ひょんなことから、ミニベロのirukaをお借りする機会を得ました。

元々存在していたiruka S(スポーツモデル)と、新しく登場したiruka C(コンフォートモデル)の両方を乗り比べることができたので、比較しつつレビューしてみます。

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目次


iruka S & C の違い

以前書いた記事、「iruka Cを買うつもりはないけど、気になる存在なので調べてみた」でも触れましたが、両者の違いをざっとまとめるとこんなかんじ。

フレームは基本的に全く同じで、素材はA6061アルミニウム。
表面のサンドブラスティング + 酸化皮膜処理も同様です。

よって、パッと見はかなり似ている…というか、見分けがつかないほど。

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※こちらはS

弟分だからといってiruka Cが見劣りすることはないです。
むしろ独創的なフレーム形状も相まって、どちらもプレミアム感があります。

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※こちらはC

iruka の素晴らしい点

S & C共通のメリットを挙げると…

唯一無二のデザイン

まずは、ひと目でiruka とわかる美しい&カッコいいデザインですね。

信号待ちで歩行者にすごく見られるし、「なんだあの自転車?」と振り返る人が何人もいました。

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未来的なルックスは、自転車に興味のない人も惹きつけるみたいで、所有欲を満たしてくれるデザインです。

アイコニックなジャックナイフフレーム

左右対をなして弧を描くジャックナイフフレームにはトップチューブにヒンジがありません。

折りたたみ時に後輪を収納する中空デザインは実用的なだけではなく、まるで「2本の刀」が並んでいるかのよう。

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上から眺めるとワケもなくゾクゾクします(笑)。

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ハンドルステムとフォークの高い剛性感

テレスコピック式折りたたみ機構が採用されていて、フォークとハンドルポストがふつうのミニベロと違います。

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蝶番で固定するよくある形式だと剛性が不足して「たわむ感覚」があるものですが、テレスコピック式はフォーク(&ハンドルポスト)を数センチ押し込んで重ねるように繋いでから固定します。

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この機構のおかげでガッチリした剛性が確保され、とくに下りでの安定感と安心感は群を抜いていました。

「片手持ちのフォークで大丈夫なのかしら?」という不安は完全な杞憂でした。

直進安定性が高い

iruka のホイールベースは1,040mmなので、特別に長いわけではありません。

シートステーが後ろに伸びるデザインなので、ロングホイールベースなのかなと思いきや、そこはノーマルなミニベロと大差はない様子。

普段乗り慣れているEEZZ D3のホイールベースが86.5cmと極端に短いせいで、iruka が特別に長いと感じただけのようでした。

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ただ、妻のボードウォークが1,020mm なのでその差は2センチしかないですが、比べてみるとやはりiruka のほうが安定していました。

折りたたみ時に押して歩ける

これはいいな~と思ったのが「押して歩ける」こと。

たいていのミニベロは折りたたみ時に自立はさせられても、転がすことはできません。たまにキャスターがついているモデルもありますが、ほぼ実用性をなさないモノばかりでしたが、iruka はかなり高性能。

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※こうかぶせて…

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※完成!

日本のほとんどの鉄道では列車内に自転車を持ち込む際には輪行バッグに収納することが義務づけられているし、駅構内では輪行バッグに収納することがほとんどではあるものの、「ちょっと移動させたい」ってときにいちいち持ち上げなくてよいのは地味に便利です。

10kg 以上の荷物を上げ下げするのは、オッサンの腰にはけっこうなダメージになりますので(笑)。

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ただし、当然ながらバックはできません。
クランクが逆回転して干渉してしまいます。

自立させられる

サイクリング中にコンビニやカフェに立ち寄った際、(スタンドの付いていない)ロードバイクやスポーティなミニベロだと壁とか柵等「立てかけられる」場所を探さねばなりません。

iruka は後輪をグルン!と反転して折りたたむとリアフォークの前端が支えになり、スタンド無しでも自立します。しかも全長が約1メートルになるので、狭い場所にも駐輪できます。

