなヒトにだけは電動コンポーネントは勧めない」らしい。うむ。
仮に電池が切れると、強制的にインナーローになってしまい、変速ができなくなる。インナーローなのでスピードは出せないものの、帰宅はできるわけ。
充電は一晩もあれば十分。ただし、専用ケーブルが必要なので、外出先のマクドナルドの電源を拝借して…とはいかない。バッテリーはステムの下に固定されており、バイク本体から脱着は不可能。バイクと電源は同じ場所になければならない。
注意点として、レバーに圧をかけっぱはしにしないこと。電車や車載輪行の際にありがちらしいが、レバーが何かに触れた状態で押しっぱなし(=電池消耗)となり、目的地に着いたら電池が切れていた…なんてこともあり得る。
移動時は、STIレバーをもたれ掛けさせる状態にせず、クリアランスをつくっておくべし。
弟的には「初心者、経験者関係なく電動コンポーネントを勧めたい。勧めない理由がない。握力に不安のある女性にはなおさら」とべた褒めしていた。
チューブレスタイヤってどうなの?
履かせていたのは、IRCのRBCC(ライスブラウン)。(クリンチャーとしても使えるが)チューブレスとして使っていた。RBはライスブラウン(玄米)の頭文字で、玄米の外側の殻を配合してグリップ性を高めている。まさかロードバイクのタイヤにそんなモノが混じっているなんてと仰天。実際にグリップは申し分なく、しかもチューブがないことで内部摩擦が起きず、「乗り心地もクリンチャーよりぐっと良くなる」だと。
しかし、チューブレスにも弱点があって、空気が抜けやすいこと。1週間放置すると、指で触って「あ、抜けてる…」ってハッキリわかるレベルらしい。クリンチャーだとそこまでは抜けない。
あと、当然ながらチューブレスはパンク修理がしにくい。これまでパンクに遭遇したことはないが、「しちゃったら大変だな…やだな…」とは思っているそうな。
交換時はチューブレス対応のタイヤレバーを使わねばならないのもマイナス。クリンチャー用はビードに傷をつける可能性があり、空気漏れにつながる。
シーラントは必須だし、エアブローでないと自力では空気を入れるのが難しい。よって、パンクしたらさっさとクリンチャー用のチューブを入れてしまうのがよい。両方に対応しているホイールのメリットがここで生きる。
次のタイヤもチューブレスでいく?の問いに対して弟は、「正直、チューブレスは気を使うことが多い。乗り味は良いのだけど、メリットとデメリットを天秤にかけるとちょっと…。チューブレスとはいえ、タイヤそのものが重いので、クリンチャーに比べて軽さで優れているわけでもない。次回は使い勝手のよいクリンチャーにする」と話していた。
以上、弟のTCRアドバンスド(Advanced)SL1と電動コンポーネント(アルテグラ)、SLR0のインタビュー式インプレをお届けしました。自分も軽く試乗させてもらったが、たしかに反応の良さはピカイチだった。リファールと比べても段違いで、最初のふた漕ぎで「うおっ!むっちゃ反応がいい!」って感じた。
ぐいぐいスピードを出したくなる衝動に駆られるレースマシン!であるのはほんの数漕ぎでよくわかった。
正直、これ以上いじるところがないレベルで完成したマシンである。死ぬほどうらやましい(笑)。次のコンポーネントは電動かな…という想いはますます強まったのであった。
★ツイッターアカウントはこちら\(^o^)/<最近記事を常にお届け!
コメント
コメント一覧 (24)
バッテリーはシートポストだかに入っているかと。
「やっすいアルミのTCR」て表現は、愛車にしている方々に失礼ではないかと思いました。
どっか事実誤認ありましたかね…もしあればご指摘くださいm(_ _)m
みさん
あ、そうですね。バッテリー本体はシートポスト内ですね。
むさん、んださん
ご指摘、ありがとうございます。。m(_ _)m
悪く表現するつもりはないので、念のため・・・
以前からそんなことを思わせる内容ですが、まずは自分で調べることをしてください。一日おきの更新とかどうでもいいんで。
管理人さんには言ってほしくなかったですね。
次に狙ってるのが丁度ネタになってるので参考になりました。
安いのは事実ですし、記事を見れば馬鹿にしてる訳でも無いですし。
単に60万と比較すれば「やっすい」という表現でも問題無いと思いますが。
文句言ってる方々は「15万のも60万のもエンジンが一緒なら変わらない」と書かないと満足出来ないんですかね…?
