Raphaスーパークロス野辺山のレポートの3回目、今回が最終編。
今回は東洋フレームさんの「カーボン&スチールのハイブリッド」なシクロクロスに試乗させていただいた話を中心に書きます。
TOYOのシクロクロスバイク
クロモリで有名な、メイドインジャパンの東洋フレームさん。1973年創業なので、2015年時点で42年の歴史がある。
東洋フレームさんがどういう会社かは、公式サイト内の「東洋フレームとは」を読むのがベスト。自社のものづくりとこだわり、“よい自転車を作るぞ”という意気込みがヒシヒシと伝わってくる。
※すごく綺麗な光沢
「経営者の思い」のページはさらに熱い。とくに創業者の石垣允顕さんの言葉は熱すぎて熱を帯び、ディスプレイを通じて届いてきそうな勢いだ。
さて、こちらがシクロクロス全日本チャンピオン竹之内悠(たけのうちゆう)さんが実際に使っている、本格シクロクロスの「CARBON Cr-Mo HYBRID CX」。完成車で80万円(税抜)。
本場ベルギーでの過酷なシクロクロスレースをノートラブルで走る。「レース機材としての完成度、信頼性は世界トップレベルを保証致します」とサイト内で断言していることからも、ハンパない自信と誇りが伺える。
カーボンとスチールのハイブリッドなフレームが存在することを知らなかったので、「CARBON Cr-Mo HYBRID CX」を見て驚いた。ちなみにカーボンはトップチューブとダウンチューブに、スチールはシートチューブ、シートステー、チェーンステーに使われている。ヘッドはスチールで、フォークはカーボン。
カーボンチューブはTOYOオリジナル仕様で、GRAPHITE DESIGN社製のモノを使っているそうな。なお、もしカーボン部分が破損してしまっても、パイプ差し替えの修理で対応可能である。お高いフレームなので、修理可能なのはありがたい。
※シクロクロス全日本チャンピオン竹之内悠選手
カーボンとスチールを組み合わせたフレームのキモは、「カーボンを使用して計量化を図りつつ、スチールの乗り味とバネ感はそのまま」という点にある。つまり、両者のイイトコどりをしたモデルなのだ。
ただ、口頭で説明を聞いても、乗ったことがないのでピンと来ない。「試乗してみますか?」とオススメいただいたので、軽い気持ちで走らせてもらったのだが……。
舗装路で軽くダンシングして、スピードを上げてみたのだが、フレームの後ろ(スチール部分)がグッとしなるのがよくわかる。そして、ただしなるだけではなく、反発力を推進力にしてくれるような感覚が味わえた。フルカーボンのロードバイクでは味わったことのない感覚で、すごく気持ち良い。
「フレームが生き物のような感覚」とでも言えばいいだろうか。
石と砂利が混じった傾斜面でも走らせてみたが、(ワイドなシクロ用タイヤのお陰もあるが)ガツガツした感触をうまくいなしてくれているせいか、乗り心地もよい。レースモデルなのに、である。ロードバイクのポジションで、マウンテンバイクのように悪路を走らせるのは、新鮮だ。
※シクロクロスに電動デュラエース!
コンポーネントは電動のデュラエース。シクロクロスって泥だらけになるから、電気仕掛けのコンポーネントは不向きなのではないだろうか?洗浄しにくいとか、故障しやすいとかないのだろうか? そんな疑問をぶつけたところ、「シクロクロスはむしろ電動コンポーネントが向いている」とのこと。え、そうなんですか?
理由は、「ワイヤーはケーブル末端から砂が入り、そのメンテナンスに手間取るから」だそうな。その点、電動であればその苦労から開放される。「シクロクロスこそ、電動コンポーネントを使うべきですよ」とおっしゃっていた。へぇぇぇぇ、そうなんだ。電動コンポーネントがシクロクロスに適してのは初めて知った。
※シクロクロス初心者にも、わかりやすく説明してくださる竹之内選手。初日のレース後に、脚に違和感を感じて2日目にDNSだったそうで、この日はブースでお客さん対応されていたとのこと。
ところで、(お話途中でわかったのだが)東洋ブースでお話していた方が、実はシクロクロス全日本チャンプの竹之内悠であることが判明。Veramclassic ekoi に所属されていらっしゃる、バリバリのトップレーサーだ。
シクロクロスは勉強不足なので、竹之内悠というお名前も、お顔も存じあげなかったのだ。てっきり東洋の社員さんだと思っていたのが、とんだ失礼をしてしまった……。
ただ、言い訳するわけではないが、竹之内悠さんは身長170センチでアスリートとしては小柄なほう。ジャンパーとジーンズ姿だったので、服の下の肉体美はわからなかったのだ。竹之内悠さんは気さく&親切に教えてくださった。改めてお礼を申し上げたい。
竹之内悠さんご本人のブログはこちら。ウィキペディア情報はこちら。
※クロモリ&カーボンのシクロクロスって、街乗りで使ったらどんな感じだろう?
キンダーガーデンレース
最後にキンダーガーデンレースの模様をば。スタートゲートにUCIのマークが見えるが、大人と同じスタートポジションからである。けっして、UCI認定のキンダーガーデンレースではない。
で、年齢もバイクも差があって、勢い良くすっ飛んでいく子供もいれば、よちよち歩きでストラーダと歩くお子さんもいる。その姿が悶絶死するほど可愛かった。後ろからご両親らが追いかけてサポートするんだけど、家族愛を感じる美しい光景である。
このように、Raphaスーパークロス野辺山は、ロードバイクでのツーリングとはひと味違った、家族&仲間ぐるみで楽しめるステキなイベントだ。シクロクロスをされる方であれば、次回からエントリーされてはいかがだろうか?
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