関東や関西等、人口密集地に住むサイクリストは「交通量の多い道を走る」ことに慣れています。まあ、慣れていくしかないってのが実情なんですが。

最初は公道に出るのが怖くて川沿いしか走れなかったのが、今はバス、トラック、タクシーがばんばん通る道路も平気になってしまいました。人間はあらゆる刺激に麻痺していく生き物ですね…。

これから自転車を始めようと思っている人と話すと、ほぼもれなく「(郊外はともかく)街中の車道が怖い」とおっしゃいます。「怖い→でも100%避けるのは不可能→とはいえ怖い」というループから抜けられず、購入まで至らないそうな。

ということで、私が街乗りするときに注意していることをまとめてみます。

Global Cycling Networkも同じテーマで動画にしていたので、そこの内容ともかぶります。



目次


メンテナンスをする

Global Cycling Networkはことあるごとに「メンテの重要性」を力説してます。

「すべての基本だし、わかりきっているんだから、わざわざ言わなくてもいいんじゃない?」って気もしますが、やはりそれだけメカトラブルが多い証拠なのかもしれません。

クルマのように車検制度があれば、事故につながる古いパーツや消耗品は整備士さんが交換してくれますが、自転車は全部自分で面倒を見ないといけないですからね。

個人的には街中で故障するほうが田舎でするよりマシな気はします(ショップへの駆け込みや輪行という手段があるので)。

ドライバーから見られる工夫をする

前後のライトは当然として、それ以外にも「明るめの色の服装」「反射材」も気にするとさらにGOOD。

サイクリングウェアにはどこかに反射素材があしらわれていることが多いですが、それだけだとやや心もとないので、シューズのかかと、ヘルメット、バッグにも反射シールを貼ると安全性が高まります。
※100均ショップで反射シールは買えます。それを利用するも良し(剥がれやすいが)

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ちなみに、2個リアライトしている人ってめっちゃ目立って遠くからでも視認性が抜群じゃないですか?なので私もリアライトをヘルメット&バイク本体の2箇所につけてます。

ハンドサインを怠らない

周囲に意図を伝えるためのハンドサインは結けっこう大事。クルマと違ってウインカーとブレーキランプがないので、ドライバーからは予測不能なんですよね。なので積極的に使っていきたい。

2つ注意点があって、片手運転が怖いって人はすぐさまやらなくてもOK。まずは瞬間でも片手で走れるよう慣れていきましょう。できるようになると走行中に給水もできます。なお、オクサマは片手運転が怖くてできないそうで、ハンドサインはできません。あと、信号停止がないといつまでも給水できません。

もうひとつはバイクの追い越し。スレスレを走り抜けるオートバイもいるので、ハンドサインを出したタイミングで接触するリスクがあります。なので私はハンドサインを出す直前にバックミラーを見る&少し後方確認する癖をつけています。



日中でもデイタイムライト

曇りの日、霧が濃い日はとくに。そうでない晴天でもデイタイムライトしている人はやはり目立ちます。無意味なんじゃ?バッテリーの無駄では?って以前は思ってましたが、他のサイクリストがやってるのを見て「たしかに効果ある!」と感じたのでマネしてます。

唯一の注意点は「ライトの切り忘れ」。

明るいせいで点いているのを見落としてしまいがち。食事中とかコンビニ休憩時は切りましょう。暗くなったときに電池切れでは元も子もないので。
※私はモバイルバッテリーと充電ケーブルは常備してます(休憩の合間に充電することも)

道に詳しくなる努力をする

道に詳しくなると「あの交差点は車の流れ方が好かん」とか「あの幹線道路はアスファルトが荒れているから避けよう」という判断ができます。1本しかルートを知らないのと、複数のルートを持つのとでは心の持ちようも変わってくるので、道に詳しくなるのに越したことはありません。

超絶方向オンチの妻と娘には「ぜったい無理」って言われているんですが、Google Map を見ていればなんとなく土地勘つかめると思うんですけどね…。ますますわけわからんって言われるんだろうなぁ…。

◇ Google マップで「自転車ルートが使える」ようになった(国内10都道府県ですが)

ドライバーから予想されやすい動きをする

ハンドサインを出すのがベスト。意思表示の方法ですからね。

車線変更したいときは、ハンドサインと後方確認(チラッチラッという視線)を組み合わせると、ドライバーに察してもらいやすいです。

バックミラーは第3の眼

私はミニベロにもロードバイクにもバーエンドにバックミラーを付けてます。

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これがあるとないとでは街中走行の安心感が全然違いまして、視線をちょっと落とすだけでおおよその後方確認ができます。もちろん死角はあるので過信は禁物ですが、「あ~、大型車両が来るな~」とか「仲間がちゃんと後ろについているな~」がわかるだけでも助かります。

