2018年に登場した新型ジムニー(&ジムニーシエラ)が気になっている。

一度は真剣に検討しかけたものの、「まだパンダは4年半しか乗ってないし、買い換えるのはもったいない」となった。2年後くらいに再検討すればいいよね、と夫婦間で合意し、ジムニーのことはいったん頭から切り離した。

ところが、11月中旬にパンダのミッション系統にそこそこ重篤な故障が発覚した。路上で突然ニュートラルになったり(うんともすんとも動かずに超焦った)、信号待ちでエンストしたり…が頻発し、ついに家から動かせなくなった。レッカー移動でディーラーに持ち込み、診断の結果「クラッチ破損とミッションにかなりレアな症状が出て、本国から部品を取り寄せないと修理できないかも」と回答があったところ。←イマココ。しかも12月中旬まで入院予定で1ヶ月使えない。

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※さようなら、愛車よ…(まったく動かなくなったので、レッカーでディーラーへ)

うーん、やはりイタ車クオリティなのか…メーカーの3年保証期限はとうに過ぎており、実費修理となる。修理代が怖い。今後もいろんな箇所が壊れたら……と考えてしまう。

で、次回車検を通さず、ジムニーに乗り換えるほうがいいのではないかと考えたワケ。だが、人気車ゆえ納車待ち状態と聞くし、風の噂では一年半待ちとも。判断を下すならグズグズはしておられないし、最新状況も知っておきたい。

ということで、スズキのディーラーさんでジムニーを試乗してきました。以下、感想でございます。

目次


ご用意いただいたのはジムニーXC。

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軽バージョンの中で最上グレード。ボディはキネティックイエロー、ルーフはブラックのツートンカラー。小さい車なのに、遠目からもすごく目立つ。うーむ、カッコいい。 というか、可愛い。

ジムニーはめちゃくちゃアイポイントが高い

乗った瞬間にびっくりしたのがコレ。外から想像するよりずっと着座位置が高い。パンダなんて比較にならないほど高い場所から見下ろすかんじ。視点は完全にクロスカントリー車だった。なるほど、これは運転しやすそう。

クラムシェルのボンネットフードが良く見えるので、車体感覚が異常に掴みやすい。後ろを振り返っても同じで、「真四角の箱の中にいるな~」ってのがわかる。こんなに車とドライバーが一体感を味わえる車、初めてだ。

この時点ですでにワクワクしてくる。 

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※オクサマ的にも着座位置に問題はない

ジムニーは室内空間が意外に広く、圧迫感がない

車内のスペースは、数字上ではけっして広くはない。いや、むしろ狭い。しかし、垂直に切り立った両サイドパネルのせいでまったくそう感じさせない。なるほど、前後スペースは絶対的に狭くって(というか短い)、振り返るとすぐ近くにトランクのドアがある印象。しかし、横方向は余裕がある。「パンダと変わらないね」とオクサマもコメントしていた。

まあ、パンダがそもそも広い車ではなく、それに慣れた我々の印象なので、一般的乗用車と比べたら「肩が近い」とは感じるかも、だが。

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大人4人が乗るとさすがに窮屈だろうが、3人(我々と営業さん)で走る分にはまったく問題なかった。

ジムニーのエンジンはややもっさりで、出足がゆっくり

鍵を挿して回すのではなく、スイッチでエンジンがかかる方式。今風でかっこいい~。もっとボコボコボコボコ音がするのかとか、ギシギシ揺れるのかしらと悪い方向に想像していたのが拍子抜けするほど静か。そして揺れもない。

水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボのエンジンをかけて、走り出す。ボディがよっこらせ・・・って感じで動く。初速がややもっさりしているかな…。1速から2速の間が少々遅い感じで、車体の重さを感じた。

いったんスピードに乗れば普通に走るのだが、やはり軽エンジン(最高出力:64PS/6,000 rpm、最大トルク9.8kgm/3,500 rpm)であるのと、そもそもジムニーはほかの軽自動車よりやや重め。その辺も影響しているかなと。

<参考>
  • ジムニーXC:1,040 kg(MTは1,030 kg)
  • ハスラー(Jターボ&2WD):820 kg
  • ワゴンR(2WD):790 kg(フルタイム4WD でも840 kg)

