タイレル(Tyrell)のCSI 購入を機に、ついにデュラエース(ワイヤーの方)に手を出してしまった。

自分のようなエンジョイ系まったりサイクリストが、自己満とはいえ世界トッププロが使う機材を使うわけで、畏れ多い行為のようにも思える。


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タイレル(Tyrell)のCSI はまだ10キロも走らせていないので、しっかりしたインプレッションは書けないのだけど、ひとつだけ確信を持って断言できるのは、「デュラエース、マジですごい」ということ。


フレーム云々より先に、コンポーネントのその緻密かつ正確無比な動きに心を奪われてしまった。なんだこれわ……。


BOMAのリファール(refale)の6800系アルテグラには丸2年乗っており、その操作感はよくわかっている。これまではアルテグラの変速性能になんの不満もなく、ブレーキの効きも秀逸だと感じていた。


だが、デュラエースは悠々とそのレベルを越えていってしまった……のが正直な印象だ。


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シフトストロークが短すぎる(いい意味で)

衝撃を受けたのが、シフトストロークの短さ。シフトダウン時のストロークの深さは、メーカー発表によれば、デュラの前作(7900系)よりも30%減。シフトアップに要する力は、前作(7900系)よりも47%少なくて済むそうなんだけど、アルテグラと比較しても明らかに違う。


とくに、シフトダウンに要するレバーの動きが、9000系デュラエースは短すぎるのだ。もちろん短い=GOODである。


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この操作感を文字で表すのは困難なのだが、アルテグラは「ヨイショ、ヨイショ」とシフトダウンするとしたら、デュラエースは「ヨイ、ヨイ」くらいのシフター移動で変速してしまう。


え!?もうチェーンを持ち上げてシフトダウンしちゃったの? まだそんなに指を動かしていないのに、速い!速いよ!」って感覚だ。


いままでハッキリと意識したことはなかったが、アルテグラでは手の甲を少しだけ内側に曲げて押しこんでいた。それに対し、デュラエースは指先だけの軽いタッチで変速できる。


「そうはいっても、感覚的なものであって、実際の移動距離はミリ単位でしょ?」と思うかもしれない。自分も自分の感覚を疑った。そこで、リファール(refale)とCSI を並べて、それぞれを入念にシフトアップ&ダウンを繰り返してみた。


そして、疑念は確信に変わった。


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デュラエースのシフトの移動量は、目で見てハッキリ認識できるレベルで違う。ミリ単位どころではない。トン、トンとタップするだけで面白いようにシフト操作ができてしまう。


2012年10月のサイクルスポーツの記事で、前作と今作のデュラエースのデュープな比較がされている。さすが専門家はこんなにも細かくチェックができるんだと舌を巻いた。

  ↓

安井×ナカジが熱く語る! 9000系デュラエース対談


カスタマイズ欲がピタッと消えた

まだろくにデュラエースを味わっておらず、もっぱら自宅で飾って、ニヤニヤ眺めるしかしていない。デュラエースを手にしてしまった今の心境を表すと、「自転車物欲がスコーンと雲散霧消してしまった」よう。

タイレル(Tyrell)のCSI というかなり高級なフレームまで手に入ってしまったので、なおさらかもしれない。憧れだったデュラエースを好きなだけ触れる、乗れるってなったしまったので、何かパーツを買いたいとか、カスタマイズしたいって気持ちにならないのだ。


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ミニベロはカスタマイズが醍醐味で、自分の好きなパーツに少しづつアップグレードさせていくのが楽しいのに、タイレル(Tyrell)のCSI はすでに「上がり」状態。どこもいじる必要がないのだ。うれしいような、ちょっぴり寂しいような、複雑な気持ちである。


前置きが長くなってしまったが、最近つくづく思うのは、人はどのコンポーネントを買うべきなのかということ。


コストパフォーマンスを重視するなら105

いちおう、105、アルテグラと経験してデュラエースに到達してしまった自分の個人的な意見として述べさせてもらうならば、コストパフォーマンスで選ぶなら105をオススメしたい。105とアルテグラの差はかなり縮まったという声もよく聞くし、それは事実だと思う。

