前回に続き、Raphaスーパークロス野辺山のレポートをば。
レースや会場の様子はすでに書いたので、今回は出展していらっしゃったブースの方々にお聞きした話を書きますね。
まずは楕円リングで有名なROTORのブースへ。
楕円リングのROTOR(ローター)はシクロクロスでも使えるの?
ダイアテックプロダクツ社の方とお話したのだが、自分も使わせていただいているROTORのQ-Rings は、シクロクロスでも使われているようだ。それは知らなかった。
楕円リングの長所をひとことで表すと、「脚の疲労を軽減させつつ、出力をアップさせる」である。
楕円リングが使われているシーンは、ロードレースとトライアスロンがほとんど。とくにトライアスロンの選手は楕円リング使用率が高いそうだ。理由は、バイク後のランを走るための脚を残しておく必要があり、それには楕円リングが最適だから。
楕円リングのメカニズムを説明すると、もっとも力のかかるのがクランクが4時の方向を向いているときで、歯数数が最大になる。6時以降の踏み込みの力が不要な場所では、歯数が減ることでラクに引き足を12時に持ってこられる。
※画像引用元はダイアテックプロダクツ公式サイト
力が必要なところでペダルが重くなり、そうでない場所では軽くなることで、常に安定したトルクをかけられるわけだ。真円リングだとどうしてもバラつきが出てしまうらしい。
トルクが安定することのメリットとして、「タイヤがスリップしにくくなる」が挙げられる。泥や土や草を走るシクロクロスなんて、舗装路のレースとは比べ物にならないほどトラクションが大事。
シクロクロスでの普及率はロードレースやトライアスロンよりはまだ低いそうだが、徐々にユーザー層は広がっているとのこと。
※こちらはBOMAのブース
ROTORのQ-Rings って、素人が使ってもよいの?
ホビーライダーの自分が愛用させていただきながらこんなことを言うのもナンだけど、プロとか実業団ではない一般ライダーがROTORのQ-Rings を使うのは背伸びをし過ぎなのではないか?「自分には、豚に真珠じゃないかなあ」という意識がじつはずっとあった。
そのへんの疑問をダイアテックプロダクツさんにぶつけたら、「それは誤解です! じつは一般ライダーの方々にこそ、楕円リングは適しているんですよ」と回答された。
楕円リングを回すにはたいした技術はいらず、すぐに慣れるのは自分も体感していることなので、おっしゃることは分かる。
「より少ない出力&スムーズなペダリングで快適に走れるということは、すなわちごく普通の脚をお持ちのホビーライダーさんに適しているんです」
「女性の方にもオススメできますよ。ツール・ド・フランス等でプロが使っているのを見て、”楕円リングはプロ専用であって、自分には関係ない製品だろう”と誤解される方がいらっしゃいますが、逆なんです」
と力説されていらっしゃったよ。
プロ専用機材だと勘違いしている方はまだ少なくないそうで、そのへんの誤解を解くための啓蒙活動をされているそうな。その言葉をお聞きして、自分も安心できた(笑)。
なお、自分もすでに丸5ヶ月ROTORのQ-Rings を使い続けているが、大満足している。三本ローラー、都内&埼玉南部の平地、秩父等のヒルクライム&ダウンヒル、どんなシチュエーションでも快適に走れるよ。
楕円リングの形状から、フロントのギアチェンジがギクシャクしそうな印象を持たれるかもしれないが、「たいていのフレームで問題なくシフトチェンジする」とのこと。実は使用前は自分もそれが不安だったんだけど、ノープロブレムである。
まぁ、シマノ純正のスムースさと完全に同じかと言われると、断言できないけど、操作のしにくさを感じたことはない。
なお、シクロクロス用に、「Q-RINGS / QXL for CYCLO CROSS」という楕円リングがある。自分が使っているのは、シマノの4アーム用のモノ。
「楕円リングとはどういうものか」の詳細解説は、ダイアテックプロダクツさんの特設ページがわかりやすい。
今回、実際に泥だらけになって走っている様子を見て、「シクロクロスって骨太でたくましくってカッコいい!」って思った。選手のバイクを観察した限りでは、カンチブレーキは少数で、ディスクブレーキが主流だとわかった。おおよそのイメージでは、8:2でディスクブレーキだった気がする。
※こちらはディスクブレーキ
※こちらはカンチブレーキ
展示されているシクロクロスバイクは、ピナレロ、BMC、キャノンデールなどのメジャーブランドだけでなく、PAXとか東洋も展示されていたね。個人的にはキャノンデールのバタ臭いロゴが、シクロクロスの泥とマッチしててカッコいいって思った。
※キャノンデールのシクロクロスがかっこ良く思えるのはなぜだろう
※ピナレロもシクロクロス出しているんだ~
ちなみに価格は30万円前後(完成車)が多いようだ。自分が検討中のミニベロ、タイレルのCSIとほぼ変わらない価格なので、「ミニベロをやめて、シクロクロスに行ってしまうって手もあるか…」と一瞬考えてしまったよ(笑)。
後編に続きます。
合わせて読んでいただきたい
Raphaスーパークロス野辺山で、生まれて初めてシクロクロスを生体験した (前編)
コメント
コメント一覧 (2)
今は、クロス風にしていますが、(26インチ、重い)
通勤に使っています。
楕円の恩恵?はよくわかりませんが、
Q-Ringsと考え方は同じだったのでは、と
想像しています。でも、のちに真円に戻した?
のだろうから、問題があったのかも。
詳しいことはわかりません。
私も、かつてシマノが似たようなパーツを作っていたという話は小耳に挟んだことがあります。たぶん、今は作っていないような…。
狙いは同じだと思いますよ!
ちなみに、今は真円(ミニベロ)、楕円(ロードバイク)を併用していますが、とくに乗り換えた時の違和感はないですね。
(^^)
どっちも快適です。