2014年の5月にフィアットのパンダを購入し、1年10ヶ月ほどになる。

それまではフォルクスワーゲンのポロに7年ほど乗っていたんだけど、いろいろあって買い替えとなったのだ。


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そのときの顛末はこちらにまとめました。

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先日、パンダの走行距離が2万キロを越えたので、久しぶりにロングターム・インプレッションを書いてみよう。


結論から書いてしまうと、パンダには大満足していて、ほぼ欠点が見つからない。メカトラブルもないし、相変わらず快調に走る。


日常から週末、さらには輪行時の脚として活躍する、我が家の素晴らしい相棒である。


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以下、2万キロ走って感じたことのまとめ。

フィアットパンダの『ここが(・∀・)イイ!!』

ボディの軽さ&加速

車重が1,070kgと、マツダの現行ロードスター(4代目)の6速ATアクティブマチック・レザーパッケージの1,060kgとほぼ同じ。

もちろん、動力性能は大きく水を開けられているけど、軽いことで加速もいいし、ブレーキもよく効く。パンダのリアはドラムブレーキだけど、不足感はないね。


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たったの85馬力なので、マックスパワーは大したことはないのだが、そういったカタログスペックが気にならないくらい、イメージした通りに走る。高速道路も無問題。あと、ツインエアターボがあるのと、低速トルクがしっかりとかかるのも走りの良さに寄与していると思う。


シングルクラッチのATが、呼吸しているように変速する

パンダは、シングルクラッチのATという、一風変わったメカニズムを採用している。いまはダブルクラッチの車もふつうにあり、シングルクラッチは比較すると「しょぼい」メカになる。


シングルクラッチとは、従来型のマニュアルトランスミッションとクラッチの操作を自動化したものだ。クラッチを切って変速し、それが終わってからクラッチをつなぐので、変速に時間がかかってしまう。


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一方、デュアルクラッチは、トランスミッションが偶数ギアと奇数ギアにわかれており、それぞれにクラッチがついているような構造だ。


(メカニズムを完全に理解しているわけではないが)ひとつ先のギアのクラッチがあらかじめ選択され、クラッチが切られている状態で待機している。よって、クラッチのつなぎ替えが素早くできるのだ。


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※メルセデスのスマート・フォーフォーも、よかったですよ。



デュアルクラッチを使ったメルセデスのスマート・フォーフォーを試乗させてもらったとき、ギアのつながりの良さには驚かされた。パンダと比較すると、圧倒的にスムーズでショックが少ない。メカとして比較したら、そりゃデュアルクラッチのほうが問答無用で優れている。


でも、(アバタもエクボ理論で)パンダの「生き物が呼吸するかのように」変速する5速のシングルクラッチATのほうが、なんだか付き合いやすい。


変速する瞬間にアクセルを抜いてショックをなくす……という動作も、パンダを運転する楽しさの一部と化している。


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ただし、完全にオーナーの贔屓目が入っているので、クラッチの件は話半分にしておいてください(笑)。


耳に優しい、2気筒エンジンのサウンド

好みの問題もあるが、大半の人はパンダのエンジン音にまず驚き、そして「心地良い」と感じてくれると思う。

購入前にオクサマが初めてパンダに試乗したとき、「国産だったらありえないエンジン音のうるささに萎えた」と口をとがらせていたが、じきに「かわいい音だから、許す(笑)」と言ってくれた。


自分は初めて試乗したときから一貫して、パンダのツインエアーのエンジン音がたまらなく好きである。


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ロードバイクの積載能力が侮れない

全長3,655mm、全幅1,645mmのコンパクトカーに、2台のロードバイクのフレームとホイール4本が問題なく入るのは、驚きではないだろうか。


それを可能にしているのが、1,550mmもあるMPV風の全高のおかげ。


この高さのおかげで、リアシートにフレームを垂直に置ける。箱のようなトランク形状も秀逸で、ホイール2本が縦に収まる(4本はムリ)。


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リアウィンドウが寝ているスタイリッシュなワゴン車とかハッチバック車だと、こうはいかず、ナナメに寝かせる必要があり、ひいてはデッドスペースが生じてしまうのだ。


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※CX-3(マツダ)のトランクには、ホイールが縦に積めなかった。



前後長は短いけれど、縦方向にスペースがあるのは、(ロードバイクの積載に限定されるが)じつに使い勝手が良い。あと、ミニベロも1台なら、リアシートを倒さずにすっぽり収まるよ。(もう1台はリアシートに乗せてしまえばOK)


