ロードバイクにハマるまでは、「ヒルクライム」って競技や単語すら知らなかった。初めて聞いたときはヒップホップユニットのHilcrhymeのほうを想像したくらい。「わざわざ苦しいことを好き好んでやるなんて、なんて奇特な人々なのだろう…」と首をかしげていたのは懐かしい思い出。(今は大好きです)

さて、自分以外にも坂好きは大勢いるだろうから、備忘録として「都道府県別ヒルクライムコースまとめ」を作ってみることにした。

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まずは自分の住む埼玉県からスタートしてみる。埼玉県のほとんどは、ザ・関東平野を地で行くフラットなエリアなので、坂を求めようとするとどうしても飯能市か秩父市方面を目指さねばならない。

以下に挙げたものが全てではないだろうから、随時更新していくつもり。

目次


定峰峠(埼玉県秩父郡:秩父経由)

  • 距離:6.4km
  • 平均斜度:8.1%



初めてヒルクライムした峠がここ。ダホンのMuで登ったのだが、まさか坂を自転車で走るのがこんなに苦しいとは…と思い知らされた場所でもある。当然仲間にはついていけず、ドベだった。

斜度の変化はあまりなく、一定のペースで淡々と登れるのでペース配分はしやすいかなと。初めてヒルクライムする人でもわりと登りやすい。オクサマもダホンのボードウォークで足をつかずに登り切れた。

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頂上には茶屋やバイクラック、トイレがある。周囲は木に覆われており、頂上だからといって絶景が拝めるわけではない。景色を期待して登ると後悔する。

サイクリスト以外にもオートバイでツーリングするライダーも多く立ち寄る場所だ。

◇ ミニベロでヒルクライムしたった【定峰&山伏峠】

◇ ヒルクライム初心者が、ミニベロで定峰&山伏峠を制覇したった

物見山(埼玉県東松山市)

  • 距離:?
  • 平均斜度:?



峠ではなく「丘」と呼んだほうがいいくらい。秩父の奥深くまで行かずとも、適度な坂を周回で走れるので練習の場所にもなっている。

関越自動車道で行くなら坂戸西スマートICか、もしくは東松山ICどっちからも近い。埼玉南部からであれば、自走で行くのも可能。アクセスの良さが光る。

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近くに飲食店やコンビニもあるので、補給の心配はない。また、頂上には無料の駐車場も解放されており、自販機もある。

走る場所によって斜度は変わるので、平均値は出しにくいが、6〜9%の間だろうか。瞬間的に10%になる場所もあるかも(体感値)。

完全に余談だが、自分は物見山に行くと、無性に「泉の里」に立ち寄りたくなる。川島町B級グルメでも有名なすったて蕎麦が食べられるお店だ。天丼も美味しい。

※4月1日から10月31日までの期間限定商品なので、冬は食べられない

ちなみに「すったて」とは川島町に昔から伝わる郷土食。味噌をベースに胡麻、キュウリ、青じそ、ミョウガ等の夏野菜をすり鉢でグリグリとすりつぶした奴を、冷水とだし汁で割ってつけ汁にしたモノ。これに蕎麦とかうどんをつけて食べるのだ。暑い夏とか食欲のない季節でも、各種薬味のおかげで食欲が進むだけでなく、栄養価も高いので夏バテ防止効果も期待できる。

山伏峠(埼玉県飯能市:名栗経由)

  • 距離:4.3km
  • 平均斜度:8.8%



名前がなかなかカッコいい。 一度しか登ったことがないのだが、その記憶を掘り返すと、歯をくいしばるほどの激しい斜度ではないものの、延々とずっと苦しかった記憶がある。

山頂は見事に何もない。本当に何もなく、自販機も茶屋も駐輪スペースも展望台もない。単純に「登りきったぞ」という達成感以外に得られるものはないのですぐ下ることになるだろう。

白石峠(埼玉県秩父郡:ときがわ町経由)

