ダイエットする人、運動をがんばる人は多いわりに、柔軟性を高める(もしくは維持する)ことを意識して取り組んでいる人は少ない気がするんですがどうでしょう。

柔軟性がないよりはあったほうがいい…というのはなんとなく常識としてはある。スポーツをするなら当然だし、そうでなくても筋肉が固かったり、関節可動域が狭くて得することは何もない。

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/ ハムストリングを伸ばす図 \

ただですね、柔軟性って、日常生活ではあんまり求められないというか、なくても支障はないんですよね…。自覚症状も薄く、見た目で良し悪しも判断できないのも相まって、なおざりにされがち。

自分は2017年7~8月に原因不明の強烈な肩こりに1ヶ月も悩まされた。手当たり次第に色んな方法(風呂、塗り薬、湿布、マッサージ)を試してどれもダメで、最終的に解消してくれたのがストレッチだった。あと、併用したストレッチポールの効果も絶大だった。

>> 肩こり解消のためにやって効果があったモノ、なかったモノ(まとめ)


で、今はストレッチを日課にしてまして、毎朝仕事前に上下半身伸ばしている。大臀筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋(ハムストリングス)、ふくらはぎ周囲の筋肉群、アキレス腱、肩甲骨、僧帽筋、股関節…が中心。目に見えて効果は現れており、「おお、自分史上初の柔らかさ!」って日々喜んでいる。

前置きが長くなったが、totalwomenscyclingで紹介されていた「Do Cyclists Need to be Flexible?Does increased flexibility help with your cycling performance?(サイクリストに体の柔軟性は必要なのか?柔軟性が上がればパフォーマンスも向上するのか?)」という記事は思わず読んでしまった。

ということで、自分の体験談を織り交ぜつつ、翻訳してご紹介しますね。

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/ リッチー・ポートはリカバリーに水泳を取り入れている\

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結論から言うと、「サイクリストも柔軟であるに越したことはない」。理由は大きくふたつ。

エアロダイナミックなポジションを取りやすい

空気抵抗を最小化するには、上体はなるべく低く、小さく縮こまるようにする。柔軟であるほどその姿勢が取りやすく、維持もしやすい。

ドロップの下ハンドルを持つとわかるが、体が硬い人は「その姿勢を維持するのすら苦しい」はず。心拍がきついとか、筋力がもたないのではなく、背筋とハムストリリングスが突っ張る感覚があるのではないかなと。

べつにスピードは求めてないから、エアロダイナミクスなんて必要ないもーん

というホビーサイクリストの方もいるとは思うけど、強い向かい風や長時間のダウンヒルでブラケットを握り続けられない…というとき、下ハンドルは重宝する。せっかくロードバイクには備わっている機能だし、たまには使ってあげたいじゃないですか。

色んなポジションを取れれば取れるほど、サイクリングは疲れにくいし、快適に走れる。

筋肉の疲労回復が早く、ケガをしにくい

身体が柔らかい人ほど、筋肉や関節への負荷を逃せられるので、ケガをしにくい。柔軟性を維持するためにも、サイクリング後のストレッチはとくに有用。

ペダリング運動は全く同じ可動域での運動でしかない。それが延々と続く。上体のポジションは多少変わるとはいっても、基本的にはほぼ同じ姿勢が続く。よって、筋肉は固まっていく。つまり、サイクリングはやればやるほど筋肉が萎縮しやすいって宿命を持っている。

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ハムストリリングスとは、太ももの裏側の筋肉ことでして、多くのサイクリストが「柔軟性のないハムストリリングス」に悩まされているそうな。それが骨盤位置と腰にも影響し、苦しいポジションを強いることになる。

ハムストリリングスが硬い人は男女、年齢関係なくまんべんなく多い印象。スリムでスタイル抜群の若い女性が、「マジで!?」って驚愕するくらい身体が固かったり(前屈しても指がスネまでしか届かないとか)するので、柔軟性は見た目ではわからない。かと思えば、オクサマは気持ち悪いくらい柔軟性があって、180度開脚して上半身が床にぺターンと付く。

「自分のハムストリリングスって柔らかいのか、固いのかよくわからん」って方は、まっすぐ立った姿勢から(ヒザを曲げずに)前屈し、どこまで指先が届くか確認してほしい。
※反動つけたらダメ。ゆっくり指を伸ばして行き、3秒維持できる位置を探る

