自転車を趣味にし始めた方は、「乗り方がよくわかんない」、「何が正しいのか誰も教えてくれない」と感じることも多いと思う。


そんな方々のために、「サイクリング初心者にありがちなミス、トップ10」というGlobal Cycling Network(GCN)の動画を翻訳しつつ、自分の体験も交えて解説しよう。







1.予備チューブやお金を持たずに出かける

ママチャリ感覚でロードバイクに乗るとえらい目に合う。なぜなら、パンクの確率がずっと高いから。ロードバイクや(高速仕様の)ミニベロ等、細くて軽いタイヤはどうあがいても1年に2~3回はパンクしてしまう。


経験者から言わせてもらうと、真冬のパンクは非常に寒い。5分で身体はすっかり冷えきってしまう。10分以上経つと指がかじかんで、細かな作業がしづらくなる。夏なら「あらまあ、しゃーねーなー」なんて呑気にゆっくり胡座をかいて交換するけど、真冬はタイムトライアルのごとき早さで交換するよ(笑)。


トラブルに見舞われたとき、せめてお金があればタクシーで帰宅できるかもしれないが、ロードバイクは断られる可能性が大だし、よしんば載せられたところで、手痛い出費を覚悟せねばならないだろう。

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どちらも持たずに出かけるのはとっても危険なので、くれぐれも手ぶらでロングライドに出かけないでいただきたい。


ちなみに、サドルバッグに入れておくべきは、スペアチューブ、タイヤレバー、マルチツール、そして小型ポンプ。あと、パッチは場所を取らないし、これも入れておいても良いだろう。


2.食べ物と飲み物を持参しない

自転車は思いがけないほどのカロリーを消費するもの。食わず飲まずで行ける距離は短い。とくに、水分は切っても切れない必需品。真冬でも10分走ると喉が渇く。自分はいまだかつてハンガーノックになったことはないけど、「やばい」って感じたことは何度もある。


幸いにしてコンビニに駆け込めたので事なきを得たけれど、都合よくお店があるとは限らない。とくに、ヒルクライムとか田舎のロングライドは「あるはず」と思ってたコンビニが潰れていたり、自販機は売り切れだったりすることがわりとある。

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食事を補給するスポーツってなかなか無いので、初心者の中には「運動中に食べるっておかしくない?」と思う方がいらっしゃるんだけど、食べないとガス欠になるのだ。


3.ブレーキを強く引きすぎる

プロが走る姿はスムーズで、カッコいい。高速にもかかわらず密集して走れるのはそれだけのスキルがあるからで、初心者がマネしようと思ってできるものではない。


初心者がやりがちなミスが、「必要ない場所でブレーキを引いてしまう」と「危険を察知したとき、必要以上に強くブレーキをかけてしまう」である。

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※もてぎエンデューロのような、参加者間のレベル差が大きいイベントはより注意が必要。


これをしてしまうと、周囲を走っている仲間を巻き込んだ事故につながる危険があるし、そうでなくても落車してしまう可能性もある。常に周囲の環境に注意を払い、予測しながら走行&ブレーキングすること。パニックブレーキはもっともやってはいけないことのひとつ。


4.サドルの高さが間違っている

サドルは高すぎても低すぎても力をうまくペダルに伝達できない。正しい位置で乗ることは、極めて重要。


自分自身もやらかしてしまったミスなんだけど、自分の場合、サドルを本来の場所より3~4センチほど高くしてしまっていた。「サドルが高いほうがカッコいいから」というアホな勘違いで、独断でサドルを上げてしまっていた。


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※ラバネロ監督の高村さんに診ていただいた。


専門家のアドバイスで適性ポジションに調整してからは、とても快適に乗れている。あのアドバイスを受けていなかったら……関節を痛めていたかもしれないとゾッとする。


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5.レインジャケットを乾燥機にそのまま放り込む

雨に見舞われてグッショリ濡れた状態で帰宅すると、一目散にシャワーに駆け込みたくなる。濡れたウェアを洗ってそのまま乾燥機に放り込んでしまうと、縮んでしまうことがあるそうな。


サイクルウェアは薄手で乾燥させやすいので、自分は乾燥機にはかけずに常に部屋で乾かしている。翌朝も濡れていたってことはない。ただし、パッド付きのインナーウェアはやや乾きにくいので、扇風機に当てている。そうしておけば、一晩かからずに乾いてくれるよ。



6.クリートを外し忘れる

やはり、ロードバイクはビンディングシューズで走らせてこそその性能をいかんなく発揮できる。ビンディングシューズにデビューすると、ペダリングの快適さが忘れられなくなるだろう。そして、いつの間にか気が緩み、立ちごけするのだ。


立ちごけは痛みもさることながら、恥ずかしさで死にそうになる。もう、脱兎のごとくその場を逃げたくなるよ(笑)。

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※ローラーからの落車は恥ずかしさはない代わりに、メンタルを若干やられます(笑)。

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7.コーナーでブレーキングする

車やオートバイ同様、ブレーキングはコーナーに入る前にかけておくものであって、曲がりだしてからかけるものではない。コーナーでブレーキをかけると、スリップ転倒しやすいし、タイヤがロックしたらもっとたいへん。


あと、路面が濡れていたら、乾燥路のときよりも、やや早めにブレーキングしたほうがいいし、スピードも控えめにすべき。

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8.チェーンにオイルをかけすぎる

チェーンにオイルを注油するのは常識だとしても、かけたまま拭き取らないとか、汚れたチェーンを拭かずに上乗せしてかけ続けるのはよくあるミス。


注油の前にはしっかり乾拭きすること。乾拭きしてもチェーンが汚いのであれば、パーツクリーナーで汚れを落としきってから注油すること。

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自転車専用のチェーンルブはややお高いけれど、やはり目的になったものを使用したほうがいい。そもそも、使う量は少ないので、1回買ったら数年は持つしね。


9.ギアの選択とケイデンスが合っていない

昨今のそこそこのロードバイクであれば20~22のギアが選べる。こんなにもギア比があるのは理由があって、地形にマッチした快適なギア比があるから。まんべんなく使い、ひんぱんにギアチェンジをしながら走ろう。


10.インナーパンツの下に下着を履く

インナーパンツとかビブショーツは肌に直に装着することが前提で設計されている。パンツを履いた上にサイクルショーツを履かないこと!これもよくあるミスである。


初めは「こんなことしていいのか…? 形がクッキリ見えてしまって恥ずかしいことにならないか…? 通報されやしないか…?」という不安があるかもしれないが、心配は無用である。


まあ、こんなことを書いている自分は、いまだにビブショーツデビューはできていないんだけど、シューツの下に下着を着ることはしていないよ。

ゼロから始めるロードバイクの本


以上、ロードバイク初心者の方々の参考になれば幸いです!