産経サイクリストさんからのご依頼で、2015年6月末から「Rotor(ローター)のQ-RINGS」のインプレッションをさせていただいている。
アルテグラ(6800系)のチェーンリングから交換し、4ヶ月以上(2,500km)走ったことになる。ツールド妻有、物見山のヒルクライム、箱根の峠越え、嬬恋パノラマライン、秩父の山々など、かなりの回数ヒルクライムをしつつ、ほぼ毎日三本ローラーを回し、ときどき通勤に使ったり、川口市~さいたま市界隈をのんびりサイクリングしたり、ほぼ考えられるあらゆる状況で走ってきた。
産経サイクリストのインプレッション記事はこちら
ROTORの「Q-RINGS」を長期テスト 意外なほど違和感がなかった楕円チェーンリング
ヒルクライム、ロングライド… ROTORのQ-RINGSを付けてフィールドに飛び出した
幸いにも、ダイアテックプロダクツさんのご厚意で、継続利用の許可を頂戴したので、引き続きインプレッションすることになった。
というわけで、今回はROTORの「Q-RINGS」のロングターム・インプレッションである。
1.もう、ずっと「Q-RINGS」のままでもいいって思えてくる
やはり平坦路の巡航は快適極まりない。ゆるい下りなんてもう至福。ちょうど踏み込みたいポイントで力をかけられるので、パワーロスなく、まんべんなくペダリングできている実感がある。
使用前の懸念だった、「スムーズにペダリングできるのか?」は杞憂だった。見た目は派手で、使いこなしにくそうな印象を受けるかもしれないけど、楕円のほうがむしろ漕ぎやすいって思うほど。
ロードバイク歴たった2年のオッサンでもあっという間に(というか、ほぼ瞬時に)慣れてしまったので、どなたでもまず問題なく乗りこなせると思う。運動音痴とか、そんなの関係ないよ。ちなみにクランクの取り付け位置は1-2-3段階ある中の真ん中のもっともオーソドックスなところのままにしていて、変化はさせていない。
乗り始めは、2~4時を意識して踏んでいたんだけど、慣れてきてからは、3~4時のほんの一瞬だけ気持ち強めに漕ぐ。そのほうが、スムーズにペダリングできる気がするね。
2.ヒルクライムはぶっちゃけどうなの?
ペダリングがスムーズにできるかどうか以上に不安でならなかったのがヒルクライム。たとえどんなに平地で軽快に回せても、登坂となると最終的に問われるのは持久力(&瞬発力)といった純粋なパワー。
ほんの少しでも余計に力を加えなくちゃいけないポイントがあるということは、「消耗度が増す = 早くヘタれてしまう」に繋がるのではないかと気が気ではなかったことを告白する。(上記のサイクリストの記事にも書いたけど)
たしかに初のヒルクライムのつまごいパノラマラインはしんどかった。自分の貧脚をQ-RINGSのせいにするつもりはないんだけど、斜度が9%を超えてくると、踏み込みがキツイなって感じることはあった。
でも、その直後に激坂ヒルクライムイベントのツールド妻有でしっかり乗りこなせて自信がついたね。過去5年間の山の中で、もっとも苦しんだのが妻有だったから。120キロという距離もさることながら、激しいアップダウンにボロボロにさせられたけど、登坂でのペダリングにも慣れてきた感触があった。
山が登りやすく感じている理由は、たぶんホイールをシャマルミレにしたことも影響していると思う。Q-RINGSを使い出してしばらくしてからシャマルミレにしたんだけど、(プラシーボ効果を差し引いても)ぐいぐい踏めるようになった。
まあ、ラストの20キロは無我夢中かつ無心でゾンビのようになって走っていたので、チェーンリングのことを考える余裕もなかったのが正直なところ(笑)。
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その後、5~6回山を登っているけど、もうチェーンリングが楕円か真円かなんて気にもしないで登れているよ。1秒を争うような、真剣なヒルクライムレースをする方には(タイム向上に繋がるかどうかはわからないので)お勧めできないけど、自分のペースで登りたい方であれば楕円リングを怖がる必要はないね。
あと、街中のちょっとした坂なんて、まったく問題にならない。楕円なんて考える間もなく難なくクリアできる。ここでいうヒルクライムとは、延々と1~2時間坂を上るような状況ね。
3.ペダリング効率を高めて、筋肉を効果的に使えるって本当?
