平昌冬季オリンピックに葛西紀明選手が選ばれた(しかも日本選手団の旗手まで務める!)。

ウィンタースポーツ観戦熱は自分はとくに持ち合わせておらず、TV観戦の予定もないけど、葛西紀明選手は例外。横浜FCの三浦知良選手と並び、「オッサン界のレジェンド」の飛車角であるからだ。

そんな葛西紀明選手が、2017年の暮れに東洋経済オンラインでこんな記事を書かれてて、興味深く読ませてもらった。

>> 40代で「疲れない体」にみるみる変わる5習慣 「レジェンド葛西紀明」も実践!改善法は?(東洋経済オンライン)

ちなみに、「葛西紀明ってだれ?」って方のために、ウィキペディアもろもろを参照しつつかいつまんで紹介しますと…

葛西紀明(かさい のりあき)
1972年6月6日生まれ(2018年2月時点で45歳)※71年生まれの自分の1個下

  • 北海道上川郡下川町出身のスキージャンプ選手
  • 東海大四高校から地崎工業、マイカルを経て現在は土屋ホームに選手兼任監督
  • 2005年度日本オリンピック委員会・選手強化キャンペーンのシンボルアスリート制度適用選手
  • 16歳時の1988年より日本代表として国際大会に出場
  • 1992年のアルベールビルオリンピックに19歳で初出場
  • リレハンメル、長野、ソルトレイクシティ、トリノ、バンクーバー、ソチと史上最多計7回の冬季オリンピックに出場
  • 冬季オリンピック7大会連続最多出場記録
  • ワールドカップ最年長優勝記録
  • 冬季オリンピックスキージャンプ最年長メダリスト(※41歳256日@2014年ラージヒル団体)
  • 5つのギネス世界記録を持つ

2001年下川町町民栄誉賞受賞されているが、そりゃそうだろ…って実績をお持ち。

「スキージャンプってのは、年を食っても長く続けられる競技なのかな?」と思いきや、ぜんぜんそんなことはない。この世界では異例ともいえる20年以上のキャリアがあり、しかも40歳を超えても一線級の成績をマークすることから「レジェンド」と呼ばれる。

よく、アラサーの男性が20代の若者に、「三十を超えると一気にガクッとくるよ~」って吹聴しているのを見るが、40代半ばの自分に言わせれば甘い。甘すぎる。「お前、40代を超えたときの落差を知らずにそんなこと言っとるな…。筋持久力もそうだが、瞬発力の衰えはハンパないんやぞ…まだまだ落ちるんやぞ…( ̄ー ̄)」である。

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サドルの上でくるくるペダルを回すサイクリングはまだましというか、ごまかしがきくのものの、たまーにサッカーをやったときの衰えには悲しくなる。

「えっ…ダッシュがぜんぜん遅い…。切り返してからの一歩がこんなにモッサリしているとわ…」って我ながらショック。とにかく悲しいほどスピードが落ちた。いままでできてたプレーができないのは辛い。(ショックがひどいので、もう1年近くボールは蹴ってない)

自分の泣き言はさておき、葛西紀明選手はどうして45歳になった今でも現役を続けられるんだろう?という疑問にご本人が回答したのが上記記事。その理由は「疲れない体づくり」をつねに意識するようになったからだそうな。

彼の指摘するポイントと、自分が取り組んでいることと照らし合わせながらご紹介したい。

1:体幹トレーニングで「姿勢を整える」

100パーセント同感。体幹の筋肉は超大事。インナーマッスルはその名の通りインナー(内側)にあるため目立つ筋肉ではなく、いくら鍛えても見た目に変化はほぼない。おまけにトレーニング後の「やった感」もあまり味わえないので、わかりやすい自己肯定感はない。しかし、これをやり続けると確実に「自分が強くなった感覚」が持てる。

日常生活でいうと、電車が強めのブレーキをかけてもラクに踏ん張れるし、長時間歩きっぱなしでも疲れにくい。あと、背中がシャンと伸びて姿勢が改善されますね。

もちろん、体幹の強さはあらゆるスポーツに有効で、ロードバイクだとロングライドで効果を実感できる。自分の場合、初心者の頃は80キロを過ぎると前傾姿勢を維持するのが辛かったが、今はなんともない。

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ロードバイクに乗るだけでも体幹は自然と鍛えられるけど、より早く効果を得たいなら書籍やDVDなどを利用して体系的に、バランス良く鍛えるのがいい。とりあえずやってみたいだけなら、YouTubeを検索するだけでもそこそこの情報が得られる。1日10分だけでも意味がある。10分くらいなら日常生活に組み込めるはずだ。

