突然だが、このツイートを読んでほしい。
激しく共感できないだろうか。自分はしまくった。
ということで、ロードバイクに乗って地方都市のビジネスホテルで一泊旅行を試してきた。誰にも気を遣わずダラダラするのが目的なので、当然ソロライドである。
目的地は埼玉県羽生市。
※県民以外は「それどこ?」だと思いますが
控えめに言って最高なエクスペリエンスだったのだが、満喫するためいくつかの気付きもあったので、そのへんのコツも合わせてレポートする。
◇ 【サイクリングとは基本的に孤独なスポーツ】 ぼっちライドは超楽しいのでみんなやるべき…というお話し
◇ 松本~安曇野(長野県)を行き当たりばったりで一泊二日ソロツーリングしてみたら癒やし効果が高すぎた件
疲れてホテルに到着すると、ダラダラする前に睡魔が来る。「もうちょい走りたい」ってとこでやめるのがキモ。元気なうちにホテルに到着しよう。その後のお楽しみの余力を残しておくわけだ。(まあ、体力は個人差があるので、走行距離は各自調整すればいいかと)
家を出たのは10時とかなり遅め。で、チェックインは15~16時にした。60キロしか走らないのに6時とかに出発すると、10時には目的地に着いてしまう。あえて遅めに出発しよう。実質の走行時間は4時間そこそこ。しかもペースはやや遅めくらいでちょうどいい。
※のんびり旅なのでアメリカンドッグも食べちゃう
今回は輪行はしないので、輪行バッグ類は不要。ホテルで過ごす用のジャージと長袖Tシャツ。それと上下のインナー。あとはメガネやコンタクトレンズキット。それとBluetoothキーボード。隙間時間さえあれば少しでも原稿を書きたいし、企画案の整理をするためである。あと、チェックしなくてはいけないが溜まってしまった編集待ち原稿とか。6Lの容量だと、これくらいでちょうどいっぱいになる。
背中には
自転車のワイヤーロック(OTTOLOCK)はバックローダーの上に括り付ける。冬なのでボトルはミニサイズで十分。荷物は以上。
羽生市(埼玉県)と聞いて「あそこね」ってわかる人はどれくらいいらっしゃるだろうか…。埼玉、群馬、茨城、栃木あたりにお住いの方ならわかるだろうが、それ以外だと「どこそれ?」だと思う。
羽生市とは
◇ 羽生市公式サイト
2018年11月に「世界キャラクターさみっと in 羽生 2018」というイベントが大々的に行われたそうで(自分は知らなかった)、ご存知の方も いらっしゃるかも。
ただ、率直にいうと羽生はべつに観光地ではないし、温泉どころとかでもない。これといった名産もたぶんなく、わざわざ羽生市に旅行に行こうって人、あまりいないと思う。
しかし、ルートイングランティア羽生はそんなマイナス要素を粉々に吹き飛ばすくらいにすごくって、ここに泊まることをだけを目的として行く価値がある(理由は後述する)。
一泊(朝食付き)で7,800円。平日だと7,000円を切る。バイキング形式の朝食が宿泊料に含まれている。ウェブで予約すると、ウェルカムドリンク(自販行きで買う)が付いてくるというオマケ付き。
コンビニ休憩中にGoogle Mapで「城跡」「史跡」「寺」あたりのワードで検索し、ヒットした場所から行く場所を選ぶ。
※そこそこ城跡はあるっぽい
※史跡でさがすとこんなかんじ
※お寺もけっこうある
騎西市に「騎西城跡」ってのがあったので寄ってみた。今はコミュニティセンターに生まれ変わっており、かつてのお堀は埋められて住宅街。お城のミニチュア(資料館)が建っていたが、それ以外に城跡を偲ばせるものは何もない。
騎西城とは
そこから数キロで加須駅らしく、看板を見たら周辺にお寺がいくつかあるようだ。ちょっと道草を食ってみることにしたのだが、ガチで昭和な看板が残ってたりして、すごくしみじみできる。
※葉巻・・・パイプ煙草・・・?何年前の看板なのだろうか…
千方神社(ちかたじんじゃ)ってのが加須駅のすぐ近くにあった。ウィキペディアによれば、主祭神は「興玉命、神日本盤余彦命、藤原千方命(藤原秀郷の六男)」だそうな。誰のことかさっぱりわからないが…。広い広場があるので、きっと夏はここで盆踊りが営まれるのだろう。
時刻は12時半。この辺でお腹がすいてきた。
食べログとかのレビューは読まない。デバイスの進化と情報化の発達により、なんでもかんでも事前に情報を漁り尽くし、ハズレを避けようとするのが当たり前になってしまった現代への個人的アンチテーゼである。
仮に外れでもいいじゃないですか…。旅は道連れ世は情け、一期一会の出会いを味わおうじゃないですか…。この辺の心の余裕は持っておきたい。それに、いまどき「あー、まずかった!」ってお店、むしろ見つけるのが困難じゃないですか?どこで何を食べたって、そこそこ美味しいものである。 (自分は何を食べても「美味しい」と感じる鈍い舌の持ち主ってせいもあるが)
