学生時代は大嫌いだったものが、大人になったら大好きになるってことありません?

たとえば、

子供の頃は嫌いだった野菜が、成人後は好物になった。

地獄だった科目が、中年過ぎてから俄然興味が湧いた。

とか。 ※自分はシイタケとほうれん草が子供時代は大嫌いだった

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/今はセロリとブロッコリー以外の野菜ならほぼ問題なし\

最近自分に起きたコペルニクス的大変化が「歴史にハマる」でして、OVEさん(シマノ)が運営する散走イベントで都内の武家屋敷を巡ったら、たったその1回で歴史に興味が出すぎてどハマりしてしまった。 すぐに歴史解説書籍を5~6冊買い込んで、常に持ち歩いては貪るように読んでいるところ。あと、マンガの太平記も読み始めた。

OVEの散走イベントで都内の武家屋敷をめぐった結果、日本史嫌いな自分が歴史に目覚めてしまった

これまでは歴史を毛嫌いしていたので、180度の変化に自分で自分に驚いている。人間はいつでも変われるのだなーとつくづく思う次第。

歴史に興味を持ったことでサイクリングにも好影響を及ぼしていて、まず新たな目的地が増えた。神社仏閣や城跡、遺跡がそれで、そこに自転車で行くのが楽しくてしかたない。目的地がなくても楽しいのがサイクリングの良さではあるけど、やはりあったほうが頑張れるものだ。

サイクリングに行きまくっていると、「だんだん行く場所が無くなってきた…」って気分になってくるがなんのなんの。まだまだ見落としている名所はたくさんある。なんせ、歴史嫌いだったせいで知識が格段に乏しく、何を読んでも「そうなんだ!」って新鮮な気持ちになれるのが幸せ(笑)。

そういえば最近、鎌倉にある鶴岡八幡宮が「鎌倉初代将軍源頼朝ゆかりの神社」ということを知った(ようやく)。まあ、”1192(いい国)作ろう鎌倉幕府”って言葉はかろうじて知っていたので、「なにかしら鎌倉時代に関係する建物なんだろ」くらいの認識はあったが……書いてて猛烈に恥ずかしい。
※最近は「鎌倉幕府は1192年より前にできてた」って説もあるそうですね

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で、ですね。神社仏閣や城跡、遺跡以外にも素晴らしいジャンルをこないだ発見してしまったのです。それは「大正や昭和初期の旧家めぐり」でして、探すとゴロゴロ見つかる。しかもそれが、ふだん都内で日常的に走っている道からちょっと外れたところにあったりするからびっくりする。

「え!!!いつも走ってる道の一本裏手に、大正時代に建設されて今では重要文化財に指定されている場所があるの?マジで!?」

これはもう見学するしかない。

ということで、墨田区立花にある「 旧小山家住宅 」に行ってきました。
※スカイツリーのわりと近くです

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目次


立花大正民家園 旧小山家住宅とはどんな場所か

大正6年(1917年)に立てられた民家で、木造平家建、寄棟造、桟瓦葺。今は瓦屋根になっているが、もともとは茅葺き屋根だった。

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敷地面積は1356.46平方メートル(約411坪)もある。むちゃくちゃ広い!ただ、延床面積は113.22平方メートル(約34坪)。つまり、敷地の大半は庭園である。

民家なので財閥とか宗教は一切関係ない。だから豪華絢爛とかそういうのはまったくない。むしろ都市型農村文化のぬくもりや素朴さが残る家でして、「あー、大正時代の人々ってこういうお家に住んでいたのか~」ってしみじみする。

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大正時代の人々…って書いたけど、元オーナーの小山氏はこのエリア一帯の開拓を担った人であり、しかも後に事業(セメント業)を興して成功させ、わりと裕福な生活をおくられていたそうな。よって、旧小山家住宅はただの庶民の家というよりは、当時はかなり立派な家だったのだと想像できる。
※管理人さんに教えてもらった

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正面は細い木割りをもつ格子戸、出格子窓、黒漆喰壁(くろしっくいかべ)から構成されている。玄関と土間口は別々に設けられ、奥座敷上手には縁側も。

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ガラスは大正時代のものが今もそのまま残っていて、よく見ると表面が波打っている。これは当時の加工技術の限界だったそうだが、逆に味があって良い。