個人的にオススメなのは、「既存の習慣とガッチャンコする」でして、たとえば風呂(シャワー)の前に5分やるとか、寝る前に5分やる…とか。そうすれば、やり忘れにくくなり、身につきやすくなる。あと、体幹トレーニングはお金がかからないのも嬉しい点。自重を利用するだけなので、機材が不要。やる気さえあれば、老若男女関係なく始められる。

自分がやっている体幹トレーニングはこちら。

>>【体幹トレーニングが続かない人に朗報】 スキマ時間を活用すると習慣化できるよ

>>全サイクリストにオススメしたい、5つの体幹トレーニング・メニュー

>>オクサマが伝授!エクササイズバンドを使った筋トレ&ストレッチ方法(前編:上半身トレーニング)

>>オクサマが伝授!エクササイズバンドを使った筋トレ&ストレッチ方法(後編:下半身トレーニング)

リッチー・ポートがやっているトレーニングはこちら ↓ >>BMC・レーシング所属のリッチー・ポートがお勧めする、サイクリスト向けの水泳トレーニング4選

2:「10分のランニング」で、むしろリフレッシュする

「汗をかく」ことは、体内の老廃物や疲労物質などを体外に出し、代謝をよくするためにも効果的といわれています。「疲れない体」づくりのために、私がいちばん重視しているのが、この「代謝を上げる」こと。

葛西紀明選手は、トレーニングがない移動日とかでも10分ランニングを行うそうな。「たった10分で意味あるの?」と思うかもしれないが、大アリなんですって。

自分はサッカーで膝を痛めているので、「ジョギング、マラソン」の類は一切やらないと決めている。が、この意見には大賛同。自分はちょっとのスキマ時間があれば、すぐさま三本ローラーを回す。ふだんは1時間やるんだけど、帰宅が遅く、オクサマが寝ているときは30分で切り上げる。(さすがに気がひけるので…)

ちなみにオクサマは、三本ローラーの音が鳴り響く&電気が煌々と灯る部屋の中でグースカ眠れるという特技を持つ。何事も慣れであるというよい例(笑)。なお、三本ローラーは固定ローラーよりも音がデカく、普通の神経の持ち主は眠るなどまず不可能。

たった30分でも、回すと回さないではぜんぜん違って、一汗かくと気分もいいし、深く眠れる。

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土日が雨で走れないときは、怒りをぶつけるかのようにローラーを回す。土日にサドルに跨がらないと、ストレスが溜まった状態で月曜を迎えることになり、それだけはぜったいに避けたいのだ。

「まとまった時間がとれないから運動はやめておこう…」はもったいない。30分あったら葛西選手を倣ってジョギングするか、三本ローラーを回そう。

>>自転車のバランス感覚を鍛える方法

>>三本ローラー初心者必読 「ケガをしない、安全な三本ローラーの乗り方」

3:上手にサウナに入って、とにかく「汗をかく」

「温冷交代浴」(サウナと水風呂)を行うこと。

「サウナ10分の後は水風呂1~2分」のように、温冷をセットで行っています。水風呂が苦手な人、高血圧症など持病のある人には、「足だけを水風呂に入れる」「ぬるめのシャワーを浴びる」という方法もおすすめです。

サウナって、自分はあまり好きではなく、代わりに交互浴を取り入れていた。湯船と冷水を繰り返すアレですね。ただ湯船に浸かっているだけよりも疲労物質が取れやすく、身体がとてもリフレッシュする。

余談だが、交互浴は冷水で締めるのがコツ。「寒い寒い…」とお湯に浸らないように。冷やした身体のまま脱衣場に向かおう。身体はポカポカしたままなので心配ない。

>>【疲れがよく取れる!】 最強な入浴法は“交互浴”だとヨッピーさんに伝授いただいた


ただ、考えてみれば湯船よりもサウナの方が身体が温まるわけで、冷水に入ったときの温度差も大きい。ということで、葛西紀明選手のアドバイスにしたがって、今後はサウナ&冷水のコンビネーションで交互浴をしてみようと思う。
※交互浴は心臓に高い負荷がかかるので、高血圧の方とか、心臓に不安のある人は避けてください

