皆さまは、「右カーブと、左カーブってどっちがどっち」って、とっさに答えられるだろうか?

いきなり答えを書くけど、自分から見て右に曲がっていくのが、「右カーブ」。左に曲がっていくのが「左カーブ」だ。


20150806_173703

※つまり、これは右カーブ


文字にすると当たり前なんだけど、突然、「次、右カーブだよ」ってダウンヒル中に言われたら、「え、右に曲がるの?それとも左?どっちだっけ!?」って焦りはしないだろうか。自分はなってしまうかもしれない。


そんなわけで、今回は安全にダウンヒルするための自分なりの心がけについて書くが、その前に左カーブと右カーブの特長について。


左カーブと右カーブの特長

左カーブの場合

対向車線は狭く見えて、手前の走行車線は広く見える。よって、視点は自分が走る走行車線に向かいがちになり、イン側へとハンドルを切ってしまいやすくなるそうだ。もちろん、スピードを出し過ぎると遠心力でセンターラインへと吸い寄せられてしまう。


20070101_220243


右カーブの場合

上記の逆で、対向車線が広く見えて、自分の走行車線は狭く見える。視線は対向車線に向いてしまいやすく、ハンドルも対向車線側に切りやすくなり、センターラインに近づいてしまったり、最悪踏み越えてしまう。


P1010496_2


べつにどちらがより安全などという話ではなく、どちらも注意を要する。ただ、人間の無意識の傾向を知っておいて損はないだろう。また、人によって「左カーブより、右カーブが苦手(もしくはその逆)」という苦手意識もあったりするようだ。


このあたりは、脳内でイメージしていただくと「うんうん」とわかっていただけると思う。



次に、ダウンヒル時の自分なりの心がけ。

ダウンヒルでは殿(しんがり)を走る

自分は登りをゼエゼエ言いながら走るのはわりと好きなんだけど、下りは怖いので苦手。


下りでトレインを組んですっ飛んでいくグループを見るたびに、「だ、大丈夫ですか、そのスピードで…。もし何かあったら確実に大怪我ですけど…」と心のなかでヒヤヒヤしている。


ローディ仲間らとヒルクライムに行くと、たいてい下りでものすごく距離を開けられてしまい、下りきった場所で仲間を待たせてしまう。非常に申し訳ない気分になるのだが、こればかりはどうしようもない。


どうせ遅くしか走れないので、割りきって殿(しんがり=最後尾)を走るようにしている。そうすれば、自分の後ろに迷惑をかけないで済むからだ。(少々待たせてしまうけど…)


P1010280

とにかく事故だけはしたくない。だから、路面を(砂や石がないか)しっかり観察し、グレーチングや橋などの継ぎ目の段差手前ではスピードダウンしてお尻を浮かせ、穴ぼこがあれば余裕を持って避けられるスピードで巡航するように心がけている。


とくに、初めて走る峠であればなおさら慎重になる。次のカーブがどの程度の角度なのか、路面は濡れていないか、荒れていないか?など、いくつもの不確定要素が重なって、怖くなってしまうのだ。


スピードに対する免疫がない

じつは「スピードに対する免疫のなさ」は生来のもので、車を運転するときもなるべくスピードは控えめにして、追い越し車線はなるべく走らない(追い越し車線にいると、それだけでドキドキしてしまう)。


高速道路をチンタラ走っていると、家族には、「もっとスピード出しなよ、軽自動車にも追い抜かれているよ」と文句を言われる。それでも、頑なにスピードは出さない。これはたぶん生涯変えられないと思う。


20150215_112328

きっと、スピードによる恐怖心の沸点が、平均よりかなり低いのだ。ダウンヒル中は、「もしたった今、急停車せねばならなくなったら、どうすればよいだろうか」なんてことを考えながら下っているので、そりゃあもう遅い遅い。でも、安全のためには譲れないのだ(笑)。


余談だが、実家にはプレイステーションの『グランツーリスモ』というゲームがあるんだけど、自分はまったく楽しめない。


だって、車同士がドッカンドッカンぶつかったり、コースアウトして壁に激突したりするんですもの。心臓に悪いので、こういうゲームには手を出さないことにしている。


個人的には右カーブが苦手(理由はうまく説明できない)

もしもズルっとタイヤが滑ったとき、右に倒れてしまうわけだが、とっさに右足のクリートを外せるか、あまり自信がない。というのも、クリートを外すのは常に左って習慣づけられているから……かもしれない。


走るのは左カーブのほうがしやすいけど、スピードは右カーブよりも控えめだ。なぜなら、左カーブは見通しが悪いから。カーブの先に何があるかわからないから、かなり慎重になる。逆に右カーブは自分のコースの見通しがよいので、その点はやや安心。


20141025_120619

個人的に厳禁なのが、ショートカット(アウト・イン・アウト)で走る行為。キツいカーブもラクに曲がれはするが、対向車線から車がはみ出してきたら、こちらの命はない。


スピードがつい出てしまう見通しの良い、綺麗な路面を気持よく下っていると、ショートカットの誘惑に駆られてしまうが、安全のためにはしないほうがよい。


殿は事故れない

いつも殿(しんがり)を走ってて痛感させられていることは、「仮に自分が落車したら、前を走る仲間は絶対に気づいてくれないだろうな」ってこと。

下っている間は誰しも自分のことで精一杯だし、後ろへの意識はどうしたって希薄になる。それは仕方がない。だからこそ、最後尾を走る自分は何がなんでも無事に下らなければならないのだ。


Img_5318_xlarge

徐々に気温は暖かくなってはいるものの、冬山はまだ路面が凍結しているかもしれないし、雪解けのために濡れているかもしれない。落ち葉もまだ路面に残っている場所もあるだろう。


くれぐれもダウンヒルは安全運転で、サイクリングをお楽しみいただきたい。