ROTORの「Q-RINGS」の最大のメリットは、「効果的に筋肉を使い、ペダリング効率をアップする」である。じゃあ、4ヶ月Q-RINGSを使って、筋肉を有効に使えているのか?同じ距離を走ったときの疲労度は違うのか?と問われると、「よくわからない」としか答えられない。
タイムを競う走り方をしないので、ロードバイクで限界まで追い込んでオールアウトした経験がない。マイペースに山を登り、復路の体力を計算しながら走るといった乗り方なので、レース・シチュエーションでの効果は未知の世界なのだ。
ただ、ひとつだけ言えるのは、三本ローラーを回す際の時速が1.5~2キロほどアップした実感はある。ただ、これも追い込んだ走りの話ではなく、1時間淡々と漕ぎ続けるときのペースの話。ちなみに今は時速35キロ巡航で回しているよ。
4.当面、アルテグラに戻すつもりはない
「アルテグラに戻す理由がないから、このままでいたい」が正直な心情。ダイアテックプロダクツさんから貸し出していただける限り、Q-RINGSを使い続けたい。
やはり、平坦路と緩急ある緩めのアップダウンの気持ちよさは捨てがたいのよ……。アルテグラのチェーンリングは車のトランクに積みっぱなしで、いつでも戻せるんだけど、ぜんぜんそんな気持ちにならない。
機能面の良さもさることながら、アルテグラに戻さない理由の半分が、「Q-RINGSがカッコいい」から(笑)。一度カッコいいホイールにしてしまうと、元のホイールに戻したくなくなるでしょう?それと同じで、いったん愛車に取り付けてしまったが最後、引き算してしまうのが心苦しくてしかたない。
Q-RINGSって、平坦で真っ黒でロゴが白地で大きめにあしらわれているだけの単純なデザインなんだけど、得も言われないアウトロー&漢なデザインが琴線にビシバシ触れるのだ。ロゴデザインもイケてるしね。
5.チェーンリングを交換したら、1回は増し締めしよう
楕円リングに限った話ではなく、チェーンリングを交換後に気付かされた重要なことなので共有したいんだけど、「交換してしばらくしたら、リング裏のネジを増し締めしておく」べき。
新しいパーツ(&ネジ)に取り替えると、ネジ山とネジ自体がしっくりこないみたいで、緩んでくることがあるらしい。自分はそのことを交換時に、「100キロくらい走ったら、増し締めするから持ってきて」と言われたので、そのとおりにしたんだけど、果たして、ネジが半回転するくらい緩んでて、「怖え…」と肝を冷やしたから。
パーツが馴染むまでにはちょっと時間がかかる場合もあるので、古いパーツと新しいパーツを組み合わせて使うときはなおさら注意すべきとのこと。チェーンリングとクランクがグラグラのまま走っていて、万が一外れてしまおうものなら……考えただけで背筋が寒くなる。外れなかったとしても、ネジを変形してしまうかもしれないしね。
そういう意味では、「自分の自転車の状態をわかってくれているメカニックさんがいる」ショップさんとホームドクター的な関係を持っておくのはとても大切だと思う。
というわけで、引き続きRotor(ローター)のQ-RINGSのインプレッションをお届けする予定です。
コメント
コメント一覧 (10)
\(^o^)/
一度では分かりませんよ(笑)
怖い><
理想の形かも知れません!
が、見た目が、、、( ^ω^ )
あら、お好みじゃなかったですか?私はすごく好きですよ
(^^)
>Keiさん
動きが早いw
結果・・・・
可愛くない!(ミニベロにはガチすぎる!却下!)
というカミさんの一声(。>0<。)
ミニベロにはたしかに可愛くはないというか、似合わないかも
(^_^;)