サ道~マンガで読むサウナ道~


4:「代謝を上げる食べ物」を活用する

日ごろから意識しているのは、代謝を上げるために「代謝アップを促進してくれる食べ物」を効果的にとることです。

「代謝を上げる」食べ物は、「体を冷やさない」「脂肪を燃焼しやすくする」「筋肉の働きをよくする」などの食べ物のことです。「アミノ酸」「ビタミンB群」「カリウム」「ヨウ素」などを多く含んだ食べ物です。

葛西紀明選手が好んで食べる食品は…

  • 「アミノ酸」が多い……卵、レバー、牛乳、チーズ
  • 「ビタミンB群」が多い……豚肉、うなぎ、青魚、玄米、納豆
  • 「カリウム」が多い……納豆、みそ、豆腐
  • 「ヨウ素」が多い……コンブ、ワカメ、ハマグリ、青魚
  • 「体を温める」……トウガラシ、生姜、長ねぎ、カボチャ

とのこと。

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40代を超えたら、若い頃とは比べ物にならないレベルで食事に気を使うようになるものだ。自分もなるべく野菜、脂肪の少ないタンパク質、豆腐や納豆、海藻類、新鮮な果物を口にするようにはしている。

健康は「睡眠、食事、運動の3セット」とよく言われるがその通りで、どれかひとつでも欠けていたらダメ。仕事が重なると、どーしても睡眠を疎かにしがち。ムリをすると確実に跳ね返ってきて、ツケを払わされますね…。

5:ストレッチで「下半身の柔軟性」を高める

下半身の筋肉に柔軟性をつけたことでジャンプの踏み込みから着地までの安定感がよくなり、下半身の可動範囲が広がったので歩行やランニングのときもラクになりました。結果として、体への負担も少なくなりました。

40歳を過ぎたら、筋トレよりもストレッチの時間を増やしてください。「下半身の柔軟性」を高めるストレッチは、ケガの予防のみならず、リラックス効果も期待できるなど、日々の体をサポートしてくれると思います。

個人的に2017年にとくに励んだのがコレ。人生最大の肩コリに悩まされたのをキッカケにストレッチを毎日の生活に取り入れるようになった。

やればやるだけ必ず効果が出るが、すぐに結果は現れないので多くの人は諦めやすい。自分は「Dr.ストレッチ」というパーソナルストレッチ(補助が付いて負荷をかけてくれる)に通ってみた。

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最初の1ヶ月は大きな変化がなく、「続けてても意味あるのかな?お金がもったいないかな?」と半信半疑だったが、2ヶ月過ぎたらハッキリ分かるレベルで柔らかくなった(床に1本しか指がつかなかったのが、3本…4本…と増えていく)。

柔軟性がつくと、ロードバイクで深いポジションが維持しやすいし、疲れにくい。あれほど苦しまされた肩コリは嘘のように消し飛んだ(これが一番うれしかった)。

あと、同時進行でやってた減量生活のせいで腹の贅肉が落ちたのも、深い姿勢を取りやすくなった一因かと。

葛西紀明選手も、「40歳を過ぎたら、筋トレよりストレッチを取り入れましょう」と書かれている。バーベルでパンプアップするのも悪くはないと思うが、今ある筋肉をフレッシュな状態に保つための努力にも同じくらいの価値がある。

>>サイクリストは「筋肉の柔軟性」があるほうが良いのは常識だとして、パフォーマンスも向上するのか?

>>肩こり解消のためにやって効果があったモノ、なかったモノ(まとめ)

パーソナルストレッチは三ヶ月ほど通い、その後は一人で続いている。トレーナーさんにいただいたアドバイスを守り続けているせいか、身体は快調をキープできている。

パーソナルストレッチはお安くはない(1時間6,000円ほど)が、払う以上の価値はあった。身体が硬くて仕方ないって人は、数ヶ月通って身体を元の正常な状態まで戻してはいかがだろうか。身体が硬いまま筋トレに励んでもいいことないし、むしろコリは悪化すると思う。

最後に、自分が敬愛してやまないナンバーワンアスリートである三浦知良選手の素晴らしいゴールシーン(1992アジアカップ広島での日本vsイラン戦)と、今なお貪欲にトレーニングに打ち込む姿を貼っておこう。


「キングカズ」 三浦知良 50歳の挑戦


個人的に、カズのゴールでもっとも痺れたのが1992アジアカップ広島での日本vsイラン戦



以上、葛西紀明選手に学ぶ!40代で「疲れない体」に変わる5習慣でした(^^)。


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