軽ではない乗用車のイグニス(HYBRID MZ)出も880 kg。スイフトRS(2WD)でも900 kg。クロスビーのHYBRID MZのフルタイム4WD でようやくジャスト1,000 kg。パンダが1,070 kg。

そう考えると、いかにジムニーが重いかが分かる。ほかの軽のラインナップより250 kg 前後も重くなれば、そりゃあ燃費があまりよろしくないのもナットクだ。

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ちなみにジムニーシエラのATが1,090 kg で、MTが1,070 kg である。シエラはもっと重いのかなと思ったら、意外にそうでもなく、40~50 kg のプラスだけである。

街乗りする分には不満はない。エンジン音は独特だが、イヤではない。ただ、このパワーで高速道路を長時間走るとなると……かなりアクセルを蒸さなければならないのと、エンジン音もそれなりにうるさくはなりそう。この点は営業さんも指摘されていて、「高速道路を良く利用するなら、ジムニーシエラのほうがいいでしょう」とのこと。自分も同感。

ただ、売れ行きからいうと、営業さんの肌感によれば「7:3でジムニーのほうが売れている」とのことである。 (そうなんだ)

ジムニーは見切りが抜群に良く、初運転でもすぐ慣れる

エンジンの非力さは気になるものの、運転のしやすさには舌を巻いた。見晴らしがいいわ、車体感覚が掴みやすいわ、ジムニーなら都内の狭い道だろうが、細い山道だろうが、どこでも走れちゃうんだろうなあって思った。

ちなみにジムニーの最小回転半径は4.8メートルと、すごく小回りが利く。(ジムニーシエラは4.9メートル)

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ほんの10分かそこらの試乗だったし、細かく見ればそれなりにアラもあるのだが、それを差し引いて余りある「運転が楽しい」感は十分に感じ取れた。

ジムニーの乗り心地はいたって快適

これもプラスポイントなのだが、オンロードでの乗り心地がかなり良かった。へんなゴツゴツ感なんて皆無。むしろ、快適だなー気持ちいいなーって感心したほど。

ただ、高速域でこの快適さがどう出るかはわからない。カーブではそれなりにロールしそうだし、横風を受けたらハンドルは若干取られやすいのは間違いないかなと。

ジムニーの後席はさほど窮屈ではなく、足元のスペースも期待以上

3ドアだし、ホイールベースは2,250 mm なのでぜんぜん期待していなかった。ジムニーは2人乗り+荷物という使い方に割り切るしかない…くらいの覚悟で乗り込んでみたら、あれ?何気に大丈夫だ。
※ちなみにパンダのホイールベースは2,300 mm なので、パンダより5センチ短い。

自分の身長は173センチで、助手席を自分に合わせても同じ身長の大人がまあ座れるスペースは確保できる。ゆったり伸び伸び〜とはもちろんいかないけど、膝がシートバックに当たることはない。あと、スクエアなボディ形状のお陰で窮屈感はなかった。

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※これはシエラですが、中はジムニーとまったく同じ

後席の窓はハメ殺しで開かない代わりに、窓自体が大きいので日差しは良く入るし、見晴らしもナイスなので、そのへんも不快感がない要素なのだと思う。

リアシートのシートバックの高さがやや不足しているのがマイナスだが、ヘッドレストを伸ばせば成人男性の後頭部までちゃんと来てくれるのはOK。できれば、あと5センチ弱シートバックがあって、肩まで来てくれると嬉しいのだが、フルフラットにするためとか、いろんな事情のせいでこの高さになったと思われる。

ジムニーのナビの位置はかなり高くて見やすい

インパネに目を移すと、黒一色なのがやや寂しい気はする…。もうちょっと遊びとか演出があっても良かった気はしないでもない。ただし、スイッチ類はどれもスーパー操作しやすい。さすが質実剛健な四駆ならでは。グローブをつけたままでも操作できるのだから、素手なら余裕のよっちゃんだ。

カラーリングはやや退屈だが、外装パネルの色が車内にもあって、それがいい感じに「アウトドア感&タフネスさ」の演出に一役買っている気はして、なんか良い。高級車に慣れた人にはチープに見えてしまうかもだが、パンダで慣れている自分はむしろ好印象である。