  • 距離:6.3km
  • 平均斜度:8.8%



埼玉県民のみならず、都内や神奈川のサイクリストにもわりと知られた存在。秩父の峠と聞けば、まず白石を思い浮かべる人は多い(と思う)。

初めてのロードバイクでのヒルクライムが白石峠だったのだが、今思えば「いきなり白石」はややハードルが高かったと思う。予備知識なく連れてこられて、斜度も距離もわからないまま走ったのだが、すごく苦しかった。初ヒルクライムは山伏峠か定峰峠くらいがちょうど良い気がする。

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印象としては序盤がややキツ目で後半からラストにかけてちょっと斜度が緩む気がする。が、休める箇所はあまりない。

ちなみにタイムであるが、30分を切ったら結構すごい。豪脚を持つ人は、25分を切ることもあるそうな。40〜50分かけてマイペースでしか登れない自分には想像のできないスピードだ。

そういえば、自分が登っているときに練習中のセミプロ選手にものすごい勢いでぶち抜かれたのだが、平地のごとき物理の法則を無視したスピードに声も出ないほどびっくりした。抜かれた瞬間、「オートバイかっ!」って呆れたくらい。

峠を登ったところはなにもないが、展望台までさらに2キロほど登ると、お弁当を売っていたり、絶景を楽しめる。

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この2キロはさほどきつくないので、白石峠に来たら展望台にもぜひ立ち寄ってほしい。

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※中では手作りのお弁当を売ってたり、飲食スペースもあります(^^)

子の権現(埼玉県飯能市:南ルート)

  • 距離:3km
  • 平均斜度:11.8%



ロードバイク人生で最も苦しかった坂がここ。頂上手前のラスト300メートルは坂を通り越してもはや壁。こんなとこ、人間の足で登れるんか…?と思ってトライしたが、途中で足をついてしまい、そのまま再出発できなかったのでテクテク歩いてしまった。

ラスト300メートルに至るまでの過程もなかなかきつくって、ダメ押しでこの壁が現れるので、大抵の人は心が折れるのではないだろうか。一度しか登ったことがないので、ぜひともリベンジしたい場所である。

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頂上には子ノ権現天龍寺があって、2トンもある鉄のワラジ(超デカい)が飾られている。おみやげ屋さんがあったり、展望台もあるので景色は良い。

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冬場の晴れた日なら、大宮ソニックシティ~横浜ランドマークタワーまで眺望できるそうな。東京スカイツリーや東京湾、筑波山も見渡せると公式サイトには書いてある。

秩父高原牧場(埼玉県秩父市:農村センター側)

  • 距離:3.7km
  • 平均斜度:10.4%



白石峠の近くにある。先輩ローディに初めてロードバイクでヒルクライムに連れて行かれたとき、1本目に白石峠に登り、2本目にここを登らされた。

白石峠を登った直後だからだと思うが、白石よりワンランクキツかった印象。まあ、白石峠よりも平均斜度が高いので本当に気のせいではないのだが。休める場所がほぼなく、キツさが途切れない。何度も引き返したくなった。

1本目の白石峠で足が売り切れていたので、ここに来た時はすでに体力が残っておらず、数回足をついてしまった。再発進のときにうまくペダルを回せず、立ちごけしてしまったのは恥ずかしい思い出。

1回しか登ったとこがないので、リベンジできていない。ぜひトライしたいと思っている場所である。

両神山(埼玉県秩父郡)

  • 距離:10.4km
  • 平均斜度:6.2%



埼玉県秩父郡小鹿野町と秩父市の境目にあり、日本百名山のひとつ。のこぎりのような尾根と切り立った岩壁が特徴的な山。山岳信仰の場としても有名で、両神山と三峰山と武甲山をあわせて「秩父三山」と呼ぶ。かつては女人禁制だったそうで、初めて女性が登ったのは、1914年(大正3年)…つまり第一次世界大戦が始まった年だ。

