初めてロードバイクを買うときはほぼ気にしないけど、慣れてくると

 「これってどうなの?この位置と角度で正解なの?」

 「形状とかサイズにバリエーションあるの?」

 「あるとしたら、何をどんな基準で取捨選択すればいいの?」

 「そのメリットとデメリットは?」

・・・って具合に悩むものがありまして、それがドロップハンドルです。

26

そもそも、ロードバイク用語って日常生活ではまず耳にしないものばかり。しかも細分化されまくっているので、「雑誌やウェブの記事を読んで知れば知るほど、さらに知らん用語が覆いかぶさってくる!」ってなってしまう。

ドロップハンドルもその典型で、ハンドル単体にさらに追加用語が控えている。リーチ、クランプ、ドロップ、アール…一体どこの何を指しているのか、表される数字に意味があるのか、知ってて得する情報なのか、知らなくても構わないのか…。
※もちろん、大いに知っておくべき情報です(*^ω^*)

ということで、ロードバイクのドロップハンドルに関わる単語を整理しつつ説明してみますね。

2017-11-07_21h46_59


ロードバイクのハンドル用語その1:クランプ径

ハンドル単体の中央部分。ステムを取り付ける場所の直径のこと。ノーマルサイズ(26ミリ)とオーバーサイズ(31.8ミリ)の2種類が中心だが、いわゆる現代のロードバイクでの主流は31.8ミリ(26ミリはクロモリ等のトラディショナルなバイクに多い)。

ちなみに、さらに径が大きい「35ミリ」ってものも最近では出回っている(Deda社とか)。

各サイズ間に互換性はないので、ハンドル(&ステム)を買い換えるときに備え、自分のバイクのクランプ系を確認しておきましょう。

ロードバイクのハンドル用語その2:ドロップ

ドロップハンドルを横から見て、クランプ中心からドロップ部分の一番下の中心までの距離。要するに上下間の落差のこと。

120~150ミリの間に設定されていることがほとんど。

ドロップが小さいと…
>> 前傾姿勢が浅くなる(ビギナー、初心者向け)

ドロップが大きいと…
>> 深い前傾姿勢をとれる(エアロダイナミクスを重視する人向け)

という特徴がある。

ロードバイクのハンドル用語その3:幅

これはわかりやすい。ハンドルの横幅のことである。持ち手の中心点〜中心点を示すことが多いが、メーカーによって表記は異なるので注意。

「芯~芯」表記が一般的だが、Deda社のように「外~外」表記をするメーカーもある(ややこしい…)。なお、芯~芯400ミリと外~外420ミリはほぼ同じ。

どのメーカーも380~440ミリくらいのラインナップを用意しているが、海外メーカーは小さいサイズを作ってないこともあるので、小柄な人(& 肩幅が狭い人)は国産メーカーから探すと良いかも。

ハンドルを持ったとき、腕が平行になるのが目安だが、ちょいと狭めが好きな人もいる(バイクのコントロールしやすいので)。

中肉中背(身長172センチ、体重69キロ)の自分は400ミリを使っている。

40 HDR

ロードバイクのハンドル用語その4:リーチ

ちょっとわかりにくい用語かもしれない。ハンドルのクランプ中心からドロップ部先端中心までの水平距離を意味する。近年は80ミリ以下のショートリーチが人気だ。

リーチが長いと…  >>レバー、ドロップまでの距離が遠くなる

リーチが短いと…  >>レバー、ドロップまでの距離が近くなる  >>ドロップを握ったときの移動距離を短くしたい人向け

激しくポジションを変えたくない人とか、下ハンポジションには不慣れって方は「リーチ短め」がオススメ。

「ステムの長さで調整すればいいんじゃね?」という気もするが、ステムの長さは90~100ミリは確保しておきたい。それ以上の調節はリーチで行うのが良いらしい(と聞いた)。

ちなみに、ステムが短すぎるとバイクの全体のシルエットが崩れ、カッコ悪くなってしまうというデメリットがある。ステムの短縮化はほどほどに。

2017-11-07_21h47_28
/ずさんなイラストですみません…\

ロードバイクのハンドル用語その5:ショルダー(アール)

これもどこを指しているのかわかりにくいが、ハンドルのフラット部分からドロップ側へとつながる場所だ。角度が浅いか深いかで特徴が分かれる。

「こんな場所の角度になんの意味があるのか?」って自分も思っていたんだけど、


アールが小さい(きゅっと曲がってるタイプ)と…  
>> ショルダーが身体に近くなる=リラックスしたポジション取りやすい
>> シフトレバーも近くに持ってこれる
>> しかし、ドロップを握ったときに腕がショルダーに触れることがある