管理人さんの記事は結構面白いですよ。
不満がある人は見なければ良いだけですし、スタンスは変えないで続けて欲しいです。
ご指摘、ご叱咤、励まし等、ありがとうございます。
万人の方々にとってのカンペキな文章はなかなか難しいものがありますが、書けていないのは事実で、私の力量不足です。
(本記事に限らず)伝聞で書いた結果、内容が誤っている場合もあると思います。これからはもっと正確性が高く、ちゃんとした情報かつ有益で、読んでよかったと思われるよう努力します。
m(_ _)m
やっすいのは事実!私もやっすいエントリー
バイクに乗っています。面白い記事いつも楽しみにしています
相変わらず他人には厳しく自分には甘い人がいますね(笑)
自分もブログをやってますが(仕事の事情により休止中)、これだけの量を更新するのって本当に大変な作業です。
まずネタが半年ももたない。
それを無料でやってる(アフェリエイトは入ってくるが、時給換算したら東南アジアの労働者クラス)わけだ。
プロとして仕事でやっている訳ではなく、お金とってる有料ではなく、個人の感想や日記なわけだよ、ブログと言うのは。
そこを鑑みて、「ふむふむ、なるほどね」くらいに留められないのかね。
大人気ない。
ガキかよ。
事実誤認であれば、「そこ違いますよ」くらいのもんだろ。
管理人さん
これからもめげずに、アップ頑張ってください^_^
出しゃいいってもんでもない。
それに仕事に繋げてるんだからプロとしてやってるようなもんでしょ。
なんで喧嘩売るような言い方しかできないのかね。管理人さんでさえ丁寧な言い方されてるのにね。
貧乏人の嫉妬って醜いですね。
素直に羨ましいって言えばいいのに。
お粗末な表現でしたね。
愛車を工夫してカスタムしたり
乗り込んでいく方と思っていましたが、
結局価格に愛着を持つ方なのだと
印象に残りました。
管理人氏が穏当に収めようとしている、意を汲んであげましょう。
『ま』『み』『む』氏が同じ人なら情報提供もしているようだから、ただの荒らしではないと、管理人さんも解釈して対応してるようだから読者同士でいつまでも喧嘩するのは止めましょう。
『スルー力』『まっ、いっか』・・・オッサンの知恵です。
いろんなご意見、フィードバックありがとうございます。
あれこれ至らない点も多い当ブログですが、すべて肥やしにして、よりよいコンテンツつくりに励みます!
<(_ _)>
チューブレス使ったことないですけれど。
シーラントでベタベタになってたらパッチ貼れない気がします。
個々人の考え方、信条、言論、意見、ユーモアを受け入れられないというのは人として悲しいですね。
それと、管理人さんは定点を持って動けない状態で書いていて、コメントしている人は匿名で
好き勝手に書き逃げできるスタンスだってことを理解しましょう。
”店は客を選べないが、客は店を選べる”ってのと同じです。ここでいう「店」はサイクルガジェット
管理人さんです。
コメントありがとうございます。
弟に訊いたところ、チューブレスでパンクしたらチューブを突っ込んでクリンチャーとして使う…とのことです。おっしゃる通りシーラントでベタベタだと外で修理は難しいようですね。
(私もチューブレス、使った経験がないので、へ~~そうなんだと頷いておりました)
ZXRSさん
ご丁寧なフォローありがとうございます。
m(_ _)m
赤黒のフレームが好きでアルミの2017モデルのTCRSLR2にR8000とBORA ONE50Cをアッセンブルして乗ってます。本体よりホイールとコンポのほうが高いという面白状態ですが、アルミの剛性感もなかなか楽しいです。
一応、アルミの最高グレードですからね(でも完成車で15万円(笑))。
遠くから見たら弟さんのグレードと間違われて気分良いです。
お店でAdvanced sl乗りましたが…。
やはり別物ですね!やわらかた軽い、もう、ホントに気持ち良かったです。羨ましい。
5800からR8000に交換した時は、こちらのブログの記事を参考にさせてもらいました。
何を?というと、まず「R8000に交換します!」とお店に宣言したことです。
いやー、踏ん切りがつきました。ありがとうございます。
パーツを月毎に少しずつ購入し、実質の分割払いとして全て揃ったところで交換してもらいました。
楽しくR8000ライフを送らせて頂いてます。
BORA ONE50C…私のあこがれです(;'∀')
ちなみに35mmをいつか。。。とは妄想しています。
R8000ライフ、おめでとうございます。素直にうらやましいです。
私もどっしよっかなーーーと悩みながらすでに半年以上…。今年にはなにかしらのアップグレードを検討しております。ショップに宣言して退路を断つのは大事ですね(*^_^*)