あと、ナビの位置がむちゃくちゃ高い場所にあって、これもGOOD

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※試乗車ゆえ、ナビは装着されてませんでしたが

視線をほぼ移動させずに運転できるのも、さすが実用車と言えるだろう。ちょっと上を向くように角度がついており、それもナイスな点である。

ジムニーにロードバイクが積めるのは確認済み

これは問題ナシ。両輪は外さねばならないのは当然。今のパンダでもそうなので負担ではない。

縦方向だと外に飛び出してしまうので、横積み必須となる。後席を倒せば完全なフルフラットになるのもマル。荷物の出し入れのやりやすさはさすがジムニーといったとかろ。

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逆さまにして積んだバイクをどう固定させるか考えねばならないが、まあなんとでもなるだろう。

新型ジムニーにロードバイクは載るのか?【ディーラーで検証してきた】

と、かなり好印象だったジムニーだが、気になった箇所もありまして…。

ジムニーに試乗して、気になったところ

1 テレスコピックがない

これがないのは痛い…。最適なポジションに合わせられないのは悲しい…。まあ、テレスコ付けると一気にコストアップになるからね…ジムニーの価格を考えれば、ぜんぜん文句言えないよね…とは思う。

ただ、ジムニーはもともと日本人の体格に合わせられて設計されているせいもあり、平均的日本人骨格を持つ自分(身長173センチ)はテレスコがなくても全然問題ないわってなった。

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超小柄なオクサマ(身長146センチ)はどうかが気になったが、幸いにして彼女も問題なし。身長180センチを超えてくると、ちょっと合わせずらいかもしれない。その点はご注意を。

2 座面の上げ下げができない

なんと、シート座面を上下に微調整できない。調節できるのは前後のスライドのみ。「そっかー、前後しか動かせないのかー」って思って乗り込んだら、自分の体格だとまったく問題なかった。うん、自分は座面の上下は不要だわ。

しかし、オクサマは必須なのではないか…上げられないせいで運転に支障が出るのでは…だとしたら購入対象リストから外れてしまう…と恐る恐る調整させてみたら、あらびっくり。彼女も問題なかった。

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むしろ、上げてしまうと足がブレーキとアクセルに届かなくなるので、「いまの座面位置でちょうどいい」とのこと。さすがスズキは日本人の体格を熟知しておられる…。

ということで、我が家は問題なかったが、体格によってはシートの上下調整ができないことがネックになるかもしれない。

3 軽エンジンの非力さ

けっして悪くはないし、必要にして十分なのだが、やはり信号からの発信時にモッサリ…ってなるのは少々気になった。

パンダとジムニーがほぼ同じ車両重量で、

◇ パンダ
  • 最高出力:85 ps / 5,500 rpm
  • 最大トルクが14.8 kgm / 1,900 rpm

なのに対し、

◇ ジムニー
  • 最高出力:64 ps / 6,000 rpm
  • 最大トルク:9.8kgm / 3,500 rpm

なのはやはり見劣りがする…というのが正直な印象。パンダもけっして出足の良い車ではないけど、そのパンダに比べても「やや劣るかしら」とは感じた。シエラと乗り比べて検証したい。

日本で大絶賛のスズキのジムニー(&ジムニーシエラ)は、海外ではやや辛口なレビューをされていた(動画を翻訳してみました)

ジムニーに試乗しての結論

なんだかんだ書いたが、かなりよい。ハッキリ言って、好きになった。オクサマも「思ってたよりずっといい!」とコメント。が、シエラも試乗しないと判断できないので、さっそく予約した(その日はディーラーさんに置いてなかったので)。

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気になる納車待ちの状態だが、「(軽もシエラも)半年から一年」とのこと。
※2018年11月末時点

半年と一年ではかなり開きがあるが、ディーラーさんではコントロールできない要素もあるので広めの回答しかできないのだそうな。2019年に入ると増産体制に入るそうで、うまくいけば半年で納車可能らしい。(まあ、ジムニーとジムニーシエラでも時期は変わるらしいが)。

まだ購入が決定したわけではないが、もしかすると、もしかするとかもしれない…。シエラに試乗したら、自分はどうなってしまうのだろうか…。


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