アールが大きい(なだらかに曲がるタイプ)と…  
>> ショルダーが遠くなるのでシフトレバーも遠くなる

初めてのロードバイクであれば、アール小さめの方がとっつきやすいだろう。

07
/アールが小さめな一般的な形状\

ロードバイクのハンドル用語:フラット部分

街中での走行時は(とっさのブレーキングができないので)ほぼ使わないが、ヒルクライム時にアップライトな姿勢で登るときに便利。

まん丸な真円もあれば、エアロ効果を狙ってぺったんこに潰した形状もあって、ぱっと見で目につきやすい。

どっちが持ちやすいかは好み次第だが、個人的にはややフラット気味の形状のほうが、真円よりも持ちやすい印象。トルクをかけつつ腕を引っ張ったとき、指がずれずにちゃんと引っかかる感触がある

P1010620
/登坂時に便利\

目立つ部分なので、ついついエアロ効果が高そうなハンドルに交換したくなるが、ぶっちゃけ誤差の範囲でしかない。本当にエアロダイナミクスを追求したいなら、まずは身体にフィットしたサイクリングウェアに交換するとか、(言わずもがななのだが)体重を落とすほうが何倍も効果がある。

一般的に、剛性が低いほど振動吸収性に優れると云われる。 

ロードバイクのドロップハンドルの素材

ドロップハンドルの素材は、アルミとカーボンが主流。一般的に「剛性が低いほど、振動吸収性に優れる」傾向がある。


カーボンの特徴
  • 高価(でもって軽い)
  • 振動吸収に優れている(モノによりけりだが)
  • アルミより複雑な形状が作りやすい

アルミ
  • 比較的安価
  • 剛性が高い
  • プロでもアルミ使う率はけっこう高い(落車時に割れない、壊れない率が高い) 


自分はロードバイク(BOMA)には同じくBOMA製のカーボンハンドルを、ミニベロ(タイレル)にはDedaのアルミ製を使っているが、ぶっちゃけ違いはよくわからない(爆)。

登坂でのダンシングだとカーボンのほうがちょっぴり「しなる感触」があって、リズムをつけやすい気はするが、誤差の範囲かしら。

18
/アルミフレーム&アルミハンドルですが、快適\

多少の軽量化にはなるけど、そこまで奮発しなくてもいいのかなー、アルミで十分かなーという気はしている。少なくとも、タイレルのハンドルをカーボンにしようとは全く思わない。

ドロップハンドルの形状

ハンドル形状もじつはいろいろある。選択肢が増えるのはありがたいが、「でも、どれを選べばいいん?自分に合う、合わないってどう判断すれば?」って不安になるはず。

ドロップハンドルには大きく3種類+α ありまして…

ラウンド(丸ハン、クラシック)

昔からある形状で、ショルダー部分が前に下がり、ドロップが大きなアールを描くのが特徴。

ドロップを握ったとき、手が身体から遠くなりやすい。

アナトミック

ドロップ部分が直線になっているので見分けがつきやすい。ラウンドよりドロップを身体に近づけられる代わりに、下ハでは直線部分しか握れないので、ポジションが限定されるのがデメリット。

コンパクト

「アナトミックシャロー」とも呼ばれる比較的新しい形状でリーチが短く、ドロップも浅い。

ドロップ部分は曲線なので色んな場所を握れる。 ブラケットを握ったとき、ブレーキレバーが近くできるので手が小さい人にオススメ。シフトレバーの取り付け位置が高いので、手のひらへのストレスが少ない。

初心者であれば、まずはこの形からチェックするのが良いかなと。


異形タイプのドロップハンドルもある

上記3種類に収まらない珍しい形状のハンドルもあって、個人的に気になっているのが、東京サンエスが提供する「デイズナのニーザー」。

上下でハンドル幅が違ったり、下ハンが外側にせり出していたりしている面白いタイプでして、タイレルのCSIに導入してみようかなとここ最近妄想中。

というのも、ミニベロで下ハン握って走ることってほぼないんですよね…。スプリントでもがくこともないし、ダウンヒルは小径車ゆえスピードは控えめ下ハンを握るまでもなかったりする。でも、ポジションは変化させつつ走りたいって気持ちはあるので、ドロップ(落差)の少ないニーザーがピッタリな気がするのだ。

いやー、ハンドル選びってじつに悩ましいですね。


★ツイッターアカウントはこちら\(^o^)/<最近記事を常にお届け!

サイクルガジェットストアは年中無休です! (パーカーも増産しました)