ホイールのアップグレードはすべてのサイクリストの夢。
タイレルのCSI用に Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)購入してから、いろんな人から「そもそも、どーやって嫁を説得した?」と訊かれる。
いかにして嫁から購入許可を取り付けたか?が気になるのは痛いほどよくわかる。ただストレートに購入を頼んでも、ふつうの(聡明な)女性であれば、
「そんなものより、大切なことがあるでしょう」
「いまのホイールが壊れてもいないのに、買い換えるなんて贅沢すぎる」
と切り捨てるからだ。そして、たいていの場合、旦那側は反論ができず敗退する。
99パーセントの女性にとって、ロードバイクやミニベロのホイールなんて、「ただの鉄の輪っかと針金の組み合わせ」でしかないのだ。
※うちのオクサマは自転車歴の浅い頃、「ホイール?せいぜい1本3000円くらいでしょ」と考えていたそうな。無知は恐ろしい。。。
しかし、「ホイール購入のために伴侶の許可を取るコツ」は存在するとしたら?女性が首を縦に振らざるをえない秘伝の必殺技があったとしたら?
そんなノウハウを男性サイクリスト同士で共有したら、とんでもない経済効果が期待できる。
ということで、とっておきのノウハウを特別に公開します。
<コツ>
一連の流れに2カ月〜3カ月をかけること。「まだ嫁の気持ちが暖まっていないな」と感じたら、ひとつ前のステージに戻って丹念に繰り返す。焦ってはダメ。
いきなり買うかどうかの現実論を展開すると、妻側は「余計な出費=却下」と速攻で結論を下す。一度閉じた心を開くのは大変だ。
「いつかはベンツに乗ってみたいね」
「移住するなら長野の安曇野がいいな」
くらいの現実味のないトーンで語ること。買えるものなら買いたいね〜って話であれば、女性も笑って会話に付き合ってくれる。
「レース会場に行くと、ツールドフランス選手と同じホイールをつけた人たちが大勢いるのよー。スゲーなーって。聞けば、走りを劇的に変えるとか、空力が劇的に良くなるらしいんだわ。ま、高い買い物だから、いますぐどうこうしようとは考えないけどね」
って具合に、旦那側から「すぐ買うつもりはないですよ」という雰囲気で会話を終えること。嫁を疑心暗鬼にさせないためにも重要なポイント。相手が拍子抜けするくらいサッと切り上げるべし。
平均余命の話題は、心の持ちようで暗くも明るくもなる。当然、明るいトーンで話すこと。
寿命を語ることは、すなわち未来を語ること。残された時間をどう有意義に使うか、夫婦としてどんな老後生活を思い描くのかを笑顔で語り合う。
仕事、家族、健康、住まい、そして趣味で…当然、サイクリングの話題も登場するはずだ。
ここでのポイントは、「だからホイールを買いたいです」という安直な結論に飛びつかないこと。1秒で「うわ、さっきの話はホイールを買うためのフリかよ…」と見破られる。
いいですか、焦りは禁物なのです。1回しくじったら、「あーーー、老後とか未来とか調子こいてるけど、結局はホイールかよ!狙いはそこかよ!」と感づかれてしまう。
まだです。まだ仕込みの段階なのです。
買い替えられる頃には体力も落ち、ホイールの性能を存分に発揮させられないかもしれない。「あー、最初からこっちにしとくんだったー。時間ロスしたー」と後悔するのはもったいなさすぎる。
→デュラエースを買って思う、人はどのコンポーネントを買うべきなのか?
