2015年8月にカンパニョーロのシャマルミレ(SHAMAL MILLE)を購入して、ちょうど19ヶ月になる。

7,000キロ走行して、初めてブレーキシュー交換をした。リムがプラズマ電解処理されており、通常のアルミリムよりも頑丈とのことなので、もっと早くにシューがダメになるかと思っていたけど、予想をはるかに超えて持ってくれた。

54

ということで、久しぶりにロングタームインプレッションをば。

>> ロードバイクのホイールを、ゾンダから『シャマル ミレ』に交換して興奮しています

>> シャマルミレ(Shamal Mille)で100キロ走ってきたので、インプレッションするよ(シェイクダウン編)

>> カンパニョーロのアルミクリンチャー、「シャマルミレ」で2,000キロ走ったインプレッション

前後のブレーキシューがでキレイになくなった

シャマルミレの購入前は、「ブレーキシューが早くなくなるっぽいよ、消耗が激しいらしいよ」と各方面から聞かされていたが、そうでもなかった。

11
※キレイに溝がなくなりました

シュー単体の価格も、シマノのそれに比べて2倍弱くらいするので、「速攻でシューが磨耗したら堪忍やで…」と戦々恐々としていた。そのことがあったので、嬉しい誤算であった。

雨天で走行したことはエンデューロでの数回だけ。そこそこ山にも行っているし、下りも走っているが、長持ちするって印象だ。まあ、三本ローラーでそこそこ距離稼いでるけど…。

リムは完全な無傷

シャマルミレの購入を決意した、機能面での大きな理由が、「リムが長持ちする」ことだった。

42
※シャマルミレのリム面はまったくもってキレイ

フツーのアルミリムは、使っているうちにリム面に髪の毛のような細い(とか溝)ができてしまう。シューが当たる部分が劣化していくんですよね…。まあ、そのように設計されているからであって、自然の摂理なのだが、ホイールを掃除しているときにキズに気づき、「アゥゥゥゥ…」と悲しい気持ちになることはそれまでにあった。(ゾンダを使っていたころ)

32
※ゾンダです

シャマルミレにはそれがなく、まるで新品のよう。前後のリム面を入念にチェックしたが、目視できるキズはない。19ヶ月使って、ほとんど劣化らしい劣化が見当たらない。リムが守られるなら、ブレーキシューが多少早く削れても構わない(まあ、それも起きていないのでなお良しである)。今後も、リム面の劣化は注視していこうと思う。

雨天時の制動力は2割増し(アルミリムに比べて)

雨天でもブレーキが効くという触れ込みのプラズマ電解処理されたリムだが、実際にどうだったか。結論からいうと、多少の雨天であれば、制動力はアルミリムよりはよい。

感覚値でしかないが、シャマルミレが10だとすると、ゾンダ(アルミリム)が8といったところ。「うおぉぉぉ、すげぇぇぇぇ」って感じではなく、「ほほう、たしかにちょっと効きが良くなるぞ」くらいの印象。

24
※左がシャマルミレです

とはいえ、2割の制動力は助かる。とくに感じるのが、下りでのコントロール性の差だ。指先にあまり力を入れなくても、十分に減速でき、快適に下ることができる。

あとはロングライドですね。ブレーキ操作にかかる握力が軽減されるおかげで、終盤になっても手首が疲れないのだ。

ガツンと効く!というよりは、見えないところでジワジワ効果がある…印象である。

しかし、豪雨ではプラズマ電解処理リムもへったくれもない

リムがちょっと濡れている…くらいであれば効きが良いシャマルミレではあるが、豪雨だと関係ない。びっくりするほど制動力は落ちる。まあ、これはキャリパーブレーキ共通の限界なので、シャマルミレ云々の話ではない。

「やはりディスクブレーキとは違うんだな」と思った。

これまで、富士スピードウェイ、ツインリンクもてぎ、筑波サーキットのすべてで雨天走行を経験したのだが、豪雨だとどうこう言ってる場合じゃない。もはや関係ない。

47 HDR
※雨降りしきる富士スピードウェイにて


>> 土砂降りの雨の中、筑波サーキットで8時間耐久レースに参加した

>> 富士スピードウェイで、雨天時のエンデューロを安全に走るコツを教わってきた


感覚値で申し訳ないのだが、こんな感じだろうか

  • 乾燥路:10
  • 小雨:8〜9
  • 豪雨:4〜5

豪雨だと半分になる気がした。それを最も感じたのが富士スピードウェイのエンデューロでの下り。いつもの感覚でブレーキしても、タイヤが回転してしまう。

ここは(その気になれば)時速60キロ出せるほどのストレートがあるのだが、雨天でそんなスピード出す自信がない。むしろ、車間スペースは多めにとって走るよう心がけた。

30
※筑波サーキットにて

筑波サーキットではさらにひどい雨で、視界が遮られるほどの視界のなかをヤケクソで走った。ここは平坦基調なので怖さはあまりなかったが、コーナリングの減速にはかなり気を遣ったね。

