いつも楽しませていただいているサイクリスト御用達動画サイト、Global Cycling Networkで、冬の季節に役立つ記事を見つけた。

冬における正しい(&暖かい)サイクリングウェアの10個の着こなし術が紹介されていたので、自分の経験も踏まえて翻訳&紹介しますね。


Top 10 Tips For Winter Clothing - How To Dress For Cycling In Winter






1.ウィンドブレーク・ジャケットを携行する

動画に登場するサイモンさんは元プロ選手。イングランドでトレーニングしていたときは通年でオールシーズンタイプのウィンドブレーク・ジャケット(つまりウィンドブレーカーですね)をバックポケットに入れていたそうだ。厚手のものでなければ、バックポケットに収まる。


ウィンドブレーク・ジャケットは寒い季節にだけ使うものではなく、夏でも高地での長いダウンヒルや急な雨に遭遇したときに体を冷やさないために便利。あと、故障やパンク作業をするとき等、じっとしていなければならないときは汗が引いて寒くなる。そんなときも、1枚羽織るものがあるだけで暖が取れる。

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※raphaさんにお借りしたクラシックソフトシェルジャージ。真冬でもむちゃくちゃ快適なサイクルジャケットだった。

合わせてどうぞ

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2.冬こそアイウェアを着用する

「冬の寒さとアイウェアって関係なくね?」と感じるかもしれないが、どっこい関係ある。

虫や埃、小石から目を守ってくれるだけでなく、(冬の乾いた空気による)目の乾燥も防いでくれる。あと、裸眼だと風圧がけっこうキツイ。ヒルクライムならまだしも、ダウンヒルを裸眼でかっ飛ばすと顕著。(コンタクトレンズを無くしたってケースも知ってる)

クリアレンズであれば昼夜を問わずに使えて、季節も時間帯も選ばない。もちろん、ちゃんとしたメーカーのアイウェアであれば、見た目はクリアであってもUVカット機能は備わっている。(個人的には価格と性能面でOGKをオススメしたい)

ちなみに自分は調光レンズをタイプを愛用している。今年の夏にOGKカブトの「Corazza-II」に買い換えたのだが、調光タイプを選んだ。交換レンズをつけたり外したりするのが(フレームに負荷を与えてしまうようで)好きではないので、1枚のレンズでどのシチュエーションでも使えるモノにしている。

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※上がCorazza-IIです。下はそれまで使っていたシマノのアイウェア。レンズ面積がすごく違う。


3.シューズカバーの有無で雲泥の差

冬の寒いライドで辛いのが、手先とつま先の冷え。通常、冬対策はアウターやインナーを冬用にすることから始めるもので、ついつい身体の先っちょの対策は後回しになってしまいがち。しかし、身体の先っちょ対策こそ冬対策の極意。うれしいことに、シューズカバーはけっこう安価なのでおサイフに優しいのだ。この1枚があるかないかで雲泥の差だよ。

自分は、夏用のメッシュ状のシューズの上にシューズカバーをするだけだが、問題なく冬を乗り切れている。

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※ガムテープで補修しながら使い続けています。


先っちょ関連で言うと、手足の指先以外にも「耳」の防寒も必要なことがある。ただ、耳が寒いと感じるかどうかは個人差があるようで、自分は厳寒期でもまったく気にならない。

よって、冬でもサイクルキャップとヘルメットしか使わない。ちなみにオクサマは真逆で、「ニット帽をかぶらずに走るなんて信じられない・・・どういう耳をしてんの」と言う。

自分がどっちのタイプか、見極めてから耳対策をされたほうがいいだろう。


>> 「冬も自転車で走るよ!」と意欲満々のオクサマのために、冬用ウェアを買いに行きました


4.べースレイヤー(インナーウェア)にこそ投資する

サイクリングウェアって、一事が万事高価。自分もサイクリングを始めた直後は、「半袖のペラペラな夏用ジャージが1万円とか、どんだけボッタクってんの!?」って憤っていたものだった。

まあ、専用設計されている(&ロット数が少ないのもある)サイクリングウェアの価格には今は慣れてきたんだけど、それでも高いことに変わりはなく、気の向くままにホイホイ買い換えることはできない。


よって、「限られたお小遣いを、いつ何に投資するか」が重要になってくる。そしてお金をかけるべきはベースレイヤーだ。いくら高機能で防寒性の高いアウターを着たところで、ベースレイヤーがダメだとすべてが台無し。防寒性能が高く、速乾性があり、汗がこもらないベースレイヤーを着ていただきたい。効果はてきめんである。

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※真冬のライドで、専用ウェアの有り難みを痛感する。


あちこちでさんざん語られていることとして、ユニクロのヒートテック(&類似商品)は日常生活では便利だが、サイクリングには役に立たないので注意。数年以上の経験があるサイクリストには常識ですね。

サイクリング専用ウェアは、高いだけあってちゃんとその用途に適した造りになっている。

自分は2種類のベースレイヤーを使い分けていて、ひとつはモンベルの「ジオライン EXP.ラウンドネックシャツ」と「ジオライン M.W.ラウンドネックシャツ」。気温10度前後であればこれをベースに着用する。

5℃かそれ以下の真冬は、裏起毛付きの「アンダーアーマーコールドギア」に切り替える。本当に寒い12月下旬~2月中旬の間は、「コールドギア」のお世話になりっぱなし。少々値は張るが、買って損しないインナーウェアだ。