んで、地図に従って行ってみたら真っ黄っ黄な建物(おぉ…)。
※明らかに居抜き物件
入ると、インドの自転車タクシー(現地から持ってきた本物ですって)と謎の木製フェイスがお出迎え。
働いているのは数名のインド人の方々(だと思う。もしかするとスリランカとかかもしれない)で日本語のやり取りはもちろん可能。お年を召した男性がいらっしゃったので、この方がきっとラムさんなのだろう。
定番のチキンカレー&ナンのセットとパコラを頼んだ(パコラが好物)のだが、美味しかった。
「これ、サービスね」とマンゴーラッシーまで頂いてしまった。インドカレー屋さんって、こういう親切を気取らずにしてくださるのよね…。
※ありがたくいただきますm(__)m
そういえば、これまでの人生でインド人の経営するカレー屋さんでいやな接客に出くわしたことがない。インド人の国民性なのだろうか、こういう親切は身に沁みて嬉しい。
※フレームの補強がすごい
※まさかのシングルギア
※富徳寺からのありがたいお言葉
ちなみに羽生城跡は16世紀初頭の築城で、永禄3年(1560年)の上杉謙信による関東出兵以降、上杉方の関東攻略の拠点となった。
後北条氏の度重なる攻撃を受け天正2年(1574年)閏11月に自落。その後、城は後北条氏から成田氏に与えられ、天正18年(1590年)の徳川家康の関東入封後は大久保氏に与えられた。が、慶長19年(1614年)1月に廃城となった。理由はわからないが、大久保氏が家康を怒らせてしまい、それで城は廃城、領土は没収…になったんだとか。家康えげつない。
※現地に城の形をとどめるものは何もなく、碑石があるのみ
なお、同じ場所に建つ天神社は、学問の神様として有名な「菅原道真公」が祭られているんですって。
総本社は京都にある北野天満宮なので、なんで羽生にも祭られているのだろうか…。謎を抱えたまま、ルートイングランティア羽生に向かう。
事前にロードバイクで行くことは電話で伝えてあり、「フロント横のバックヤードでお預かりしますよ」と回答いただいていたとおり、このように置かせてもらえた。うーむ、完璧…。ありがとうございます。
ただ、置けるのはロードバイク1台のみ。ミニベロなら折りたためば2台まで。複数人で行く場合は「輪行バッグに入れていただければ、お部屋の持ち込みは全然OKですよ」とのこと。
お部屋はふつうのシングル。ほどほどの狭さが逆に心地よい。
※洗濯はしないのでせめて消臭剤をば
※Wi-Fi完備
※ユニットバスなしタイプを選ぶと割安になる
で、ルートイングランティア羽生は予想以上に設備がすごかった。部屋そのものはごく普通なんだけど、大浴場がホテルとは思えないほど充実している。その名も、スーパー健康ランド「華のゆ」である。
風呂は宿泊客以外にも開放してて、まさにスーパー銭湯の広さ。露天の外湯もたくさん湯船があって、内湯の湯舟も広々。写真でお伝えできないのがもどかしいくらい。
しかも、源泉かけ流し。これは素晴らしい。
さらに驚きなのが、サウナが3つも(!)あること。高温の遠赤外線サウナ、中温の遠赤外線サウナ、そして低温のミストサウナまである。全部試した結果、中温サウナがベストだった。水風呂も広く、大人5名が同時に入れる。
あと、地味に秀逸だと感じたのが湯温。内湯も外湯も「熱すぎずぬるすぎず、絶妙」なのでずっと入ってても湯あたりせず、長時間のんびーりできる。
もはや、ビジネスホテルの大浴場のレベルをはるかに超えている。風呂に関しては120点を付けたい。泊まらない方も、近くにお越しの際はぜひ「華のゆ」に立ち寄ってほしい。
宿泊客は24時まで入れるので、寝る前にももうひと風呂ってのもできる。
※朝は6時から入浴可能
ダラダラするには、部屋と風呂以外にリラックスできるスペースが有ることが重要だが、ルートイングランティア羽生はそこんとこも抜かりない。
風呂を出て部屋でダラダラするのもいいが、それだけだと飽きる。そこで、11,000冊ものマンガルームやリラクゼーションルームを利用するのだ。
リラクゼーションルームは照明がやや落としてあり、シートごとに備わる液晶TVをリクライニングシートに寝そべって観ることができる。ヘッドホンがあるので、音は気にしなくて大丈夫。あまりに快適すぎて、夕飯前に危うく寝落ちしてしまうところだった。
※もちろん、畳スペースも完備
それ以外にも、あかすり、多目的ホール、キッズルーム、カラオケ・麻雀、カットサロンまで用意されている。1日が24時間じゃぜんぜん足りない…。
だが、夕飯はどうするか?
