ロードバイクでインドアトレーニングをする場合、おおざっぱに「三本ローラー」と「固定ローラー」の2つから選ぶことになる。
固定ローラーはコケる心配がないので安全だが、退屈が最大の敵。三本ローラーは緊張感のある走りができ、実走感も高い。一般的に、「三本ローラーのほうが、固定ローラーよりは退屈しない」とも言われている。
まあ、大半の人に言わせれば、「どっちもどっちやで…」らしいのだが、個人的には固定より三本ローラーのほうが断然続くし、面白い。
ちなみに、2014年11月に使い始めた「ミノウラのモッズローラー」はいたって快調。劣化も故障もなく、快適に使えている。
さて、三本ローラーはコケる可能性が少なからずあり、実際に自分も2回コケたことがあるのだが、安全な乗り方を解説したGlobal Cycling Network社の動画が参考になったのでご紹介しよう。
How To Ride The Rollers – A Beginner's Guide
三本ローラーに乗れるようになるとは、どういうことか
回り続けるローラーの上でまっすぐに走るのは、慣れればたいしたことはないが、慣れるまでが怖い。バランス感覚とキレイなペダリングができないと、左右にフラフラしてしまう。あと、それなりに体幹筋力も求められるね。
プロサイクリストでも、三本ローラーに乗ったことのない人がいる
Global Cycling Networkにたびたび登場するマットさんは、元プロサイクリストで、イングランドチャンプになった経験もお持ちの方。にもかかわらず、「人生で一度も三本ローラーに乗ったことがない」らしい。そんなマットさんが三本ローラーを試すとどうなるかだが…。
※右がマットさん。プロでも乗れない(乗ったことがない)人がいるとは…
三本ローラーを始めるときのコツ
片方を壁にする
これは、いざというときのための保険。廊下でおこなえば、両サイドが壁なので、さらに安心。少なくとも、左右のどちらかに、とっさに倒れたりつかめるモノを用意しておくといい。壁のないほうには、大きなクッションでも置いておければベストだが、なかなか都合よくそんなものは家にないと思う。
自分の場合、左がふすま、右がマットレス(ふとん)にしてある。このマットレスのおかげで、一度命拾いしたことがある(笑)。
※今はこのスタイル。左がふすま。右がマットレス
並行かつ、平面に設置する
ローラー本体が並行になっているのは当然として、さらに障害になり得るモノは周囲から取り除いておこう。狭い場所で漕ぐときは、本とか、布団とかが脚に当たらないようにね。
慣れるまではスニーカーで漕ぐ
いきなりビンディングシューズは危ない。屋外での使用に慣れているとしても、ローラー上ではとっさのときに足が出ないことがある。転倒リスクをミニマムにするため、まずはスニーカーから始めよう。
ギアはちょい高めでスタートする
三本ローラーは、スポードが出ている方が、ジャイロ効果で安定して乗れる。ためしにゆっくり漕ぐとすぐわかるが、ローラー上のノロノロ運転はけっこう難しい。よって、どうしてもスピードは出てしまう。ということは、漕ぎ出し初めからそこそこのスピードに乗ったほうが安定できる。
つまり、重めのギアで一気にスピードアップしたほうがよいのだ。フロントはアウター、カセットは6速くらいで漕ぎだすのがオススメ。
走り出し方
1.両方のブレーキを掛けて、ペダルこ固定し
2.壁から遠い方(映像では右側)のペダルにクリートをはめて
3.壁にもたれかかって、バランスを取りながらもう片方のクリートをはめる
4.ペダリング開始!
漕ぎだしてすぐに感じるであろうことは、「ハンドルが左右にぐらつく」だ。自分の意志と関係なく動くので、怖いだろうが、漕いでいるうちに徐々に慣れる。やってはいけないのは、パニックを起こしてしまうこと。ハンドルを持つ手を力ませないようにし、落ち着いてペダルをまわそう。
三本ローラーを乗りこなすコツ
フロントタイヤを直視しない
前輪がローラーから落ちてコケるのが最大の恐怖なので、どうしても目線がそっちに向いてしまうが、屋外を走るときにそんなことはしないので、三本ローラーでもしないようにしたい。2~3m前にボトルを置くなどして、視線をなるべく前に向かせよう。
ペダリングはスムースに
上から下へ押し下げるようなペダリングをすると、上下に身体がぶれてしまい、安定した走りができなくなる。ペダリングはスムースに、偏った力のかけ方をしないように。
ハンドルを持つ手はやさしく
腕や手のひらでバランスを取ろうとすると、どうしても方に力が入り、むしろ走りにくくなる。手元は力まず、やさしく握る。バランスは体の軸の体幹でとろう。手放し運転では体幹でバランスを取るものだが、それに似た感覚である。
フロントホイールにはなるべく荷重させないのが安定して走るコツだ。肩、肘、手首も固くさせないように、慣れるまでは意識してリラックスさせよう。
三本ローラーから降りるとき
1.ペダリングを止める
2.両ブレーキを軽くかける
3.減速しながら、壁にゆっくりともたれかかる
4.クリートを外す
でOKだ。
※マットさんは壁側に倒れるつもりが、逆方向に倒れかけて焦っていた(笑)。
三本ローラーを長時間乗りこなす
1.ギアを変速させる
2.片手運転して給水する
この2つはぜったいに必要なスキル。まあ、変速そのものは至ってかんたん。片手運転は、慣れるまでは怖いかもしれない。これも慣れの問題なので、地道に練習いただきたい。できるようになるには個人差はあるが、20分ほどのセッションを2~3回もすれば、よほど運動神経が悪い方でないかぎり、できてしまうはず。
上手な人は両手放しで回せるのだが、自分はまだできないし、やろうとも思っていない(笑)。
以上、ケガをしない、安全な三本ローラーの乗り方でした。三本ローラーは屋内トレーニングなので、落車してもダメージは少ないが、そうはいうものの充分にご注意してください。
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