小鹿野町役場 両神庁舎周辺からのスタートになるようだ。近くには『道の駅 両神温泉 薬師の湯』もあるので、ヒルクライムの後にひとっ風呂浴びるのも可能。

天目指峠(あまめざすとうげ)【埼玉県飯能市:名栗経由】

  • 距離:2.6km
  • 平均斜度:9.8%



「あまめざす」というネーミングがなんだか神話っぽいというか、神々しい響き。しかし、峠名の由来は「天目(アマメ)」で、この地域の方言で「豆柿」のこと。豆柿は中国から持ち込まれたとされる渋柿の一種で、山地に自生する親指大の柿。食用よりは「柿渋」を採取する用途の方が主だったそうな。そんな柿があるって知らなかった。

子の権現を登ったとき、ここにも立ち寄った。下っただけで登ったことはないため、どんな坂だったか記憶にない。平均車度から想像するに、まあまあキツめだと思われる。

「吾野経由」で登るのも可能で、それだと距離:4.2km、平均斜度:7.2%である。

山王峠(埼玉県飯能市:さんのうとうげ)

  • 距離:1km
  • 平均斜度:9.8%

名栗経由だと平均斜度は9.8%だが、南高麗経由なら5.3%。生活道路なので舗装はきれいだが、その代わり通行量もそれなりに多いらしい。

東峠(埼玉県飯能市:平戸経由)

  • 距離:1.5km
  • 平均斜度:10.2%

東吾野駅から登る。距離は1.5kmでかなり短め。近くにはサイクリストには有名な(自分は行ったことがないが)「Cafe KIKI」というレストランがある。店舗の横には自転車ラックがあり、オーナーさんはサイクリストとのこと。東峠に登ったら立ち寄ってはいかがだろうか。

飯能、CAFE KIKI のブログ

東峠(埼玉県飯能市:小瀬戸経由)

  • 距離:2.2km
  • 平均斜度:12.1%

平均斜度からわかる通り、平戸経由よりも急勾配。距離は短めだが、いろんな人のウェブ上の報告を読むと、かなりタフなコースであることが分かる。心して挑みたい。

仁田山峠(にたやまとうげ)(埼玉県飯能市:名栗経由)

  • 距離:1.7km
  • 平均斜度:11.8%



名栗湖側から登ると、序盤はきつめの斜度が続くそうな。で、徐々に緩くなる。アップダウンが多めだそうで、登っては降りるを繰り返すが、斜度は激しいままなので体力的にはそれなりにキツ目だとのこと。人里離れた感が味わえそうである。

美の山公園

蓑山という山。皆野経由と八坂神社経由の南北両方から登ることができる。距離と平均斜度はそれぞれ「6.8キロ&7.2%(皆野経由)」、「5.4キロ&7.9%(八坂神社経由)」。蓑山山頂(標高581メートル)には県立自然公園の美の山公園があって、桜、ヤマツツジ、紫陽花などの花見ができたり、夜景スポットとしても知られるそうな。

小沢峠(埼玉県飯能市:名栗経由)

  • 距離:1.8km
  • 平均斜度:11.9%



「おざわとうげ」ではなく、「こさわとうげ」と読む。東京都と埼玉県の都県境の車道峠としては最も西部にあり、名栗ルートは飯能市側からアプローチするほう。下っていくと青梅市に入る。

子の権現(埼玉県飯能市:北ルート)

  • 距離:4km
  • 平均斜度:8.8%



こっちは下ったことはあるが、登ったことはない。斜度的には南ルートよりは若干だが楽ではありそうだが、平均9%弱ということは最大斜度は10%前半はいくのかもしれない。

秩父高原牧場(埼玉県秩父市:三沢経由)

  • 距離:3.8km
  • 平均斜度:9.7%



農村センター側とは逆からのルート。距離、平均斜度共にかなり似ているので、さぞかし脚に来る坂道だと思う。

顔振峠(埼玉県飯能市:吾野経由)

  • 距離:3.9km
  • 平均斜度:10.3%



「かおふりとうげ」ではなく、「かあぶりとうげ」と読む。飯能市と越生町の間にある峠で標高は500m。峠山頂には三軒の茶屋があり、奥武蔵グリーンラインや関東ふれあいの道の休憩場所として賑わう。