時間こそが最も大切な資産。この理論は趣味以外にも当てはまる。仕事や人間関係もそう。価値のないことは極力避けて、やるべき仕事にのみ注力する。義理やしがらみに支配されると、時間がいくらあっても足りない。
本当に価値あるものは何か見極めよう…ムダはなくそう…その価値観を夫婦で共有するのだ。
このとき、具体的な事例は持ち出さなくてよい。あくまで抽象的な価値観として語り合う。この理論は、「ホイール=ムダ」という結論に帰着しそうな恐怖があるかもだが大丈夫。まだ仕込みの時間です。
タイヤが磨耗して、サイドウォールがボロボロなのを「そのままで乗れ」とは鬼嫁でも言うまい。
ホイールも同じ。タイヤやチューブ同様に劣化することを教育しよう。どうも自転車に興味のない女性は「ホイールとフレームは未来永劫エンドレスに使える」と思い込んでるフシがある。
とんでもないことだ。スポークは折れるし、フレも生じるし、ハブのベアリングも劣化する。リムだって削れるし、割れることもある。
ホイールには寿命があって、いつかは交換が必要だという事実はそれとなく教育しておこう。もちろん、「だから新しいのを買いたいです」の言葉はガマンしてグッと飲み込む。まだです。もうちょい仕込みは続きます。
ホイールを外して振れとりしているポーズを見せたり、左手でクランクを回して右手でギアを上げ下げしつつリアディレーラーのテンションネジを回していれば、妻に「なんか、大事で細かい調整をしてるんだな」という印象を残せる。
そして最も大事なこと、「いまのバイクとパーツに愛着を持ち、大切に扱っている」姿勢を見せ続けること。
※オクサマのバイク掃除も率先しておこなう
「どうせ新しいホイールにするんだし、今のホイールなんていい加減に扱ってもいいや」という態度を妻は冷静に見破る。「モノを大切に使わないような人に新しいホイールを買わせても、結局はこーなるのか」と思われたらおしまい。
今のバイクのメンテナンスを怠ってはダメである。
※返報性の心理とは、人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理を指す
ホイールの効果を体感するには、実際に走るに限る。試乗会もいいが、自分の都合とタイミングで開催されないし、その場に妻を連れて行くのも何気に大変。
そこで、夫の独断で妻のホイールを交換する。「これでキミも今まで以上に楽に坂を登れるよ」と差し出せば、悪い気はしない。
オクサマのボードウォークに履かせているA-Classの「Folex Pro」は厳密にはもともと自分がダホンのMu で愛用していたのだが、オクサマからしたら、「まあ!私かこんな良いホイールを使うなんて、豚に真珠なんじゃ?」と喜んでくれた。 (このとき、口が裂けても、「まあ、たしかにキミは豚なので当たらずといえども遠からず」…などと言わないこと)
ただし、このワザを行使することで予算が先行消化され、自身のホイール購入時期が数ヶ月遅れる可能性はある。諸刃の刃ではあるが、時期を見極めて起爆剤として使うことを検討ください。
機は熟した。いよいよ勝負である。満を持して妻を自転車ショップに連れて行こう。ホイール以外の(サイクルキャップを買ってあげよう、とか)適当な理由で連れ出せばいい。
店内をぶらぶらして、お目当のホイールコーナーに立ち寄り、お目当てのホイールを見せる。「買わせて、買わせて~」と懇願するような態度ではなく、悠然とした振る舞いで、「ごらん、あれが●●●●社のハイエンドホイール、■■■■だよ」と指し示す。
どんなホイールかを軽く話したら、店員さんにバトンタッチして追加説明してもらう。ポイントは、旦那は多くを語らず、店員に任せること。合いの手を挟む必要もない。
「(旦那さんが検討中の)このホイールはこんな特徴やメリットがあり、ハブはどこどこ製で、日本限定何本の希少性モデルであり、、、」といった専門的な話も、相手が店員さんであれば妻も露骨に嫌な顔はせず、おとなしく訊いてくれる。
「なんかよくわからん横文字とかアルファベットを並べられたけど、むっちゃ質が高いモノであることはなんとなくわかった。少なくとも、鉄と針金の集合体ではないのだな」
ということが伝われば良い。完全な理解は求めない。そして、「また来ますね」と店員さんに挨拶し、店を去ろう。
自転車を通じて夫婦が共に幸せになるとはどういうことか、どんな状態を指すのか、理想の姿とは何か…大いに夢を語り合う。お酒が飲めるなら、少々飲んでもいいだろう。
