自転車をこれらから始めようと考え中の女性の方は、「車道が怖い」のではないだろうか。



ママチャリで歩道を走り慣れている方なら、なおさらだと思う。車やトラックがバンバン追い抜いていく車道を走るのは、けっこうな決心が必要だよね。



オクサマも初めはそうだった。ボードウォークを買って、いざサイクリングに行こうとなったまではよかったものの、「車道はヤダ」と言って譲らない。


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※車道を走らずにどうサイクリングするつもりだったのだろうか……



「広い車道を走るから」とか、「交通量の少なめの道を選んだよ」となだめてもダメ。


「だって怖いもん (´・ω・`)」のひと言で、すべてが却下される。



これではサイクリングに行けないではないか…。ミニベロを買ってどうするつもりだったのかを尋ねたら、「歩道を走ればいいじゃん」とのこと。この答えにはズッコケてしまった。


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しかし、幸いにして自宅そばに芝川サイクリングロードがあったので、芝川沿いに走り、荒川に出ることができる。途中、横断歩道を数か所通過する必要はあるが、ほぼ車道を走らずに荒川(みはらし茶屋)までたどり着ける。みはらし茶屋を起点に秋ヶ瀬公園に向かったり、スカイツリーを見物しに行っていた。



で、どこに行こうとも、必ずみはらし茶屋まで戻り、そこから芝川サイクリングロードを走って自宅に戻る。このルートでない限り、オクサマは頑なにサイクリングをしようとしなかった。(「どんなに距離が伸びようとも、車道を走る恐怖よりはマシ」だったそうな)



いまでは車道にも慣れて、都内一周(70キロ程度)のサイクリングはできるようになったが、ここまで来るにはけっこうな時間がかかったのも事実。



そこでオクサマに、「具体的に、車道の何が怖かったの?」と問うてみたら、こんな答えが返ってきた。きっと、似たような問題(?)を抱えたご夫婦&カップルの参考になるかもしれない。


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※皇居(桜田門)にて



1.後方から(車やバイクに)猛スピードで追い抜かれるのがおっかない

死角から勢い良く追い抜かれるのが未体験で怖かったとのこと。たしかにこの気持ちは分からないでもない。



じつは、自分もミニベロに乗り始めて3ヶ月は都内を走ることができなかった。都内の交通量を見て、「こんなとこ走るの、自殺行為に等しくないか??」と恐れおののいたのだ。



今でも鮮明に覚えているが、ミニベロを買って3ヶ月目、それまで荒川と芝川のサイクリングロードしか走ったことがなかったのだが、意を決して一人で荒川大橋を越えてみた。



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赤羽岩淵駅前までたどり着いたんだけど、ダンプとトラックがけっこうなスピードで疾走するのを見て、「アカン、これ以上進めない……」と恐れおののき、そのままスゴスゴと引き返ってきたことがある。



慣れるとなんてことないけど、いきなり都内の交通量の多い国道を走るのはお勧めしない。まずは近所の交通量の少ない県道などから始めると良いと思う。


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2.車道のどこを走ればいいのかわからなくて落ち着かない

車道に慣れていない人の傾向として、“極端に歩道寄りを走る”がある。理由はカンタンで、車が怖いから無意識に距離を開けようとするのだ。しかし、車道のもっとも左寄りは自転車で走るのに適していない。というか、そもそも自転車や車の走行を意図したものでもない。



さらに、石ころや砂利が雨水で流されてきているし、ガラス片まで落ちていたりする。自転車好きには「道路の左隅を走るとパンクしやすいから避ける」のは常識だが、オクサマはそんなこと関係無かった。少しでも車と離れたかったのだそうだ。



「もっと車道の方を走りなよ。端っこだと危ないよ」と何度も伝えたものだが、なかなかオクサマは恐怖心が消えず、思い切り左端をノロノロと走っていたものだった。


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オクサマには再三再四、

  • 隅っこはパンクリスクが高まる
  • 自転車は車道を走ってもよい
  • 車からちゃんと認識されるよう、堂々と車道を走るほうがよい(ビクビク走られるほうが、むしろドライバーにはジャマ)
  • 後方の目視チェックをこまめにすべし


と伝えてきた。



ちなみに、自転車を運転しながら首をひねって後方確認する作業も、オクサマは怖がっていた。車のバックミラーに慣れきった人にとっては、いちいち振り返る動作すら「難しい」と感じてしまうものだそうで、今もあまり得意ではないそうな。


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3.車のサイドミラーに引っ掛けられそうで怖い

ボードウォークのハンドルはフラットバーだ。しかもデフォルトは(あらゆる身長に対応できるよう)かなり幅が広めになっており、たしかにハンドルが接触しそうで怖いと感じることがある。



自分のDahon(ダホン)のMu は早々にブルホーン化して、ハンドル幅を肩幅以下にしたため、狭い場所でも安心して走れるのだが、フラットバーではそうもいかない。



このことにはオクサマ本人も自分も長年気づけなくって、購入後4年以上経ってから、「ハンドルは広すぎて腕が疲れるんだけど、アタシの乗り方が悪いのかな…?」と相談を受けた。



「たしかにお前の言うとおりだわ。しかし、よくこの状態で4年以上も乗ってたな」って言ったら、「だって、自転車ってそういうものって信じて疑ってなかったんだもの」と返事が。


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※広すぎたハンドル幅をカットすることに



(初心者や一般女性など)自転車に詳しくない人は、与えられた状態のまま乗るのが当たり前であり、ポジションをいじるなんて思いつかないし、「パーツを切断する」なんて常軌を逸した行動は考えもつかないものなのだ。



で、ハンドルバーの両端とハンドルポストを、オクサマの体格にあわせて数センチ切断した。その様子は下記記事をどうぞ。

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ハンドルバーの短縮化が、じつは一番効果があった。



「車が怖い」、「どこを走ればいいかわからない」という最初の2つの理由は、つまるところ「(右手の)ハンドル先端がサイドミラーに引っかかりそう」に帰結していたのだ。この問題を解消したことで、オクサマは自信を持って車道を走れるようになった。いままでの説教と指導はなんだったのだ…とアゼンとするレベルである。


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※大喜びのオクサマ



恐怖心の根っこは、意外な部分にあったりすることをオクサマから学ばせてもらった。



男性諸氏におかれましては、(奥さんや彼女等)の発する「なんか、ヤダ」とか、「うまく言えないけど、乗り気じゃない」という言葉の裏に潜む、真の原因を根気よく探っていただきたい。もしかすると、我が家のように、本人すら気がついていないことが原因だったりすることもあるからだ。