自転車に乗り始めて丸5年になるのだが、いまだにロードレースの世界の格付けがよくわからない。



新城幸也選手がユーロップカーからランプレ・メリダに移籍したとのことだが、自分にはそれが出世なのか、都落ちなのかよくわからなかった。

参考リンク

新城幸也がランプレ・メリダへ移籍 UCIワールドチームでさらなる活躍目指す 「歴史あるチームの経験を感じたい」 新城幸也がランプレ・メリダ移籍の抱負語る



コルナゴ(ユーロップカー)に乗っていたのが、今度はメリダってことは…なんとなくメリダよりコルナゴのほうが高級なイメージがあるから、「新城選手は都落ちしてしまったのか…」と一瞬考えてしまった。(失礼極まりない話だ)



自分のように「ロードバイクには乗るけど、プロチームの格付けには疎い」という方々もいらっしゃるだろう。ということで、自分が学ぶ意味も込めて、ウィキペディアを参考にしつつ、ロードレースチームの格付けを調べてみたよ。



UCIワールドチーム

国際自転車競技連合 (UCI) による最高位の格付け。2015年は17チームがUCIワールドチームライセンスを許可された。プロチームはUCIワールドツアーの全レースに出場する権利だけでなく、義務も持つそうな。いわゆる、ツール・ド・フランスのようなビッグレースに名を連ねる有名チームだね。


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※画像引用元はこちら



サッカーにたとえると、ワールドカップ常連の代表クラスかな。以下、2015年のUCIワールドチーム一覧。

アージェードゥゼール ラモンディアル(AG2R LA MONDIALE):公式サイト

※いつまでたっても正しく発音できない……


アスタナ プロチーム(ASTANA PRO TEAM):公式サイト


ビーエムシー レーシングチーム(BMC RACING TEAM):公式サイト

エティックス・クイックステップ(ETIXX - QUICK STEP):公式サイト


エフデジ(FDJ):公式サイト

イアム サイクリング(IAM CYCLING):公式サイト

※アイ・アムって読むのかと思ってた……。スイスのチームです。


ランプレ・メリダ(LAMPRE - MERIDA):公式サイト

※新城幸也選手の所属チーム


ロット・ソウダル(LOTTO SOUDAL):公式サイト


モヴィスター チーム(MOVISTAR TEAM):公式サイト


オリカ・グリーンエッジ(ORICA GreenEDGE):公式サイト


チーム キャノンデール・ガーミン(TEAM CANNONDALE - GARMIN):公式サイト


チーム ジャイアント・アルペシン(TEAM GIANT - ALPECIN):公式サイト

アルペシンは、ドイツの育毛シャンプーメーカーです。


チーム カチューシャ(TEAM KATUSHA):公式サイト

チーム ロット NL・ユンボ(TEAM LOTTO NL - JUMBO):公式サイト

※ユンボなんだ。ジャンボじゃないんだ……


チーム スカイ(TEAM SKY):公式サイト


ティンコフ・サクソ(TINKOFF - SAXO):公式サイト


トレック ファクトリーレーシング(TREK FACTORY RACING):公式サイト



UCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム(UCI Professional Continental Teams)

トップカテゴリーのUCIワールドチームの下に位置づけられるカテゴリーである。省略して「プロコンチ」とも呼ばれる。



プロフェッショナルコンチネンタルチームはUCIのコンチネンタルサーキットを戦うチームである。このコンチネンタルサーキットはヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、アジア、アメリカの五つに分けられており、各地区で年間を通してロードレースのシリーズが設定されており、個人単位で年間チャンピオンが争われるそうな。



サッカーにたとえると、Jリーグといったところか。プロではあるが、世界の代表チームよりはレベルが落ちる。以下、2015年のプロフェッショナルコンチネンタルチーム一覧。