ホテルの前にファミレスの夢はあるものの、いわゆるチェーン店。それ以外に周辺には何もない。部屋の窓から見渡しても、「マジでなんもねえ…」なかんじ。
自転車で走れば何かしらあるかもしれないが、風呂上がりにそれはしたくない。
しかし、ルートイングランティア羽生は宿泊客のそんな不安を見通したかのようにホテル内に海鮮居酒屋「海鮮ダイニングはなの夢 まぐろや」を用意している。
「ホテル内の飲食店なんて、どうせ割高なくせにしょぼいだけでしょー」って思うかもしれないが、とんでもない。メニューは豊富でお値段はリーズナブル。その証拠に、中は大盛況で満席に近い。
自分はアルコール耐性がからっきしな完全な下戸で、サワー1杯でグデングデンになってしまうので、外で飲むことはまずない。しかし、ホテル内であれば安心して口にできる。
普段は飲まないお酒を「試してみよっかな」って気になって、りんごすりおろしサワーを頼んでみた。あと、豚平焼きとマグロ寿司。たいへん美味しかったです。
まあ、案の定かなり酔っ払ってしまって頭がフラフラしたのでリラクゼーションルームで30分ほどぼけーっと過ごして回復。
ホテルと漫画喫茶とスーパー銭湯と居酒屋が全部合体した最強ホテル、それがルートイングランティア羽生だった。かなり期待して来てみたが、その期待を軽やかに越えてきて「参りました…」と言うほかない。
その後、ホテルを出てベルクへ行き、あられとジュースを買う。
部屋に戻ってテレビを見ながらモシモシ食べる。うーむ、なんという贅沢と開放感であろうか…。
そういえば、この日はお店で注文するために店員さんと会話する以外にほぼ言葉を発していないことに気づいた。
23時過ぎから怪談バラエティを見ていたが、くそつまらなすぎてそのまま寝落ち。気づいたら丑三つ時、、、電気つけっぱなしで寝てた。歯を磨いて就寝。もっかい風呂に入りたかったがそれができなかったのが唯一心残りだった。
これだけでもすごい贅沢。朝ごはんはバイキング。ほぼ満室に近かったようで、1Fの食堂スペースは大盛況。失礼だが、羽生市のホテルが週末とはいえ満室になるなんて・・・って思った。が、この設備とクオリティなら「ただ泊まりに来る人」が大勢いても不思議ではない。
※羽生名物あった(いがまんちゃんの頭、脳みそが飛び出しているように見える・・・)
和食→洋食→洋食(小)の2.5回転が自分のスタイル。45分位かけてゆっくり食べる。
自分の周囲は家族連れとカップルばかりでソロ旅は自分だけ。完全に浮いていた気はするが、気にしない。
その後、大浴場へ。朝に風呂に入る人は少ないみたいで、湯船で泳ぎたくなるほどガラガラに近い。10時にちょうど間に合う時間配分で着替えて、バイクをバックヤードから取り出してチェックアウト。
踏ん張らないと身体が持っていかれそうなくらいの強風だったが、幸いにして追い風。そのままノンストップで川口市まで戻る。朝ごはんをしこたま胃袋に詰め込んだせいで、補給は全く必要なかった。昼過ぎに自宅に到着、往復120キロのソロ旅終了。
ルートイングランティア羽生
以上、「ソロ旅するならルートイングランティア羽生で決まり!」というレポートでした。これは病みつきになりそうだ・・・。皆様もぜひ。
◇ サイクリングは『大人の遠足』 タコベルのためにお台場まで走り、豚まんのために中華街まで足を伸ばし、餃子のために宇都宮まで遠征するススメ
◇ ビジネスホテルのこだわり大全~思わす回覧したいレベル - (デイリーポータルZ)
★ツイッターアカウントはこちら\(^o^)/<最近記事を常にお届け!
