産経サイクリストで連載させていただいている『私の落車』に3つ目となる記事、「トライアスロンのトレーニング中に乗用車と衝突 26日間の昏睡状態に…」を書かせていただいた。



事故られた方々の体験談をまとめ、コンテンツ化することで、事故を未然に防ぐことを目的にしていて、おかげさまでどの記事もよく読んで(&シェアして)いただいているのはありがたい。



さて、海外の自転車事故をまたしてもいくつか見つけたので、5つピックアップして紹介しよう。

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Cycle accident on camera, Collision with car




動画が始まって、いきなり6秒後に接触事故が起きる。自転車はさほどスピードは出していない状況で、対向車線からやってきたハッチバック車が右折するのだが、見通しがよいにもかかわらず自転車に気付かず跳ね上げてしまう。



車のドライバーは完全に視線が右を向いており、自転車を見落としている。自転車側からすれば、「オレが走ってんのに、なんで右折してくるの!?」って思っただろう。



自転車は日陰を走っており、さらにはドライバーには逆光で見えにくかった=誰もいないと判断した可能性がある。



自転車が学ぶべきは、「右折車は、自分を見落としているかもしれない」と頭の片隅にとどめておくこと。自転車から車が認識できていても、その逆もできているとは限らないからだ。



Cyclist - Pedestrian Accident




かなり横着なサイクリストが、車の間を高速ですり抜けるように走っている。ハンドサインはおろか、左右&後方の目視もほぼせず、どけどけーみたいなかんじ。見るからに危なっかしく、「こんな走り方をしていたら、命がいくつあっても足りないだろ……」とヒヤヒヤさせられる。


で、案の定、車と車の間を通って道を横切ろうとした女の子に追突。幸い、女の子は打撲だけで済んだようだ。 が、このサイクリストは反省の色を見せずに相変わらず危険な走行をし続けている。彼の行く末が心配だ…。



Car v cyclist




TTバイクで走ったり、ロードバイクで走るサイクリスト。けっこう速度を上げて走っている。幅寄せしてくる車に向かって、何度か叫んでいるが意味は聞き取れない。



動画開始後1分で事故発生。ものすごく見通しの良い道路で、対向車線から右折してきた乗用車に激突。直前でローディが急ブレーキをかけたが、間に合わない。身体を前方に投げ出され、地面に激突。



ローディからすれば、やはり「オレが見えないわけないだろ!?」って言いたくなるようなシチュエーションだ。



【事故らぬ先の杖】 車も自転車も、“相手の視点”をイメージすることが事故予防になる (ドライバー編)」にも書いたけど、車のドライバーって「早く道路を渡ってしまいたい」って心理があって、右折する先に目線が行ってしまうものなのだ。単純な見落としだと思う。あとは、ロードバイクのスピードを過小評価していたとか、だろうか。



Cyclist vs a Mirror




バス(左)とVWゴルフ(右)の間をクロスバイクで併走するサイクリスト。車と車の間を走るのは非常に危険な行為。車がちょっとでも寄せてきたら、逃げ場がない。



信号は青なので、サイクリストはそのままゴルフとバスの間をすり抜けようとしたが、右側を走っていたゴルフの前のワンボックスカーが右折しようとスピードを落としたため、ゴルフが停車。で、サイドミラーがハンドルにひっかかり、危うく転倒しかける。(が、なんとか持ちこたえる)



幸い、怪我はなかったものの、左側に車が突っ込んできていたら、轢かれていた可能性は大だ。ノロノロ運転する車の間をすり抜けたくなる気持ちはわからないでもないが、危険な行為なので慎みたい。



Getting Doored by a Taxi at Union Square




動画は長いが、事故は36秒時点で発生する。ユニオンスクエア(ニューヨーク)でバイクレーンを走行中のローディが、右側に駐車中のタクシーから開いたドアに激突して落車。



「ヒザに違和感を感じる」とは話しているが、大怪我はなく、すぐに立ち上がる。周囲の歩行者がすぐにかけより、「大丈夫?」、「救急車呼ぼうか?」と声をかける。



で、タクシーの運転手(英語を流暢には話せない外人さん)との口論発生。

  • ローディの主張  「バイクレーン上でドアを開けてはいけないってルールがあるのに、破ったドライバーが悪い」
  • ドライバーの主張 「自転車が見えなかった。客が勝手にドアを開けたのであって、自分が指示したわけではない」
  • 乗客の主張    「自転車が来ているとは想像もしなかった。駐車したから、ドアを開けても良いと判断した」


と議論はかみ合わない。



あまつさえ、ドライバーは「ドアがへこんだ、弁償しろ」と客に詰め寄る始末。そして泣き出す乗客(若い女性)



周囲は「Twitterに書け!」、「Facebookにポストしろ!」とヤジを飛ばす有様。中にはお菓子をボリボリ食べながら見物する人もいたりする(苦笑)。



ニューヨークに限らず、「タクシーのドアはサイクリストのお構いなしに開くもの」くらいの心持ちで走ったほうがよい。スピードを落とし、マージンを取っておきたいものだ。もちろん、ふつうの乗用車やトラックも同じ。



このローディは事故後、事の顛末をウェブサイトに載せ、動画がかなり拡散されたようだ。本名も顔出しもしている。


20150927_122730



事故に遭って楽しことはひとつもない。



どうか皆さまも動画の事故を他人事と思わず、いつ我が身に起きてもおかしくないと肝に銘じつつ、安全運転でお過ごしいただきたい。