そしておもむろに、「●●●を辞めようかな」と宣言する。何かを手に入れるには、何かを手放さなければならない。全部欲しいというワガママは通用しない。
辞めるものはなんでもよい。禁酒、禁煙は愛好家には辛いだろうから、もうちょっと小さいこと。缶コーヒーを飲まない、飲みの回数を減らす、的なことでよい。ホイールがほしいから節約のため…ではなく、「夫婦の幸せのために決意したよ!」という姿勢で。
ここまで来たら……「じゃあ、、、いいよ。買いなよ、あのナントカってホイール」という言葉を発してくれるだろう(たぶん)。
※自分の誕生日に合わせてこの作戦を仕込むのもアリ。つまり、誕生日から逆算して半年前、もしくは3ヶ月前から仕込みを開始する…のだ。
以上、「妻にロードバイクのホイール購入を理解させ、さらには許可までスムーズにもらう方法」を長々とお伝えしました。
タイレル(Tyrell)のCSI 購入時はわりかしロジックで攻略できたけど、ホイールは理論一辺倒では女性を説得できない。「今のホイール使えるじゃん」という天下の宝刀を出されたら、ロジックでは太刀打ちできない。
ホイール購入においては、『情緒に訴える』のがキモだ。機材の素材がカーボンかアルミかとか、空気抵抗とか、重量とか、クリンチャーかチューブラーか…なんて話は(一般的な)女性は聞いちゃいない。興味もない。熱く語りすぎると「もーやめて!」となる。
そうではなく、ホイール購入の『先にある夢』を見せてあげよう。
軽量化の話を「山をスイスイ登って美しい景色を愛でる」と置き換える。
剛性の話を「ロングライドでも疲れにくく、翌日の仕事に影響しにくい」と変換する。
要するに、「大金叩いてホイールを買ったとして、あたしたちになんのメリットがあんの?」という女性の(無言の)心の叫びに真摯に向き合い、わかりやすい言葉で応える説明責任が男性にはあるのだ。
なんだか、営業マンのテクニック的な話になりつつあるが、本質はそーゆーこと。みなさまの健闘を祈ります!
あと、タイレル購入時のプレゼン資料(スライドシェア)も貼っておきますね。
※何気に138,000回も再生されててビビる…
あと、この書籍もオススメ。自己啓発本ってたくさんあるが、「D. カーネギーの人を動かすと道は開けるの二冊さえあればもういい」ってなるくらい素晴らしい本だと思ってる。
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その1】 ダホンのMu の次に買うミニベロがついに決まりました
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その2】 タイレルのCSIに積むコンポーネントをSRAMのフォースに決めたつもりが、まさかのどんでん返しが待っていた
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その3】 デュラエースがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その4】 タイレル(Tyrell)のCSI 購入をオクサマに許可してもらったとき使ったプレゼン資料を公開します
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タイレルのCSI用に Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)購入してから、いろんな人から「そもそも、どーやって嫁を説得した?」と訊かれる。
いかにして嫁から購入許可を取り付けたか?が気になるのは痛いほどよくわかる。ただストレートに購入を頼んでも、ふつうの(聡明な)女性であれば、
「そんなものより、大切なことがあるでしょう」
「いまのホイールが壊れてもいないのに、買い換えるなんて贅沢すぎる」
と切り捨てるからだ。そして、たいていの場合、旦那側は反論ができず敗退する。
99パーセントの女性にとって、ロードバイクやミニベロのホイールなんて、「ただの鉄の輪っかと針金の組み合わせ」でしかないのだ。
※うちのオクサマは自転車歴の浅い頃、「ホイール?せいぜい1本3000円くらいでしょ」と考えていたそうな。無知は恐ろしい。。。
しかし、「ホイール購入のために伴侶の許可を取るコツ」は存在するとしたら?女性が首を縦に振らざるをえない秘伝の必殺技があったとしたら?