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実際にカフェで試してみましたが、安定感があって実用性が高いと感じました。

iruka のイマイチな点

ネガティブポイントはほとんど見当たらなかったのですが、一点だけ想定外な問題がありました。

それは「くり抜かれたフレーム形状のせいで、雨の中を走ると前輪の水しぶきが顔に当たる」です。


強いにわか雨に見舞われて、その中を走っていたとき、

「なぜか顎に水しぶきがかかるなあ…しかも下から…なぜだろう…」


と数分間疑問に思いながら漕ぎ続けていて、ふと下を見たら、ものの見事に水が顔に届いていました。

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前輪が巻き上げる路面の水をフレームがブロックしてくれないからなんですが、これには思わず笑ってしまいました(笑)。

まあ、これはフレーム形状仕方のないことですし、そもそも雨天で走ることなぞ年に1回あるかどうかなので気にはなりませんが(^^)


あ!もうひとつありました。

「フレームにボトルケージを装着できない」です。

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よってサドルかハンドルに付けるタイプを選ぶ必要はありますね。

こんなかんじのステムバッグが個人的には便利かなと思います。

iruka S & C を乗り比べてみた感想

当然ですが、Sのほうがギア数が多いので快適なギアを選べます。
Cでも街乗りなら全く問題はないですね。

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ただ、Cのほうがタイヤが太いので走り出しはやや重さを感じます。
反面、空気圧は低くできるので乗り心地は快適でストレスがありません。

どちらも内装変速機を採用していて、初めて使ったけど違和感はないですね。変速スピードも操作感も安定しているし、外装式と比べても問題はないです。

Cの5段はワイドレシオなので、「3と4、4と5の間にもう1枚あれば…!」と思う瞬間がありました。

ちなみに両者のギア構成はこんなかんじ。

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折りたたみの操作で少々戸惑う

どんなミニベロでもそうですが、最初は慣れが必要なものです。

テレスコピック式折りたたみ機構は折りたたみ&展開時に抜き差しの動作が必要で、最初の4~5回は手順と順序でちょっぴり戸惑いましたが、すぐに慣れます。

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自分なら、自宅保管時は「後輪だけ折りたたんだ自立モード」にしておきます。

140mm径の小径ローターの制動力はバッチリ

ミニベロなら140mm径で十分です。

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機械式ですが効きはとてもよく、安定していますね。
異音も発生せず、終始快適でした。

irukaの曲線を強調したデザインにマッチしていて、じつに美しいと思います。

輪行バッグがフレームに収納できる

専用の輪行バッグ(iruCover)があって、それを使うとカバーをかけた状態でコロコロと転がせます。これはかなり珍しい(というか、iruka でしかお目にかかったことがない)です。

詳しい使い方はこちら

通常の袋式ではなく、下が空いた形状なのでタイヤが回転するという寸法。
列車乗車時はしっかり下まで覆って巾着袋のように閉じることができます。

なお、フレームの隙間を利用したこんな収納方法もあるそうな。

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※デッドスペースの素晴らしい活用方法

リアディレイラーが無いので輪行がストレスフリー

輪行して気づいたのが、「リアディレイラーの破損を心配しなくて済む」こと。

内装式ギアで物理的な出っ張りがないので、列車内で壁や人に接触することがなく、気が楽です。

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リアディレイラーが破損しようものならその場ではなかなか修理できないし、最悪サイクリングの予定がパアになります。個人的に輪行の不安は「リアディレイラーの破損」に尽きると思ってて、その不安さえ解消されれば飛行機だろうが船だろうがやれるんですよね。

内装式ギアのミニベロに乗って、初めてそのメリットに気づきました。

iruka をカスタムするか?しないか?

専用パーツが多用された構成なので、いじることを楽しむミニベロではないかなと。
むしろ完成されたデザインなので、素のママで乗りたいバイクです。

唯一、替えたいと思ったのはハンドルグリップ。

筒状だとロングライドでやや疲れるので、エルゴノミックな形状なモノにしたいところです。

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ただし、Cはグリップシフトなので交換するとやや歪なかんじになりそうではありますが…^^;


他の人と被りにくい、個性的&プレミアムなミニベロとして、iruka はとても良い選択肢だと思います(^^)


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