NHKのドキュメンタリー『72時間」を6月末に観たとき、こんなツイートをしました。



そしたら



というリプをいただきました。

主を調べたら阿蘇の観光を活性化させるために「Papicross」という活動をしている方だとわかり、DMを送ったら…いつのまにか阿蘇のことを知りたくなりすぎて電話取材させていただくことに。

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<お話を伺った牧瀬さん>
Papicross 代表
ツイッター

目次


Papicrossってどんな団体?組織?

私が個人で立ち上げて運営していて、”サイクリストの「好き」と「楽しい」のために”というコンセプトで活動をしています。

そのきっかけは、せっかくスポーツ自転車の扉を開いた方が辞めていく姿を多く見てきたからなんですよね。ショップと何だか合わない…、チームに入ったけど…、競うことより楽しみたいのに…、初心者だからハードルが高そう…などなど、様々な状況を見てきました。

自転車の楽しみ方は人それぞれでいいはずなんです。そもそも車と同じ「移動手段」ですしね。自転車のスピードだからこそ気が付くことができる地域の良さや発見があります。Papicrossはチームでも組織でもなく、旗印の様な役割で、チームやショップなどの垣根を超えて、ビギナーからベテランまで、何のハードルもなくサイクリストが集える様にしています。

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ツーリング、コーヒーライド、キャンプライドなど、自転車と何かを組み合わせた遊びの提案や、サイクリストになるきっかけ作りをしています。一人でも多くの人がサイクリングの楽しさを知り、サイクリストになってくれたらいいなと思って続けています。どんな趣味やスポーツでもそうですが、自転車も新規参入してくださる方が増えないと衰退してしまいますからね。

Papicrossのもう一つの活動が「RIDE AID project」で、自然災害を対象にして、サイクリストの「好き」「楽しい」が被災地の「いいね」に変わる復興支援のカタチというコンセプトです。

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きっかけは2016年の熊本地震の救援活動のために現地に入って、震度7を経験して翌朝に変わってしまった大好きな景色を目の当たりにしたことからでした。

そのときに「何かサイクリストが協力できることはないかな…」と考えていました。熊本県の阿蘇って観光と農業の土地なんですよ。サイクリストが楽しめるフィールドを提供してくれている場所に、サイクリストだからこそできる恩返しをしたいということも、Papicross設立のきっかけです。
※2020年7月現在、COVID-19の影響によりPapicrossは全ての活動を自粛しています。状況を見て再開の予定です。


ここからは、熊本県阿蘇地域をサイクリングで楽しむ方法についてお伺いしました。

テーマは「もしも3泊4日で阿蘇山周辺をサイクリングするとしたら?」です。

Day1 東京から朝イチで飛行機移動→阿蘇山を走る…が可能!

阿蘇だけでも3泊4日を楽しめるくらいコンテンツは盛りだくさんです。初めての方(関東在住)に提案したいのはこんな行程です。


◇ 朝イチの便で羽田から熊本空港へ移動

◇ レンタカーでを借りる(安さと車の良さでスカイレンタカーがオススメ)


羽田空港を7時発の飛行機に乗れば9時には熊本空港に着きます。片道2時間かかりません。スカイレンタカーは事前に予約をしておくと、空港に迎えに来てくれるので楽チンです。空港から自転車で阿蘇山に向かうこともできますが、荷物も多いでしょうし、時間を有効活用するなら車を確保するほうがベターでしょう。


◇ 熊本空港

◇ 車で阿蘇のど真ん中にある「道の駅阿蘇」へ

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※空港からは33キロほど

阿蘇山の山上を目指すなら、道の駅阿蘇を出発点にすると便利。事前に電話しておくと、サイクリスト用に駐車場を確保してくれます。無料ですし、複数日数の利用もOK。そこに車を止めて、出発の準備を整えたらサイクリングに出発です。

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道の駅阿蘇から阿蘇山の山上まではずーっとヒルクライムになりますが、絶景が登っていることを忘れさせてくれるはずです。阿蘇山周辺の標高は1,000~1,200mくらいです。草原の広がる木のない景色を見ながらのライドなので、広大で美しい景色が見渡せるのが特徴で、感動間違いなし。