そんなノウハウを男性サイクリスト同士で共有したら、とんでもない経済効果が期待できる。
ということで、とっておきのノウハウを特別に公開します。
<コツ>
一連の流れに2カ月〜3カ月をかけること。「まだ嫁の気持ちが暖まっていないな」と感じたら、ひとつ前のステージに戻って丹念に繰り返す。焦ってはダメ。
ホイールを買い替えたい意思を表明する
意思表明しないと話は始まらない。「すぐ買いたい」から許可をくれ、ではなく、「とりあえず欲しいとは思ってる」レベルの軽い意思を伝える。買う、買わないの現実的な話をするのではなく、夢として語る感じ。いきなり買うかどうかの現実論を展開すると、妻側は「余計な出費=却下」と速攻で結論を下す。一度閉じた心を開くのは大変だ。
「いつかはベンツに乗ってみたいね」
「移住するなら長野の安曇野がいいな」
くらいの現実味のないトーンで語ること。買えるものなら買いたいね〜って話であれば、女性も笑って会話に付き合ってくれる。
「レース会場に行くと、ツールドフランス選手と同じホイールをつけた人たちが大勢いるのよー。スゲーなーって。聞けば、走りを劇的に変えるとか、空力が劇的に良くなるらしいんだわ。ま、高い買い物だから、いますぐどうこうしようとは考えないけどね」
って具合に、旦那側から「すぐ買うつもりはないですよ」という雰囲気で会話を終えること。嫁を疑心暗鬼にさせないためにも重要なポイント。相手が拍子抜けするくらいサッと切り上げるべし。
平均余命の話をする
唐突に感じるかもだが、平均余命の話題をする。誰だって寿命はあるので、計算はすぐできる。平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳(ソース)。暗算で「あと生きれるのは●●年か…」とすぐわかる。平均余命の話題は、心の持ちようで暗くも明るくもなる。当然、明るいトーンで話すこと。
寿命を語ることは、すなわち未来を語ること。残された時間をどう有意義に使うか、夫婦としてどんな老後生活を思い描くのかを笑顔で語り合う。
仕事、家族、健康、住まい、そして趣味で…当然、サイクリングの話題も登場するはずだ。
ここでのポイントは、「だからホイールを買いたいです」という安直な結論に飛びつかないこと。1秒で「うわ、さっきの話はホイールを買うためのフリかよ…」と見破られる。
いいですか、焦りは禁物なのです。1回しくじったら、「あーーー、老後とか未来とか調子こいてるけど、結局はホイールかよ!狙いはそこかよ!」と感づかれてしまう。
まだです。まだ仕込みの段階なのです。
男たるもの、40歳を超えたら趣味で妥協してはダメ論を展開する
これは勝手な持論。根拠はない。でも、そんな気がするのだ。余命の話につながるのだが、中途半端に妥協すると、その次に新調できるのが何年も先になる。買い替えられる頃には体力も落ち、ホイールの性能を存分に発揮させられないかもしれない。「あー、最初からこっちにしとくんだったー。時間ロスしたー」と後悔するのはもったいなさすぎる。
→デュラエースを買って思う、人はどのコンポーネントを買うべきなのか?
時間こそが最も大切な資産。この理論は趣味以外にも当てはまる。仕事や人間関係もそう。価値のないことは極力避けて、やるべき仕事にのみ注力する。義理やしがらみに支配されると、時間がいくらあっても足りない。
本当に価値あるものは何か見極めよう…ムダはなくそう…その価値観を夫婦で共有するのだ。
このとき、具体的な事例は持ち出さなくてよい。あくまで抽象的な価値観として語り合う。この理論は、「ホイール=ムダ」という結論に帰着しそうな恐怖があるかもだが大丈夫。まだ仕込みの時間です。
ホイールは命を乗せる大切なパーツ論
あらゆる自転車パーツは「命を乗せる」ロジックが使える。自転車が危険と隣り合わせなスポーツなのは、自転車に興味がない人にもわかる。生身の身体むき出しで、高速で移動するとき、命はバイクに預けているわけ。よって、「安全を妥協したらあかん」のは妻もナットクしてくれる。タイヤが磨耗して、サイドウォールがボロボロなのを「そのままで乗れ」とは鬼嫁でも言うまい。
ホイールも同じ。タイヤやチューブ同様に劣化することを教育しよう。どうも自転車に興味のない女性は「ホイールとフレームは未来永劫エンドレスに使える」と思い込んでるフシがある。
とんでもないことだ。スポークは折れるし、フレも生じるし、ハブのベアリングも劣化する。リムだって削れるし、割れることもある。
ホイールには寿命があって、いつかは交換が必要だという事実はそれとなく教育しておこう。もちろん、「だから新しいのを買いたいです」の言葉はガマンしてグッと飲み込む。まだです。もうちょい仕込みは続きます。
