サイクリングのトレーニングって、カンタンなようで難しい。


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(´・ω・`) 「何を参考に、どう始めればいいのか?」

(;´Д`) 「もしかして、自分の見聞きした方法がは違っているのでは?」


と考えることもしばしばではないだろうか?


一見、ただペダルを回すだけの行為なのに、ハマればハマるほどその奥深さに気が遠くなってしまう……。それがロードバイク(の楽しさ)だ。


なにしろ、(そこそこ流行っているとはいえ)サイクリングはまだマイナースポーツだし、トレーニング・ノウハウも分散しているし、知識が豊富な仲間が都合よく周囲にいてくれるとも限らない。


いつもお世話になっているGlobal Cycling Network で、役に立つ動画を発見した。その名も、「Top 5 Training Myths - Old Advice You Need To Ignore! (無視してもかまわない、ロードバイクトレーニングに関する古い神話)」である。


これは渡りに船とばかりに視聴させていただいたので、翻訳しつつご紹介します。


誤解その1.レース前に、レースと同じ距離を走りこんでおく

こういうセリフはたしかに自分も聞いたことがある。100キロ走るためには、事前に100キロ走っておかないと、完走できないのではと心配になる気持ちもよく分かる。


マラソンでも、「42.195キロ走ったことがないので、フルマラソンを完走する自信がない」といった、似た話は聞くしね。



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自分も100キロライドを実際に走り切るまでは、「自力で100キロ移動するなんて、馬鹿げている。途中でガス欠になるに決まってる。その場合は強制輪行することになるぞ……」とドキドキしていたんだけど、結果的にまったくの杞憂だった。


Global Cycling Network は、「(100キロとか)長距離を走れるかどうかを判断するために、同じ距離を走っておく必要はない」と言っている。それよりも意識すべきは、”持久力”のほう。


つまり、「ある負荷の運動を、何分続けられるか」で判断すればよいとのこと。たとえば2時間高負荷なマジレースに出場するなら、2時間その運動を維持できるか。4時間かけてマイペースに80キロ走るのが目的なら、マイペースな運動を4時間続けられる体力があるかどうか、で判断できるとのこと。


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ちなみに、アスリートでもなんでもないオクサマを例にすると… ※ダホンのミニベロ(ボードウォーク)


ミニベロを買った直後

「20キロなんて走れるのかしら…だって、フルマラソンの半分の距離よ?」 >> 難なく走れた

3ヶ月後

「40キロ……いくら自転車とはいえ、フルマラソンに匹敵する距離を走るのは無謀だと思うの。だって、もうアラフォーよ?」 >> あっさり走れた

半年後

「80キロ!? さすがにそれはやめておきましょう。危険すぎるわ。体力が切れてしまったらどうするの?翌日の仕事に差し障るわ」 >> 心地よい疲労とともに、よく眠れた


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というかんじ。


誤解その2.低負荷のトレーニングがもっとも脂肪燃焼する

これまで、さまざまな調査で、「低負荷のトレーニングが、脂肪燃焼にはもっとも効率的」と言われてきたし、そういった話はあちこちで耳にしてきた。


が、Global Cycling Network によれば「高負荷のトレーニングのほうがより多くの脂肪燃焼が可能」とのこと。もちろん、高負荷のトレーニングを長時間はできないが、短時間でも十分に脂肪燃焼できる。


加えて、代謝率が向上するので、さらに効果的に痩せられるそうだ。


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てっきり、「高負荷のトレーニングは炭水化物ばかり消費して、脂肪は燃えない」とばかり思っていたので、こればありがたいニュース。


誤解その3.食べることは、悪いこと

プロサイクリストはほっそりした体形なので、さぞかし食べる量を制限しているのかと思うかもしれないが、事実は逆。


プロはしっかりと栄養計算されつくした食事を採っている。よって、彼らの体形だけを見て、「食べる量を抑えよう」と考えるのは間違い。


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サイクリングを始めてわかったことは、「これほどお腹の空くスポーツはないぞ」ということ。栄養補給をちゃんとしないと、とてもではないが続けられない。よって、しっかりと食べる=正しいこと、だ。(もちろん、ジャンクフードはダメよ)


誤解その4.”円を描くように”ペダリングするべき

ペダリングをスムーズに、力を均等に使って真円を描くようにキレイに回すことは、サイクリングにおいて『聖杯伝説』くらい正しく、ぜったいに否定出来ないものだと長年信じられてきた。


しかし、近年の調査によれば、「ダウンストローク(ペダルを踏み込む動き)」と「アップストローク(ペダルを引き上げる動き)」での力量は必ずしも一致しないとされている。もちろん、プロサイクリストもそうだ。


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ちょっと考えればその通りで、踏み込みは大きな筋肉を使うし、引き上げは小さな筋肉を使う。よって、常時同じパワーを発揮しようとする行為は人間の筋骨格にマッチしていない。


カンタンに言うと、踏み込みはやや強めに踏み、引き上げはやや力を抜く、ように意識すればいいのだ。


ただし、べつに踏み込み時に「たくさん力を出そう!」と気負って必死にペダルを回す必要はない。


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※ちなみに、ローターの楕円リングは絶妙に力が入れやすく、真円タイプよりもむしろ気に入っている。


誤解その5.ゆっくり長時間走れば、基礎体力がつく

これも長年信じられてきたコトだが、実際は違うそうで、むしろ「ゆっくりしか走れない身体になってしまう」というマイナス効果がある。


ゆっくり走れる身体をつくりたいのならこれでもよいが、(レースに出るなど)ある程度のスピードを維持できるようにしたいなら、「速く走る」ことで身体に教え込む必要がある。


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以上、「Top 5 Training Myths - Old Advice You Need To Ignore! (無視してもかまわない、ロードバイクトレーニングに関する古い神話)」でした。


自分は人と速さを競う競技系なサイクリストではなく、「マイペースで走って、景色を見たり、食事を楽しむ系」のまったりサイクリストではあるが、それでも十分役に立つ情報であった。皆様のお役に立てれば、幸いである。