皆さまは、ロードレースに出場されるだろうか?もし出場されるとして、給水と補給はどのようにおこなっているだろうか?


Global Cycling Network が「レース中の食事の仕方と給水方法」という動画を公開していて、とても参考になったので、翻訳してご紹介したい。

How To Eat And Drink In A Race


レースに出る人にも、ポタリングやツーリング専門の人にも、きっと役に立つ情報だと思う。

横風が強いときは給水・補給は避ける

片手運転はバランスが取りにくくなるので、横風が強い状況では避けておくのがよい。


風にあおられたくらいで落車するようなことはほぼ無いが、タイヤが横に移動させられ、周囲を走っているひとに接触&落車ということは充分にありえる。


レース中の落車は多くの人を巻き込んでしまうし、ダメージもでかい。


Race


ダウンヒル(下り)のときも、給水・補給は避ける

呼吸がラクなダウンヒルでは、つい補給・給水したくなってしまう瞬間だが、下りはむしろハンドルを両手でしっかりつかみ、走りに集中すべき。


スピードも出ているし、片手でバイクコントロールは難しいからね。


Img_5204_xlarge


補給・給水に適しているのは、平地のストレート

ではどの状況が適しているかというと、真っ直ぐな平地。でもって、集団ががむしゃらに漕いでいない、比較的ゆったりした状況が良い。かつ、風が弱ければさらにベター。


周回コースを走るタイプのレースであれば、1周めで走る間にどこが補給と給水に適しているかを観察しておくのもよいだろう。


Race2

補給・給水のタイミングは、「お腹が空く前」、「喉が渇く前」である。食べたい、飲みたいと感じたときはすでに遅い。


練習しておこう

いきなりレースの集団の中で補給したり、給水するのは危険。充分に練習して、テクニックを身につけておこう。


一人で走っているときに補給・給水できたとしても、集団の中で同じように行うのは意外に難しい。レースで最優先すべきは安全なのだ。


右手(フロントブレーキ)はハンドルに残す

より強力なストッピングパワーを生むフロントブレーキはいつでも握れるようにしておく。よって、食べるのは左手がよい。(逆のブレーキの組み方をしている人は、その限りではない)

Race3




エナジーバーはパッケージを切ってすぐ食べられるようにしておく

あらかじめハサミで切っておくと、路上で食べるときに噛み切る必要もなく、またゴミも出さない。スムーズに食事にアクセスできればできるほど、より走りに集中できて安全である。


Race4


補給食のタイプ別にポケットに仕分けしておく

ジェルは右ポケット、エナジーバーは左ポケット、等と仕分けしておくと、食べたい補給食にすぐアクセスできる。


「あれ?あの補給食はどこに入れたっけ?」とアタフタするのはスマートじゃないし、片手運転の時間が長くなってしまうことを意味する。


Race5


自信がなければ、集団から離れよう

慣れない高速スピードの集団内にいるときや、単純にスキルに自信がないときは、いったん集団から離れて食べよう。それで順位を落としても、それは仕方がないことだ。


給水中でも視線は前に

初心者はボトルの出し入れの際に視線をボトルに落としてしまう。ほんの一瞬のことだが、その一瞬で事故に巻き込まれてしまうのがロードレース。


Race7

※つい、下を見たくなってしまうが、危険


ボトルをつかみ、ケージから抜き、飲んで、ケージに戻す一連の動きを、前を向いたまま無意識にできるようになるまで練習しよう。慣れてしまえば、どうってことはない。


Race6

※飲んでいる間も、視線はしっかり前に


もしも補給・給水中に危険を感じたら

ボトルや補給食は捨てて、手をハンドルに戻すこと。もったいないとか言っている場合ではない。もちろん、補給食のパッケージを路上に捨てるのはマナー違反であるし、本来はすべきではないが、緊急事態であれば話は別だ。


ちなみに自分はエンデューロ(もてぎ)とヒルクライムイベントには出場したことがあるが、自分はまったく順位を無視して、マイペースで楽しむ派なので、補給は安全な場所でしかしない。とはいえ、給水はレースであろうがなかろうが、ひんぱんに使う技術。


20151031_113923


レースに出ない方でも、少なくとも片手で給水できるようにはしておいたほうがいい。仲間とのツーリングであれば、ハンドサインを出さなくちゃいけないこともあるからね。