(フリでいいので)部屋の中でホイールを外し、回して振れ取りしてるポーズ
あえて妻に見えるように自転車のメンテをする。チェーンにオイルを注し、フレームを磨き、ホイールを拭く。ホイールを外して振れとりしているポーズを見せたり、左手でクランクを回して右手でギアを上げ下げしつつリアディレーラーのテンションネジを回していれば、妻に「なんか、大事で細かい調整をしてるんだな」という印象を残せる。
そして最も大事なこと、「いまのバイクとパーツに愛着を持ち、大切に扱っている」姿勢を見せ続けること。
※オクサマのバイク掃除も率先しておこなう
「どうせ新しいホイールにするんだし、今のホイールなんていい加減に扱ってもいいや」という態度を妻は冷静に見破る。「モノを大切に使わないような人に新しいホイールを買わせても、結局はこーなるのか」と思われたらおしまい。
今のバイクのメンテナンスを怠ってはダメである。
嫁のホイールを先に変えちゃう
やや過激な荒療治になるし、夫婦でサイクリングをしていないご夫婦には使えないワザだが、返報性の心理を期待できる。※返報性の心理とは、人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理を指す
ホイールの効果を体感するには、実際に走るに限る。試乗会もいいが、自分の都合とタイミングで開催されないし、その場に妻を連れて行くのも何気に大変。
そこで、夫の独断で妻のホイールを交換する。「これでキミも今まで以上に楽に坂を登れるよ」と差し出せば、悪い気はしない。
オクサマのボードウォークに履かせているA-Classの「Folex Pro」は厳密にはもともと自分がダホンのMu で愛用していたのだが、オクサマからしたら、「まあ!私かこんな良いホイールを使うなんて、豚に真珠なんじゃ?」と喜んでくれた。 (このとき、口が裂けても、「まあ、たしかにキミは豚なので当たらずといえども遠からず」…などと言わないこと)
ただし、このワザを行使することで予算が先行消化され、自身のホイール購入時期が数ヶ月遅れる可能性はある。諸刃の刃ではあるが、時期を見極めて起爆剤として使うことを検討ください。
お店のメカニックさんに補足説明を求める
さあ、仕込みは十分だ。ここまで進むのに、どんなに短くても3ヶ月はかかるであろう。自分はシャマルミレのために9ヶ月、Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)のために6ヶ月を費やした。機は熟した。いよいよ勝負である。満を持して妻を自転車ショップに連れて行こう。ホイール以外の(サイクルキャップを買ってあげよう、とか)適当な理由で連れ出せばいい。
店内をぶらぶらして、お目当のホイールコーナーに立ち寄り、お目当てのホイールを見せる。「買わせて、買わせて~」と懇願するような態度ではなく、悠然とした振る舞いで、「ごらん、あれが●●●●社のハイエンドホイール、■■■■だよ」と指し示す。
どんなホイールかを軽く話したら、店員さんにバトンタッチして追加説明してもらう。ポイントは、旦那は多くを語らず、店員に任せること。合いの手を挟む必要もない。
「(旦那さんが検討中の)このホイールはこんな特徴やメリットがあり、ハブはどこどこ製で、日本限定何本の希少性モデルであり、、、」といった専門的な話も、相手が店員さんであれば妻も露骨に嫌な顔はせず、おとなしく訊いてくれる。
「なんかよくわからん横文字とかアルファベットを並べられたけど、むっちゃ質が高いモノであることはなんとなくわかった。少なくとも、鉄と針金の集合体ではないのだな」
ということが伝われば良い。完全な理解は求めない。そして、「また来ますね」と店員さんに挨拶し、店を去ろう。
代わりに何かを辞める覚悟を表明する
ここまで来ると、妻も「夫の決意」とか「覚悟」的な何かを感じ取ってくれる。帰宅後は、再び老後とか将来の二人の楽しみを語ろう。モノのもたらす幸せではなく、経験、体験、過ごし方による幸せを語る。自転車を通じて夫婦が共に幸せになるとはどういうことか、どんな状態を指すのか、理想の姿とは何か…大いに夢を語り合う。お酒が飲めるなら、少々飲んでもいいだろう。
そしておもむろに、「●●●を辞めようかな」と宣言する。何かを手に入れるには、何かを手放さなければならない。全部欲しいというワガママは通用しない。
辞めるものはなんでもよい。禁酒、禁煙は愛好家には辛いだろうから、もうちょっと小さいこと。缶コーヒーを飲まない、飲みの回数を減らす、的なことでよい。ホイールがほしいから節約のため…ではなく、「夫婦の幸せのために決意したよ!」という姿勢で。