これがなかった頃は1日に何回後ろを振り向いていたことか…。

コスパ抜群なので、街中走行する方には強くオススメしたいアイテムです。

通勤用のミニベロにバックミラーを装着したら、びっくりするほど走りやすくなった件について

ただし、バイクを右側に倒すと地面にHITして吹っ飛びます。えいやって押し込めばもとには戻ります。あと、ガラスではないので割れることはないです。(10回以上飛ばしましたが今も健在)

路面でのポジションに気を使う

初心者の方は「怖さのせい」で、つい路肩に寄ってしまうものです。

が、これは逆効果。 いざというときの安全マージン(左に逃げるスペース)がないので、逆に危険なのです。

過去に、路肩に寄りすぎてペダルが縁石にぶつかって右側に落車した人を目撃したことがあります。タイミング悪いと轢かれます。

自転車は車道が基本なのでべつに遠慮する必要はありません。むしろ堂々と車道を走りましょう。(もちろん、なるべくクルマやバイクの通行の妨げにならない意識はしつつ)

車両の死角に入らない

バス、トラック、トレーラー、サイドの窓が塗りつぶされた大型商用バン等の大型車両は死角が多く、見落とされる可能性大です。なのでなるべく近づかないほうがいいし、並走なんてもってのほか。

なお、乗用車でも死角はあります。 クルマの真横はけっこうな確率で見落とされるし、左斜め後ろもしかり。 とにかく、車の近くを走り続けないことがポイントです。どんどん前に行ってもらいましょう。

【内輪差に巻き込まれないための回避方法】 トラックドライバーからサイクリストはどのように見られているのか?

サイクリストから見た「車のつられ右折」の怖さ

夜は知ってる道を使う

夜に路面状況を知らない場所(つまり初めての道)を走るのはすごく嫌ってます。

走り慣れてる道だと「路面の荒れ」「キャッツアイ(道路鋲)の箇所」を覚えているので慎重になるべきポイントが分かるんですが、知らない道はず~っと気を張ってないといけません。

そういう意味でも、いろんなルートを開拓していると安心して走れる場所が増えます。限界はありますが、家の周囲はまんべんなく走っておいて損はないです。

路面状況に気をつける

  • マンホール、グレーチング(金属類)
  • キャッツアイ(踏んだら終わり)
  • 白いペイント(濡れていると滑りやすい)
  • 砂や砂利(吹き溜まりにある)
  • 轍(わだち)・穴・ヒビ
  • ゴミ置き場(割れたガラスが散乱していることも)

あたりでしょうか。

複数台で走る時は車間距離あける

止むを得ず急停止もあるし、トレインなんてもってのほか。あと、ハンドサインが間に合わず、前走者が咄嗟に穴ぼこを避けることがあります。後ろにピッタリ付いていると発見が遅れて餌食になります。

落車やパンクの原因になるので、車間距離は開けましょう。
目安は「急ブレーキをかけられても問題ない」距離感かなと。

「べき論」を持ち出して勝手にイライラしない

街中は信号無視するママチャリで溢れています。なんなら、信号を守るロードバイクよりもルール無視のママチャリのほうが速いことも。

なんだあいつ…という気分になるのはわかりますが、赤の他人です。放っておきましょう。 間違っても競争心を芽生えさせないように。

軽車両通行不可の標識に気を配る

不慣れな土地だと、いつの間にか軽車両禁止区間に迷い込んでしまうことがあります。立体交差は高い確率で軽車両通行不可です。手前に標識がないかご注意ください。

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あと、まれに有料道路に入り込んでしまうお年寄りがいるそうですが、さすがに普通の方ならその間違いは犯さないかなと。

余談ですが、静岡の富士市(街頭も少なく真っ暗)を夜間に走ったとき、道に迷って有料道路に入りかけ、クラクションを鳴らして「自転車はダメだよ!」って言ってくれた人のおかげで我に返った経験があります。あのときは肝を冷やしました…。

路肩に駐車した車のドアに注意

急に開くことがあります。スレスレを走ると避けようがありません。1.5mは距離をあけて十分なマージンをとり、万が一に備えてます。そういう意味でもバックミラーがあると便利です。


日が暮れるのが早い季節になってきたので、つい先を急いでしまいたくなる気持ちになるものですが、どうか安全運転で(^^)


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