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ただ、そこそこ標高を稼ぎますので季節によっては、ウィンドブレーカーが必要です。道の駅阿蘇から、阿蘇山方面に向かって南阿蘇に下って道の駅阿蘇に帰ってくると、ちょうど心地よい距離感と獲得標高になります。

途中にはグルメポイントもたくさんありますよ。コースで悩んだら、道の駅阿蘇のマネージャーの下城さんや案内所の職員さんに声をかけてみてください。下城さんは自転車が趣味なのでサイクリスト目線で親切に教えてくれますよ。運がよければ「劇場版弱虫ペダル」のコースディレクターを担当されたコルナゴ部長にも会えるかも!サイクルラックもあり、フロアポンプの貸し出しもあります。

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観光地なのでドライブイン的な場所もありますし、自販機も置いてあります。見つけるたびに早めの補給を心がけていれば、飲食で困ることはありませんが、脇道に入ったときは補給できない区間もあるのでお気をつけて。でも脇道にこそ阿蘇の絶景があったりするので冒険心のある方はぜひトライを。

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それと、湧き水がそこらじゅうから湧いていて、水汲み場の様になっているところもあります。ボトルに入れてもいいし、暑い時期は頭からかけると地下水のひんやり感がたまりません。

ちなみに「熊本市の水道水はミネラルウォーター」って言われますが、阿蘇地方の水を水源にしているのでその通りと思える品質です。良質な水が豊富な土地柄なんです。


道の駅阿蘇で車を回収

◇ 宿に移動


宿はゲストハウスから高級旅館まで選び放題です。熊本は黒川温泉が全国的に有名ですけど、そこ以外にも阿蘇には良質な温泉が点在していて、道の駅阿蘇から比較的近い内牧温泉は地元の方しか行かないような温泉銭湯があり、数百円でノスタルジーを感じてもらえるはず。


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「劇場版 弱虫ペダル」で総北高校が泊まった「蘇山郷」という宿は個人的にサイクリストにはイチオシ。自転車旅の拠点にできるサービスがてんこ盛りです。1泊17,000円程度〜とお安くはないですが、ホスピタリティと泉質の良さに感動してリピーターになってしまうかも。


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南阿蘇の秘湯「すずめの湯」は熊本地震から3年を経て復活した温泉で、すごくオススメです。


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あと、瀬の本高原ホテルの屋外浴場は、雄大な阿蘇の大草原が広がる開放感満点の露天風呂です。

Day2 大観峰から日の出を見る(雲海に遭遇できるかも)

朝が早いですが、日の出前に起きて大観峰を目指してみてください!大観峰は内牧温泉の北東方にある北外輪山の一峰で、そこから見る朝日は地球を感じることができる素晴らしいものです。阿蘇の街並み、阿蘇五岳、久住連峰が一望できます。季節にもよりますが、運が良ければ、阿蘇平野を覆い尽くす大雲海も見られるかも。

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朝食付きの宿なら朝食時間に間に合うように戻り、入浴してからご飯でよいでしょう。朝ご飯ってこんなに美味しかったか?と感動すること間違いなしです。朝食の後に温泉、サウナに入って整えるのもよしです。


ここから先はオプションが多数あります。

熊本市街地に行くのも一つですが、市街地のメイン道路は交通量が多いので自転車での散策をするときは十分注意してください。路面電車がある区間もあるので、タイヤが細い自転車だと線路が気になる方もいるでしょう。

市街地を走るのであれば、裏道をメインに考えられた方が良いです。熊本県庁前には黄金のルフィーがいるので、ワンピース好きの方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。先にご紹介した道の駅阿蘇の近くには黄金のウソップがいますよ。

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阿蘇やその周辺に残って楽しむ場合は、阿蘇から北上した「くじゅう連山」にある長者原(ちょうじゃばる)はぜひ足を運んで欲しい。大分県玖珠郡九重町にある飯田高原の中心地域のことで、阿蘇くじゅう国立公園内にあり、自転車以外にも登山やトレッキングの名所でもあります。山、草原、湿地帯が広がった中に一本道がドーン!とあって、まるで北海道のような景色を味わえます。