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つまり、2人で2台のバイクでお出かけするなら、パンダでなんの問題もないのだ。もちろん、リュックやシューズやヘルメット等の装備のスペースも確保できている。

トランクスペースには、一度も不足したことはない。(キャンプとかBBQとかしないので)


ちなみに、自分は(乗ったことはないけどイメージで)ルノーのカングーのキャラクターとシルエットが好み。ただ、惜しむらくは「デカすぎる」こと。※全長4,280mm、全幅1,830mm、全高1,810mm


パンダはミニ・カングー的な使い方ができる、ちょうどよいサイズ感の車と言ったら、褒め過ぎだろうか?


シートの快適性、適度な硬さ、しっかりしたヘッドレスト

パンダに初めて乗り込んだ瞬間、「うわ、国産では味わえない、しっかりしたシートだ。200万円以下のコンパクトカーだからといって、シートの手を抜いていないなぁ」って思った。


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これまで、ゴルフ、ポロとドイツ車を乗り継いできたこともあって、シートには妥協したくない派なのだ。(ドイツ車好きな方って、シートの良し悪しをすごく重視する印象がある)


ドイツ車のシートはがっちりしてて、パッドも硬め。それにくらべてパンダのシートは、肌触りは柔らか。ただし、体重を預けると、コシがあってしっかりと身体を受け止めてくれる。体重に負けて、フニャっとなってしまうことがない。


この辺は、国産のコンパクトカーと明らかに異なる。2万キロになるけど、シートのヘタリは感じない。


あと、後席のヘッドレストも頭部までしっかりと伸びてくれるのもマル。


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シートに手を抜いた車の中には、「追突されたときのリアパッセンジャーの後頭部のこと、なんも考えてないのでは?」って心配になるほど造りがペラペラだったり、悲しくなるほど長さ&高さが不足しているチャチなモノもあるけど、パンダはその点も大丈夫。


身長173センチの自分が座っても、頭部全体が充分にカバーされる長さが確保されていて、安心できる。使わないときは下のように収納できるので、運転中の後方視野も確保できる。


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※シートそのものも、すごく快適(見た目は大したことないけど)

国産ともドイツ車とも違う、独特のパンダのシート。他のイタ車のことはわからないけど、パンダの前席も後席も、すごく満足しているね。


やや高めのアイポイント&スムーズな乗降性

セダンやハッチバックよりずっと高いアイポイントのおかげで、ポロよりも圧迫感が少ない。これはオクサマもすごく気に入ってくれている。彼女は身長148センチと小柄なせいもあるだろうけど、彼女にはちょうどよい見晴らしのようだ。

こないだホンダのオデッセイと駐車場で並んだときに目線の高さを見比べてみたんだけど、パンダの方がやや高かった。まあ、パンダはミニバン程度のアイポイントがあると思ってもらえばよいだろう。


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あと、乗り降りもすごくしやすい。ワンボックスのようなよっこらせって感じで登ることもないし、セダンのようにかがみ込みながら潜るように入こむこともなく、お尻を横にスッとスライドさせる感じで乗降できる。


小柄なオクサマ的には、「ほんの少しだけ、よっこらせ感があるけど」とのことだ。まあ、ふつうの体格の方であれば問題はない。


フィアットパンダの『ここが(´・ω・`)イマイチ…』

ショッピングモールの立体駐車場の坂でギクシャクする

個人的には100点をあげてもいいくらいのパンダであるが、欠点をまったく挙げないのもナンなので、しいて問題点を挙げるとすれば……急な坂でATがギクシャクすることくらいだろうか。

ショッピングモールの急な立体駐車場の坂を登るとき、だいたい2速で登って行くんだけど、このときのATがかなーりヒョコヒョコと不安定な動きをする。


まあ、「おりゃ」とアクセルを踏めば、ブーーーーンと唸って走ってくれるんだけど、パンダのATは「ゆっくりと登るのが苦手」なようだ。


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コレ以外には、いろいろと考えてみたんだけど、不満点が見つからない。個人的なパンダの評価は、『97点』かな。大切にメンテして、まずは10万キロは乗り続けたい。


フィットやヴィッツとかキューブとかノートとかデミオ等の国産コンパクトカーをご検討中の方がいらっしゃったら、騙されたと思ってフィアット・ディーラーで試乗してみていただきたい。

もしかしたら、一目惚れしてしまうかもしれないよ(笑)。