手のひらが床にペタンとつけば問題なし。そーとーに柔らかい。指が5本床に触れたら、悪くはない(自分はココ)。中指がギリ地面に触れる…だとハムストリリングスは固め。地面に触れることができなければかなーり固いと思うべし。

ハムストリリングスの柔軟性が高いと、エアロなポジションを取りやすい

ふくらはぎの柔軟性があるとなお良くって、パワーをペダルにかけやすい。つまり、柔軟性が上がるだけで、筋力は同じままでこれまでより速く走れる…ということになる。これはサイクリストには朗報。

ペダリング運動は全く同じ動作を続けるので、使われる筋肉はメッッチャ使う代わりに、使われない筋肉(と稼働しない関節)もある。

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もし「サイクリングばかりしてて、他のスポーツは全然しない」というタイプなら、使う筋肉と使わない筋肉がくっきり分かれることを意味する。

であれば、なおさらストレッチは行いたい。使われていない筋肉が固まることを防ぎ、血行を良くし、自転車に乗っていない間のケガの予防にもつながるわけ。

身体が固いのにプレーは柔らかく、怪我しないパターンも

ただ、ストレッチの重要性とか身体の柔軟性の研究に関しては諸説あるのは事実。アスリートでもストレッチをあまり重視しない選手とか、「ガッチガチに体が固いくせにプレーは恐ろしく柔軟…」って選手もいて、元読売ベルディ&サッカー元日本代表(ドーハ時代ね)のラモス瑠偉がそう。(元同僚の都並が言ってた)

余談だが、2005年くらいにラモス瑠偉と元プロが組んだ即席チームと、当時の地域リーグ(東海リーグ)チームが練習試合するのを目の前で観たことがある。

「50手前のおっさん(当時)だし、いくら元日本代表とはいえ、若者のフィジカルとスピードにはついていけんやろ、テクニックでそこそこやるかもしれんけど…」

って予想してたけど、ふたを開けたら完全なワンサイドゲーム。キック、トラップ、パス、動き出し、細かなフェイク、マークの外し方、ボディバランス…全てが別次元で開いた口が塞がらなかった。(スピードは普通なんだけど、テクが群を抜きすぎ) 

ラモスは当時48歳位くらいだったはずだが、大学生&20代前半の選手らがどんだけ食らいついてもボールが取れない。

というか、完全にオモチャにされて、赤子の手をひねるように一方的に押し込み、要するにフルボッコしてた。しかもぜんぜん本気出さずに。相手だってアマチュアとはいえ、県より上のカテゴリで戦っているチームだったのだが、レベルが違いすぎた。

とっくに現役を退いたラモスだったが、技術の高さは圧巻で、「あれが日本代表に登りつめる技術か…」って大興奮したね。


あ、柔軟性の話から脱線してしまった。閑話休題。

柔軟性はサイクリストにとって大して重要ではなく、低いポジションが取れる以上のメリットは無いという人もいるにはいる。まあ、だからと言って硬い筋肉と関節が素晴らしい!とは言わないと思うけど。

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一般的には柔軟性が高いほど良いとされてはいる。ストレッチを生活に取り入れることは、運動する、しないに関係なく良いことだ。ノウハウを体系的&手っ取り早くに仕入れたいなら、ストレッチ関連の書籍が近道だろう。


以上、totalwomenscyclingの「Do Cyclists Need to be Flexible?Does increased flexibility help with your cycling performance?(サイクリストに体の柔軟性は必要なのか?柔軟性が上がればパフォーマンスも向上するのか?)」の翻訳紹介でした。
ヽ(=´▽`=)ノ


最後に、ストレッチのやりすぎにはどうかご注意を。すでに柔らかい身体を持っているならそれでよし。「もっと柔軟性を高めよう」と無理すると傷めてしまう。これは硬い人にも同じで、一気に結果を求めてしまうとケガをする。

柔軟性は一日にして成らず。焦らず、毎日少しづつ。習慣化と継続が大事です。


>> 新年早々だけど、サイクリスト向けのハムストリングのストレッチ方法をいくつか紹介するYO


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