ここまで来たら……「じゃあ、、、いいよ。買いなよ、あのナントカってホイール」という言葉を発してくれるだろう(たぶん)。
※自分の誕生日に合わせてこの作戦を仕込むのもアリ。つまり、誕生日から逆算して半年前、もしくは3ヶ月前から仕込みを開始する…のだ。
以上、「妻にロードバイクのホイール購入を理解させ、さらには許可までスムーズにもらう方法」を長々とお伝えしました。
タイレル(Tyrell)のCSI 購入時はわりかしロジックで攻略できたけど、ホイールは理論一辺倒では女性を説得できない。「今のホイール使えるじゃん」という天下の宝刀を出されたら、ロジックでは太刀打ちできない。
ホイール購入においては、『情緒に訴える』のがキモだ。機材の素材がカーボンかアルミかとか、空気抵抗とか、重量とか、クリンチャーかチューブラーか…なんて話は(一般的な)女性は聞いちゃいない。興味もない。熱く語りすぎると「もーやめて!」となる。
そうではなく、ホイール購入の『先にある夢』を見せてあげよう。
軽量化の話を「山をスイスイ登って美しい景色を愛でる」と置き換える。
剛性の話を「ロングライドでも疲れにくく、翌日の仕事に影響しにくい」と変換する。
要するに、「大金叩いてホイールを買ったとして、あたしたちになんのメリットがあんの?」という女性の(無言の)心の叫びに真摯に向き合い、わかりやすい言葉で応える説明責任が男性にはあるのだ。
なんだか、営業マンのテクニック的な話になりつつあるが、本質はそーゆーこと。みなさまの健闘を祈ります!
あと、タイレル購入時のプレゼン資料(スライドシェア)も貼っておきますね。
※何気に138,000回も再生されててビビる…
あと、この書籍もオススメ。自己啓発本ってたくさんあるが、「D. カーネギーの人を動かすと道は開けるの二冊さえあればもういい」ってなるくらい素晴らしい本だと思ってる。
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その1】 ダホンのMu の次に買うミニベロがついに決まりました
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その2】 タイレルのCSIに積むコンポーネントをSRAMのフォースに決めたつもりが、まさかのどんでん返しが待っていた
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その3】 デュラエースがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
>> 【ミニベロ買い替え大作戦 その4】 タイレル(Tyrell)のCSI 購入をオクサマに許可してもらったとき使ったプレゼン資料を公開します
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コメント
コメント一覧 (7)
こういうの聞くと婚活意欲が更に低下しちゃう…
これはまさにビジネスプレゼンと同じですねぇ。
しかしまぁ時系列から推察すると、前のバトンホイールの記事あたりから仕込みを始めてた様子、さては「買わない、買う気ない」と書かれてたのは煙幕??…(o^^o)
毎回楽しく拝読させていただいております。
ですが、今回の記事は別格に面白かったのでコメントさせていただきました。
なんでしょう…物凄く真面目に不真面目な内容を全力で文章にされているこの感じに心が奪われました(笑)
また管理人様の文章力の高さと更にまるで会議用のプレゼン資料であるかのごとくのブログ面が読み易くて素晴らしかったです(笑)
(「人を駄目にするお風呂の入り方」も好きです)
願わくばこの記事を世のローディの旦那をもつオクサマ方が読まないことですね(笑)
(2回目)
そうなんです、いろいろと苦労があるのです(笑)
独身の方が私は羨ましい・・・(^_^;)
yoshimotoya120さん
そーいえば、その頃から考えて、無意識に仕込みを開始していた気がします。
説得ではなく、ナットクですね、女性へのプレゼンのカギは(*^^*)
22さん
>物凄く真面目に不真面目な内容を全力で文章にされている
↑
まさに私が目指していることです!お褒めの言葉、ありがとうございます。
今回は、日本じゅうの嫁ブロックを阻止するために書いてみました(^_^;)
たしかに女性陣に読まれたら効果半減www
ヘタな作戦も逆効果、即OKもらうには普段の行動と相手に対する付き合い考えたら簡単
読んでて馬鹿らしいくらい遠回り、
これもひとつの形式美といいますか、夫婦間の芸風のようなしきたりになっております(笑)
(*^^*)