平成4年ごろまで実際に人が住んでいたので、キッチン周りはコンロ等が置かれていた跡があった。

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/家紋の中には提灯が保管されているそうな\

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/風呂の狭さに驚愕\


外から見ると、平屋ではあるが屋根が一段高い構造になっている。水害が多い地域だったので、水浸しになった際に屋根裏に逃げられるように・・・という設計だそうだ。

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幾多の水害、関東大震災(1923年)、東京大空襲(1945年)をくぐり抜けてきたわけで、かなり丈夫な造りをしているのだろう。

オーナーさんは縁起を担ぐ人だったそうで、庭に七福神像を置いている。これも当時のものがそのまま残されている。

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平成11年8月には、墨田区登録有形文化財(建造物)「旧小山家住宅」として墨田区指定有形文化財になっている。よって建物の所有は墨田区。建物と環境保護のため、全面禁煙である。

旧小山家住宅の歴史(墨田区公式サイト)

立花大正民家園 旧小山家住宅のロケーション

スカイツリーから東に数キロほどにある。 徒歩だとややキツイが、バスが出ているのでそれでアクセスできる。浅草からもそんなに離れていない。自転車ならほんの数分の距離だ。

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  • 住所:〒131-0043 東京都墨田区立花6-13-17
  • 交通: 区内循環バス(北東部ルート)立花大正民家園入口バス停から徒歩3分
  • 東武鉄道亀戸線小村井駅から徒歩12分、東武鉄道亀戸線東あずま駅から徒歩8分
  • JR総武線平井駅から徒歩8分


見学は、庭園・住宅ともに無料。

定休日はとくになく、年末年始(12月29日~1月3日)以外は数名のボランティアさんが交代で管理なさっている。

お盆もゴールデンウィークも開いてますよ( ◠‿◠ )

ですって。頭が下がります…。


ただ、見学時間は建物と庭園で異なる。せっかくなら建物内に入りたいだろうから、であれば午後12時半以降に到着するように。管理人さんに一声かければ、快く開けてくれる。

・庭園 午前9時から午後4時30分まで
・住宅 午後0時30分から午後4時30分まで

観光で浅草方面に訪れたら、ついでに立ち寄ってはどうだろう?それだけの価値は十分ある。

なんと貸出(有料)もしてくれる

「旧小山家住宅」は会合などに利用できる。個人利用でもいいし、法人で借りてもOK。墨田区在住や勤務者には割引価格が適用されるが、そうでなくても利用は可能。

それにしても使用料が激安。1回あたり3時間半利用できてたったの「1,650円」。(墨田区在住、在学、在勤なら1,100円)

スケジュールが空いていさえすれば、連続して使う(7時間とか)も大丈夫。

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有形文化財なのでゴミを出すとか、パーティーをする…的な用途はNGだけど、給湯器はあるのでお湯を沸かしてお茶を飲む…くらいならOKだそうな。

ただ、残念ながら「貸切」は不可。なぜなら、見学者がいれば誰でも入れるようになっているため。なので、会議している途中で「すみませーん」ってかんじで見学者が通過していく可能性はある(笑)。
※そんなにひっきりなしに人が訪れる場所ではないでしょうが…

なお、利用にあたっては、申請手続きと使用料が必要。

申請先およびお問い合わせ先は、すみだ郷土文化資料館。くわしくは墨田区のサイトに書かれている。

  • すみだ郷土文化資料館 (墨田区向島2-3-5)
  • 電話:03-5619-7034、ファックス:03-3625-3431
  • 開館時間:午前9時から午後5時まで
  • 休館日:月曜日(祝日に当たるときは翌日)、第4火曜日(祝日に当たるときは翌日)


ウェブサイトには「旧小山家住宅への申請も可能」と書いてあるが、管理人さんに確認したら「資料館のほうが確実」とのことなので、お問い合わせ&申し込みは資料館へどうぞ。

こんな感じで、走行距離は大したことなかったけど、とても充実した午後を過ごせた。

たしかに華はない(民家なのだから当然)し、観光ガイドブックに大々的には紹介されてないかもしれないが、風情ある貴重な文化財なのは間違いない。 知る人ぞ知るスポットかと思いきや、管理人さんいわく、

最近は外国人観光客の方も増えてきてますよ

探してみるとこういう場所はわりと豊富にあり、都内にも何箇所もある。引き続き自転車で開拓していくつもりである。

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それにしても、歴史とサイクリングって、すんごく相性いいですね…。


「ロードバイクで城跡を見に行く」という愉しみ方を発見してしまったので全力でオススメしたい(小田原城編)


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