旅行先で遊んだ後に、とかじゃなくて「ホテルに泊まることを主目的として」ホテルに泊まりたい。
— 挽歌ちゃん (@banka_bunker) 2018年9月12日
一番早い時間にチェックインして、あとはひたすらネットしながらゴロゴロしてたい。のでWi-Fiがあるといい。大浴場があるととてもいい。朝ご飯はバイキングがいい。 pic.twitter.com/yn9wMKI1kQ
激しく共感できないだろうか。自分はしまくった。
ということで、ロードバイクに乗って地方都市のビジネスホテルで一泊旅行を試してきた。誰にも気を遣わずダラダラするのが目的なので、当然ソロライドである。
目的地は埼玉県羽生市。
※県民以外は「それどこ?」だと思いますが
控えめに言って最高なエクスペリエンスだったのだが、満喫するためいくつかの気付きもあったので、そのへんのコツも合わせてレポートする。
◇ 【サイクリングとは基本的に孤独なスポーツ】 ぼっちライドは超楽しいのでみんなやるべき…というお話し
◇ 松本~安曇野(長野県)を行き当たりばったりで一泊二日ソロツーリングしてみたら癒やし効果が高すぎた件
目次
- 走行距離はあえて短く(60キロくらい)留めておく
- 荷物は最低限にし、トピークのバックローダーに詰める
- 羽生市の「ルートイン グランティア羽生」を予約
- 旅程は立てない&行き当たりばったりで適当に
- ランチもGoogle Mapで予備知識無しで探す
- 富徳寺→羽生城跡→ワークマンに立ち寄ってホテルに到着
- 頼まれてもいないのに、ルートイングランティア羽生を全力でオススメする
- 夕飯はホテル内の海鮮居酒屋「まぐろや」で
- 翌朝の朝食&風呂・・・からのノンストップ帰宅
走行距離はあえて短く(60キロくらい)留めておく
サイクリストは明るいうちは走り続ける…という生き物だが、主目的はホテルでのダラダラタイムである。これを忘れてはダメ。疲れてホテルに到着すると、ダラダラする前に睡魔が来る。「もうちょい走りたい」ってとこでやめるのがキモ。元気なうちにホテルに到着しよう。その後のお楽しみの余力を残しておくわけだ。(まあ、体力は個人差があるので、走行距離は各自調整すればいいかと)
家を出たのは10時とかなり遅め。で、チェックインは15~16時にした。60キロしか走らないのに6時とかに出発すると、10時には目的地に着いてしまう。あえて遅めに出発しよう。実質の走行時間は4時間そこそこ。しかもペースはやや遅めくらいでちょうどいい。
※のんびり旅なのでアメリカンドッグも食べちゃう
荷物は最低限にし、トピークのバックローダーに詰める
荷物は背負いたくないのでバッグはTopeakのBackloader(バックローダー) 6L のみ。背中には何も背負わず、バックポケットを使うのみ。今回は輪行はしないので、輪行バッグ類は不要。ホテルで過ごす用のジャージと長袖Tシャツ。それと上下のインナー。あとはメガネやコンタクトレンズキット。それとBluetoothキーボード。隙間時間さえあれば少しでも原稿を書きたいし、企画案の整理をするためである。あと、チェックしなくてはいけないが溜まってしまった編集待ち原稿とか。6Lの容量だと、これくらいでちょうどいっぱいになる。
背中には
- 財布&家のカギ
- ウィンドブレーカー
自転車のワイヤーロック(OTTOLOCK)はバックローダーの上に括り付ける。冬なのでボトルはミニサイズで十分。荷物は以上。
羽生市の「ルートイン グランティア羽生」を予約
ノープランで出かけるにせよ、宿泊先だけは確保しておく。かねてからオススメされていた羽生市の「ルートイン グランティア羽生」を予約した。自宅からは60キロちょいでちょうどいい距離。羽生市(埼玉県)と聞いて「あそこね」ってわかる人はどれくらいいらっしゃるだろうか…。埼玉、群馬、茨城、栃木あたりにお住いの方ならわかるだろうが、それ以外だと「どこそれ?」だと思う。
羽生市とは
埼玉県の北東に位置する人口約5万5千人の市である。北部には利根川が流れ、市域は概ね平坦だが、加須低地北部の沖積台地に当たるため、標高は17メートル前後と比較的高い。群馬県と隣接するほか、茨城県と栃木県にも近い。東武伊勢崎線が南北に縦断し、秩父鉄道は羽生駅を起点に熊谷市を通って秩父市方面へと伸びる。江戸時代末期以降、青縞(あおじま)の生産が行われ、現在も衣料の街でもある。※ウィキペディア
