先日、「初心者サイクリストにオススメしたいイベントはロングライドではなく、エンデューロレースだ(TOKYOエンデューロ2017に参加しました)」という記事を書いた。

今回は、「エンデューロレースを楽しむために準備すると良いものとかコツのまとめ」を書こうと思う。エンデューロレースって何をもっていけばいいの?あると便利なものって何?という疑問が解消すれば幸いである。

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※TOKYOエンデューロ2017の様子@彩湖

テーブル

エンデューロではなにしろ荷物が多くなる。会場まで運んできた食料や水分、スマホ等を置ける場所がほしい。大人数で参加すると補給食の量だけでもすごいことになる。折り畳み式のBBQ用テーブルがあると便利だ。

「地面に置けばいいんじゃね?」と思うかもだが、微妙に傾斜していたり、会場が芝生だったりすると濡れるわ、安定しないわで非常に困る。

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大きめのビニールシート

エンデューロ会場では、他の参加者のみなさんと場所を共有する。お互い、節度ある態度で陣地を確保せねばならないのだが、その際にあるとよいのばビニールシート(別名ブルーシート)。

どうせビンディングシューズで歩くことになる(いちいち脱ぐのが面倒)ので、厚手の工事現場で使うようなものがGOOD。四隅を固定するガムテープもあると、風や脚が引っかかってめくれない。

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サイズはなるべく大きめのものを選ぼう。自分は2×2メートルか4×4メートルで悩んだ結果、大きい方にして正解だった。大きすぎれば折りたたんで使えるし、なにげにクッションになって塩梅がよろしい。大は小を兼ねる。

人数分の椅子

BBQ等で使う折りたたみ式の椅子を人数分持っていこう。テーブルがなくても最悪何とかなるが、椅子がないのはとてもツラい。たしかにかさばるし、それなりに重いが、あるとないとでは月とスッポン。地面に座るとリラックスして休めないし、お尻から体温が奪われてしまう。

ペットボトルが差し込めるタイプのほうが便利。あと、椅子はなるべくサイズがたっぷりしているモノにしたい。ちょこんと腰を下ろすだけの簡易版チェアは、長丁場のエンデューロではほぼ役に立たない。背中をどっかりと預けられるタイプがオススメ。

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あと、「常に1人はコース内を走るんだから、椅子の数は”参加人数 - 1 ”でいいんじゃね?」と思ったあなた、なかなか鋭い。しかし、それでもあえて言おう。「人数分あったほうがよい」と。

会場到着から陣地の設営、受付、試走タイム、朝食、開会のあいさつ…等々、到着からレーススタートまでの待ち時間はけっこう間が空くものなのだ。下手すると3時間とか。

たとえば、もてぎエンデューロではこんなかんじ。

  • 6時: 現地到着
  • 7時: 移動、設営、受付完了
  • 7時半: 試走開始
  • 8時過ぎ: 試走終了
  • ~9時: 休憩
  • 9時半: レース開始
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※待ち時間が地味に長い

なにかと全員が揃う回数は多い。そのときに、一人だけ突っ立たなければならないのは気の毒である。椅子は人数分持っていきましょう。

補給食+暖かい食事

何時間にも及ぶエンデューロレースなので、補給食が必要なのはいわずもがな。パン、おにぎり、サンドイッチ、ジェル、お菓子類、バナナなどの果物…あたりが補給食の筆頭だが、エンデューロだと確実に温かい食事が欲しくなる。

カセットコンロを持ち込める会場と火気厳禁の会場があるが、火気の扱いが許されるなら、カセットコンロは大きな助けとなる。コーヒーとかココアを沸かせるし、カップ麺も作れる。

勤務先の仲間と筑波サーキットに出場したときは土砂降りでかなり冷えたのだが、一人が鍋を作ってくれたおかげで生き返ることができた。彩湖でのTOKYOエンデューロでは、なんとビーフシチューを保温鍋に仕込んできてくれてメンバー驚愕。そして万歳三唱。気温が3度とかだったので、身に染みるおいしさであった。

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※完全にプロの仕事…

鍋やビーフシチューを用意するのはベテランの技だとしても、カセットコンロでお湯を沸かすだけで、いろんなことができる。お湯のポテンシャル高し。激しくオススメ。

会場近くのコンビニを当てにしない

エンデューロでの典型的なミスがこれ。「現地近くのコンビニを当てにして出かけたものの、めぼしい食料が棚から消えとる…」ってことがある。みんな考えることは同じなのだ。

前日に食料や水の買い出しを済ませ、車に積んでおくのが望ましい。それが無理なら、会場近くまで行く前に、余裕をもって買い物をしておくこと。会場近くのコンビニに頼ると泣きを見ることがある。

休む間の防寒着

エンデューロで休んでいる間は、とにかく体が冷える。なにしろ本気で踏んで追い込むので、ふだんよりも汗をかく。

冬であればなおさらで、しかも複数人で出場すれば、走っている時間よりも待ち時間のほうが長い。

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※慣れた方々はちゃんと防寒具を完備してる


たとえば3人で30分交代で走ると、、、

30分走る(自分)

