自転車で走るという行為には、常に事故の危険がつきまとう。危険性をゼロにすることはできなくても、限りなく低くすることは、個人の努力で可能だ。

Global Cycling Network の動画に、「サイクリングにおける、路面の危険物の見つけ方とその対処法」を解説する動画がアップされていたので、翻訳してご紹介しよう。


こういう情報は、国に関係なく役に立つはずだ。

How To Deal With Hazards On The Road | Ridesmart





道路の穴、マンホール、グレーチング

もっともひんぱんに出くわすのが、「道路の穴、マンホール、グレーチング」の3つだ。パンクやスリップ転倒の原因になるので、避けて走ろう。そのためには、視界を広くとる必要がある。


ひとくちに視界を広くと言っても、具体的に何に意識すればいいかわからないかもしれない。個人的に気をつけているのは、路面ばかりを見ずに、ちょっと先の路面を視界に入れておく。


車や歩行者や信号にどうしても注意を奪われてしまうものだけど、路面の異変にも対処できるようにしておきたい。


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あと、グループ走行時は後ろを走る仲間の眼となって、察知した異変を(ハンドサインと声で)的確に伝達すること。ハンドサインは少々大げさにやるくらいがちょうどいい。声もハッキリと大きな声で恥ずかしがらずに。前を走る人は、そういった責任もある。


あと、追い抜きをかけるとき、右左折するとき、路駐車を避けて横切るとき、後方に視線を送って、車が近づいていないかを確認しよう。これは、クセにしておくべき。


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キャトルグリッド

キャトルグリッドとは、地面に横たわる鉄格子のようなモノだ。いったいなんの目的で紙面に敷かれているか不思議に思い、調べてみたら、「動物の侵入防止のため」らしい。


ウサギやタヌキといった小動物ではなく、牛やヒツジ等の大きな家畜が入ってこないために設置されてある。牧畜業が盛んな地方では、家畜たちが牧場から牧場へ移動する際に公道を通ることがあって、牧場の柵のすき間などから脱走しては、道端や民家で草を食べてしまうことがあるそうな。


そんな、ひづめのある動物たちが侵入できないようにしたのが「キャトルグリッド」である。


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参考リンク

侵入者は人間以外にも? 「キャトルグリッド」の効用(朝日新聞デジタル)


これ、ひづめが入らないようにしているだけあって、かなり大胆に隙間が開いていて、自転車はもちろん、歩いて通るのもちょっと気を使う。ナナメに侵入しようものなら、一発でタイヤがハマり、ふっとばされるだろう。ホイールやフレームへのダメージもそうとうありそうだ。


日本にはまずないだろうと思って、念のため調べたら、島根県隠岐郡西ノ島町にあった…


西ノ島以外にも、放牧を行う(北海道とか?)地域にはあったりするかもしれないし、ここまでではなくてもヒルクライム中にえげつなく長いグレーチングに遭遇することもあるしね。


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※ナナメに侵入しようものなら…想像するだけで鳥肌が立つ

まずはまっすぐにアプローチして侵入。ペダルは止めて、慣性だけで進む。お尻を少し上げることで、ショックを吸収しやすくするのもポイントだ。


ただし、あまりにもゆっくり侵入しすぎてキャトルグリッド上で停止してしまうと、足での着地がうまくいかない可能性が高い。(滑りやすいビンディングシューズであればなおさら)


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キャトルグリッド、マジで怖い


(横断歩道など)ペイントが塗られた道路

乾燥した路面ではあまり問題はないが、路面が濡れているときの横断歩道などのペイントされた個所は要注意。意外に滑りやすいのだ。


ただ、どうしても通りすぎなければならないときもある。そういうときは、なるべく身体とバイクは地面に対して垂直にさせ、ペダルを強く踏まないようにしよう。


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金属製の突起物

中央分離帯にある反射鏡がわかりやすいだろうか。これは自転車乗り泣かせで、コーナリング中に横着して道を蛇行したりすると、ガツーンとぶつかって、あっけなく落車する。


コーナーでなくとも、事故は起きるよ。よくあるのが、コンビニを探して走っていて、反対車線側に見つけたとする。横断歩道がない田舎道だと、前後から車が来ないのを確認して、道を渡って店に入ることになる。


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このとき、道の中央に点在する突起物に前輪を取られ、ステーンということがある。ロードバイクだけでなく、ママチャリでコケた人も目撃したことがある。夜間だったため、日中なら見落とさなかったであろう突起物を発見できなかったらしい。


自分はその人の後ろを走っていたので、「救急車を呼びましょうか?」と駆け寄ったが、幸い打撲だけで済んだようで、なんとか起き上がって走り去れられた。


しかし、打ちどころによっては危ないこけ方だったし、道の中央で急にコケるわけなので、車の運転手もビックリするだろう。そういう意味では、二重にも三重にも危険な事故である。


水たまり

「たかが水たまり、ちょっとバイクが濡れるだけじゃん」と言うことなかれ。水たまりも危険をはらんでいる。水面下に穴が潜んでいるかもしれないし、突起物が隠れているかもしれない。平坦路である保障はどこにもないのだ。

パンクリスクだってあるし、ホイールダメージを与えるかもしれないし、水たまりの落車してしまうこともある。水たまりはなるべく避けて走ろう。


Paddle


常に、「LOOK、THINK、COMMUNICATE」を心に刻んで、安全運転でサイクリングをお楽しみください。