◇ 羽生市公式サイト
2018年11月に「世界キャラクターさみっと in 羽生 2018」というイベントが大々的に行われたそうで(自分は知らなかった)、ご存知の方も いらっしゃるかも。
ただ、率直にいうと羽生はべつに観光地ではないし、温泉どころとかでもない。これといった名産もたぶんなく、わざわざ羽生市に旅行に行こうって人、あまりいないと思う。
しかし、ルートイングランティア羽生はそんなマイナス要素を粉々に吹き飛ばすくらいにすごくって、ここに泊まることをだけを目的として行く価値がある(理由は後述する)。
一泊(朝食付き)で7,800円。平日だと7,000円を切る。バイキング形式の朝食が宿泊料に含まれている。ウェブで予約すると、ウェルカムドリンク(自販行きで買う)が付いてくるというオマケ付き。
旅程は立てない&行き当たりばったりで適当に
自分は「ノープランで旅する」派なのだが、このテキトーなゆるさは自転車に無茶苦茶マッチしていると信じている。ぜひ他のサイクリストさん にも味わっていただきたい。コンビニ休憩中にGoogle Mapで「城跡」「史跡」「寺」あたりのワードで検索し、ヒットした場所から行く場所を選ぶ。
※そこそこ城跡はあるっぽい
※史跡でさがすとこんなかんじ
※お寺もけっこうある
騎西市に「騎西城跡」ってのがあったので寄ってみた。今はコミュニティセンターに生まれ変わっており、かつてのお堀は埋められて住宅街。お城のミニチュア(資料館)が建っていたが、それ以外に城跡を偲ばせるものは何もない。
騎西城とは
現在の埼玉県加須市(騎西地域)にあった日本の城で、築城時期は不明だが、上杉氏配下となっていた太田氏によって築城されたという説がある。
そこから数キロで加須駅らしく、看板を見たら周辺にお寺がいくつかあるようだ。ちょっと道草を食ってみることにしたのだが、ガチで昭和な看板が残ってたりして、すごくしみじみできる。
※葉巻・・・パイプ煙草・・・?何年前の看板なのだろうか…
千方神社(ちかたじんじゃ)ってのが加須駅のすぐ近くにあった。ウィキペディアによれば、主祭神は「興玉命、神日本盤余彦命、藤原千方命(藤原秀郷の六男)」だそうな。誰のことかさっぱりわからないが…。広い広場があるので、きっと夏はここで盆踊りが営まれるのだろう。
時刻は12時半。この辺でお腹がすいてきた。
ランチもGoogle Mapで予備知識無しで探す
ここでも地図で検索。名の知れたファミレス、チェーン店は避け、「ラムじいさんのインドカレー」という名に惹かれてここに決める。食べログとかのレビューは読まない。デバイスの進化と情報化の発達により、なんでもかんでも事前に情報を漁り尽くし、ハズレを避けようとするのが当たり前になってしまった現代への個人的アンチテーゼである。
仮に外れでもいいじゃないですか…。旅は道連れ世は情け、一期一会の出会いを味わおうじゃないですか…。この辺の心の余裕は持っておきたい。それに、いまどき「あー、まずかった!」ってお店、むしろ見つけるのが困難じゃないですか?どこで何を食べたって、そこそこ美味しいものである。 (自分は何を食べても「美味しい」と感じる鈍い舌の持ち主ってせいもあるが)
んで、地図に従って行ってみたら真っ黄っ黄な建物(おぉ…)。
※明らかに居抜き物件
入ると、インドの自転車タクシー(現地から持ってきた本物ですって)と謎の木製フェイスがお出迎え。
働いているのは数名のインド人の方々(だと思う。もしかするとスリランカとかかもしれない)で日本語のやり取りはもちろん可能。お年を召した男性がいらっしゃったので、この方がきっとラムさんなのだろう。
定番のチキンカレー&ナンのセットとパコラを頼んだ(パコラが好物)のだが、美味しかった。
「これ、サービスね」とマンゴーラッシーまで頂いてしまった。インドカレー屋さんって、こういう親切を気取らずにしてくださるのよね…。
※ありがたくいただきますm(__)m