30分休む(仲間A)

さらに30分休む(仲間B)

つまり、30分走ったら1時間じっとしていなければならない。それの繰り返し。まあ、談笑しながら補給食を食べたり、他の人のバイクを見て回ったり、コースを見物しているとわりとあっという間に時間は流れていくものだけど、寒いものは寒い。

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※画が雑…

そこで、サイクルウェア以外のフード付きパーカー(保温性の高いモフモフしてる奴)とか、厚手&丈の長いのダウンコート、ひざ掛けブランケット等があると気持ちよく過ごせる。汗を拭くためのタオルも1枚あるとよい。汗に濡れたサイクルジャージは脱いで乾かしておき、その間は別の服で暖を取る寸法だ。

余談だが、エンデューロに参加するベスト人数は個人的に3名だと思う。2名だとせわしなくてろくに休めないし、チーム感がない(笑)。4人だと間が空きすぎて体がなまる。3名が適度に走れて、適度に休める。

3人がそれぞれソロでエントリーするという方法もないわけではない。それをすれば同時にコースを走ることができるが、ほとんど休めないので相当な体力お化けでない限りオススメはしない。

ロック(鍵)

非日常的なイベントの高揚感で忘れそうになるが、鍵は必ず持っていくべき。なぜなら、悲しいことだがエンデューロ会場でも盗難事件は起きているから。

大半の人はロックをかけず、バイクラックに引っ掛けて放置している。クローズド会場であり、周囲は参加者しかいないので「さすがにエンデューロ会場で盗難は起きないだろう」と思うのだろう。自分もそう思っていた。

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ただ、考えてみれば怖い話で、総額何十万円もするバイクが大量に無施錠で置いてあるわけで、どのバイクが誰のものか判別する手段はない。サイクルウェアを着て、何食わぬ顔で他人のバイクを手にとって歩き出しても、周囲の風景に馴染んでしまうので、「白昼堂々と盗難」できてしまうのだ。

(本当かどうかは未確認だが)人づてに聞いた話では、盗難する目的で会場にやってきて、カムフラージュのためにサイクルウェアを着て、高そうなバイクを物色して持ち逃げする輩がいるそうな。会場には防犯カメラもないし、事務局も盗難の責任は取ってくれない(当然だ)。よって、自分のバイクは自分で守るしかない。

個人的にオススメしたいのは、鍵を紛失する心配のないダイヤルナンバーを合わせるタイプ。自分は堅牢さで定評のあるABUSを使っている。ワイヤー錠よりちと重いが、安全には代えられない。

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小さめのサイフ、ポーチ、ジップロック

同じく盗難ネタになるのだが、サイフや貴重品(家と車の鍵、スマホ)を設営場所に放置しておくのは個人的にしたくない。

常に仲間がいる状況であればよいが、トイレにも行くし、応援のためにコースを見に行くこともある。「常に誰かいるようにしようね」と全員でルールを作っておいても、それでも不測の事態は起きる。

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そこで、自分は「ミニサイズのサイフ、カギ類を入れるポーチ、ジップロックに包んだスマホの3点」をジャージのバックポケットに入れておく。終始身につけておけば安心。

愛用しているのはCHUMS(チャムス)のミニサイフ。ポーチは押入れの中でホコリまみれになっていたモノ。なければ100均の安物で充分。

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※コンパクトだけど収納力は充分(サイクリングにちょうどよい)

こぶりなテント

自分は持っていないのだが、「これは賢い!」と思ったのがミニサイズのテント。大人が一人着替える程度のスペースしかないモノでOK。

「あんな小さすぎるテント、何の役に立つんだろ?子供を寝かせておくスペースにしかならんやろ」ってバカにしていたんだけど、風を遮ってくれるので、中はむっちゃ暖かい。荷物置き場としても便利。さらに、折りたたむと超コンパクトになる。これはひとつ持っておいてもいいなと思った。

屋外での着替え場所に困る女性にも便利であろう。そんな使い方もできそうだ。

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※待ち時間は寒い

以上のことを考えると、自走でエンデューロに行くのはなかなかシンドイ。車移動がベストであろう。もしくは、だれか一人は車で荷物運搬係がほしい。

誰も車がない!という場合はレンタカー。ハイエースとかキャラバンであれば、ホイールを装着したままで5台並べて積めることができ、その他の荷物を詰め込んでも余裕がある。ハイエース最強。

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※がんばれば6台はいけそう

傷防止のため、バイクとバイクの間に差し込むダンボールは差し込みましょう。走行中にけっこう揺れるので。繊細なリアディレイラーにダンボールが当たらないよう、フレームとフレームの間に差し込んでいく。ペダルがフレームに接触しないようにも注意しましょう。


以上、エンデューロレースを楽しむために準備すると良いものとかコツのまとめでした。エンデューロレースはシーズンを通して各地で行われている。

出場の際の参考にしてくださいませ。