結論: プラズマ電解処理リムを過信してはいけません


シャマルミレの所有欲は高い

19ヶ月使っていても、全然飽きないし、デザインも大満足している。正直、他に欲しいアルミクリンチャーホイールはない。ずーーーっとシャマルミレでいい。

1,400グラムとアルミのクリンチャーとしてはほぼ最高峰の軽さ。(カーボンチューブラーと比較したらダメよ)

硬い(&ロングで疲れやすい)と言われるシャマルミレだが、じつはゾンダのころと疲労度はまったく差がない。ゾンダはスチールのスポークのおかげでロングライドも快適〜という話はよく聞くし、それは事実だと思う。

18

が、自分はシャマルミレの反応の良さ、シャキッとした感じが好きで、不快感はない。ホイールそのものの硬さは、カーボンフレームがいなしてくれているような気がする。

「ロングライドで、シャマルミレとゾンダのどっちが快適か?」と聞かれたら、自分は「どっちも大差ないが、強いて言うならゾンダ」と答える。

「じゃあ、上りや下りではどうか?」と訊ねられたら、「圧倒的にシャマルミレがよい」と自信を持って回答する。硬さ=反応の良さで、とくに登りはシャキッとしている。しっかりと力をかけて登れる印象。下りの安定性もすこぶるよろしく、安心して下れるのだ。

ただ、ホイールの印象は個人差が大きい。同じシャマルミレに乗る知人は「硬いわ~」って言うし、「同じなわけないじゃん。ゾンダのほうがぜんぜん快適やろ?」とも言われる。自分のお尻が鈍感なのかもしれない。

シャマルミレは、チョコで完全に覆われたポッキーである

低めのリムハイトのせいで横風の影響もほぼなくて、オールラウンダーと呼ぶにふさわしい。性能は大いに満足しているが、デザインの満足度はそれ以上に高い。

太くて存在感あるアルミスポーク、G3の2:1:2:1:2:1……の独特な組み方、リムの先までひたすら黒一色の高級感ある佇まい。ポッキーにたとえると、全部チョコで覆われているかんじ。じつに美味しそう。

39

ホイール購入前の方へも自分からのアドバイスは、「惚れたホイールを買え!」に尽きる。妥協しないこと。すると必ず飽きる。他人のホイールに目移りする。そして遅かれ早かれ浮気することに…。

ホイール購入の相談をロードバイク好きな人に相談すると、まるで自分が買うかのように張り切ってアドバイスをくれたり、検索しまくってこれがいいだの、あれはやめておけだと、それはそれは消化しきれないほどの情報が降ってくる。

それはたしかにありがたく、貴重な情報ではあるのだが、惑わされすぎてはいけない。他人がどんなにオススメしても、ピンとこないデザインであればパスするべし。「最終判断は自分の趣味嗜好で決める!」という砦は守ろう。

それくらい、ホイールでロードバイクの印象は変わってしまう。激変といってもいい。

30
※ゾンダくんはまだ生きてます

なお、もともと履いていたゾンダ(Zonda)は、お世話になっているショップのKくんの愛車で余生をおくってます。もう使ってはいないけど、ゾンダは間違いなく良いホイールです。プロが練習に使うホイールとして、広く知られている。「初めてホイールを交換したいんだけど。予算は5~6万円かな~」って人にオススメしてる。

最近では、「亀が無理してロードバイク乗ってみた」のきっかさんも、購入したそうだ。

現行モデル、「シャマルミレ C17」はワイドリム化しているので、25Cが履けるタイプだ。タイヤの幅の選択肢が増えたのは嬉しいニュースである。

16 HDR


以上、カンパニョーロのアルミクリンチャーホイール、「シャマルミレ(SHAMAL MILLE)」のロングタームインプレッションでした。

引き続き、愛用します…。\(^o^)/