そういえば、これまでの人生でインド人の経営するカレー屋さんでいやな接客に出くわしたことがない。インド人の国民性なのだろうか、こういう親切は身に沁みて嬉しい。
※フレームの補強がすごい
※まさかのシングルギア
富徳寺→羽生城跡→ワークマンに立ち寄ってホテルに到着
15時にホテルに到着するつもりが、その後、南羽生駅近くの富徳寺、羽生駅近くの羽生城跡、さらにはワークマンに立ち寄ってしまったせいで、16時になってしまった。※富徳寺からのありがたいお言葉
ちなみに羽生城跡は16世紀初頭の築城で、永禄3年(1560年)の上杉謙信による関東出兵以降、上杉方の関東攻略の拠点となった。
後北条氏の度重なる攻撃を受け天正2年(1574年)閏11月に自落。その後、城は後北条氏から成田氏に与えられ、天正18年(1590年)の徳川家康の関東入封後は大久保氏に与えられた。が、慶長19年(1614年)1月に廃城となった。理由はわからないが、大久保氏が家康を怒らせてしまい、それで城は廃城、領土は没収…になったんだとか。家康えげつない。
※現地に城の形をとどめるものは何もなく、碑石があるのみ
なお、同じ場所に建つ天神社は、学問の神様として有名な「菅原道真公」が祭られているんですって。
総本社は京都にある北野天満宮なので、なんで羽生にも祭られているのだろうか…。謎を抱えたまま、ルートイングランティア羽生に向かう。
頼まれてもいないのに、ルートイングランティア羽生を全力でオススメする
長々書いたがここまでは前置き。なにしろ、ホテルに無目的に泊まるのが今回の主旨なので。事前にロードバイクで行くことは電話で伝えてあり、「フロント横のバックヤードでお預かりしますよ」と回答いただいていたとおり、このように置かせてもらえた。うーむ、完璧…。ありがとうございます。
ただ、置けるのはロードバイク1台のみ。ミニベロなら折りたためば2台まで。複数人で行く場合は「輪行バッグに入れていただければ、お部屋の持ち込みは全然OKですよ」とのこと。
お部屋はふつうのシングル。ほどほどの狭さが逆に心地よい。
※洗濯はしないのでせめて消臭剤をば
※Wi-Fi完備
※ユニットバスなしタイプを選ぶと割安になる
で、ルートイングランティア羽生は予想以上に設備がすごかった。部屋そのものはごく普通なんだけど、大浴場がホテルとは思えないほど充実している。その名も、スーパー健康ランド「華のゆ」である。
風呂は宿泊客以外にも開放してて、まさにスーパー銭湯の広さ。露天の外湯もたくさん湯船があって、内湯の湯舟も広々。写真でお伝えできないのがもどかしいくらい。
しかも、源泉かけ流し。これは素晴らしい。
さらに驚きなのが、サウナが3つも(!)あること。高温の遠赤外線サウナ、中温の遠赤外線サウナ、そして低温のミストサウナまである。全部試した結果、中温サウナがベストだった。水風呂も広く、大人5名が同時に入れる。
あと、地味に秀逸だと感じたのが湯温。内湯も外湯も「熱すぎずぬるすぎず、絶妙」なのでずっと入ってても湯あたりせず、長時間のんびーりできる。
もはや、ビジネスホテルの大浴場のレベルをはるかに超えている。風呂に関しては120点を付けたい。泊まらない方も、近くにお越しの際はぜひ「華のゆ」に立ち寄ってほしい。
宿泊客は24時まで入れるので、寝る前にももうひと風呂ってのもできる。
※朝は6時から入浴可能
ダラダラするには、部屋と風呂以外にリラックスできるスペースが有ることが重要だが、ルートイングランティア羽生はそこんとこも抜かりない。
風呂を出て部屋でダラダラするのもいいが、それだけだと飽きる。そこで、11,000冊ものマンガルームやリラクゼーションルームを利用するのだ。
リラクゼーションルームは照明がやや落としてあり、シートごとに備わる液晶TVをリクライニングシートに寝そべって観ることができる。ヘッドホンがあるので、音は気にしなくて大丈夫。あまりに快適すぎて、夕飯前に危うく寝落ちしてしまうところだった。
※もちろん、畳スペースも完備
それ以外にも、あかすり、多目的ホール、キッズルーム、カラオケ・麻雀、カットサロンまで用意されている。1日が24時間じゃぜんぜん足りない…。
夕飯はホテル内の海鮮居酒屋「まぐろや」で
