サイクリングウェアは総じて高価。これは疑いようのない事実。

自分はサイクリングを始めて1年以上、専用ウェアを買っていなかった。「ペラペラのうっすいシャツがなんで1万円もするの・・・高すぎるでしょ」って訝しみ、代わりにサッカーウェアを使っていた。もしくは、カーキスボンの膝下を裁断して、それをハーフハンツとして使っていた。当然かっこ悪いし、サイクリストっぽくない。

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※死ぬほどダサい

ただなんとなく、「サイクリングウェアは高いから、手は出さないでおこう」と考えていたのだと思う。半袖サイクリングジャージを買ったときも、秋になるまで待って、夏物ワゴンセールで50%オフで1枚だけ仕入れたくらい。

まともにウェアを一式揃えたのって、サイクリング開始して2年経ってからだったような気がする。

totalwomenscycling.com の「How to Make Expensive Cycling Kit Last Longer(高価なサイクリングウェアを長持ちさせる方法)」という記事を読んで、「ウェアが高いのは海外でも同じなんだな」と思った次第。そこで、翻訳してご紹介してみようと思う。

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totalwomenscycling.com が取材したのはアソス。アソスのアパレル実験施設で働くシモナ・フェビさんへの取材である。

実験室では、40度のお湯で洗います。使うのはごくふつうの市販洗剤。さらに、リン酸塩入りの洗剤も実験に使います。本来は使ってはいけない洗剤ですが、それに気づかず使ってしまうユーザーのことも想定して、あえて厳し目の条件下でテストしています。

我々は、お客さんがするであろう最悪のシナリオから逆算して実験しているんですよ。それに耐えうる製品にしておくことが大事です。ただい、せっかくの投資をして安くはないアソス製品を使うのであれば、ちょっとは大切にケアしても損はしないと思うんです。


個人的なアソスに対するイメージは、「Raphaと並ぶ高級サイクリングアパレルメーカー。モノは素晴らしいのだろうが、お値段がけっこうお高いので、リッチな人しか所有できない」である。さすが高級アパレルだけあって、耐久性はしっかりテストしているようだ。

アソスがお勧めするのは、30度のぬるま湯と専用の液体洗剤の組み合わせですね。専用洗剤とは、アソスのウェアを洗うための専用の青い液体洗剤です。素材を傷めず、長持ちさせてくれます。

洗剤によってはかなり強力なものもあって、色落ちや素材へのダメージになる場合があるので注意してください。部屋着や下着のようなモノには適しているでしょうが、デリケートなサイクリングウェアには向いていません。

洗濯機の回転数も気にすべき要素。最近の新しい機械だと、回転数を指定できるものもあります。スポーツ用のウェアは傷みやすいので、そういったウェアを選択するときに使えます。

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※Raphaです

回転数が指摘できる洗濯機があるなんて、知らなかった。まあ、常識で考えて、回転数は低めにして、水温も低めのほうが、デリケートなサイクリングウェアには優しいのは想像できる。

ちなみにサイクリングウェアだと600〜800rpmにとどめておきたいですね。それ以上の高速になると、素材を痛める可能性があります。あと、サイクリングウェアを洗濯機に放り込む前には、裏表を逆にしておくこと。色やデザインがある外側を守るためです。

サイクリングから戻ってきて、脱いだウェアを洗濯カゴに入れてほったらかしにするのはどうなのでしょう?翌朝とかヘタをすると2日ほど洗わないサイクリストもいるかもしれませんが、ウェアには非常によろしくないです。


洗うときはひっくり返すことで表のプリントや印刷を守るのはわりと常識。べつにサイクリングウェアだけでなく、Tシャツでも同じことが言える。カセットスプロケットTシャツや、リアディレイラーTシャツの製作をお願いしているメーカーさんも、「洗濯時はひっくり返すとプリントが痛みにくいです」と話していたのを覚えている。

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※洗濯機に入れる前、ひっくり返してプリントを保護する

数日間でも放っておくと、臭いや汚れがこびりつき、元のコンディションに戻すのは難しい。フェビさんによれば、「帰宅したらソッコーで洗うこと!人間がシャワーをすぐ浴びたいのと同じで、ウェアもすぐ洗ってあげましょう」だそうな。

泊まりがけでのサイクリグに出かけ、滞在先に洗濯機がない場合はどうするか。「1日だし、まあそのまま洗わずに干しておけばいいんじゃないの~」という気もするが、シャワーに持ち込んでさっと水洗いするだけでも随分と違うそう。ほったらかしにするよりぜんぜん良い。

サイクリングから戻ってきた後って、「あー、疲れた。シャワー浴びて、飯だ飯だ!」ってなってしまうのよね…。あるいは、疲れすぎてソファーで寝落ちしてしまうとか。

自分がよくやるのは、シャワーに持ち込んで、石鹸で軽く揉み、表と裏側の両方を泡まみれにしてお湯で流すこと。

ただし、30度未満のぬるま湯で洗うよう指示されているウェアの場合は、シャワーだと暑すぎてダメージになる。そんなときはシンクで手もみして洗いましょう。

シモナ・フェビさんによる、サイクリングショーツを長持ちさせる洗い方

1 ちょっと冷たいかなと感じる程度のぬるま湯で洗う(30度は体温より低いので、実際はちょっと冷たいと感じるくらい。暖かいって感じた時点でそれは30度以上である)

2 できれば洗剤、なければ石鹸で汚れ、臭い、汗や油脂を落とす

3 ショーツは裏表ひっくり返す。内側を重点的に洗う

4 洗濯機で回すとしたら1分間あたりの回転数が800rpm以下に抑えること

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上記4点を守れば、デリケートなサイクリングウェアを長持ちさせることができそうだ。ウェアは消耗品とはいえ、大切に使えば最低でも3年は持つ。自分は丸4年使い続けたサイクリングジャージも今も着ており、まだまだ健在。

以上、totalwomenscycling.com の「How to Make Expensive Cycling Kit Last Longer(高価なサイクリングウェアを長持ちさせる方法)」の翻訳紹介でした。


みなさまのウェアが、長きに渡って愛用できますように…。