自分はソロでマイペースで走るのも、仲間とグループでツーリングするのも好きなんだけど、初対面の方といっしょに走るときは、ちょっと緊張する。



走りながらの意思疎通ができるかどうかを気にしてしまうのだ。うまくできないと、事故や落車の原因になるからね。

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※街中の集団走行はかなり気を使うよね。


グループライドでの走行中のコミュニケーション手段は大きくふたつあって、ひとつは声、もうひとつはジャスチャー。あるいは両方のコンビネーション。



サイクリングティップスという海外の自転車メディアに、「How To: Verbal and Non-Verbal Communication(言語&非言語コミュニケーションのノウハウ)」という記事があって、参考になったので翻訳しつつご紹介したい。



まずは言語編。


ローリング!(ROLLING!)

赤信号で止まるのは常識だけど、トレイン走行中の急停車もじつは危ない。たとえば、自分がトレインの先頭で走って(しかもけっこうなスピードで)いて、後ろに数人並んでいたとする。


あなたが交差点に差し掛かる手前で黄信号になった場合、急停車するのがよいか、そのまま走り抜けるほうがいいかは判断が難しい。道交法を順守するなら、停車するべきだろうが、後続が間に合わず、追突&落車という事態もありえる。


場合によっては、そのまま走り抜けたほうがよい場合もある。そういうときは、「ローリング!(ROLLING!)」と言って、ペダリングを止めずに、渡り切る。


クリアー!(CLEAR!)

信号のない交差点で、車は来ていないので横断できると先頭が判断したとき、「クリアー!」と言う。


このとき、「ゴー!(Go!)」と言ってはダメ。なぜなら、「ノー!(No!)」に聞き違える可能性があるから。英語の場合だけでなく、日本語でも聞き取りにくい言葉はあるよね。「(安全なので)行きまーす」と「(車が)来まーす」は似ているわりに逆の意味だし。



カー バック!(CAR BACK!)

車がトレインを後方から追い抜こうとするとき、最後尾のライダーが前に向かって、伝言ゲームよろしく「車が来たよ」と伝える言葉。


スローイング!(もしくは)ストッピング!(SLOWING! or STOPPING!)

赤信号に引っかかり、わりと急停車しなければならない状況では、「ストッピング!」と後続に伝える。手のひらを広げて、上下させることで「スピード落とせ」というメッセージになるので、余裕があるときは言葉とジェスチャーのコンボでおこなうのもOK。


カー アップ!(CAR UP!)

トレインを組んで走ってて、側道に車が駐車してあった場合、「カー アップ!」と言って、後続に「避けてね」と伝える。手を平をヒラヒラさせて右(or 左)に避けろとサインをしてもよし。


ライダーズ アップ!(RIDERS UP!)

「ライダーズ アップ!」は高速トレインで走っていて、前方の別のグループを追い抜きたいとき、後続に知らせる言葉。



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※ただ、人数が増えると、言葉で意思疎通するのは限界がある。あと、街中は雑音&騒音も多く、聞き取りづらいことも。



お次は非言語(ジェスチャー)編


前方に側溝あり

前方に溝など避けるべき物があった場合、指先で移動するべき方向を指し示す。 こういうハンドサインは初めて見た。自分の周囲でよく見るのは、「手のひらを後ろに向けて左右に振る」だね。


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障害物&危険物

路面に危険な障害物や穴があった場合、指先で指し示す。後続が余裕を持って避けられるよう、直前ではなく、十分な距離をおいて知らせよう。直前にサインを出されると、慌てさせることになる。


ガラス片&砂利

ガラス片や砂利を見つけた場合。上記の障害物の場合に似ているが、ちょっとちがうバリエーション。点で指し示すのではなく、指を地面に向けてクルクル振って、「広範囲で注意ね」という意図を伝える。


先頭交代

肘を動かし(外に開き)、後ろを走るライダーに「先頭を牽いてくれ」と合図する。 本格的にトレインを組んで走ることをしないので、こういうハンドサインがあるってことは知らなかった。日本でも通用するのだろか?


パンク

片手を挙げ、「パンクした」とアピール。ペダリングを止めて直線に惰性のまま走り、後続の仲間を先に行かせてから停車する。




以上、サイクリングティップスの声とジェスチャーのコミュニケーションの記事の翻訳紹介でした。

自転車事故の法律相談 (法律相談シリーズ)



※こういう書籍のお世話には、なるべくなりたくないものだ……。



なお、ハンドサインに関する個人的な心がけとして、「ダウンヒル中はハンドサインを出さない」と決めている。なぜなら、高速移動中の片手運転はかなり危険なので。



同じ理由で、後ろを振り返ることも基本的にはしない。一瞬のよそ見が命取りにもなるから。ダウンヒル中は、己の走行にのみ神経を集中させ、後続はあまり気にしない。(したくでもできない)



ということは、自分の前方を走る人も同じ事情であることは容易に想像がつく。よって、ダウンヒル中は人にくっついて走らないほうがいいだろうと思い、わざと距離を開けて下るようにしている。


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乗車中のコミュニケーションはむっさ大事。初対面でお互いをよく知らないまま走りだしてしまうと、ハンドサインを出すのか出さないのか、理解し合えるかどうか不安を抱えたままになってしまうこともあるだろう。



恥ずかしいからハンドサイン出さないとか、声での意思疎通をためらうのはご法度ね。サイクリングはケガなく、楽しく終えるのが鉄則なので。


画像引用元

How To: Verbal and Non-Verbal Communication