ロビーの周辺マップを見るとコンビニはあるが、往復15分は歩ので湯冷めしそう。スーパーのベルクがホテルの隣にあるので、つまみや飲み物の調達は問題ない。しかも24時まで営業しているので安心。だが、夕飯はどうするか?
ホテルの前にファミレスの夢はあるものの、いわゆるチェーン店。それ以外に周辺には何もない。部屋の窓から見渡しても、「マジでなんもねえ…」なかんじ。
自転車で走れば何かしらあるかもしれないが、風呂上がりにそれはしたくない。
しかし、ルートイングランティア羽生は宿泊客のそんな不安を見通したかのようにホテル内に海鮮居酒屋「海鮮ダイニングはなの夢 まぐろや」を用意している。
「ホテル内の飲食店なんて、どうせ割高なくせにしょぼいだけでしょー」って思うかもしれないが、とんでもない。メニューは豊富でお値段はリーズナブル。その証拠に、中は大盛況で満席に近い。
自分はアルコール耐性がからっきしな完全な下戸で、サワー1杯でグデングデンになってしまうので、外で飲むことはまずない。しかし、ホテル内であれば安心して口にできる。
普段は飲まないお酒を「試してみよっかな」って気になって、りんごすりおろしサワーを頼んでみた。あと、豚平焼きとマグロ寿司。たいへん美味しかったです。
まあ、案の定かなり酔っ払ってしまって頭がフラフラしたのでリラクゼーションルームで30分ほどぼけーっと過ごして回復。
ホテルと漫画喫茶とスーパー銭湯と居酒屋が全部合体した最強ホテル、それがルートイングランティア羽生だった。かなり期待して来てみたが、その期待を軽やかに越えてきて「参りました…」と言うほかない。
その後、ホテルを出てベルクへ行き、あられとジュースを買う。
部屋に戻ってテレビを見ながらモシモシ食べる。うーむ、なんという贅沢と開放感であろうか…。
そういえば、この日はお店で注文するために店員さんと会話する以外にほぼ言葉を発していないことに気づいた。
23時過ぎから怪談バラエティを見ていたが、くそつまらなすぎてそのまま寝落ち。気づいたら丑三つ時、、、電気つけっぱなしで寝てた。歯を磨いて就寝。もっかい風呂に入りたかったがそれができなかったのが唯一心残りだった。
翌朝の朝食&風呂・・・からのノンストップ帰宅
いつもより余計に寝て、8時に起床。これだけでもすごい贅沢。朝ごはんはバイキング。ほぼ満室に近かったようで、1Fの食堂スペースは大盛況。失礼だが、羽生市のホテルが週末とはいえ満室になるなんて・・・って思った。が、この設備とクオリティなら「ただ泊まりに来る人」が大勢いても不思議ではない。
※羽生名物あった(いがまんちゃんの頭、脳みそが飛び出しているように見える・・・)
和食→洋食→洋食(小)の2.5回転が自分のスタイル。45分位かけてゆっくり食べる。
自分の周囲は家族連れとカップルばかりでソロ旅は自分だけ。完全に浮いていた気はするが、気にしない。
その後、大浴場へ。朝に風呂に入る人は少ないみたいで、湯船で泳ぎたくなるほどガラガラに近い。10時にちょうど間に合う時間配分で着替えて、バイクをバックヤードから取り出してチェックアウト。
踏ん張らないと身体が持っていかれそうなくらいの強風だったが、幸いにして追い風。そのままノンストップで川口市まで戻る。朝ごはんをしこたま胃袋に詰め込んだせいで、補給は全く必要なかった。昼過ぎに自宅に到着、往復120キロのソロ旅終了。
ルートイングランティア羽生
- 住所 〒348-0054 埼玉県羽生市西3丁目19-3
- TEL 048-560-3555
- 公式サイト
- 車でのアクセス:東北自動車道 羽生インターより車で約15分(約6km)
- 電車でのアクセス:東武伊勢崎線・秩父鉄道 羽生駅 西口より徒歩3分&上越長野新幹線 熊谷駅より電車で約20分
以上、「ソロ旅するならルートイングランティア羽生で決まり!」というレポートでした。これは病みつきになりそうだ・・・。皆様もぜひ。
◇ サイクリングは『大人の遠足』 タコベルのためにお台場まで走り、豚まんのために中華街まで足を伸ばし、餃子のために宇都宮まで遠征するススメ
◇ ビジネスホテルのこだわり大全~思わす回覧したいレベル - (デイリーポータルZ)
★ツイッターアカウントはこちら\(^o^)/<最近記事を常にお届け!