ユニークな峠名の由来は諸説あるらしいが、ウィキペディアによれば「平安時代、源義経が京落ちで奥州へ逃れる際、あまりの絶景に何度も振り返ったため」ですって。加えて、「その際のお供の武蔵坊弁慶があまりの急坂に顔を振りながら登ったため」らしい。つまり、美しいけれども登るのはキツいのだろう。

土坂峠(埼玉県秩父郡:秩父経由)

  • 距離:7.4km
  • 平均斜度:9.2%



群馬県と埼玉県の境にある峠。峠の真下には「土坂トンネル」が通っている。これが県境となる。なんでも、マンガの「頭文字D」の聖地だそう。ということは、車で来る人も多いと思われる。

正丸峠(埼玉県飯能市:正丸駅経由)

  • 距離:4.4km
  • 平均斜度:11.5%



飯能市と横瀬町(秩父郡)の境界にある。かつてはここが国道として使われていたが、1982年に正丸トンネルが開通したことで国道はトンネルに変更された。ただ通過するだけなら、正丸トンネルを通過するほうが断然早いのだが、自転車で通ることは1ミリもオススメしない。

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約2kmとトンネルとしてはかなりの長い上に片側一車線で、しかも車道の中央分離帯には鉄心があるのでクルマは自転車を追い越しにくい。大型車両だと追い越しはまず無理なので、トンネルを出るまで延々と後ろからヘッドライトを浴びせられる。一度、オクサマと横瀬町側からトンネルの走りにくさを知らないまま侵入してしまい、めちゃくちゃ緊張しながら下ったことがある。

オクサマ、ミニベロで定峰峠を登る(入間~秩父往復 100キロちょい)

二本木峠

秩父高原牧場の近くにある。NTTやNTTドコモの無線中継所とか二本木峠キャンプ場(12月~3月はお休み)もあるそうな。皆野町経由と東秩父村経由の2つのアプローチが可能。距離と平均斜度はそれぞれ「距離:4.8km、平均斜度:9.7%(皆野町経由)」、「距離:4.8km、平均斜度:10%(東秩父村経由)」。どっちから登っても平均で10%なので、場所によっては10数パーセントの急坂が待ち受けているのであろう。



刈場坂峠(埼玉県飯能市)

  • 距離:5.7km
  • 平均斜度:10.3%



「かばさかとうげ」もしくは「かりばさかとうげ」と読む。埼玉県比企郡ときがわ町、飯能市、秩父郡横瀬町の境目にある標高818メートルの峠。正丸トンネルからも近い。2009年までは峠に茶屋があったそうだが、取り壊されて現在は跡地は更地のみ。車両の交通量は少なめ。北側からは上越、日光、筑波山まで見渡せるそうだ。

飯盛峠(埼玉県飯能市)

  • 距離:7.7km
  • 平均斜度:9.9%



飯能市と比企郡ときがわ町にまたがる峠で、「めしもり」と読んでしまいそうになるが、「いいもり」である。ときがわ町方面の夜景が見える場所もある。山頂そばには埼玉県民ならご存知、FMラジオのナックファイブ(NACK5)の送信所がある。

有間峠(埼玉県飯能市:浦山経由)

  • 距離:9.7km
  • 平均斜度:10.8%



峠の距離はまあまあ長め。頂上の標高は約1,100m。登った方のレポを読むと「休める箇所がまったくない」、「延々と斜度10%が続く」そうで、まあまあ脚がないと登り切れなさそう。しかも「左右の木々で覆われており眺望がない(に等しい)」、「大弛峠とソックリ」なんだそうな…。登ってみたい気もするが、正直怖い(笑)。

※大弛峠(おおだるみとうげ):
山梨市と南佐久郡川上村の境にある峠(標高2,360m)。自動車車両が通行できる日本最高所の車道峠である!(登ったことはない)


「埼玉県のヒルクライム名所なら、ここもあるよ!」
「あそこ忘れてない?」

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