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阿蘇は広大なので、舗装路からグラベル、人工物が全く見えない場所まで色々なところがあります。そんな環境だからこそ、MTBをレンタルしてガイド付きで楽しむのもアリ。友人がやっている、阿蘇くじゅうサイクルツアーでは、自転車はロードバイク 、MTB、クロスバイク、そして今話題のE-BIKEまでレンタルもできるし、レベルに応じて様々なルートを提案してくれます。一生の思い出に残るライドになること間違いなしです。

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またこの阿蘇くじゅうサイクルツアーと道の駅阿蘇が連携して行っている「草原ガイドツアー」に申し込むと、阿蘇の大草原の中を走るという特別な体験が可能です。詳しくは、道の駅阿蘇のHP内「草原ガイドツアー」、または、阿蘇くじゅうサイクルツアーで確認できます。

Day3 市内観光なら水前寺公園、熊本城、トロッコ列車も

阿蘇市内の阿蘇神社に行かれてはいかがですか?道の駅阿蘇からほんの数キロの場所にあります。熊本地震で甚大な被害を受けた神社なんですが、朝のピーンとした空気の中、復興に向けた姿を目に焼き付けてはどうでしょう。

神社の前には門前町があり、商店もいっぱいあり、食べ歩きもできます。阿蘇の天然水でつくったサイダー、馬肉を使ったその名も馬ロッケ、手作りレモネードなどなど、お好みに応じて選び放題です。サイクリングの途中で立ち寄ってもいい感じで休憩できます。

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店先には水基と呼ばれる水飲み場が多数点在していて、学業の泉・金脈の泉・縁結びの水・幸の泉など、パワースポット的な名前もあるので、お気に入りを見つけるのも楽しいかも。サイクルラックもあるので自転車でも安心です。

観光スポットとしては南阿蘇鉄道のトロッコ列車もありです。熊本地震の影響で一部区間しか営業していませんが、タイミングによっては阿蘇愛に溢れたおもてなしを受けることができるかも。

熊本市街地に向かうのであれば、メジャーどころは水前寺公園熊本城あたり。熊本城でも熊本地震の爪痕を感じていただけると思います。

熊本でぜひ賞味すべきは「馬刺し」

馬刺しで間違いないです。阿蘇からは熊本空港寄りですが、馬肉料理 馬勝蔵が個人的に熊本県内で最高だと思っています。

馬刺しはスーパーでも売っていますし、馬肉は刺し身以外にもホルモン焼き、コロッケ、ステーキ等、メニューも色々。馬のホルモンは定食屋さんのおかずで出てくることもあるくらいポピュラーです。

あと、天草に足を伸ばせば海産物が美味しいです。天草は「天草大王(あまくさだいおう)」という地鶏も有名です。阿蘇になりますが、牛では「赤牛(あかうし)」も美味しいですよ。

阿蘇を走るベストシーズンは春と秋ですが、初めてなら夏の阿蘇もいいぞ

季節の移ろいを感じられるので春と秋が特にオススメです。5月GW明けから梅雨前と9月中旬から10月中旬は、暑すぎす、寒すぎずといった気候の時期です。体感温度なので人にもよりますが、寒さが気になる方は薄手のウインドブレーカーかジレがあるとよいです。なにしろ30分延々と下る…というシチュエーションもありますので。10月下旬からは徐々に寒くなります。

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真冬は道が凍って危険箇所もあるので、ロードバイクでのサイクリングは場所を選ぶ必要があります。でも、スノーライドならどうでしょうか。雪の大草原をMTBで走る。そんな特別な経験を阿蘇ならできます。でも、草原は誰でも立ち入って良いわけではなく、特別な許可を得る必要があるので、道の駅阿蘇の「草原ガイドツアー」ページからお問い合わせを。

初めて阿蘇にいらっしゃるなら、荷物を少なく気軽な夏装備で行けて、緑が濃く空と夏雲のコントラストが美しい8~9月の夏の阿蘇にぜひ!


熊本と阿蘇にめちゃくちゃ行きたくなりました!
近い将来に足を運んでみようと思います\(^o^)/


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