コメント
コメント一覧 (8)
自分は東京練馬から金沢に単身赴任してもうすぐ2年になります。金沢に住むと西日本のアクセスが非常に良くなりまして、電車やフェリーでの輪行を駆使して中部・関西・四国・中国地方とソロ旅を楽しんでおります。
cyclegadget
がしました
無計画の気ままな道行きは最高に楽しいですね。家族連れとかグループの幹事とかやってるとなかなか思うに任せませんが、また機会を見つけて行こうっと。
cyclegadget
がしました
まさに「贅沢窮まれり!」ですね。
cyclegadget
がしました
確かにイタレリつくせりで泊まることを目的に行くなら良いかも…念のため輪行袋持っていこう。
cyclegadget
がしました
ウチは普通に部屋に持ち込み可能です
定期的にロード乗りのお客さんは利用されますが
予約する前に自転車で行く旨を伝えて必ず駐輪に関して問い合わせをしましょう!
cyclegadget
がしました
自分も似たようなもので、神社仏閣を手軽な足として、クロスバイクからの乗り換えでロードバイクを始めました
神社仏閣等の歴史的建造物は、先人達と同じ景色を見てると思うとロマンを感じます。まぁ、写真を撮ることが1番の目的ですが(笑)
ところで、最近和歌にハマりまして、ロードバイクで歌のゆかりの地を走るのも良さそうです
当方解説が無いと未だ読めませんが和歌も是非オススメしたいです。
学生時代には古典など興味がなかったのに数年たった今ハマると、複雑になるのが歴史と通ずるものがあります(笑)
時間が取れなくても、電車等の移動の合間に是非(喫茶店でコーヒー片手に解説本を読むのもおつですよ)
cyclegadget
がしました
金沢のアクセスの良さ、素晴らしいですね。
じつは金沢は今年ぜひ行こうと考えている場所です。仕事でしか行ったことないですが、海産物が抜群に美味しいですよね~~
鈴木さん
マンガルームは1日じゅうでも入り浸れそうでした・・・(笑)ぜひ
久保さん
一人の時間って、家族持ちはなかなかできないので、たまにやるといいリフレッシュになります!
もんがさん
そーなんです。私も店長に熱く語られたので、行ってきたという次第です(笑)
教授さん
持ち込みOKなホテルは少数派な気がするので、そのご対応はありがたいですね。事前の問い合わせはマストだと思います!あと、臨港袋の持参も。
佐藤さん
古の人々と同じ風景を見ると感慨深いものがありますよね。たぶん、一生の趣味になると思います。
>和歌にハマりまして、ロードバイクで歌のゆかりの地を走るのも良さそう
↑
あーーー、それは考えたことなかったです。なるほど・・・ぜひ覚えておきます。
あるいは、芭蕉のゆかりの地とか、俳句ってのもアリでしょうね。歴史つながりで趣味を膨らませていくのも、とても豊かな人生だと思います。情報ありがとうございます。
cyclegadget
がしました
いつか自分も同じホテルに泊まりたいです。
cyclegadget
がしました