サコッシュとは、もともと自転車レースで使われていた簡易バッグで、補給食や飲み物を入れて、レース途中で受け取った選手がタスキがけにして運ぶためのもの。構造はシンプルで、長めのストラップを袋につけただけなので、バッグか?っていわれるとちょっと…という気もしますが、まあ一応バッグです。

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走行中の選手が素早く中身を取り出せることが目的なので、それさえできればいいわけですが、このサコッシュって自転車以外で使っても実は便利。なにしろ薄くてかさばらないし、体にピタッとフィットするし、クルッと向きを変えるだけで荷物にアクセスでき、ちょっとしたお出かけレベルならサコッシュだけで行けてしまいます。さすがに通勤や通学のような荷物多めだと不向きですが、買い物とか散歩とかならちょうどいいミニバッグなのです。

ただ、ロードバイクでサコッシュを使うと「前にズレてきて使いにくい」って声も多く聞くので、使い方とズレなくする方法を書いてみます。

目次


サコッシュの一般的な使い方

ただの袋から始まったサコッシュも、最近ではジッパーやボタンの開閉部分が付いたり、2つのポケットがあったり、機能性が進化しています。ただの袋だと落下や盗難の心配もありますしね。

で、使い方はもはや説明するまでもなく、


たすき掛けにするだけ。以上!


……なんですが、コツは、身長に合わせてストラップの長さを調節するくらい。たいていはかなり長く作られているので、そのままかけただけだとダラ~ンとなってお尻にぶつかってしまうでしょう。なのでストラップを胸の辺りで適当な長さにして縛って使うこと。

やや面倒だし、ストラップがヨレヨレになってしまうのは仕方ないです。ただ、最近のファッション性が高めのサコッシュだと、長さ調節できるタイプのストラップを使用してたりすることも多いですが。

サコッシュが活躍するシチュエーション

近場のお出かけや買い物、犬の散歩、フェスとかお祭りとか「手ぶらだとなんだけど、わざわざカバンを使うまでもない日常」にサコッシュはマッチします。何気にそういうシチュエーションって多いですよね?

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私は会社に1個置いといて、ランチに行くとき専用カバンとして使っていたこともあります。財布とスマホ(と文庫本)が収まってちょうどいい。財布を裸で持つのがあまり好きではなく、かといってお尻のポケットに入れるとパンパンになって歩きにくい。サコッシュはちょうどいいポケット代わりの存在でした。

さすがにスーツ姿にサコッシュは違和感しかないのでオススメしませんが…。

サコッシュの何気に便利な使い方の提案(自転車ではない『日常生活』編)

サコッシュを使うとずれ落ちてしまう問題と対策

こんなかんじで、サコッシュって便利なんですけど、自転車で使ってる人は少ない印象です。避ける理由No1は「走っていると、ずれ落ちるから」でしょうね。いくらキツく縛っても、徐々に脇腹に落ちてきて、都度ポジションを調整させられるのが苦痛になります。私も同じ理由で、これまでほぼサイクリングでは使ってきませんでした。ノベルティでもらっても、結局捨ててしまうことが多かったです。

1.サコッシュがずれ落ちる理由

1本のストラップではくるくる回ってしまって完全に固定できません。サコッシュだけでなく、ショルダーバッグ全般がそう。ややタイト目のボディバッグならいけるんじゃ?って気思って試しましたが、やはり厳しいです。自転車に最適化されてないので仕方ない面もあります。

2本のストラップで固定するリュックサック&バックパックはその点、安定性は高いですね。ただ、バックパックは背中が蒸れやすいんですよ…。なので一長一短です。

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ロードバイクのように前傾姿勢になる自転車ではなく、アップライトなクロスバイクかミニベロだと、いっそ始めから縛ったサコッシュを体の前に持ってきてしまうのもアリ。そうすればずれ落ちることはなくなります。短距離であればこんな使い方でもOK。

2.ずれ落ちないようにするための対策

でも、やっぱり背中に安定させたいよねってことですと、補助用のストラップを使えばわりとカンタンに解決できます。メッセンジャーバッグではお馴染みの補助ストラップ、通常のサコッシュには備わっていないので、モート商品デザインさんとかが出している『Tasuki Support 01』とかで組み合わせる必要があります。

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※画像引用元はモート商品デザインさん公式サイト

『Tasuki Support 01』はいろんなバッグに装着できる補助ストラップで、両端のクリップで固定するだけ。バッグだけでなく、カメラでも使えてこりゃ便利。自分はカメラは使わないですが、こういう運び方ができるなら一眼持ってのサイクリングもアリかなって思いました。5,500円とまあまあお高いですが、リフレクターも備えています。ただ、牛皮製なので、汗をかきまくるような使い方をしたらちゃんとケアをしてあげたいですね。

シックで上品なデザインなので、これをそのままサコッシュに合わせると違和感あるかも?もっと安価な素材で2,980円バージョンとかでもあるといいなあ…。

「なければ作ってしまおう」ということで、こんなサコッシュを作っています。試作品なので商品化はまだ先になりそう。

1.ズレ落ち防止の補助ストラップ

メインストラップと同じ素材の補助ストラップを用意しました。本体両端にDリングを設けたので、左右両方から背負えます。

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胸側のプラスチック製クリップで固定します。これ、かなり優秀で100キロライドも余裕でこなします。走行中の違和感はほぼ無し。実に快適です。補助ストラップがあるだけで、こんなに使いやすくなるんだと思いました。

2.サイズはあえて小さく

ズレとは直接的関係はないですが、通常のサコッシュよりも一回り小さくしました。出回っているのって容量を重視しているのか、かなりでかいです。でも、そこまで必要かなあ?って疑問だったのと、「第4のポケット」的な使い方をしたかったので、最低限のサイズにしておきました。

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財布、家の鍵、モバイルバッテリーとケーブル、補給食少々…でちょうどいいくらい。ちょっと頑張れば文庫本も収まります。容量は最低限な代わりに、持ち運びが苦にならないジャストサイズを目指しました。

3.リフレクター素材を本体とストラップの両方に

サイクリング用なので、リフレクターを本体とストラップに設けました。本体のリアディレイラーは反射素材で描かれています。

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4.ジッパー表面を平らなものに

よーく見ると……お気づきになるでしょうか。普通のジッパーは閉じたときに凹凸が生じてしまうのですが、そうならないフラットな形状のモノを使いました。

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※上がそのジッパー

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※下が一般的なジッパー

サイクルジャージに触れて引っかかってしまうのを防ぎたかったからです。あとは見た目のスッキリさ。まあ、表側なのでそこまで神経質になる必要はなかったんですが、念のためということで。

5.普段使いもできる工夫

せっかくなら自転車の上だけでなく、普段使いもできるようにしたいので、私服にも馴染むカラーと素材を選んでいます。補助ストラップを外して体の前に持ってくるようにすれば、ボディバッグ風のサコッシュに早変わり。

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ということで、ズレ落ち問題さえ解決すればサコッシュってけっこう便利なアイテムなんですよね。サイクリストが「そういうのが欲しかった!」って喜んでくれるサコッシュを目指してもうちょっとチューニングを重ねようと思います。

プロのロードレーサーのサコッシュには何が入っているのか?(2014年ジロ・デ・イタリア編)


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