5.服と服のスキマに注意

サイクリングウェアは、たいてい手足がやや長めの構造になっている。理由は、手足を伸ばした状態を強いられるライディングポジションに、最適にフィットするように作られているから。(逆に言うと、立って歩くことは想定していない設計)

サイクリングウェアを試着するとき、ただ「気をつけ(直立)の姿勢」をして突っ立っているだけだと間違ったサイズを選ぶ危険がある。腕を前に伸ばしたり、お尻を後ろに突き出したりして、実際の走行ポジションをとり、袖や裾が短すぎないか、十分な長さがあるか確認しよう。グローブと袖の間に隙間があったりすると、それだけで寒い思いをする。

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※やや長めを選ぶ方がいい
 

同じことはビブショーツやジャケットにも当てはまる。くれぐれもスキマができないかどうか、皮膚が冷気に晒されないか・・・をチェックしていただきたい。冬用グローブを選ぶときも、手首の部分がやや長めになっているモノを選ぶのも手だ。


>> 冬用サイクリンググローブの洗い方、乾かし方、メンテ法をリッケル(ROECKL)社の中の人に教えていただいた

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6.冬用サイクルウェアの重ね着にはコツがある

寒くなると誰しも重ね着でしのぎたくなる。正しく重ねれば効果的だが、間違ってしまうと逆効果。ありがちなミスとして、たとえばつま先が寒いとき、ソックスを重ね着してしまい、シューズがキツくなってしまうパターン。これでは快適なペダリングできなくなる。

この場合、重ね着すべきは「シューズカバーの重ね着」だ。当然ながら上にかぶせるシューズカバーはやや大きめのものである必要がある。なお、着用する順番は、「薄いほう」が先。逆だとゴワゴワして動きにくい。

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※3シーズン目に入るシューズカバー。まだまだ現役。


お手軽でコスパの良い防寒法もあります(^^)

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7.蛍光色のウェアで目立つ工夫を

冬の日照時間は短いので、どんなに気をつけていても、薄暗い中で走らざるを得ないこともある。クルマや歩行者から「視認されやすい服装」でいることが、安全につながるのだ。

さらにあると便利なのが、ヘッドライトを反射するリフレクター。遠目からでも「サイクリストがいるぞ」とドライバーはわかるので、これも事故防止に欠かせない。自転車って、公道ではちっぽけな存在なので、サイクリストが考えるよりはるかにクルマから見落とされやすい。

あと、ライトは前だけでなく、リアにも取り付けましょう。(むしろリアのライトのほうが重要だ ※クルマは後ろから近づいてくるので)

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※明るい都内の夜道であっても、反射材は必要。


8.サイクルキャップ等の被り物

自分は季節に関係なくサイクルキャップをかぶる派だ。べつに防寒目的ではなく、キャップがある方が頭とヘルメットが快適に密着してくれるから。ふつうのサイクルキャップだけだと冬は耳が冷えてしまうので、耳をカバーするタイプに切り替えるのもアリ。

こういうかんじのモノ


自分はなぜか耳の冷えには強い(鈍感なだけ?)ので、真冬でもサイクルキャップで過ごしている。耳の冷えに強い人弱い人、個人差が激しいようで、オクサマは激弱である。ちなみに、(サイクリング用ではない)ただに厚手のニット帽はヘルメットがフィットしないので、オススメしない。

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※年がら年中使っているサイクルキャップ


9.ウィンドストッパー素材のアウター

近年の技術進化のおかげで、風をシャットアウトしてくれるウィンドストッパー素材が気軽に買えるようになってきた。アウターはもちろん、グローブやタイツ、ヘッドウェアなどあらゆるウェアに使われ始めている。


質の良いウィンドストッパー素材でできたアウターがあれば、5℃程度の気温であれば、ベースレーヤー1枚とアウター1枚の計2枚で走れてしまったりする。「たったの2枚で真冬のサイクリングができるの?」と思うかもしれないが、できてしまうのだ。(こういう瞬間に、人類の進化と文明の進歩を痛感する)


自分も、「アンダーアーマーコールドギア」と「冬用アウタージャケット(5度対応)」だけで走ることが多い。それでも寒い場合は、ウィンドブレーカーを羽織っているね。南関東の冬であれば、じゅうぶんこれで乗り切れる。

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10.あれもこれもと着こみ過ぎない

初心者サイクリストの超あるあるネタとして、「出発前にホカホカに着込みすぎてしまい、走りだして間もなく汗だくになってしまい、速攻で脱ぐハメになる」がある。

感覚的な表現になるが、走る前は“ちょっぴり寒い”くらいでちょうど良い。走行中は発汗するので体温が上がる。汗をかくスピードと、蒸発していくスピードがシンクロすると、ウェアが湿らずに長時間快適でいられる。(よって、信号待ちとかで停止中はやや冷えるけど)

ヒートテック、綿シャツ、セーター、ダウンジャケットで走ってしまい、翌日見事に風邪をひいてしまったことのある自分は、初心者だったとはいえ本当にアホだったと思う。どうか、重ね着はほどほどに。そして素材選びにはご注意ください。


以上、冬における正しいサイクリングウェアの10個の着こなし術でした。病気とは無縁の、楽しい冬サイクリングをお楽しみください。


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