  • MTN・クベカ (MTN-Qhubeka)
  • コロンビア (Colombia)
  • チーム・ノヴォノルディスク (Team Novo Nordisk)
  • ユナイテッド・ヘルスケア (UnitedHealthcare)
  • トップスポートフラーンデレン・バロワーズ (Topsport Vlaanderen-Baloise)
  • ワンティ・グループゴベール (Wanty-Groupe Gobert)
  • クルトエナジー・プロサイクリング (Cult Energy Pro Cycling)
  • カハルラル・セグロスエレヘアー (Caja Rural-Seguros RGA)
  • ブルターニュ・セシェアンヴィロヌモン (Bretagne-Séché Environnement)
  • コフィディス (Cofidis)
  • チーム・ヨーロッパカー (Team Europcar)
  • ボーラ・アルゴン18 (Bora-Argon 18)
  • アンドローニ・ジョカットーリ (Androni-Sidermec)
  • バルディアーニ・チエセエフェ (Bardiani-CSF)
  • NIPPO・ヴィーニファンティーニ (Nippo-Vini Fantini)
  • サウスイースト (Southeast Pro Cycling)
  • ルームポット・オラニエ・ペロトン (Team Roompot)
  • CCC・スプランディ・ポルコウィチェ (CCC-Sprandi-Polkowice)
  • ルスヴェロ (RusVelo)
  • ドラパック・プロフェッショナルサイクリング (Drapac Professional Cycling)


上位から2番目までのカテゴリーである「UCIプロチーム」と「UCIプロコンチネンタルチーム」には、選手が競技で獲得したポイント数、運営資金のための銀行証明や選手の最低給与等、様々な条件が課せられており、UCI の厳しい審査が行われる。



ここに入るのはかなり大変。ちなみに日本のチームはゼロ。



UCIコンチネンタルチーム

プロとノンプロの混成となる。チームを主に構成する選手の出身国の連盟から認可を受ける。プロフェッショナルコンチネンタルチームとの主な違いは、

  1. コンチネンタルチームはチーム編成が小規模で構成できる(選手数は8人以上16人以下)
  2. 選手はプロ契約選手に限定していない
  3. UCIプロツアーには出場できない


だそうだ。なお、プロと呼ばれるのはコンチネンタルチームまでらしい。サッカーにたとえると、J2~3といったところだろうか。逆立ちしても世界の代表チームには敵わないほどの格差があると思って良いだろう。



なお、国内の主要チームはすべてUCIコンチネンタルチームとなる。



ここまで調べて、「うーむ、カテゴリ分けを見るだけでも、そりゃジャパンカップで(コンチネンタル所属の)日本人選手らが海外の招待チームに歯がたたないわけだ……」と思った。



これまでは、「土地勘、気候、時差、応援観客等のホームアドバンテージがあるのに、海外選手に勝てないってなんなの? 勝てないどころか、表彰台にすら立てないことが多いじゃん。日本のトップクラスってその程度なの?」って訝しんだり、落胆したりしてたんだけど、レベルに歴然とした差がありすぎるんだと理解した。



何度もサッカーにたとえて申し訳ないんだけど、JFLがイングランド代表とかスペイン代表と試合することを想像すると、「勝て」という注文が無茶すぎることがわかる。


※なお、2016年のジャパンカップは別府選手と新城選手の日本人選手の活躍が目立ったけど、所属チームは上位カテゴリー



ちなみに日本のUCIコンチネンタルチーム(2015年)には、


あたりがある。(漏れがあればコメント欄にてご指摘ください)



自分は、これまで「UCIワールドチーム」と「UCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム」を一緒くたにしてしまっていた。今回調べてみて、頭のなかが整理整頓された。



なお、新城選手は、UCIプロフェッショナルコンチネンタルチームのユーロップカーから、UCIワールドチームのランプレ・メリダに移籍したわけなので、正真正銘の立派な出世だ。一瞬でも、新城選手の都落ちを想像してしまった自分を、豆腐の角でぶん殴りたい気持ちである。



言い訳になるけど、移籍ニュースで読むまで、「ユーロップカーは最高位のUCIワールドチーム(つまり、スカイやトレックと同格)」だと信じて疑っていなかったの。それにしてもロードレースの世界は奥が深い……。