初めてロードバイクを買おうと思っている方は、当然ながらカーボンも視野に入れているだろう。カーボンも価格もアルミと大差ないほどこなれてきているし、手の届きやすい価格になっている。


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※BOMA の Refale はフルカーボンです

が、カーボンの心配は価格以外にもあって、それは「耐久性」。


アルミやクロモリよりも経年劣化が早いんじゃ?

輪行のときに、何かに接触してフレームにヒビが入ったりしないかな

デリケートな素材だから、繊細な扱いをしなくちゃいけないのかな


という不安がきっとあるはず。


自分もまったく同じ不安があって、必要以上にカーボンに対してビビっていた。フルカーボンのロードバイクに2年半乗った経験(何度も輪行したし、3回立ちごけもした)から言うと、カーボンでぜんぜん問題ない。


その不安は、海外のサイクリストも同じのようで、カーボンへの誤解や偏見があるようだ。


それを打ち消すためにGlobal Cycling Network が作った「カーボンファイバーに関する、あなたが知らない7つの事実」という動画が勉強になったので、翻訳してお届けしよう。


7 Things You Didn't Know About Carbon Fiber





1.体重が重い人でも、カーボンは使える

体重が重いからといって、カーボンフレームを諦める必要はない。カーボンフレームは、素材の特性上、設計方法や強度が確保が自由自在。当然、スーパー軽量なフレームは強度が落ちてしまうが、重い人であっても問題ないように作られたフレームであれば心配ない。


購入の際は、(カーボンだとかアルミだとかの素材に関係なく)体重制限があるかないか、あったとしたら自分の体重が収まる範囲かは必ず確認したほうがいい。

※体重制限のあるアルミバイクも存在するし。


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2.すべてのカーボンフレームは、5つの製造拠点に集約される

どこの国のなんというメーカーかは動画内では明言していなかったけど、間違いなく入ってくるのがジャイアントとメリダではないだろうか。


このへんの話はロードバイク好きなら割と常識で、欧州の有名ブランドのフレームが、実は●●●●社の製造だとか、このグレードまでのは国外で、上級モデルのみ本国生産している…という話はふつうに耳に入ってくる。


もちろん、メーカーが5つだからといって、エンジニアリングやコストのかけ方は異なるので、十把一絡で同じクオリティということはない。


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3.係数の高いカーボンだから質が高いわけではない

BOMA の Refale を買う2014年1月以前にカーボンについて調べ始めたころは、「係数(モジュール)が高ければ高いほど、良いフレーム」という思い込みがあった。


「なんかよくわからんけど、モジュールとやらが高い数値のフレームを選んでおけば幸せになれるのだろう」という考えが間違いということに後々気付かされて、自分にマッチしたフレームを選ぶことができた。


Global Cycling Network によると、「高いモジュール=硬さ(&軽さ&高価)」と言い表すことができるそうな。


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解説しているサイモンさんは、


メーカーは”ハイモジュールの高性能なフレームですよ!”というマーケティングメッセージを消費者にぶつけてくるけど、それに惑わされないように。フレームの良し悪しは、カーボンの組み合わせ次第で決まるんだから


カーボンの組み合わせで、軽さ、硬さ、快適性、耐久性が決まる。高いフレームや、係数が高い(そして高価な)フレームが無条件で素晴らしいフレームってことではない


と話している。これは自分も同意。


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※ タイレル(Tyrell)のCSI はシートステーとチェーンステー、フォークがカーボンです


4.ラジエーターの近くにカーボンバイクを置いても壊れはしない

これは海外での都市伝説なのかもしれないけど、「カーボンバイクをラジエーターに立てかけると溶ける」という噂があるらしい。(自分は初耳)


しかし、「その心配はない」とサイモンさん。


カーボンはラジエーターよりもはるかに高熱で形成&生成させるので、カーボンにダメージが与えられることはないそうだ。


「ただ、だからといって電気ヒーター等の高熱を発するモノに大切なカーボンフレームを寄りかからせる行為はあまり好ましいものではないので、なるべく大切に扱ってあげてね」とのこと。


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※高価なバイクは、立てかけるときに「倒れないかどうか」をむっちゃ気にする(笑)


5.日光でカーボンは劣化しない

これは自分も知らなかった。理論上は、長時間の日光に晒されると、カーボンを結合しているレジンが影響を受けて劣化してしまうのだそうだ。


ただ、そこはカーボンメーカーもわかっていて、今ではUVカット仕様のレジンが使われている。


よって、ほぼ一生涯乗れるそうである。これはうれしいニュースだ。


6.カーボンは修理可能である

サイモンさん自身も「このことを受け入れるにはけっこう時間がかかったんだけど」と前置きしているが、カーボンフレームは修理して乗ることができるそうな。

まあ、ダメージの程度(&箇所)によっては、修理するのすら危険なので買い換えたほうがいいって場合もあるだろうが、修理OKのケースもあるので、破損したフレームを乗り続けるべきか否かを悩んでいる人は、ショップやメーカー等のプロに相談してもいいかも。


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7.アルミに比べて、カーボンがより危険ということはない

金属のほうがなんとなく堅牢で安全というイメージがわく。しかし、どんな素材も限界というものがあって、それはアルミもカーボンも同じ。


アルミだからより安全だとか、より信頼性が高いと決めつけるのは正しくない。


個人的にうれしかったのは、5番目の「カーボンは日光(紫外線)でも劣化しない」だった。てっきり、「10年もてば御の字なのかなあ…。いやいや、10年どころか、5年でおシャカになってしまうのかなあ…だとしたらイヤだなぁ」と思っていたからだ。


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まあ、さすがにひとつのカーボンフレームに一生涯乗れることは期待していないし、そもそもどこかのタイミングで新しいフレームが欲しくなると思うけどね。


というわけで、カーボンフレームを買おうかどうか迷っている人の後押しになれば幸いです。