とりあえずロードバイクを初めてみたいけど、趣味は他にもあるし、なるべく価格は抑えたい」という方なら、105でまったく文句はないはず。充分に快適なロングライドができるし、操作感に不満を持つことはないだろう。


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※オクサマのボードウォークには105(10速)を使っていましたが…


車で言えば、105はフォルクスワーゲンのゴルフに相当する。質実剛健で信頼感のおける、安心&定番のマシンだ。消耗品価格も抑えられており、お財布にも優しい。


ちなみに弟が「ティアグラをいつか交換したい」と言っているが、彼には105を勧めている。


趣味としてロードバイクと付き合うなら、アルテグラ

ただ、「趣味としてロードバイクと付き合いたい、ワンランク上の走りを味わいたい」方であれば、迷わずアルテグラを推す。いくら差が縮まったといっても、そこはやはりちゃんと上下関係は存在する。

やはり、アルテグラはワンランク上質な操作感とブレーキフィールを約束してくれる。操作そのものは105でも正確にパシパシと決まってくれるが、歴然と違うのはひとつひとつの操作の軽さ。


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※ボードウォークは、2015年末にアルテグラ(10速)にアップグレードしました


数キロしか走れない試乗会では差がわからなくても、50キロ、100キロ走ると差がわかる。軽い操作は正義であり、快適性に大きく影響してくるのだ。

車で言えば、アルテグラはBMW3シリーズだろうか。(運転したこと無いので、イメージです)


いくらゴルフが洗練された、輸入車ベンチマークといっても、それは入門用コンパクトハッチバックというジャンルにおいての話であって、BMWとは住む世界が(似ているようで)ちょっと違う。単純な速さとか、馬力云々とかではない、走りの質の差がそこにはある。(くどいようですが、BMWを運転したことは無いので、イメージです…汗)


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105とアルテグラの二択で悩んでいるのであれば、思い切ってアルテグラに飛ぶことをオススメしたい。


趣味に投資できるアラフォー以上なら、いきなりデュラエース!でOK

さて、ではデュラエースは誰にオススメするか?

おいそれと購入を推奨できる価格でないので、気軽に人に勧めはしないが、あえて言うなら「40歳以上で、それなりに趣味に投資できるオジサン」だ。


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40歳を越えてからのロードバイクは、きっと生涯の趣味になると思う。若者と違い、40歳以上のオッサンが元気にロードバイクを乗り回せる時間は長くない。


それは、単純に残された寿命という意味もあるし、仕事や家族対応に忙しくて乗る時間がなかなか確保できないという意味でもある。


だからこそ、40歳以上のオッサンにはデュラエースを激しくオススメしたい。105、アルテグラと順番に上がっていくのもいいのだが、そのペースだとデュラエースにたどり着く頃には50歳になってしまう。


その年齢になって、「デュラエースってこんなにすごかったの?もっと前から使っていればよかったわ~」って後悔するよりも、体力と気力のある40代のうちに味わってほしい。


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日本人男性の平均寿命は80.5歳(厚生労働省)だ。

つまり、40歳は男性にとって人生の折り返し地点。残りの40年、ずっとロードバイクに乗れるわけではない。常識的に考えて、60代前半くらいまでが、楽しくロードバイクに乗れるタイムリミットではないだろうか。


70代でも楽しまれていらっしゃる方もいらっしゃるが、すべての人がそうである保障はない。であれば、最初からデュラエースを選んでしまってよいのではないだろうか。


デュラエースは、車で言えばアウディA6とか、メルセデス・ベンツEクラスに相当すると思う。(運転はおろか、乗せてもらったことすら無いので、完全に想像ですが…滝汗)


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生涯、自分はメルセデス・ベンツもアウディも縁はないって自覚しているけど、ワイヤーのデュラエース(20万円)なら、がんばって貯金すればなんとかなるレベル。


20万円は、自転車コンポーネントって考えるとすごく高価。でも、外車の19インチホイールを新調すると、20万円くらいになるもんね(ホイール1本が5万円とか)。そう思うと、「デュラエース…ありだな」って思えてくるから不思議なものだ(笑)。


引き続き、デュラエースのインプレッションは書いていきますね。